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Fri, 06 February 2026

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鈴木ナオミさんインタビュー :英国で活動するマルチ・タレント

鈴木ナオミさんインタビュー

渡英後すぐに発売されたCDが英国のクラブ・チャートにランクインし、BBCがドキュメンタリー番組を放映、英国の名優ヒュー・グラントと映画で共演するといった華やかな経歴と、その裏側にあった転落、そして歌手としての再起。成功と失敗、栄光と挫折の物語が凝縮された、英国で活動するマルチ・タレント、鈴木ナオミさんの波乱万丈の半生を紹介する。

歌手、女優、司会者としてヨーロッパで活動。ロンドンから日本に向けて、ロンドン情報を発信するラジオ番組「ナオミのLONDON CALLING(FM軽井沢)」のパーソナリティー*1 としても活躍中のマルチ・タレント。7月にリリースされた新ユニット「AJ UNITY」のデビュー・アルバムがUK のメディアで絶賛される。10月に2ndシングルをリリース予定。また日本の企画制作会社「ポマトプロ(www.pomato.co.jp)」のUK 支社POMATO UK LTD の代 表として、プリンセス・ダイアナ展や世界子供の絵博覧会「えとことば展」を企画・運営するなど、クリエーターとして も活動している。自身が代表を務める音楽制作会社「NANA MUSIC UK LTD」*2 にて、アーティストの育成も行っている。
鈴木ナオミのサイト www.sweet-naomi.com
新ユニット「AJ Unity」のサイト www.ajunity.com

*1 FM軽井沢のパーソナリティー 「ナオミのLONDON CALLING 日本時間土曜午後2時放送」。鈴木ナオミのサイトの「最新ニュース」から過去の放送が聞ける。またFM軽井沢のサイトでは、リアル・タイムで聴取可。

*2 「NANA MUSIC UK LTD」。独自のレーベルを立ち上げ、アーティストのプロモート、育成なども行っている。レッスンやプロモーション活動などに興味のある方は、NANA MUSIC UKのサイトを参照。

生まれながらにして

2歳のときから、「スター」だった。

町内会のパレードで踊る姿を見た人が、「将来、絶対に芸能人にした方がいい」と親を説得しに家にまで訪問に来た。「普通2歳ぐらいだと、お祭りで踊るって言っても、よちよち歩きながら手を振ったりしているだけじゃないですか。私は既に持っていた『決めのポーズ』を披露していたみたいです」。

物心付いたときには既に通い始めていたというエレクトーン教室では、「20年に一人の逸材」と言われる。中学校3年生のとき、「そんなことする必要は全くないのに、足を派手にぐるぐるかき回してペダル鍵盤を踏むような」演出をして、米国のジャズ・ピアニスト、デューク・エリントンの代表曲である「キャラバン」を弾き、コンクールの九州大会で優勝した。

粉々に砕けた腕、そして自信

やがて音大への入学を目指すようになった「神童」は、しかし、間もなくして、挫折を経験する。それも、文字通り、粉々になるまで。「3階建て分ぐらいの高さがある歩道橋の上で、妹と遊んでいたんです。そしたら橋の上から落っこちてしまって。2、3日間意識をなくして、さすがに親は私が死んだと思ったみたいです」。

命は助かったものの、腕全体の骨はぐちゃぐちゃ。医師が一度は切断を勧めるほどだった。1本1本の指を動かすリハビリに何カ月も費やした後に何とか音大に入ったが、その頃にはもう、状況は随分と変わっていたという。まず、ピアノを練習しようとすると、手にしびれを感じる。練習がすっかり嫌になってしまった。学内で開催されるピアノのコンクールでの成績は最悪で、ますます嫌になるという悪循環が繰り返されていく。

ちょうどその頃、学校に芸能コースが新しく設立され、「歌手と司会者」を育成するコースの1期生となる。歌い方やマイクの持ち方はもちろん、立ち方、歩き方からアイウエオの発声練習までを行うこのコースの先生が、とにかく厳しかった。「『あんたなんて全然歌手に向いてない』って言われました。お腹ガーン蹴られて、最後にはもう『帰れ』って教室から追い出された」。

とりわけ、高音の限界に到達したときの歌い方を厳しく指摘された。「逃げる歌い方をしている。それはあなたの生き方そのもの。あんた1回ここで逃げたらもう二度と同じ高さの壁を越えられないわよ」。そう言われたとき、今まで逃げてばかりいた自分に気付いたという。そして、歌うのが怖くなるくらいまで、その壁に真っ直ぐに立ち向かってみようと決めた。すると、不思議なことに、少しずつ歌を、そして音楽をまた好きになっていった。

「なんちゃってアイドル」時代

恩師と慕う先生の厳しい指導のお陰もあって、やがて、音大生を続けながら、アニメ・ソングやコマーシャル・ソングを歌う仕事が入ってくるようになった。本人の言葉を借りると、「なんちゃってアイドル」だ。「ほかの同年代の友達が、喫茶店やコンビニで時給数百円のアルバイトをしているときに、コマーシャル・ソング1本歌って50万円とかもらえる。芸能人とも会える。とにかく楽しんでいました」。

イベント出演の仕事も多くあった。デパートの屋上で行われる戦隊ショー。一般に「営業」と呼ばれる、伍代夏子や五木ひろしといった演歌歌手たちの地方公演の前座。そうした場で、「今振り返るとあまりに場違いな」、マライア・キャリーやホイットニー・ヒューストンといった、米国のR & Bの曲を歌っていたという。

ここで、話は急展開を迎える。

ある日、彼女のショーを見終わったばかりの英国人プロデューサーが近寄ってきて、初対面の彼女に、「英国でデビューしてみませんか」と言う。「『へ?』みたいな。さすがに、自分が世界の舞台で歌うレベルじゃ全然ないことは分かっていましたし」。当然のことながら、話を聞いた両親は引っくり返った。そもそも自分自身が、眉に唾を付けてもまだ信じられない。ところが、その音楽プロデューサーからは以後、毎日のようにFAXが送られてくる。英国デビューまでの道のりを示した企画書が送られてくる。新曲が決まったとの報告が来る。最後には、英国行きの航空券が送られてきた。

「私、スターだ」

「日本でアルバイト感覚でアイドルとして働いていたら、会ったばかりの外国人に英国デビューの話を持ちかけられ、渡英することになった」。そう聞けば、「何か騙されているのでは」と考えるのが常識的な感覚だろう。だが現実は、明らかに一般常識を超えていた。

「帰って来なかったら警察に連絡してね」と茶化した言葉を友人に言い残して成田空港から旅立ち、ヒースロー空港へと到着。客室乗務員と挨拶を交わして搭乗口を出ると、何台ものテレビ・カメラが待ち構えていた。聞けばBBCによるドキュメンタリー番組の撮影だという。「あまりに騒々しすぎて、入国審査でつかまっちゃって(笑)。なかなか空港を出られませんでした」。

ロンドン市内に着けば、ハイド・パークの向かいにあるホテルの一室が用意されていた。当然、宿泊費は会社持ち。食事代として、数百ポンドを毎日ぽんとくれる。

仕事の方でも万全の準備が整えられていた。渡英3カ月後に控えたCDリリースに向けて即日、活動を開始。バック・ミュージシャンはもちろん、プロモーション・ビデオの収録を一緒に行うためのバック・ダンサーも手配済みだった。そのとき思ったこと。「私、スターだ(笑)」。

「日本への逆輸入」という夢

英語は全くと言っていいほど、話せなかった。「当時に受けたインタビュー映像を観ると、『Uh-Huh』『Mmm』『Yeah』の3語ぐらいしか言ってないんです(笑)」。

前述のBBCによるドキュメンタリー番組には、もはやコメディーとしか思えないような失態が記録されている。レコーディングの最中で、「エコーヲ、モットアゲテクダサーイ」と外国人訛りになっただけの日本語を大声で話す。インタビューで、「Have you been to US?」と問われた際に、得意の「Yeah」で返したものの、続けざまに「Where?」と尋ねられて、「China」と答えてしまう。慌てたバック・ダンサーの一人に、「You have been to Chinatown, right?」と助け舟を出される始末。英国の国営放送で流される映像としては、なかなか衝撃的な内容である。

では、英語もろくに話せない、日本国内でさえほぼ無名と言っていいほどの日本人歌手が、なぜ英国でデビューを飾るに至ったのか。その理由は、先の音楽プロデューサーによる、日本人歌手を使っての目論みにあった。つまり、「日本から連れてきてたアーティストを英国でデビューさせ、日本へと逆輸入する」というマーケティング戦略を描いていたのである。

この夢は、すぐに現実味を帯びてくる。用意周到なPR活動も手伝い、デビュー・シングルは英国のクラブ・チャート12位へとランクイン。そのニュースを耳にした日本のレコード会社が、1億円の予算を確保するから、日本で売り出したいとの申し出を寄せてきた。その資金を使って、カイリー・ミノーグなどの作品を手掛けてきたジェームズ・テイラーを含む著名音楽プロデューサーたちを結集させてのアルバム制作が始まった。さらに、5分に1回はかかるという、ヘビー・ローテーションのCMソング採用の話も決まる。日本への凱旋帰国というプロジェクトは、実現に向けて着々と進んでいった。ある一人の関係者が、1億円を持って逃げるまでは。

今週のお勧めCD
渡英直後、デビュー曲を「今週のお勧めCD」として取り上げた
ロンドンのレコード店で撮影したときの写真

ビギナーズ・ラックの終焉

その「関係者」とは、日本人の音楽プロデューサーだった。「日本人アーティストの逆輸入」との構想を立ち上げた英国人プロデューサーと、1億円の予算を確保した日本のレコード会社の間を橋渡しした人物である。

日本への逆進出に向けてまずは英国での知名度をさらに高めようと、日本のレコード会社が提供した1億円のプロモーション費用が、突然消えた。レコーディングした曲が、「制作料の未払い」を理由にリリースされない。これまで応対してもらっていた担当者が、責任を取らされて解雇となる。自分を取り巻く周囲の信頼関係は、一気に崩壊。「一体誰のせいだ」と自分を責める声が聞こえた気がした。

彼女のビギナーズ・ラックは、渡英1年も経たないうちに、こうしてあっけなく終わった。

立ち位置は違うけれど

汗水垂らして努力したことがなければ、高度な策略をめぐらす経験値もなく、失敗の恐怖さえ知らない無垢な初心者が、往々にして手にする幸運。世間では「ビギナーズ・ラック」と呼ばれるこの代物は、いくつかの特性を持っている。決して長くは続かない。いずれ失う。見放されてしまったら、もう戻ってこない。

所属レコード会社との関係は一旦切れてしまったが、「そのままただ日本に帰るというのも何だか悔しかった」から、英国に残ることにした。語学学校で一から英語を学び、日本のオーディション番組に参加しているうちに、主にレコーディングを目的としてロンドンへ来る日本人ミュージシャンに付き添う、コーディネートの仕事が入るようになった。「レコーディングというのは、本当に繊細な作業です。特に外国語でのやり取りとなると、その繊細さが増します。普通に通訳するだけでは伝わらないものがある。幸い私は、渡英当初に右も左も分からないままそうした環境に揉まれる機会を得たので、スタジオ・ワークの雰囲気は十分知っている。私が歌手として活動する場が少なくなったとしても、他の歌手の人たち の作品作りに参加することで、好きな仕事を続けられるような気がしたんです」。

それまで何もかもお膳立てしてもらっていた自分が、いつの間にか、お膳立てする立場になっていた。宇多田ヒカル、矢井田瞳、小柳ゆきといった日本の音楽界を代表するそうそうたる面々が、レコーディングのため頻繁 にロンドンを訪れる。そうした歌手たちが音楽活動に専念している様子を見て、多少の嫉妬を覚えたことがないとは言わない。でも彼女たちのレコーディング作業に何度も立ち会ううちに、「立ち位置が違うだけで、自分も作品作りをしている」と思えるようになった。またそうした歌手たちが日本の歌番組で「ロンドンのレコーディングでお世話になった人がいましてね」と言って自分への感謝の気持ちを述べているのを知って、勘当扱いしていた両親も、応援してくれるようになった。

気付けばもう、ビギナーズ・ラックなんか、必要としていなかった。

今まで頑張ってきたご褒美

日本人歌手たちのレコーディングの手配を主とするコーディネートの仕事を続ける傍ら、ロンドン在住の日本人を対象とした歌謡ショーを開催するなどして歌手としての活動も続けているうちに、再び一つの転機が訪れる。

2008年から日本各地で開催された、「プリンセス・ダイアナ展」がきっかけとなった。1997年の自動車事故で亡くなったダイアナ元妃の写真やドレスを展示する このイベントの企画・運営に関わった際に、同展のテーマ・ソングが作られると聞きつけ、「じゃ、私がやる!と手を挙げた。「今まで頑張ってコーディネート業務をこなしてきたご褒美」だと思った。

そして、日本への逆輸入を目指していた渡英当初以来となる、自身のレコーディング作業が始まった。もう、英語の初歩的な間違いを直してくれるバック・ダンサー たちはいない。ヒット・チャートを賑わす大物歌手たちを手掛けてきた著名プロデューサーが結集するということもない。そもそも、レコーディング・スタジオが狭い。

でも、今度は確実に、自分で掴み取った夢だ。自分自身がプロデューサーも務める。アルバムのコンセプトも、「AJ UNITY」と名付けたユニットのメンバーも、全部自分で決めた。日本で先行販売されたCDが英国でも発売されると、いくつかの業界誌が好意的に取り上げてくれた。ビギナーズ・ラックじゃないとしたら、今回の幸運は、一体何と呼べばいいのだろう。

ジャック・アザグリー氏と
故ダイアナ元妃が愛用したドレスを数多く提供した英国人デザイナーの
ジャック・アザグリー氏と、プリンセス・ダイアナ展にて撮影

 

愛犬のヨークシャー・テリアを連れて、家の近くの公園をよく訪れる。いつも、その公園に咲いているシロツメクサについ目が行く。悲しいことに、そのうちのどれかは、ほぼ必ず、誰かに踏まれてしまう。でも次の日に行くと、その花はまた咲いている。あまり目立たないけれど、近付いてよく見てみると、白くて繊細な、かわいい花だ。ちょっと自分ぽいなと思う。だから近寄ってみて、「今日も頑張って咲いているね」と声を掛けてあげる。

「何か目標を持ってロンドンに来てはみたものの、挫折して、あきらめて帰っていく人というのをこれまで何人も見てきました。でも、あきらめないで頑張って欲しい。あきらめないで夢を追い続けていれば、叶うって私は信じています、継続は力なり!」。

この名もなき幸運は、あのシロツメクサのように、小さく美しく、何度でも咲かせてみたい、と思う。


1. ユニット「AJ UNITY」結成
プリンセス・ダイアナ展のテーマ・ソングを作ることになったのをきっかけに、彼女を彷彿とさせるような、「エレガンス」「ビューティー」というテーマの下で、「Sweet Roses」と題したアルバムを作ることになりました。そのために結成したユニットが、この「AJ UNITY」です。ユニットのメンバーは、ロンドン在住の日本人の皆様を対象とした歌謡ショーでも一緒にお仕事をしたことのある、オーストリア人スタジオ・ミュージシャンのフィリップ君。またピアノは、天才肌のキーボード奏者である深町純さんにお願いしました。

2. リチャード・カーペンターとのデュエット
リチャード・カーペンターとコーディネートの仕事を続けていく中で、「トップ・オブ・ザ・ワールド」などの名曲を残した兄妹デュオ「カーペンターズ」の兄であるリチャード・カーペンター氏とお仕事する機会に恵まれました。妹のカレンの死後、沈黙していたリチャード氏が音楽活動の再開を宣言した際に、日本での復帰プロジェクトのお手伝いをすることになったのです。しかも、一緒にデュエットまでしたんですよ!ある新聞社との取材を終えた後に、「あなたは何かカーペンターズの曲を歌えますか」と尋ねてくれたので、「もちろん、全部歌えますよ」と答えるや否や、彼はもう「青春の輝き(I need to love)」の伴奏を弾き始めていました。その伴奏に乗せて、歌ったんです。しかも、リチャード氏のバック・ボーカル付きで。感動のあまり、涙が出てきてしまいました。

3. ヒュー・グラントと共演
ヒュー・グラントと日本でも人気を集める英国人俳優のヒュー・グラント氏とは、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」で共演させていただきました。その映画のオーディションに行ったら、すごいプロポーションのモデルばかり。しかも審査員の方々は、「あなたにとって愛とは何か」といったような深遠な問いを投げ掛けてくる。明らかに場違いでした。すっかりやる気をなくしてしまって(笑)、私は「I love a dog」と言ってさっさと帰ってきちゃった。なのに、オーディションは合格。その時点では、共演する役者さんの名前も「ヒューなんとかさん」とだけしか覚えていなかったので、撮影現場にあのヒュー・グラント氏が現れたときは、たまげました。

4. BBCのドキュメンタリー番組への出演
詳細は本文参照。

5. ジャパン祭り 
今年もメイン・ステージの司会

ジャパン祭り9月18日のジャパン祭にて、「ナオミ劇場歌謡ショー」を開催します。90年代の懐かしいJ-POPナンバーと、「AJ UNITY」のアルバムの中から10月にリリースされる2ndシングル「Jupiter」をセクシー・ダンサー(Himawari Dancers、ベリー・ダンサー、盆踊りダンサー)と共にお届けします。またダイアナ妃のメッセージが入った、日本でリリースされた限定アルバムを同会場のストール(JP-BOOKS)で購入できます。

ジャパン祭り
昨年3万5000人を集めた、ロンドン中心部の巨大な会場スピタルフィールズ・マーケットで行われる、日本をテーマとしたフェスティバル。海老原駐英大使や、ハント文化・スポーツ・メディア相も参席予定。当日のボランティアも募集中。
日時: 9月18日(土)10:00‐21:00
(「ナオミ劇場歌謡ショー」の開演時刻はサイトを参照)
http://japanmatsuri.com


Sweet Roses amazon.co.uk amazon.co.jp

 

英国の運河をカヌーで渡る72歳 - 吉岡嶺二さんインタビュー

英国の運河をカヌーで渡る72歳 吉岡嶺二さん インタビュー

ロンドン中心部リージェンツ・パークのそばに、「リージェント・カナル」と呼ばれる運河が通っている。小川とも形容できそうな、細く、流れの緩やかなこの河は、やがてグランド・ユニオン・カナルと呼ばれる全長220キロの運河に合流し、イングランド中部の工業都市バーミンガムまで続く。この運河をカヌーで渡る旅に挑戦する、72歳の日本人男性がいた。カヌーでの日本一周を達成し、カナダ、欧州と旅してきた吉岡嶺二さんが英国運河の旅に出掛けるまでの日々に密着した。

(本誌編集部: 長野 雅俊)

吉岡 嶺二(よしおか・れいじ)
1938年に旧満州ハルビンに生まれる。早稲田大学卒業後、大日本印刷入社。会社員時代に、週末や夏休みを利用して、カヌーでの日本一周を始める。定年後は、カナダや、フランス、オランダを含む欧州を縦断するカヌー旅行を行っている。神奈川県在住。72歳。
吉岡さんによるカヌー旅行の航路

捕鯨船の砲手になりたかった

南アフリカで開催されたサッカーのワールド・カップ、イングランド対スロベニア戦が行われた6月23日、午後。市内のパブから漏れてくる歓声や罵声が炎天下の路上にまで時折こだまする中、ロンドン中心部オックスフォード・ストリートに建つ格安デパート「プライマーク」の客足は、さすがにまばらだった。

「サッカーにはあまり興味がない」という吉岡さんは、この店で、これから約2週間にわたる水上の旅に必要な備品を物色していた。「これいいなあ」と言いながら鮮やかな虹色のタオルを手に取ったので、「最近では同性愛の象徴色ですよ」と伝えると、「じゃ、買っちゃおうかな」と笑って答える。結局、別のタオルとサンダル、Tシャツを購入して店を出た。

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小さいときから、海が大好きだったという。湘南の海辺で育ち、中学校時代の作文には、「捕鯨船の砲手になりたい」と書いた。だが近眼が足枷(あしかせ)となった上に、商船大学への入学に必要な理数系の科目が、「極端に駄目だった」。結局、早稲田大学を卒業後に、日本の2大印刷会社とされる大日本印刷に就職する。

「私、会社でネクタイを締めなかったんですよ。それでよく怒られましてね。人事部に呼ばれて、ダーク・スーツ着てきなさいってしょっちゅう言われていました。それでもネクタイしなかったけど(笑)」。

「ネクタイを締めない社員」は、30代後半になり、カヌーを趣味とするようになる。「当時は、趣味でカヌーに乗る人なんてほとんどいませんでした。ゴルフを1回するのに3万円ぐらいかかっていた時代です。カヌーにかけるお金といったって、ほとんどが家からカヌーに乗りに行く海までの旅費で、それが1回につき往復で3万円ぐらい。月1回ゴルフするのと一緒じゃないかって、周囲には言っていました」

41歳になったとき、太平洋を介して、鎌倉から京都までをカヌーで渡ってみた。この旅の成功をきっかけとして日本一周を目指すようになるのだが、サラリーマン稼業なので、旅に出掛けられるのはもっぱら週末や日数の限られた休暇期間のみ。そこで思いついたのが、「建て増し住宅方式」だ。旅の行程を週末や休暇ごとに分割し、ある週末に辿り着いた終着地点が、翌月の休日に行う旅の出発地点になるという方法で、鎌倉から京都までの旅に続いて今度は鎌倉から青森までを漕いで、本州の太平洋側を制覇。その後、日本海側を行き、本州一周を完結。さらに、九州一周、四国一周、北海道の南半分を周って、定年になった。最後に残されていた北海道の北半分及び沖縄の本島を漕いで、23年かけて日本一周をついに遂げた。その間に韓国の済州島(さいしゅうとう)でもカヌー旅行を楽しんでいる。

プライマークにて
格安デパート「プライマーク」で買い物

「London」の字
これまで訪れてきた街の名が記されたカヌーに、
「London」の字を書き込む

カヌーの組み立てを行う吉岡さん
リージェンツ・パークで朝のジョギングを楽しむ人が、
カヌーの組み立てを行う吉岡さんを横目で見ながら通り過ぎていく


オックスフォード・ストリートから、ピカデリーにあるアウトドア用品専門店「コッツウォルド・アウトドア」へと徒歩で移動。ガム・テープ、折りたたみ布バケツと、マット代わりになるウレタン・ロール・シートを購入する。ロンドンでの現地調達を予定していた備品をひとまずすべて揃えたところで、今度はすぐ近くにある紅茶販売の老舗「フォートナム & メイソン」のカフェで一服することになった。「家内が紅茶好きでしてねえ」と言って、また話し始める。

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2001年に定年退職すると、カヌーに捧げることのできる時間が一挙に増えた。「定年退職した翌日に、奄美でカヌー・イベントがあったんですよ。家内と2人で行って。2人乗りのカヌーの後ろに、家内を乗せました。『お前は荷物だよ。俺が漕ぐから』って言ってね」。その日、自分が定年を全うしたことを実感したという。「普段だったら、そのカヌー・イベントが終わったら、職場にとんぼ返りするんです。でもその日は奄美の民宿に泊まったんですよね。もう次の日に出社する必要がないから」。

やがて、カヌーの旅は海外に場を移すことになった。まずは、息子さんが在住するカナダのトロントに接するオンタリオ湖から大西洋までの1300キロの運河。次に欧州はオランダのアムステルダムからフランスのマルセイユまでの運河を2000キロ。そして今度は、産業革命発祥の地として広大な運河網を誇る、英国に乗り込んできたわけである。

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翌々朝。午前7時に吉岡さんが宿泊しているホテルに赴くと、彼は既に、「プライマーク」で買った速乾仕様の黒い長袖の服に着替えて、ホテルの入り口前で待機していた。「行きましょうか」と言って、運搬用の車輪に乗せたカヌーの備品一式を引きながら道路の上を歩き出す。これから出勤するところなのであろう、すれ違う通行人たちの目が、カヌーの行方を見つめていた。

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休みを取ってカヌーの旅をすることに対して、会社の同僚の人たちの理解は得ていましたかと聞くと、「300日だけです」と言う。カヌーを始めたのは39歳のときで、退職したのが62歳だから、その間の勤続年数は23年。つまり約7000日働いて、旅に費やした日数は300日だけという意味だ。

 

「私、仕事大好き人間でしたからね。私たちの時代は、仕事が楽しかったんですよ。今の管理職の人たちは、どの部から何人減らせだとか、そういう話ばかりでしょう。辛いだろうな。他人を苦しめて、そして自分を苦しめるのが仕事の一つになっているんじゃないかなあ。嫌な時代になったと思うけど。私たちは高度成長の時代ですからね。頑張れば、頑張っただけの結果が出た。給料は、もともと少なかったっていうのもあるけど、アップ率だけは一丁前でしたから。その代わり、働きましたよ。100時間残業なんてもんじゃないです。土曜日は皆勤の時代でしたし。週休2日制になっても、土日とも皆喜んで出勤していた。だからカヌーの計画がおじゃんになってしまうことはよくありましたよ。それが、時代が変わってきて、休みが取りやすい世の中になってきた。『吉岡君、そろそろカヌーに行かなくていいの』なんて上司から逆に聞かれるようになってきちゃった」。

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ホテルから5分ほど歩いてリージェンツ・パークに到着すると、吉岡さんは、組立式のカヌーの備品一式を芝生の上に広げた。頭上を舞う大量の蚊を両手で追い払いながら、組立作業を行う。その間、早朝のリージェンツ・パークを駆け抜けるランナーたちが、訝しげな視線を時折送りながら、走り去っていく。「ナイス・ボート!」と一声かけていくスーツ姿のビジネスマンもいた。最後には、「この公園で一体何しているんだ」と言って、公園の管理人から注意を受けてしまったのだけれど。

1時間くらい経つと、カヌーの組立作業が完了した。さっきまでばらばらだったアルミと布でできただけのものが、よく水に浮かぶなあと、ちょっとした感慨を抱いてしまう。カヌーの布地部分には、これまでの旅で訪れたいくつもの地名が書き込まれている。万が一のときのために、日本の家の住所も記されていた。

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会社の同僚の理解は得ていたとして、休日をすべてカヌー旅行に捧げられてしまったご家族の方はご不満だったんじゃないですかと聞くと、またしても答えは否だった。「子供の運動会や授業参観のときは日程を入れていませんでした。毎週休みをつぶしたというわけではありません。そもそも、私がカヌーを始めたのは39歳になって以降で、日本一周の旅に出たのは41歳ですから。子供たちもそこまで手がかからなくなっていて、その頃にはもう学校の部活に一生懸命になっていました」。

実際、吉岡さんのカヌー生活に対して、ご家族はすっかり慣れっこの様子だった。渡英前の、Eメールを使わない吉岡さんに代わって、現在は既に結婚されている娘さんを通して連絡する機会が何度かあったのだが、それらのメールの末尾には、いつもこんな文面が添えられていた。「娘の立場から、こんなに早くにご連絡をするのは、いかがなものかと思ったのですが、なにぶん年寄りなもので、早めの準備をしないと不安があるようです。申し訳ございません」「なにぶん老人で、無鉄砲、かつ失礼の多い父ですが、どうかお付き合いくださいませ」。

カヌーに空気を入れ込む
組立式のカヌーに空気を入れ込む

カヌーを運ぶ
車輪に乗せてカヌーを運ぶ


ロマンティック街道にも行きたい

組み立てたカヌーを再び運搬用の車輪に乗せて、リージェント・カナルまで運んだ。ロンドン動物園前からの出発だ。隅々まで最終点検を行った後、いよいよ運河にカヌーを下ろす。船体が、水に浮かんだ。

吉岡さんは、「それでも絶対何か忘れちゃうんですよね」と苦笑いしながら、最後に忘れ物がないかもう一度だけ確認した。そして、日の丸が結び付けられたパドルを漕ぎ出す。こちらは、もう少しだけ写真撮影したいからと断って、側道を歩きながら、水上の吉岡さんを追いかけていくことにした。

「少し慣れるまで時間がかかるかな」と言いながら、時折、蛇行してみたり、180度回転してみたりしてくれる。「いよいよ英国運河の旅が始まりましたね」「そうですね」「どんな気持ちですか」「楽しみだなあ」などといった何気ない言葉を水陸間で投げ合いながら、運河上を進む吉岡さんとの会話はもうしばらく続いた。

吉岡さんはヨットも趣味としていて、自宅から歩いて行けるハーバーを頻繁に訪れている。「週に3日か4日ぐらい通っていますかね。船を出さなくても、仲間が集まってくるんですよ。外国人も含めて。最近は、米国のアリゾナから来たという方が、よくハーバーに来てくれます。新しい友達がこの年になってもできるというのは、ありがたいことですね。維持費は、年間14万3000円です。その程度のお金で1日中遊ぶことができる日が続くんだからいいですよ。お酒ですか?はい。飲みますねえ。というか、それが楽しみでやっているんだけれどもね(笑)」。

2006年から始めた、アムステルダムからマルセイユまでの欧州運河の旅でも、現地の人々と知り合い、友好を深める機会があったという。ブルゴーニュ運河を2人で一緒に渡ったという、ベルギー人との出会いもあった。「本当は、今回の英国運河の旅にも彼には同行してもらいたかったんだけどね。どうしても予定が合わなかった。彼とはいつかドイツのロマンティック街道の辺りにも行きたいな。あの古城の河を渡ってみたい」。

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側道から水上の吉岡さんを追いかけ始めて、数十分が経っていた。「この先、河沿いの道は行き止まりになっていますから、迂回してまた戻ってきてください。私はゆっくりとこのまま河の上を直進していきますから」と言われて一度別れた後、リトル・ベニスと呼ばれる水辺の一帯に辿り着いた。対岸で、先に到着していた吉岡さんが大きく手を振っている。

休憩代わりに陸に上がってまた少し話をしてくれた後、今度こそ本当の船出を迎えた。「それでは」と言って、再び漕ぎ出す。

気付けば運河の河幅は広くなり、既にグランド・ユニオン・カナルと名前を変えている。その運河上を行く吉岡さんの姿が、随分と速く、小さくなっていった。

パドルに日の丸
パドルに日の丸を結び付けて、準備完了

狭い道を通るのは一苦労
カヌーを運びながら狭い道を通るのは一苦労

いよいよ出発
ロンドン動物園前でカヌーを下ろし、いよいよ出発

いよいよ出発

リージェント・カナル
リージェント・カナルを渡る

グランド・ユニオン・カナル
そしてグランド・ユニオン・カナルへと旅立っていった


吉岡さんによる、英国運河の航行記が、次週より連載されます。お楽しみに!

 

冷たいデザート・カフェ9選

夏の終わりを締めくくる、冷たいデザート・カフェ9選

冷たいデザートと一口に言っても、アイスクリームから冷やしぜんざい風のものまで、テクスチャーや発祥国は多種多様。さらに、様々な人種が入り混じり、オリジナルの味を知る舌の肥えた消費者が多いここ英国では、クオリティーの高さも要求される。今回は、絶品冷菓が楽しめる、ロンドン市内の厳選カフェ9店をご紹介。冷たいデザートで夏気分を楽しんでみてはいかがだろうか。 (Shoko Rudquist)

こだわり抜いた高品質ジェラートに脱帽
Scoop

ScoopPistachio/ Venezuelan Chocolate 2フレーバーで£3.50

終日賑わうコベント・ガーデンのすぐ近く、人通りの多い道を少し外れた静かな通りに、オレンジ色のポップな看板文字が踊る。オーナーのマテオさんは、伊・トスカーナ出身。地元イタリアの高品質なジェラートをロンドナーに提供したいと、3年前に同ショップを開店した。そんな彼が「アイスクリーム・マシーンのロールス・ロイス」と胸を張る、最高級マシーンを使って製造したジェラートは、味が劣化しないよう厳密な温度管理の下、ディスプレーされている。

フレーバーに関してもこだわり抜いた結果、同じ味でも原材料の産地別に販売するに至ったそう。お勧めのピスタチオ味は、同ナッツの名産地シチリアで2年に1度しか収穫できないという最高品種を使用。週末ともなると小さな店の前に行列ができるのにも納得だ。年に1度は期間限定でスペシャル・フレーバーを紹介。来月25日には、原産地別に様々なチョコレート・フレーバーが楽しめる「I LOVE CHOCOLATE」と題されたイベントが開催される。

● Scoop
40 Shorts Gardens WC2H 9AB
020 7240 7086
月〜日11:30-22:30
Covent Garden駅から徒歩5分
www.scoopgelato.com

仏老舗が手掛ける、繊細なデザートを頂く
Ladurée

LaduréeRose Milk Shake £5.80

1862年、仏パリに店を構えた小さなベーカリーは、時を経て、押しも押されもせぬ名店となった。老舗パティスリー、ラデュレ。映画「マリー・アントワネット」にも登場した、パステル・カラーの愛らしいマカロンが有名だ。しかしそんなラデュレには、実はとても素敵な逸話を持つデザートがある。現オーナーのデービッド・ホルダー氏が、幼い頃、日曜になると店舗に足を運んで家族とともに頬張ったという、アイスクリームだ。氏はその懐かしい思い出を胸に、後に同店の買い取りを決めたのだとか。

そんなラデュレでぜひ試してほしいのは、よく磨かれた銀食器に注がれた、薄紅色の見目麗しい「ローズ・ミルク・シェイク」。一口含むと、青みを感じさせない柔らかなバラの香りが、鼻腔を軽やかに駆け抜ける。好みのフレーバーが選べるアイスクリーム・ディッシュ、「レ・ミニ・マカロン・グラッセ」もお勧め。添えられた4種のマカロンにもアイスが挟んである、小技の利いた逸品だ。

● Ladurée
Harrods 87-135 Brompton Road SW1X 7XL
020 3155 0111
月〜土9:00-21:00 日12:00-18:00
Knightsbridge駅から徒歩3分
www.laduree.co.uk

アルゼンチン発、クールなアイスクリーム・パーラー
Freggo

FreggoDolce de Leche/ Malbec & Berry 2フレーバーで£3.95

巷では「アルゼンチン発のポッシュなアイスクリーム」と呼ばれているそうだ。リージェント・ストリートから繋がる、高級レストラン街の一角を優雅に陣取るこちらでは、暑い南米の国発信ということもあってか、一般的なものより乳脂肪分を抑えたライトなアイスクリームを扱っている。乳脂肪分の含有率は12.5%。どちらかと言うとジェラートに近い軽やかさだ。

様々あるエキゾチックな名称のフレーバーの中でも、特にアルゼンチンならではと言えるのは、トフィー系の濃厚な「ドルチェ・デ・レチェ」と、「凍ったサングリア」とでも呼びたい「メルベック & ベリーズ」。後者は柑橘系の酸味がまろやかに溶け込んだ赤ワインのような、爽やかなのに深みもある、大人びた印象の風味を持つ。そしてこれら全く趣の違うフレーバーを、2つ合わせて食べるのがアルゼンチン流。濃厚な甘みに酔いながら、落ち着いたフルーティー・フレーバーでお口を整える、その絶妙なコンビネーションをぜひ試してもらいたい。

*このお店は閉店しました。

● Freggo
27-29 Swallow Street W1B 4QR
020 7287 9506
月〜木8:00-23:00 金8:00-2:00 土10:00-2:00 日10:00-23:00
Piccadilly Circus駅から徒歩3分
www.freggo.co.uk

英国王室御用達、優雅なアイスクリーム・パーラー
The Parlour Restaurant at Fortnum & Mason

The Parlour Restaurant at Fortnum & MasonKnickerbocker Glory £12

言わずと知れた英国王室御用達デパート、「フォートナム & メイソン」が運営するのが、こちらの優雅なアイスクリーム・パーラーだ。フレーバーはすべて天然素材から抽出。ミルク・シェイクなどに使われる牛乳なども含め、使用するのはすべてオーガニック製品だ。ジンジャーとハチミツのアイスが浮かんだ「ジンジャー・ビア・フロート」なんていう、少し風変わりなデザートも用意しているが、一番のお勧めは、見るも可憐な「ニッカボッカ・グローリー」。

いわゆるパフェだが、お馴染みバニラに加え、ストロベリー・バルサミコ・ビネガー、ストロベリー・ショートブレッドという目新しいフレーバーのアイスクリームが層を成す。合間にはラズベリーとパイナップル、仕上げにはたっぷりのクリームに甘酸っぱいラズベリー・ソースが絡み、高々とそびえるシガー・クッキーが愛嬌を添えている。ラブリーな見た目からは意外な気もする、甘さを抑えた仕上りが、品格の高さの象徴なのかも。

● The Parlour Restaurant at Fortnum & Mason
181 Piccadilly W1A 1ER
0845 602 5694
月〜土 10:00〜19:30、日 11:30〜17:30
Piccadilly Circus駅から徒歩5分
www.fortnumandmason.co.uk

新世代チャイニーズ・カフェでまったりと
Candy Cafe

Candy Cafe左からRed Been Grass Jelly with Sago Cream(£3.60) 、Bubble Milk Drink Taro Milk+QQ Jelly (£3.55+£0.80) 、Pomelo & Mango Sago Cream (£3.60)

ニュー・チャイニーズとでも言うのだろうか。ここ最近、チャイナ・タウンには、味だけでなく総合演出にも力を入れた、洒落たレストランやカフェが続々誕生している。そんな新世代を牽引する1人が、こちらのオーナー、ケイさんだ。純粋なカフェを見付けるのが難しかったチャイナ・タウンに、1年前、同店を開店。店名は奥さんの名前というスイートな発想も、若い世代ならではだ。

メニューには、あずきにタピオカ、お団子にかき氷と、アジア人なら泣いて喜ぶ甘味が並ぶ。特にお勧めなのは、「マンゴーしるこ」とでも命名したい、「ポメロ & マンゴー・サゴ・クリーム」。熟した新鮮なマンゴーと、ポメロと呼ばれる東南アジア原産の柑橘類の果実、そしてサゴヤシの澱粉からできたサゴ・パールが、サゴ・クリームにたっぷり浸っている。ほんの少し、日本のミックス・ジュースを連想させる、どこか懐かしい味だ。頼もしい新世代カフェで、アジアン・フレーバーにどっぷり浸りたい。

● Candy Cafe
1st Floor, 3 Macclesfield Street W1D 6AU
020 7434 4581
月〜日12:00-23:30
Piccadilly Circus/Leicester Square駅 から徒歩5分

実直なオールド・スコッツの誇りを凝縮
Frae

Frae左からNatural with Raspberry (£3.70) 、 Green Tea (£3.10)

「フレー」と発音する店名は、スコットランドの古い言葉で「From」を意味する。もちろん、オーナーのドナルドさんとマーティンさんはスコットランド出身だ。提供するフローズン・ヨーグルトも、素朴で実直なオールド・スコッツの誇りを凝縮したシンプルな作り。ダイエット・ブームから派生したノン・シュガー製品の流行などにも我関せずと、オーガニックのスキム・ミルクにプロバイオティクス乳酸菌を加えて製造したヨーグルトには、未精製の砂糖でほんのりとした甘みを加えている。

酸味をほとんど感じさせないまろやかな風味は、家にある材料だけで作ったおやつを思わせる、優しい味わいだ。レジの横で回るレコードは、ドナルドさんたち自身がセレクトしたもの。気取りのない空間演出は、子供からお年寄りまでが気軽に立ち寄れるようにとの心遣いからだ。ゆっくりと地元に溶け込んでいきたいと話す彼らが目指すのは、信頼に値する製品とサービス提供以外の何ものでもない。

*このお店は閉店しました。

● Frae
27 Camden Passage N1 8EA
020 7704 6538
月〜日11:00-22:00
Angel駅から徒歩5分
www.frae.co.uk

木漏れ日を浴びて、気分はイタリア人
Gelato Mio

Gelato MioAffogato £5

ロンドンの西、ホランド・パークに程近い閑静な地区。背の高い街路樹から注ぐ木漏れ日を浴びながら、落ち着いた雰囲気のハイ・ストリートを行くと、オレンジとダーク・ブラウンを基調にしたシックなパーラーが見えてくる。元々金融関係の仕事でロンドンに居を移した、伊ミラノ出身のカルロさんが、地元イタリアの味を再現しようと2008年にオープンした「ジェラート・ミオ」の第1号店だ。

原材料は100%ナチュラルなものを用い、保存料や添加物は一切加えない。製造してから6日以上経ったジェラートは破棄し、メニューは季節ごとに変える。店名にイタリア語で「私のジェラート」を意味する言葉を冠した、カルロさんのプライドだ。そんなカルロさんのお勧めは、「ミルクの花」と呼ばれるミルク風味のジェラートが、エスプレッソ(またはホット・チョコレート)に浮かぶ「アフォガート」。店の前に置かれた木陰のテーブルでのんびりと過ごせば、心はミラノの空の下だ。

*このお店は閉店しました。

● Gelato Mio
138 Holland Park Avenue W11 4UE
020 7727 4117
月〜木 7:30-22:30 金 7:30-23:00 土 9:00-23:00 日 9:00-22:30
Holland Park駅から徒歩5分
ノッティング・ヒル、セント・ジョンズ・ウッド、フラム、マズウェル・ヒルにも支店あり
www.gelatomio.co.uk

ヘルシー志向のポップな新顔
Snog

SnogSnog Special with Limited Edition Spoon£4.95

日本や米国ではお馴染みだが、英国ではあまり見かけることのなかったフローズン・ヨーグルト。それがこのところ、徐々に市民権を得てきている。ピカデリー・サーカスから程近いソーホー地区の一角にも、時間とともに色調を変える電飾がポップな、フローズン・ヨーグルト・パーラーがお目見え。 こちらの製品は、メキシコなどに自生する植物、「アガべ」から採れるシロップを砂糖の代わりに用いた、完全ノン・シュ ガー・タイプだ。ナチュラル/グリーン・ティー/チョコレートの3種類から選び、好みのトッピングを載せていく。甘ったるさとは無縁の、ついつい後を引く絶妙の酸っぱさが秀逸だ。

トッピングにも工夫を凝らしており、新鮮なフルーツはもちろん、自社製のブラウニーや、グリーン・ティー味にぴったりの餅まで扱っている。場所柄、午後9時を過ぎてからが最も忙しいのだとか。アイスクリームとは違うさっぱりした口当たりが、パブで騒いだ後の喉の渇きにうってつけなのかも。

● Snog
9 Brewer Street W1F 0RG
月〜木 11:00-24:00 金・土 11:00-1:00
Piccadilly Circus駅から徒歩5分
www.ifancyasnog.com

緑の中で楽しむ、スーパー・オーガニック・アイス
Cow & Coffee Beans

Cow &  Coffee BeansDolce de Leche/ Malbec & Berry 2フレーバーで£3.95

週末ともなると、ピクニックやスポーツを楽しむ人たちで溢れるリージェンツ・パーク。南東から入り、丁寧に整備された花壇を眺めながらアベニュー・ガーデンズを進むと、木陰にこぢんまりと佇むコテージが現れる。そこで頂けるのが、英南西部コーンウォール発、乳牛たちが暮らす牧草地さえ安全性が保証されている*という、筋金入りのオーガニック・アイスクリームだ。当然添加物は一切使用しておらず、他社製品だと往々にして緑色をしたチョコ・チップ・ミント味も、自然なクリーム色。

英国ではスコーンのお供でお馴染み、「クロテッド・クリーム」の名を冠したフレーバーもお勧めだ。バニラを超える濃厚な味出しで、同店人気メニューの「コーラ・フロート」にも使われている。このフロート、日本のようにアイスクリームを氷で支えることはしないので、すぐ泡で溢れるのが玉に傷だが、そこはご愛嬌。緑の中、大らかな気分でカジュアルに楽しみたい。

*英国土壌協会認定

● Cow & Coffee Beans
The Broadwalk, Regents Park NW1 4NU
020 7935 5729
夏期 月〜日8:00-20:00 冬期 月〜日8:00-16:00
Regent's Park駅から徒歩10分
www.companyofcooks.com



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湖水地方「桃源郷」を感じる旅 Part 2

湖水地方「桃源郷」を感じる旅 「ありのまま」を守り続ける人々の心に触れる Part 2

湖水地方の山中に、スーパーはない。確かにちょっとは不便だけれども、
地元の人々が意に介する風がないのは、自分たちで食材を育てたり、
地元の「食」を大切にしているから。
湖水地方の「ありのまま」の自然や農業を守るため、
それに何より新鮮で美味しいから、彼らは地元で採れた食材に強いこだわりをもつ。
湖水地方特集2回目の今回は、「食べる / 飲む」をテーマに、
英国人の誰もに愛されるビールとアイスクリームに注目。
湖水地方の味を守り続ける人々の思いを、舌で存分に感じてみよう。
(本誌編集部:村上祥子)

取材協力: 英国湖水地方ジャパンフォーラム(www.kosuichihou.com

Local Beer 地ビール

水の美味しい場所には、美味しいビールがある。大自然が生み出す豊かな湧き水に恵まれた湖水地方には、昔ながらの醸造方法を守りつつ、独自のビールを造り続ける小さな醸造所、マイクロ・ブリューワリーが点在している。醸造家たちが慈しむように育てたビールは、造り手たちの思いとともに熟成し、湖水地方の地ビールを愛する人々のもとへと渡っていく。いつもなら喉の渇きとともに一気に飲み干してしまうビールも、ここ湖水地方では、そんな時の流れに思いを馳せつつ、じっくりと味わってみたい。

ビールの種類
ビール醸造は「上面発酵」と「下面発酵」という2種類に大別できる。上面発酵とは、常温(18~25度)で発酵させる醸造法。酵母は液面に浮いてくる。一方、下面発酵は低温(6~15度)で発酵させる方法で、酵母は液体の底に沈んでいく。英国でよく飲まれるエールやスタウトは上面発酵により醸造されたもので、コクと果物の香りが特徴的。色は濃く、冷やさずに飲むのが一般的だ。日本で人気のピルスナーは下面発酵のビールで、色は淡色、爽やかな喉ごしと苦味が魅力だ。
リアル・エールとは?
エールの中でも、英国の伝統的な醸造方法を守り、濾過も加熱処理も行わず、樽(カスク)内で二次発酵させたものはリアル・エールと呼ばれる。今回ご紹介する醸造所はすべて、リアル・エールを守るために活動する消費者団体、CAMRA(Campaign for Real Ale)が発行している「Breweries of Cumbria」にその名が載っている、本物の「リアル・エール」を提供している場所である。

経験ゼロの職人がつくりあげた味
Barngates Brewery

Barngates Brewery
最近では雑誌等でも取り上げられる人気パブとなった

地ビール
ビールには、このパブで飼われていた
代々の犬の名が。ラベルにも犬たちの
イラストが使われている

ウィンダミアやボウネスと並び、観光客に人気の高いアンブルサイドを車で走っていると、山中に多数の車が並んだ駐車場が目に止まる。キツネや鹿の頭部の剥製が飾られ、ダーク・ブラウンの家具で統一された重厚な雰囲気のガストロ・パブ兼ホテル「ドランケン・ダック」。近年では予約しないと入れないこともあるという人気店だ。そしてこの店に隣接しているのが、バーンゲイツ醸造所である。もともとはホテルの地下貯蔵室で細々とビール醸造を行っていたが、1997年、オーナーが ホリデー・アパートメントだった隣の小屋を改造し、醸造所を設立。現在では、7種のエールを、カンブリア地方はもとより、ヨークシャーやランカシャー、マンチェスターなどの各地方に送り出す、知る人ぞ知る存在となった。

創業当初からここで働くジョンさんは、92年にブラックプールからやって来た。それまではバーで働いていたというジョンさん、実はそれまで全くビール醸造に関する知識がなかったのだとか。「でもイエーツ醸造所で38年の経験を持つベテランが、ゼロからすべて教えてくれたんだ」。湖水地方最古のマイクロ・ブリューワリーのベテランが、惜しみなく与えてくれたその知識と知恵を吸収し、十数年が経った現在。「ここのビールが一番。岩山から生み出される水が何と言ったって素晴らしいからね」と胸を張る、プロの醸造者として成長していた。

Barngates Brewery
左)ビールのラベルをモチーフにしたTシャツに身を包み、満面の笑みのジョンさん
右)ほのかな明かりに照らされたパブ内は落ち着いた雰囲気

Barngates Brewery
Barngates, Ambleside, Cumbria LA22 0NG
TEL: 015394 36575(Brewery)
015394 36347(The Drunken Duck Inn & Restaurant)
www.barngatesbrewery.co.uk
営業時間(Drunken Duck): 月~土 11:30-23:00、日 12:00-23:00

家族と地元を愛するアットホームさが魅力
Coniston Brewery

Coniston Brewery
深紅の家具と時代を感じさせる写真の数々が印象的な店内

最近、新たにピルスナーを取り入れた。「常に新しいことにチャレンジし続けたいのよ」とにっこり笑うのは、コニストン醸造所に隣接したパブ兼ホテル、「ブラック・ブル」のオーナー、スーザンさんだ。

各種ビール
家族の名前や地名が付けられた銘柄が並ぶ

コニストン醸造所は1995年、ブラック・ブルのオーナーの息子であるイアンさんの手によりスタートした。一部銘柄は米国やスウェーデンなどにも輸出され、英国内外で数々の賞を獲得しているが、この醸造所やパブが醸し出す空気に、気取りは全く感じられない。実はエールよりラガーが好みで……と、リアル・エールが自慢のパブで恐々切り出せば、気分を害した様子もなく、「それならこれ。そうそう、これもお勧めよ」とラガーに加え、オートミール・スタウトを味見させてくれる。口にした途端、スタウトならではのコーヒーのような芳ばしさを舌に感じつつ、喉にはすっと通っていく爽やかな後味に、「ああ、これならラガー好きにもぴったりですね」と言いながら飲み干すと、うれしそうに破顔した。

「このOliver's Light Aleという銘柄は孫の名から、Thurstein Pilsnerは、地元の水の名をとったのよ。いいでしょう?」と誇らしそうに語るスーザンさん。地元や家族を愛するアットホームな醸造所とそのパブは、今日も地元民や観光客、ビール愛好家や初心者を問わず、誰にでも温かく、ご自慢のビールを振舞っている。

Coniston Brewery
左)家族連れも入りやすいアットホームな雰囲気が魅力
右)笑顔で次々とお勧めビールを出してくれたスーザンさん

The Coniston Brewing Co.
Coppermines Road, Coniston, Cumbria LA21 8HL
TEL: 015394 41133
www.conistonbrewery.com

The Black Bull Inn and Hotel
Coniston, Cumbria LA21 8DU
TEL: 015394 41335
www.blackbullconiston.co.uk
営業時間: 10:00-23:00

犬好きが集う、地元民憩いの場
Watermill Inn & Brewing

Watermill Inn & Brewing
次から次へとひっきりなしに馴染み客がやってくる

隣り合わせになった2つの家族のテーブルの下で、それぞれの家族の飼い犬同士が、仲良くエサを食べている……。土地柄、犬を飼っている家庭が多い湖水地方の中でも、スタッフ、客ともに犬好き率が非常に高いウォーターミル。店に入れば、挨拶と同時に犬用のエサを手渡してくれるこのパブは、いつでも飼い犬を連れた地元民で賑わっている。とはいえ、このパブの売りは犬歓迎というだけではない。ビールはもちろん、地元の新鮮な食材を使った料理もかなりのもの。特にビールを醸造する際に出たカスを食べて育った牛の肉を、人気の自家製ビールCollie Wobblesに漬け込んで調理したビール・アンド・エール・パイなど、ビーフ料理の評判は高い。

食事
肉料理だけでなく、地元で栽培された野菜を
使った料理も新鮮そのもの

現在、醸造所で働いているのはわずか2人。創業の翌年、1997年から働き始めたブラックプール出身のヒューさんと、1年前に湖水地方にやって来たポーランド人のマーティンさんだ。「英語がまだ上手くないんだ……」と言いつつも、工程表を広げて醸造の過程を一つひとつ事細かに説明してくれたマーティンさんが、「ほら、まだカスが浮いているだろう? これを一日置くと、この液体が澄んだ奇麗な色になるんだ」と目を輝かせながら、醸造途中のビールを飲ませてくれた。酵母がふわふわと浮き、苦味がありつつもまろみを感じさせるそのビールはほのかに温かく、この温かさと柔らかい風味こそが、地元で育まれたビールの醍醐味なのかもしれない、と思わされた。

Watermill Inn & Brewing
左)清潔感漂う石造りの建物 
右)「これは英語で何て言うんだっけ……」と悩みながら、笑顔で醸造工程を教えてくれたマーティンさん

Watermill Inn & Brewing Co
Ings, near Windermere, Cumbria LA8 9PY
TEL: 01539 821309
www.watermillinn.co.uk
営業時間: 月~土 11:45-23:00、日 11:45-22:30
(食事は12:00-21:00) (12月25日休)

町の集会所の趣を持つビア・ホール
Hawkshead Brewery

Hawkshead Brewery
モールの一角に位置する醸造所の近くには、手づくりパンを売る店やアイスクリーム・ショップも

「一度カスク・ビールの味を知ってしまうと、缶のビールなんて味気なくなるよ」と笑いながらビールをぐいっとあおる、2人のおじいちゃん。何でも、ここホークスヘッドで年2回、開催されるビア・フェスティバル目当てでマンチェスターから来たのだとか。

ホークスヘッドはもともとはその名の通り、ホークスヘッド地域にその居を構えていたが、創業から4年が経った2006年、事業の拡大に伴い、3倍ほどの敷地面積を持つここ、ステイブリーに移ってきた。数人で経営している他のマイクロ・ブリューワリーと比べると、かなり規模が大きい。

食事
ホークスヘッドの
ビールは、湖水地方の
様々なパブでも味わえる

1階はショップとカフェ、2階がビア・ホールとなっている。ビア・ホールと言っても、広々としたフローリングの床にシンプルな木のテーブルと椅子がゆとりをもって配置されたこの空間、大勢の人が大騒ぎしながら押し合いへし合いビールを飲み交わすというよりは、町の人々の憩いの場といったイメージに近い。実際、時折イベント会場としても使われるのだと言う。ホールからはガラス越しに醸造所の作業工程を垣間見ることもでき、希望すればツアーも行ってくれる。

ホークスヘッドの瓶ビールは、オンラインでも購入が可能だが、やはり現地で味わうカスクの味は格別。クリーミーな泡をつくるため、ゆっくりと注がれたビールは、地元ケンダルのサビン・ヒル・ファームでつくられたボリュームたっぷりのポーク・パイをお供に、一口ひとくち、じっくり味わいたい。

Hawkshead Brewery
左)昼間からぐびりと一杯。やはりカスク・ビールの味は格別だ 
右)すっきり広々としたホール内

Hawkshead Brewery
Mill Yard, Staveley, Cumbria LA8 9LR
TEL: 01539 822644(Brewery)/ 01539 825260(The Beer Hall)
www.hawksheadbrewery.co.uk
営業時間: 月、火 12:00-17:00、水~日 12:00-18:00


Ice Cream アイスクリーム

英国では老若男女、誰もが大好きなアイスクリーム。そのアイスクリームの主原料と言えば、何といっても牛乳だ。至るところで牛が草を食むこの湖水地方で、アイスクリームが美味しくないはずはない。牧場直送の絞りたての新鮮な牛乳をたっぷり使った極上のアイスクリームを頬張れば、口の中いっぱいに湖水地方の自然の偉大さを感じられるはず。

地元食材なら何でもござれ
Low Sizergh Barn

Low Sizergh Barn
夏場の晴れた日には外でもアイスクリームを販売する

ダムソンのアイスクリーム
一見、ベリー系に見えるが、
食べると濃厚な味が口に広がる
ダムソンのフレーバー

緑の蔦に覆われた小屋に一歩入ると、チーズや肉製品、色とりどりの野菜など、見るからに新鮮な、生き生きとした食材の数々に目を奪われる。1980年、ナショナル・トラストから農場を借り受けたパーク一家が、80年代半ばの牛乳生産制限による経済的打撃を緩和するため、91年にショップをオープンさせたのが始まり。今ではショップだけでなく、トレイルやクラフト・ギャラリーも併設している。ここで販売しているアイスクリームはもちろん、自分たちで飼育している牛の乳を使用。

お勧めは、湖水地方で多く生産される西洋スモモの一種、ダムソンのフレーバーだ。濃厚だが後味はさっぱりとしているその甘味は、新鮮な牛乳に負けない存在感を放っている。この湖水地方ならではの組み合わせに舌鼓を打った後は、ミート・パイやチーズなど、地元産の食品を買い込んで、湖水地方の味覚を丸ごと味わいたい。

Low Sizergh Barn
左)とにかく豊富な品揃えのチーズ。「私たちの牛の牛乳からつくられました」というポップがかわいらしい 
右)小屋の右隣には牛舎が

Low Sizergh Barn
Low Sizergh Farm, Sizergh, Kendal, Cumbria LA8 8AE
TEL: 015395 60426
www.lowsizerghbarn.co.uk
営業時間: 9:00-17:30(ショップ)9:30-17:00(ティー・ルーム)
(12月25日、26日、1月1日休)

濃厚ながらくどくない、日本人好みの味をどうぞ
Natland Mill Beck Ice Cream Parlour

Natland Mill Beck Ice Cream Parlour
おじいちゃんから子供まで、誰もが美味しそうにアイスをほお張る

木と石を基調とした、広々とした店内は、避暑地の家族向けレストランのような趣。小さな子供連れの家族が、アイスクリームやパフェをほお張る姿がある。湖水地方の南の玄関口、ケンダルに位置するナットランド・ミルベックでは、オーナーが運営する裏の牧場の牛から採れる牛乳をふんだんに使った手づくりアイスクリームを提供している。様々なフレーバーの中でも「一番人気があるのはバニラやチョコレートなどの定番ですね」と語るのは、何とカオリさんという日本人女性スタッフ。英国人のご主人とともにケンダルに住み、このパーラーで働き始めて3年が経ったのだとか。新鮮な食材に恵まれた北海道で生まれ育ったカオリさんも太鼓判を押すピーチ・アンド・クリームは、採れたて牛乳の芳醇な味と爽やかなピーチの香りのバランスが絶妙な一品。その他のフレーバーも、濃厚ながらくどさがなく、日本人好みの味揃いだ。

Natland Mill Beck Ice Cream Parlour
左)ピーチ・アンド・クリーム(右)はたっぷり入ったピーチ・ソースが程よいアクセントになっている
右)「日本人と全く会わないので、日本語を忘れてしまいました」とはにかむカオリさん

Natland Mill Beck Ice Cream Parlour
Natland Mill Beck Lane, Kendal, Cumbria LA9 7LH
TEL: 01539 731141
営業時間: 9:30-17:00(12月25日、26日、1月1日休)

人気の観光スポットにある本格派
Windermere Ice Cream

Windermere Ice Cream
常に多くの観光客が往来を行き来している絶好の立地

湖水地方随一の観光地、ボウネス。同地方の観光の拠点となるフェリー発着所の斜め向かいにあるウィンダミア・アイスクリーム・ショップは、敷地面積は小さいながらも、32種類という圧倒的なフレーバーの多さが魅力。立地の良さも手伝って、いつでも観光客で賑わっている。店内では、ハニー・アンド・ラベンダーやシナモン・プラム、フルーツ・オブ・ザ・フォレスト・ヨーグルトなど、普段はあまり見慣れぬフレーバーを前に、どれにしようか、あれこれ悩むお客さんの姿が。しかし、観光地の中心にあるからと言って侮ってはならない。この店のアイスクリームは、ソルベなど一部の例外を除いては、すべてオーガニックの牛乳を使った本格派。中でも地元の食材を取り入れたレモン・カードやリュバーブ・アンド・カスタードなどのフレーバーは、せっかく湖水地方を訪れたのならば、是非試してみたい個性的な味だ。

Windermere Ice Cream
左)たくさんのフレーバーを前に、誰もが思わず悩んでしまう 
右)大勢のお客さんをてきぱきとさばいていく

Windermere Ice Cream
Lake Road, Promenade LA23 3DE
TEL: 015394 43047
www.scoopchocice.co.uk
営業時間: 9:00-20:30(12月25日、26日、1月1日休)

湖水地方「桃源郷」を感じる旅 Part 1

 

湖水地方「桃源郷」を感じる旅 Part 1

湖水地方「桃源郷」を感じる旅 Part 1

「ピーター・ラビットの故郷」に今も残るありのままの自然を求めて、
世界各地から大勢の人々が湖水地方を訪れる。
しかしこの「ありのまま」は、何もせずに成し得たものではない。
英国有数の観光地として、多くの人々を迎え入れつつも、
土地の自然や産業を守るために日々奮闘する、
地元の人々の努力の上につくられた、まさに「桃源郷」なのである。
今回は、2回に分けてそんな湖水地方の人々の心に触れる旅をご紹介。
1回目は「泊まる」「めぐる」をテーマに、観光業に携わる人々の思いを聞いた。
(本誌編集部:村上祥子)

取材協力: 英国湖水地方ジャパンフォーラム(www.kosuichihou.com

湖水地方マップ
湖水地方への行き方: London Euston駅からWindermereまで列車で約4時間弱
(途中、Oxenholme Lake Districtで乗り換え)

泊まる

人気の観光地、湖水地方には、数え切れないほど多くの宿泊施設がある。駅前に立ち並ぶB&Bも便利だけれど、今回ご紹介したいのは、古き良き湖水地方の姿を今に留める2軒のコテージ。何も予定を入れず、ゆったりのんびりコテージで過ごす、そんな一日を味わいたくなる場所だ。

ガーデンで野ウサギと遭遇
Beechmount Country House

Beechmount
ビーチマウントの宿を一歩出るとこんな景色が広がる

隅から隅まで手入れされた中庭から、どこまでも広がる緑の大地を見つめていたら、茂みからちょこんと野ウサギが飛び出してきた。世界中で愛され続けるウサギの物語、「ピーター・ラビット」シリーズの作者、ビアトリクス・ポターが晩年を過ごした家、ヒル・トップから歩いて数分。20世紀の初めに建てられたカントリー・ハウスを改装したB&B、ビーチマウントでは、今でもこんな情景を、日常的に目にすることができる。

建物に入ってすぐ左手にはダイニング。ダークブラウンのどっしりとしたソファと、真っ白なテーブルクロスが目に眩しいダイニング・テーブル、そして冬に大活躍する暖炉と薪が客を迎えてくれるが、この部屋に入ってまず目を奪われるのは、何と言っても大きな窓ごしに広がる景色だ。きっちり刈り込まれた芝生の中央に配された噴水が水を煌めかせる中庭では、低木の合間を縫ってオーナーの飼い犬が野ウサギと追いかけっこ。そして眼下に望む牧草地と大空は、一日のうちに幾度となくその姿を変え、何度見ても見飽きることがない。「内装も、庭も、当時のものをそのまま再現したかった。あるべき姿に戻してあげたかったんだ」と語るのは、オーナーのギャリーさん。苦労の末に完成した部屋を見つめるその眼差しには、愛情がこもっている。

客室数はわずか3室。ルーム・キーに付いているのはアヒルのジャマイマのぬいぐるみ、小さな本棚にはピーター・ラビット・シリーズの絵本が並び、タンスの上にはピーターの仲間たちの置物が静かに佇んでいる。部屋に用意された紅茶とビスケットを片手に、放牧されている牛たちがのんびり草を食んでいる姿を窓越しに見つつ絵本をめくっていると、やがて夜の帳とともに、耳を差すほどの静けさが訪れる。

そんな静寂が、牛の鳴き声に破られる朝。リビングに向かうと、朝食のテーブルで、他の泊り客との何気ない会話が始まった。近隣のコッカーマスから来たという50代の夫婦と、年に4、5度はこの地を訪れるというマンチェスターの20代カップル。外はあいにくの雨模様だが、「これこそ湖水地方。雨はこの地方の生活の一部だよ」などと意に介する風もなく、あれこれ今日の予定を考えている。たっぷりとしたフル・イングリッシュ・ブレックファストをじっくり味わいながら繰り広げられる会話にはやがて、ギャリーさんの奥さん、デニスさんも加わり、終わる兆しもない。

名のある観光名所をめぐるのも良いけれど、あわてず、あせらず、のんびりとこの土地を体中で感じるのも、また湖水地方の旅の醍醐味と言えるのではないか。そう思わせてくれる雰囲気に満ちたコテージだ。

Beechmount
1.朝食はもちろん、英国式フル・ブレックファスト 2.コテージの隣にはデニスさんお手製ケーキを出すカフェも 3.著名ランドスケープ・デザイナーによるオリジナルを忠実に再現した中庭 4.メルヘンチックな部屋の外には青々とした牧草地が

デニス&ギャリー・スコフィールド夫妻オーナー
デニス&ギャリー・スコフィールド夫妻

もともとはマンチェスター出身で、私はステート・エージェント、彼は教師として働いていました。彼は今でもこちらの学校で校長をしているんですけれどもね。以前、ホリデー・レッティング(短期の貸し出し運営)の経験があったことから、2006年にこの地に移り住んでコテージを始めました。

建物や庭を今ある状態にするのに、3年はかかりましたね。でも改装する際には、ただあるべき姿に戻したいという一心で、今時のものにしたいとは全く考えませんでした。

この地域に住むことの一番の魅力は、四季と人。湖水地方は四季の移り変わりがはっきりしているから、季節の訪れを肌で感じることができるんです。冬は3時頃には暗くなってしまうけれど、すべての音がクリアに聞こえるようになって、五感が研ぎ澄まされる。都会から来たからこそ、余計にこの地の魅力を強く感じられるんでしょうね。地元の人たちとのつながりも素晴らしいんですよ。かなり高齢の人たちが多いんですが、スポーツやバーベキューなど、地元民で行うイベントもたくさんあります。

60歳になるまで、あと6年はコテージをやっていきたいですね。その後のことはまだ分からないけれど、この土地にはずっと住んでいたいと思っています。

Beechmount Country House
Near Sawrey, Hawkshead, Ambleside,
Cumbria LA22 0JZ
TEL: 015394 36356

頑固なまでに守られ続けるポターの世界
Yew Tree Farm

コニストンの牧歌的風景
ユー・ツリー・ファームのあるコニストンの牧歌的風景

ウィンダミアやボウネスなど、観光客に人気の高いエリアを車で数十分ほど走らせると、コニストンという小さな町に到着する。湖と牧草地、農場と、この地方ならばどこにでも見られる光景ながら、どこか違う気配を感じるのは、この地を漂う「生活感」とでもいうべき空気ゆえだろうか。

この町に位置するユー・ツリー・ファームは、1693年建造。1930年代にはポターが購入、現在ではナショナル・トラストが管理している農場を借り受けた夫妻が委託経営するB&Bである。

小さな囲いで飼育されている子羊たちと、放し飼いの鳥たちを横目に見つつハウスに足を踏み入れると、薄暗い室内で、ウィリアム・モリスの手による深緑の壁紙が、柔らかい光に照らされている。入ってすぐ左の部屋はダイニング。整然と並ぶ木製の丸テーブルと家具が素朴な味わいを醸し出しているが、この部屋では、何とポターが実際に使用していた家具や食器がそのまま使われている。リフォームに多大な時間を費やしたと語る経営者のジョンさんいわく、「このダイニングがすべての始まり。この部屋からインスピレーションを得て、リフォームを行ったんだ」。いわばこのハウスの真骨頂だ。

3つの個室がある上階の床とそこへと続く階段は、歩くとかすかにギイ、ギイと音を立てる。「何と言っても古い家だからね。乱暴に走り回ると他の人の迷惑になってしまうから、静かにね」と笑いながら首をすくめるジョンさん。磨きこまれた床がかすかに鳴らすその音は不思議と心地良く、ありし日の記憶が語り掛けてくるようだ。

もちろん、客室内の調度品も、時代を感じさせるものばかり。なかでも室内で圧倒的な存在感を放つ天蓋付きベッドは、華美というより質実剛健。これまた当時のものかと思いきや、手作りだというから驚きだ。

Yew Tree Farm
1. ポート・ワイン片手にほかのお客さんとの話がはずむラウンジ 2. 朝食のスモーク・サーモン入りスクランブル・エッグは半熟具合が絶妙 3. お風呂だけは最新式の広々サイズ 4. 白壁に伝う蔦が印象的なコテージの外観

「お客さん同士のコミュニケーションを大切にしたい」という思いから、ハウス内にテレビは置いていない。その代わり、ゲスト・ラウンジには、昔ながらのゲームや本、それに自由に飲めるポート・ワインが置かれているので、ゆったりとした時の流れを、他のお客さんと一緒に静かに味わうことができる。

朝食はもちろん、ダイニングで。自家製のソーセージやベーコン、放し飼いの鶏から生まれた新鮮な卵など、徹底的に地元の食材にこだわった4種類のメニューは絶品揃いだ。

湖水地方の古き良き風情を頑ななまでに守り続けるジョンさんは、地元産業の推進者でもある。食事はもちろん、ハウス内の備品は出来る限り地元の手作り品にこだわる。「生活をするために」始めたB&Bも楽しいけれど、やはり一番にあるのは、この地域と農業への情熱。「とにかく農業は絶対に続けていきたい」というジョンさんの思いが詰まった空間では、湖水地方に生きた人々のかつての生活を垣間見ることができる。

ジョン・ワトソンさん経営者
ジョン・ワトソンさん

ユー・ツリー・ファームの経営を始めたのは、2002年から。それまではヨークシャーで、ファーム・マネージャーをしていました。でも結局は自分のファームではなかったので、「誰かのために」ではなく、「自分のために」農業をしたいと思い、子供の頃からずっと好きだった湖水地方にやって来ました。こちらに越して2~3カ月の間、誰にも会わずにショックを受けた、なんていうこともありましたが(笑)、ここでの生活には非常に満足しています。

コニストンの良いところは、大きな町と比べてとにかく静かなこと。バスも列車もないけれど、不便だとは思いません。ショッピングですか? 大きなスーパーなどには行きませんからね。地元の小さな店が好きなんです。あと、肉や卵は牧場で、野菜は庭で栽培していますから、全然困りません。服は妻の父や祖父のお下がりをそのまま使っていますよ(笑)。お客さんとコミュニケーションをとるのは楽しいし、正直なところ、生活するためにもお客さんの存在は必要です。でも何より、ファームは今後もずっと、絶対に続けていきたいですね。

YEW TREE FARM
Coniston, Cumbria LA21 8DP
TEL: 015394 41433
www.yewtree-farm.com

めぐる

観光スポットには事欠かないここ湖水地方。詩人、ワーズワースやビアトリクス・ポターゆかりの地など見所は多いが、一つひとつの場所には、そこを守る人々の細やかな心配りが密かに息づいている。湖水地方随一の人気スポットと、観光の新たな方向性を模索するツアー会社で働くスタッフに、観光地としての湖水地方の在り方を聞いた。

ピーター・ラビットはここから生まれた
Hill Top

Hill Top
ヒル・トップと一続きになっているスペースでは、現在もとある一家が住んでいるのだとか

ご存知、ビアトリクス・ポターが晩年を過ごした2階建ての農家、ヒル・トップ。家の規模は小さいが、その中にはポターの自然保護への強い志と、ピーター・ラビットの物語の断片が、あちらこちらに散らばっている。

家の中に入ってまず気付くのが、部屋の暗さ。これは、湖水地方の景観の美しさを視覚的に楽しむためにとポターが明かりを暗めに設定していたのを、そのまま再現しているのだという。また、1階に設えられた暖炉は、一年中、朝に薪をくべ、実際に火を焚くというこだわりようだ。

小さな部屋の一つひとつには、その場所にちなんだピーター・ラビット・シリーズの絵本が置かれている。絵本をめくりながらゆっくり部屋をめぐっていけば、今はガラス・ケースに陳列されている時代ものの人形から、剥がれかけた木の床のすき間に至るまで、家の中のあらゆるものが、ピーターとその仲間たちの物語を形成していることが分かるだろう。

また、家の正面にあるガーデンには、バラやラベンダーなどの花々に加え、ベリー類や野菜などが植えられていて、ちょっと地味な印象を受けるかもしれない。でもこれも、ポターが実際に育てていた植物のリストに基づいて、厳密に選定されたものばかりなのだとか。

Hill Top
野菜が植えられた庭にも、ポターへの思いがこめられている

ジョアン・ハドソンさんヒル・トップ・ビジター・
エクスペリエンス・マネージャー

ジョアン・ハドソンさん

1年半ほど前に、「湖水地方における、地域全体で取り組む保護活動に興味を持って」ヨークシャーから湖水地方にやって来たジョアンさん。英国有数の観光地でも特に人気のスポットで働くジョアンさんは、多くの観光客が訪れることと、地域の景観を守ることの両立について、「すべてはバランス」と言う。

「観光客の皆さんが来ることは良いことです。地元の人たちは、観光業が最大の収入源だと十分、認識していますし、観光客は美しい自然を目の当たりにすることで、自然保護に対する意識を高めることができる。ただ、観光と自然保護、2つのバランスをうまく保つことが大切なんです。今はとても良い状態にあると思います」。

例えばヒル・トップでは、建物の保存の目的で、内部に入る人数を厳格に制限しているが、そうすることによってお客さんは床の削れた跡に至るまで、当時のままの状態を保った内部をじっくりと見学することができる。また、人気の観光スポットだからこそ、ボランティアが世界中からやって来る。「有給スタッフは20人ですが、実に300人以上ものボランティアの人たちが働いてくれています。彼らがいないと、私たちの運営は成り立ちません」。

Hill Top
Near Sawrey, Hawkshead, Ambleside, Cumbria LA22 0LF
TEL: 015394 36269

フェリーとバスがセットになったThe Cross Lakes Experienceを使えば、Bowness Pierから約30分。またはピアの南にあるFerry Nabからフェリーに乗ってフェリー・ハウスまで行った後、525番のバスに乗る。

荒々しい自然、これもまた湖水地方の魅力
The High Adventure

ワスト・ウォーターの向こう岸
ワスト・ウォーターの向こう岸には、えぐられたかのような荒々しい山肌が

イングランドで最も標高の高い山と、最も水深の深い湖が、湖水地方にあることをご存知だっただろうか。湖水地方専門のツアー会社、マウンテン・ゴート・ツアーズお勧めの、西部を周る「The High Adventure」では、この双方を間近に見ることができる。

恐怖心すら感じさせる急勾配の山道がひたすら続くハードノット峠を一気にバスで駆け上ると、やがて左右の草原に、ローマ人の砦跡が見えてくる。イングランドの最高峰、スカ フェル・パイクを眺めつつ、遺跡をゆっくり見て歩けば、湖水地方を言い表す際によく用いられる「風光明媚」という言葉とはかけ離れた、漠々たる光景に心奪われるはずだ。そして澄んだ水を湛え、山々に抱かれるかのように佇む湖、ワストウォーターでしばし佇んだ後には、ミニチュア鉄道、レイベングラス・エクスデイル鉄道乗車に、「幽霊屋敷」マンカスター城見学。大自然だけでなく、締めに鉄道、幽霊と英国人が大好きな要素を取り入れるのは、さすがの一言。

普段、あまり足を延ばすことのない西部をめぐる旅。牧歌的な湖水地方しか知らない人にとっては、この地方の新たな一面を知る絶好の機会となるだろう。

The High Adventure
1. 急勾配の草原にひっそりと佇むローマ人の砦跡 2. 大人も子供も大喜び、小さくても立派な蒸気機関車

マルコムさんマウンテン・ゴート・ツアーズ・ガイド
マルコムさん

マウンテン・ゴートでガイドとして働くマルコムさんは、「湖水地方には、ウィンダミアやボウネスはもちろんのこと、魅力ある地域は色々ある。観光客の皆さんには、もっと広いエリアに行って、多種多様な魅力を知ってほしいですね」と願う。

一年を通じて途切れることなく観光客がやって来る湖水地方。地元民の中には、美しく静かなこの地方に大勢の人間が押し寄せることに対して、否定的な感情を持っている人もいるのではないだろうか。そう尋ねると、「ごく一部の農家が、あまりに多くの観光客がやって来ることに諸手を挙げて賛成をしているわけではないのは確か」と認める一方で、2001年の口蹄疫発生以来、農業関係者が観光業に関わり始めるという流れがみられたと言う。観光客が一極集中するのではなく、湖水地方全体を訪れることにより、観光客にとっても、地元民にとっても、そして土地自体にも、良い効果が生まれるはずだと、マルコムさんは考えている。

スコットランドで32年間教師を務め、定年退職後にガイドを始めたマルコムさん。「西部の広大な景色は、どことなくスコットランドのハイランド地方にも似ているんですよ。でも湖水地方は小さいから、1~2日あれば多くの地域を周ることができる。お得でしょう」、と笑った。

The Mountain Goat
Victoria Street, Windermere,Cumbria LA23 1AD
TEL: 015394 45161
www.mountain-goat.com

  • 湖水地方
  • 湖水地方
  • 湖水地方
  • C. Lidgate

湖水地方「桃源郷」を感じる旅 Part 2


 

屋外ダイニング、アルフレスコ - Alfresco Dining

屋外ダイニング - Alfresco Dining頬に風を感じながら食事を楽しむ、夏のひととき

夏は、英国に暮らす人間にとって、とても貴重な季節だ。冬の間は垂れ込める灰色の雲や暗い街路にうんざりしてしまうロンドンでも、夏が来れば街中のあちこちに緑が萌え、眩しい陽射しと爽やかな風が交錯する。今回は、そんな貴重なロンドンの夏を心ゆくまで楽しむのに最適な、アルフレスコ(屋外)ダイニングをご紹介。家族や友人らと賑やかに、あるいは一人でゆったりと、夏のひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。 取材・写真:Takazumi Uemura

The Brew House
緑に囲まれて、旬の食べ物を味わう

The Brew House

緑豊かなハムステッド・ヒースに佇む、厳粛で奥ゆかしいケンウッド・ハウス。18世紀に建てられたこの屋敷には、レンブラントやターナーなどの絵画も展示されている。レストランのキッチンはというと、そのすぐお隣、昔は召使い用の棟として使われていた建物にある。当時の酒造室なども残り、昔の面影を彷彿させる。

夏メニューは、ズッキーニやトマトなどの夏野菜が中心。素材にこだわり、各農家と綿密な連絡を取りながらメニューを決めるという。もちろん、デザートも季節とともに変わり、今ならストロベリーやグースベリーを使ったものが頂ける。

広々とした屋外のダイニング・エリアには、様々な大きさのテーブルがあるので、少人数から10人以上のグループまでお任せ。バラやクレマチスなどの花々に囲まれて、心安らぎそうだ。ミツバチが飛ぶのを眺めながら、ゆったりと自分の世界に浸ってみては? 8月下旬までは毎週土曜日にコンサートも行われている。

グースベリーとエルダー・フラワーのチーズケーキグースベリーとエルダー・フラワーの
チーズケーキ(£2.95)は今が旬

住所 Kenwood, Hampstead Lane NW3 7JR
TEL 020 8348 4073
営業時間 月〜日9:00-18:00
アクセス Highgate駅から徒歩20分
ウェブサイト searcyskenwoodhouse.co.uk/cafes

The Belvedere Restaurant
中世の館で過ごす贅沢な時間

The Belvedere Restaurant

豪奢な構えは、その昔、貴族たちの舞踏会場として使われていた故だ。ケンジントン・パレスの西、瀟洒で閑静な地域にあるホランド・パークの中に、このレストランはある。バーが併設されたメイン・ダイニング・エリアは、天井が高く広々としており、中2階のメゾニン・フロアも、大きな窓から惜しみなく注ぐ太陽の光が清々しい。

屋外ダイニング・スペースはバルコニーになっており、あまり広くはないものの、見晴らす中庭の景色が見事。右手にはアーチを施した回廊が走り、中央では噴水が優雅に水しぶきを上げている。時にはクジャクが姿を見せることも。支配人のお勧めは、前菜にはガスパッチョ(£6.95)、メインは表面をあぶったツナにオリーブ、インゲンマメなどを添えたツナ・ニソワ(£19.50)、そしてデザートは今が旬のストロベリー・ショートケーキ(£7.50)だそう。

お腹がいっぱいになった後は、ゆっくり公園を散歩するのも良いかもしれない。目も舌も満喫させてくれるレストランだ。

見事な中庭バルコニー席からは、中世の栄華を彷彿させる
見事な中庭が見渡せる

住所 Off Abbotsbury Road, Holland Park W8 6LU
TEL 020 7602 1238
営業時間 月〜土 ランチ12:00-14:30 / ディナー17:00-22:30
日 ランチ 1部 12:00-14:00 / 2部 14:30-17:00
アクセス Holland Park駅から徒歩8分
ウェブサイト www.belvedererestaurant.co.uk

The Boundary
ロンドンを一望しながらクールにくつろぐ

The Boundary

周辺には、デザイナーのオフィスやアーティストのアトリエも多いショーディッチ地区。そんな小洒落たエリアにそびえるデザイン・ホテルの屋上にあるのがこのレストランだ。ホテルのエントランスから、直通のエレベーターで屋上へ。すると、ロンドンの景色が360度、眼下に広がる。

地中海料理を出すダイニング・エリアと、ゆったりしたソファーやデッキチェアーが並ぶラウンジに別れており、食事、または仕事帰りにカクテルを一杯、と様々な用途に使えそうだ。夏には強い陽射しを考慮した麦わら帽や日焼け止めクリーム、冬にはブランケットや薪をくべる本格的な暖炉など、ルーフトップ・ レストランならではの備品や設備も用意してあるというから素晴らしい。ただし、雨天の場合は残念ながら閉まってしまうこともあるそうなので、天気の優れない日は事前にチェックしておきたい。

気の利いたサービスに、旬の食材を使ったおいしい料理、そしてロンドンの眺め。満足度は120%だ。

クオリティーが高いからこそのメニューが並ぶアーティチョーク(£6.50)など、
素材のクオリティーが高いからこそのメニューが並ぶ

住所 2-4 Boundary Street E2 7DD
TEL 020 7729 1051
営業時間 月〜日12:00-21:00
アクセス Old Street駅から徒歩10分
ウェブサイト www.theboundary.co.uk

Aurora
都会のオアシスで一息

Aurora

ピカデリー・サーカスから歩いて5分程の、ロンドン中心部にあるレストラン。印象的な赤い壁には、様々な額縁にジャンルを超えたアート作品が飾られている。ワインの瓶に、無造作に立てられたキャンドルから溶けて流れた蝋さえも、どこか芸術的だ。

そんな店内の奥、黒を基調としたプライベート・ルームを抜けた先に、豊かな蔦が塀一面を覆う、こぢんまりとした居心地のいいパティオが広がる。メニューは月毎に変わるので、毎回違ったものを楽しめそうだ。今の季節は、イカのソテーをコリアンダー、チリとライムでマリネした前菜が、風味爽やかでお勧め。サイズも2種類(£6.75、£10.95)あるので、一人でも、友人とでも楽しめる。トフィーやブラウニーなどのデザートも手作りで、シェフの食へのこだわりが伝わる。

都会のコンクリート・ジャングルに疲れたら、ここで一息つくのはいかがだろう? ただし、パティオは人気が高いので、事前に予約しておいた方が良さそうだ。

プライベート・ルームアーティスティックな
プライベート・ルーム

住所 49 Lexington Street W1F 9AP
TEL 020 7494 0514
営業時間 月・火 ランチ 12:30-15:00 / ディナー 18:30-22:00
水〜土 ランチ 12:30-15:00 / ディナー 18:30-22:30
12:30-20:30
アクセス Piccadilly Circus駅から徒歩5分
ウェブサイト www.aurorasoho.co.uk

The Albion
素材の旨味を楽しめるガストロ・パブ

The Albion

イズリントンのハイストリートから少し入り込んだ路地にある、洒落たガストロ・パブがこちら。数々の賞を総なめにしてきた料理がここの一番の自慢だ。素材の風味を十分に生かすためシンプルに調理されているのだが、口の中では様々な食材が素敵なハーモニーを奏でる。飾り付けには食用パンジーの花びらを散らすなど、見た目も美しい。

夏のお勧めはやはりバーベキュー。屋外にある建物で炭火焼バーベキューが饗されるのだ。バーガーやラム肉などの肉系はもちろん、魚やロブスターといった魚介類もある。ちなみに、店内のキッチンにも炭火焼用の設備があるので、雨の日でも大丈夫。豚を丸ごと焼くこともあるというからワイルドだ(ただし、こちらは72時間前に予約を)。

外のスペースも150人を収容できる広さで、藤棚から差し込む光を浴びるも良し、太陽が燦々と降り注ぐオープン・スペースで食事を楽しむも良し。清々しい陽気に気を良くして、ついつい食べ過ぎそうな予感だ。

バニラ・ブリュレデザートも見逃せない。
ビッグ・サイズのバニラ・ブリュレは濃厚な味

住所 10 Thornhill Road N1 1HW
TEL 020 7607 7450
営業時間 月〜金 11:00-23:00
10:00-23:00
10:00-22:30
アクセス Angel駅から徒歩12分
ウェブサイト www.the-albion.co.uk

Bleeding Heart Restaurants
歴史の舞台で小粋にフレンチを

Bleeding Heart Restaurants

宝石店が多いことで有名なハットン・ガーデン地区内の、ブリーディング・ハート・ヤードという意味深な名を持つ場所に、このビストロは位置する。この名、17世紀に大法官も務めた政治家、クリストファー・ハットンの美しい義理の娘が、自ら開いた大舞踏会の翌朝、ここで胸を切り裂かれて死んでいるのを発見された、という穏やかではない話に由来する。けれどそれも今は昔。現在は通りの騒音を遮断した、憩いの場となっている。

フレンチ・ビストロであるこちらでは、週替りのセット・メニューがお勧めだ。スープ、前菜、メインにデザートと、お腹いっぱいになること間違いなし。また、オーナーが所有するワイナリーで製造されたワインがグラスで頂けるのもこの店の特徴で、気軽に様々なワインが楽しめる。フランス料理に欠かせないチーズももちろん扱っており、そこここに飾られた19世紀フランスのポスターを眺めながら、存分にフレンチを満喫できそうだ。

スタッフはとてもフレンドリースタッフはとてもフレンドリー。
大きなタルトは一切れ£5.50

住所 Bleeding Heart Yard, London EC1N 8SJ
TEL 020 7242 8238
営業時間 月〜土 ランチ 11:00-23:00
月〜土 ディナー 10:00-23:00
アクセス Farringdon駅から徒歩3分
ウェブサイト www.bleedingheart.co.uk

The Clarendon
隠れ家にしたい、リラックス・スペース

The Clarendon

高さのある窓に覆われた開放感のある店舗からは、通りの景色が十分に楽しめる。1階は広いダイニング・エリアになっており、大きな時計のオブジェが印象的。キッチンもオープンなので、シェフたちの見事な手さばきを眺めながら食事ができる。2階は、革張りのソファーやゼブラ・スキンのマットなどが配された凝ったインテリア構成で、レストランというより自宅のリビングのような心地良さだ。

ルーフ・テラスへ出ると、静かな通りに面しているため、鳥のさえずりも聞こえる。広めのテラスにはパラソルも置かれていて、陽射しを気にする心配もいらない。料理は、シェフのこだわりでその季節に合った旬の食材を使い、新鮮な魚介類のメニューなどが揃う。この季節、一押しなのは、イチゴやミント、キュウリなどお馴染みの材料と合わせて作る、英国の夏の定番ドリンク「ピムズ」をゼリー状にした、ピムズ・ゼリー(£6)。都会の喧噪を忘れてゆったりと過ごしたい。

カクテル・メニューも充実カクテル・メニューも充実している。
フレッシュなブラッディー・マリーは£7.50

住所 123a Clarendon Road W11 4JG
TEL 020 7229 1500
営業時間 月〜土 12:00-24:00 / 日 12:00-23:00
アクセス Ladbroke Grove駅から徒歩7分
Holland Park駅から徒歩10分
ウェブサイト www.theclarendonlondon.com

Brinkley’s -Wine Gallery-
多彩なワインと食事の奏でるハーモニー

Brinkley’s -Wine Gallery-

店名の通り、ありとあらゆる種類のワインが揃う。白は20種以上、赤は30種以上と選ぶのに困ってしまう程だ。ワイン・ショップが併設されているので、オーダーして気に入ったら、ボトルを買って帰ることもできる。「おいしいワインを気軽に楽しんでもらいたい」と、レストランのワインはショップの値段と同じというからありがたい。

屋外ダイニング・スペースは、モス・グリーンのペイントと黒いタイルの床が落ち着いた雰囲気を醸す店内を抜けた、裏庭部分。アジサイやバンブーなど涼やかな植物が茂り、さながらヨーロッパの避暑地だ。ガラスの扉越しに裏庭が見えるプライベート・ルームもあるので、外を眺めながら食事を楽しむのも良さそう。料理は、コテージ・パイなどの英国伝統料理から、カレーやバーガーに至るまで豊富なラインナップ。夏のお勧めは、グリル・チキンやゴート・チーズなどがあしらわれたサラダ類だそう。フルーティーなロゼ・ワインと一緒に召し上がれ。

ショップ隣接するショップの棚には
ワインがずらりと並ぶ

住所 49 Hollywood Road SW10 9HX
TEL 020 7352 7572
営業時間 月〜土 ランチ 12:00-17:00 / ディナー18:00-24:00
12:00-17:00
アクセス Earl's Court駅から徒歩15分
ウェブサイト www.brinkleys.com

The Crabtree
テムズ河の流れを眺めながら

The Crabtree

フラム・パレス・ロードから住宅街を通り抜けると辿り着く、隠れ家のようなガストロ・パブ。300人を収容できる屋外のビア・ガーデンでは、ジャスミンが芳しい香りを漂わせている。2人用の小さなカフェ・テーブルから革張りのゆったりしたソファーまで様々あるので、サマー・パーティーを企画してみても良いかもしれない。一番のお勧めは、店の裏手のスペース。テムズ河の流れを眺めながら、お店自慢のエールやワインが楽しめる。夕暮れ時などは、特にロマンティックに時間を過ごせそうだ。

アット・ホームな雰囲気の店内では、毎日黒板にメニューが手書きされ、カウンターには山盛りのオリーブとパンが並ぶ。夏のメニューとしては、エビと唐辛子を散らしたガーリック・ブレッド(£7)や、甘味と爽快感のバランスが絶妙なラズベリー・ソルベのミント・シロップ添え(£5.50)など、爽やかな風味の品が多く揃う。テムズの風に吹かれて、ロンドンの夏を謳歌したい。

メニュー黒板には毎日手書きで
メニューが記される

住所 Rainville Road W6 9HA
TEL 020 7385 3929
営業時間 月〜土 12:00-23:00 / 日 12:00-22:00
アクセス Hammersmith駅から徒歩10分
ウェブサイト www.thecrabtreew6.co.uk


より大きな地図で ロンドンで屋外ダイニング を表示
 

ロンドンの語学学校に関わる人々に聞きました

ロンドンの語学学校に関わる人々に聞きました 社会人として英国で学ぶということ

英国で勉学に励んでいるのは、何も若きフルタイムの語学学生だけではない。社会人としての忙しい時間の隙間をぬって、もしくは日本で一定のキャリアを積んだ後に渡英し、学習に励んでいる人たちが驚くほどたくさんいる。そうした社会人学生たちについて、イングリッシュUK認定校の先生、生徒、運営スタッフや、ロンドンで留学アドバイザーとして働く人々に聞いてみました。

「ロンドンで英語だけを学ぶのはもったいない」

太田 理恵さん太田 理恵さん
London School of Business & Finance

インターナショナル・
マーケティング・マネージャー

駐在などの形でせっかくロンドンに来たのに、自宅と会社の往復の毎日だったり、または週に1回という形で英語だけを学ぶのでは、もったいないです。視野が広がり、日本での生活よりも時間に余裕ができるこの機会を生かして、現地滞在中にキャリアアップを目的とした資格を取って帰国されるという方が、最近増えてきています。そういう方のために、当校では経営学修士(MBA)や英国勅許公認会計士(ACCA)のコース、もしくは両者を合わせたデュアル・プログラムなどを用意しています。

またロンドンだけではなく、英国内ではマンチェスターやバーミンガム、その他世界各地に構えているキャンパスへと転校できることに加えて、オンライン学習に切り替えるということもできますので、海外赴任が多い方や、急な本帰国が決まった場合でも、心配ありません。

さらに9月からは、忙しい管理職の方々を対象としたMBAなど各コースを開講する予定です。これは8週間限定という形で週末にキャンパスに通い、残りはオンライン授業にて学習を行うという形式のため、仕事で忙しい方にとっては最適のコースとなるでしょう。

London School of Business & Finance
8/9 Holborn, London EC1N 2LL
Lex House, 17 Connaught Place, London W2 2ES
Tel: 020 7823 2303 / 020 7100 1808
www.lsbf.org.uk

「勉強に対する意欲が高い」

杉尾 明香さん杉尾 明香さん
Princes College

レセプショニスト

ロンドン中心部に位置する当校は、ロンドン中心部トッテナム・コート・ロード駅とホルボーン駅の間、大英博物館までは徒歩2分の立地にあります。生徒の中には、午前中の授業を終えた後に、大英博物館のカフェでお昼を食べる人も多いようです。

日本での社会人経験のある人、もしくはロンドンで働きながら勉強を続けている人は、当校に通っている日本人学生全体の15%ぐらいを占めているのではないかと思います。彼ら、彼女たちは、自分でお金を貯めて授業料を払っているので、勉強に対する意欲が高い。私たちの学校では、20分以上遅刻すると授業に参加できないという決まりがあるのですが、社会人学生の方で遅刻する人は非常に少ないです。多くの人がジェネラル・イングリッシュの授業を取っていますが、日本に帰国してからの具体的なキャリア・プランを立てている人の中には、ビジネス・イングリッシュを受講する方もいます。

当校では、有資格のネイティブ・スピーカーの講師が、世界35カ国から集まる生徒に対して指導を実施。長期の受講をする方には授業料をお得に設定するなど、生徒の皆様の目線に立ったサービスを提供しています。

Princes College
36 New Oxford Street, London WC1A 1EP
Tel: 020 7636 4052  
www.princescollege.com

「実践的な英語に強み」

サイモン・リューさんサイモン・リューさん
Shakespeare College

英語教師

語学学校における授業のスケジュールというのは、1日3時間の授業を週日5日、計週15時間というのが最も一般的な形だと思います。ただ私たちの学校では、週日にアルバイトをしながら通学する人などのために、例えば月曜日は午前と午後3時間ずつ授業を取って、火曜日は全日休み、といった時間割を組むこともできるようになっています。

学校には様々なコースが用意されていますが、ジェネラル・イングリッシュがやはり一番人気が高いですね。あとはビジネス・コースにも申込みが多く寄せられています。ビジネス・コースを学んだ後で、自国に帰ってから、いわゆる外資系企業に就職したり、英国と関連したビジネスを自分で立ち上げた上でまた英国に戻ってくることを夢として描く人が多いようです。

社会人学生は、仕事を持っていたり、または家に帰ってから家族の面倒をみなければなかったりで、勉強する時間が限られているというのは事実でしょう。ただそうした人たちは、英国での実生活において様々な手配を全部自分で行うことが多いので、そうした行為を通して、実践的な英語を学ぶのには非常に長けていると思います。

Shakespeare College
410 The Strand, Covent Garden, London WC2R 0NS
20 Norton Folgate, London E1 6DB
Tel: 020 7836 6966/020 7247 8121
www.shakespearecollege.com

「豊富な人生経験を武器に」

アラン・コーマーさんアラン・コーマーさん
West London Business College

アカデミック・ダイレクター

社会人学生、もしくは一度社会人生活を経験したことのある学生は、当然のことながら、既に多くの人生経験を積んでいます。これが、外国語を学ぶ上では大きな武器になります。私たちとしても、実際に生徒が体験したことのある物事の方がずっと教えやすい。実際に就職活動を体験したことのある人の方が、履歴書の書き方を指導しやすいと聞けば、私が言わんとすることを分かっていただけるのではないでしょうか。

私たちの学校では、少人数制を敷くことで質の高い授業を実現したクラスから、比較的大きな規模で運営することで授業料を良心的なものに抑えたクラスまでを用意し、多種多様な需要に応えるよう努力しています。また働きながら英語を勉強したいという人のために、イブニング・コースや週末にも授業を行っています。

最近では、IELTSのコースが人気を集めているという印象を持っています。移民規制が厳しくなったことにより、語学学校の生徒は学生ビザの更新時に、自分の語学力が着実に進歩していることを証明することがより重要になってきました。その証明を行うために、ILETSの試験を受ける生徒が増えてきているのでしょう。

West London Business College
77-83 Broadway, West Ealing, London W13 9BP
Tel: 020 8579 9661 
http://wlbc.webeden.co.uk

「吸収の速さと、集中力の高さ」

ニック・チャーカスさんニック・チャーカスさん
Bloomsbury International

アカデミック・ダイレクター

自国の学校を休学するなどの形で留学に来ている若い学生は、とにかく吸収が速い。一方で社会人学生は、自分が何を学びたいか、もしくは何を学ぶべきかを明確にしていることが多いので、目的意識が高く、高い集中力を発揮することが多いようです。教える側にとっては、どちらのタイプの生徒からも良い刺激を受けています。

当校では、DELTA(Diploma in Teaching English as a Foreign Language to Adults)と呼ばれる、英語教師としては最も高位の資格を有する教師が多数います。また学校内で英語教師養成のコースを運営しているので、指導のクオリティーの高さには自信があります。

また経済用語や法律用語といった専門的な分野を極めたい、といった要望にも応えることができます。ジェネラル・イングリッシュに加えて、会話に重点を置いた特別授業が人気が高く、また社会人を対象とした個人授業も実施しています。インタラクティブなホワイトボードやITルーム、パーティー会場ともなるシアター・ルームが設置されたジョージアン様式の校舎で行われる当校の授業は、非常にレベルが高いものであると自負しています。

Bloomsbury International
6-7 Southampton Place, London WC1A 2DB
Tel: 020 7242 2234
www.bloomsbury-international.com

「レベルの高い学校を選びたかった」

吉田 久美子さん吉田 久美子さん
Grafton College of
Management of Sciences

学生

前に通っていた学校では、私は全然英語ができないのに、すぐにUpper Intermediateのクラスに入ってしまって。日本人は概して文法問題ができるから、クラス分けテストが筆記試験のみだと、実力以上のクラスに入れられてしまうようなのです。でも今の学校では、ヘッドセットをつけて、リスニングのテストもばっちりさせられました。そうしたら、2つ下のレベルからの再出発となり、これまで習ったことをもう一度復習する良い機会となりました。

今、1クラスの生徒数は15人ほどですが、前の学校は20人以上、夏には30人近くに達することもあり、先生が日替わりというような時期もありました。最近でこそ、語学学校に対する取り締まりが厳しくなったせいで、各校ともに出席率を厳しくしたり、校舎の補修工事を行ったりしているようですが、数年前まで、そうしたいい加減な語学学校が多かったんですよ。

日本でメイクアップ・アーティストとして働いていた頃から、ロンドン、パリ、ニューヨークは憧れの地。英語圏で、他の欧州諸国にも気軽に足を伸ばすことができるロンドンを留学先として選ぶというのが、私にとっては最良の選択となりました。

Grafton College of Management of Sciences
Union House, 65-69 Shepherds Bush Green
Shepherds Bush, London W12 8TX
Tel: 020 8749 8367 
www.graftoncollege.com

「語学学校が、淘汰されてきています」

真鍋 明紀さん真鍋 明紀さん
I-ONE Education Centre

学校カウンセラー

学生ビザに関するルール改正と、移民局からの監査が厳しくなったことによる管理費の高騰などを理由として、最近になって授業料を値上げした学校が多くあります。例えば、年間の学費が£1600から£2000へと値上げになった学校もあります。新しくビザを更新する際に、予算を大幅に超えた増額に戸惑うというケースが多いようです。こうした現象は、格安な学校をお探しの方にとっては痛手となります。ただ一方で、取り締まりが厳しくなったことにより、国内に多数存在する語学学校が淘汰され始め、良質の学校だけが残っていくという傾向は良いことだとも思います。

私自身は、2007年の春から秋まで、イングランド南東部ブライトンにある語学学校に通っていました。その際にロンドンにてファッションのPRを手掛ける会社でインターンシップをしたのがいい経験になりましたね。現在、英国でインターンをするには、学生の場合、「Highly Trusted」と呼ばれる機関から出されたビザを取得することが必要です。これは大学・大学院生に主に出されるもので、語学学校の学生ビザでは事実上、インターンシップが難しくなっているのが残念です。

I-ONE Education Centre
28 Denmark Street, London WC2H 8NJ
Tel: 020 7240 4146 
www.i-one.org

English UK トニー・ミルンズ氏インタビュー

 

英国での安全な語学学校選び - English UK トニー・ミルンズ氏インタビュー

イングリッシュUK トニー・ミルンズ氏インタビュー

もしもあなたが英国で語学留学生として暮らしているのならば、最近になって、肩身の狭さを感じ始めているのではないだろうか。英国内での移民規制が厳しくなってくるに伴い、語学学生がアルバイトとして勤務可能な時間が縮小されたり、通学している語学学校が取り締まりの対象となった挙句に閉鎖されるといった極端な話を耳にすることもしばしば。そんな中、英国の語学学生たちの味方となり、様々な支援を行っている「イングリッシュUK」と呼ばれるチャリティー組織がある。その会長を務めるトニー・ミルンズ氏に、昨今の英国における語学留学生事情について、話を聞いた。

トニー・ミルンズ氏
イングリッシュUKのCEO。1951年にイングランド中北部ドンカスターに生まれる。フィンランドでの語学指導やケンブリッジ大学などで教鞭をとった後、英国内の教育機関や政府関連機関にて勤務。1999年より現職。

イングリッシュUK
適切な認定を受けた、英国の英語学校で構成される全国的なチャリティー組織。英国の国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルの認定を受けた英語学校や語学センターなど、400以上の教育機関が加盟している。コンサルタント活動やロビー活動のほか、生徒からの苦情の受付や英語教育の促進などを行っている。詳細は下記の日本語ページを参照。同ページにて認定校の確認などができる。
www.englishuk.com/ja/students

志を持つ学生にとっては、英国には理想的な学習環境、
そしてキャリアアップの機会が揃っていると思います

まず始めに、英国国境庁*1を相手取って先日起こした裁判*2についてのお話からうかがわせてください。非欧州圏出身の語学留学生が渡英する際に必要な、いわゆる学生ビザの取得条件についての「イングリッシュUK」の主張が、ほぼ全面的に認められたと理解しています。このときの高等法院の判断を、どのように受け止めましたか。

裁判の結果に関しては、大変満足しています。これにより、英国への留学を予定している語学学生が適切なビザを取得するために要求される英語レベルは、新規制が導入される3月以前の基準へと戻りました(※しかし同規制は再導入されることに)。イングリッシュUKに所属する英語学校はすべて、この結果を好意的に受け止めています。英国における英語教育部門は毎年15億ポンド(約1999億円)もの外貨収入をもたらしてきたにも関わらず、新規制の導入に伴い、この夏から秋にかけて英国に留学しに来る語学学生の数は、極端に減少する見通しとなっています。今回の高等法院の判断は、英国の経済にとっても喜ばしいニュースであると信じています。

裁判で私たちは、今回争われた新規制のような重大な決定については、英国国境庁からの一方的なガイドラインの付記としての通達という形ではなく、議会において審議した上で行われるべきという点を主張しました。また、英語を学び始める前に、一定の語学力レベルに達していることを要求するというのが、そもそも少し奇妙な理屈です。現行のように、A1レベル*3が適当だと思います。

ただ誤解して欲しくないのですが、裁判に訴えるというのは、私たちにとってはまさに最後の手段でした。今後は英国国境庁と建設的な関係を築いた上で、適切な移民規制の動きにも協力していきたいと思っています。語学学校側も、きちんと勉強もせず、学生ビザを悪用するような生徒を受け入れたくはないですからね。

在英邦人含め、英国で暮らす外国人留学生の間では、移民規制が年々厳しくなっていると実感している人が非常に多いかと思います。英国の留学先としての魅力*4は、段々と薄れているのではないでしょうか。

私はそうは思いません。例えば移民規制における昨今の大きな変更点の一つとして、いわゆる「学生ビザ」所有者の労働時間が縮小されるということがありましたが、制限の対象となるのは、よく誤解されているように学生全体ではなく、語学学生だけです。学位コースの学生はこれまで通り週20時間までの勤務が可能で、語学学生も週10時間までの勤務が認められています。

また依然として、語学学校から大学や大学院に進学そして卒業し、英国で新しい仕事を探すというキャリアを築く人は多くいて、そういった意味で、志を持つ学生にとっては理想的な環境が整っていると思います。さらに一つ付け加えるならば、現在ポンド安となっているため、外国人学生にとっては、随分と割安に英国での教育を受けられる機会が用意されていることになります。

認証を受けている学校に通う限り、突然の閉鎖などの事態について
心配する必要はありません

ただ最近では、「通学している語学学校が突然閉鎖」との憂き目に遭った語学学生の話なども耳にしますが……。

「通っていた英語学校が突然閉鎖」といったニュースは確かに語学学生たちの間でよく話題となっているようですが、実際のところ、きちんとした学校に通っている限り、学校が突然閉鎖されてしまうというケースは、非常に稀です。私たちイングリッシュUKの加盟校となっている学校を例に挙げてみましょう。過去17年間で、閉鎖に追い込まれた学校の数は、わずか10校のみ。つまり然るべき認証を受けている学校に通う限り、そうした事態を心配する必要はないと考えていいと思います。

また万が一閉鎖に追い込まれてしまった場合でも、イングリッシュUKの認定校であれば、通学生は、財政的な支援を受けられることになっています(下記「非常時のサポート・ファンド参照」)。つまり、改めて授業料を払うことなく、他校の同レベルのコースへと編入し、無事に留学生活を終えることができるのです。また該当期間における英国での宿泊費も補償されます。この詳細についてはイングリッシュUKのウェブサイトに記載されているので、是非ご覧ください。学校が閉鎖に追い込まれそうという事態が起きた場合、私たちのスタッフが駆けつけ、生徒たちがその後の留学生活をどのように過ごすことができるかについての相談に応じるなどしています。

繰り返しますが、イングリッシュUKの認定校に通っている限り、学校が突然閉鎖という憂き目に遭うことはまずありえないし、万が一そのような事態が起きたとしても、生徒はお金を無駄にすることはないのです。こうした補償措置は実は非常にユニークなもので、英国以外ではオーストラリアにしか存在しないはずです。ですから、英国は、今だって、語学留学先として最適の地なのです。

本インタビューを行った直後となる7月22日、政府は、「非欧州圏出身の市民が英語を学ぶために英国に留学するには、事前にGCSE(中等教育修了資格試験)レベルの英語力を保持していること」を必須条件とする内容を法制化し、同法が即日適用されることを発表した。同9日にイングリッシュUKが高等法院にて勝訴したばかりのこの問題は振り出しに戻ったことになる。この結果について、イングリッシュUKの広報担当者は、「非常に残念」としている。本誌では今後も誌面やウェブサイトを通じて、この問題を取り上げていく予定。

*1…英国国境庁 ^
英国の内務省の管轄下に置かれた機関。移民管理・規制などの業務を主に手掛ける。 www.ukba.homeoffice.gov.uk

*2…英国国境庁を相手取った裁判で勝訴 ^
英国国境庁は、2010年3月より、非欧州圏出身の市民が英語を学ぶために英国に留学するには、事前にGCSE(中等教育修了資格試験)レベルの英語力を保持していることが必須条件であるとする新規制を導入。イングリッシュUKは、こうした新規制が一方的なガイドラインの通知という形で実施されることを不当であるとして、裁判に訴えた。この訴えを受けて、高等法院は7月9日、こうした条件の厳格化は本来、議会において審議した上で行われるべきであったとして、イングリッシュUKの主張を認め、原告側勝訴の判決を下した。

*3…A1レベル ^
欧州評議会が定めた、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages、CEFR)における初級段階で、英国の一般的な語学学校における「Elementary」に相当。IELTS1.5~2.0、TOEIC 180~220点程度。3月の改正時には、英国で語学を学ぶ学生に最低限必要とされる語学レベルが、B1(同「Intermediate」に相当)にまで引き上げられた。

*4…英国の留学先としての魅力 ^
イングリッシュUKによると、英語を学ぶために英国に留学する生徒の数は、年間50万人以上。全世界の英語学生の半数近くが、英国で学んでいることになる。
English UK
イングリッシュUKのウェブサイトには、日本語ページもある

非常時のサポート・ファンド
万が一、イングリッシュUKの加盟校が突如閉鎖されてしまった場合、イングリッシュUKは、学生のために、「サポート・ファンド」と呼ばれる資金を使って、財政的支援を行う。多くの場合、同じレベルの語学コースを持つ学校へ追加料金なしで転校措置を手配して学習を修了できるようにし、また、宿泊施設に支払った料金についての損害も補償する。

ロンドンの語学学校に関わる人々に聞きました

 

コッツウォルズの魅力の真髄を知る Part 2

コッツウォルズの魅力の真髄を知る コッツウォルズ・ロマンティック街道を巡る Part 2

思いのほか広いコッツウォルズ地方を、まんべんなく見て回りたいと思ったら、ロマンティック街道のドライブがお勧め。コッツウォルズの深い歴史と自然を、十分に満喫できる南北2つのコースで構成されている。各コースの所要時間は、要所となる町や村を観光する時間にもよるが、基本的には1日ほど。ロンドンからであれば、2泊3日でコッツウォルズの魅力の真髄を体験できる。

(小野 まり)

協力・写真提供
グロスター観光局 www.the-cotswolds.org
コッツウォルズ環境保護局 www.cotswoldsAONB.org.uk

著者プロフィール
1999年にナショナル・トラスト取材のために来英。2002年、夫で日本ナショナ ル・トラスト協会のオフィシャル・アーティストでもある琢正氏ら家族とともに英国に移住し、以降、英国の環境保護活動に関する研究・執筆活動に携わる。

イラスト: 小野琢正
画家。2001年より英国ナショナル・トラストで巡回個展HENRO(遍路)展を開催、今年で10年目を迎えた。また09年より地元コッツウォルズの景観保護のためにコッツウォルズでのチャリティー展覧会なども開催している。 www.takumasa-ono.com


「コッツウォルズの ロマンティック街道」

ドイツのそれが古城や中世都市で有名なのに対して、コッツウォルズでは童話の世界に出てくるような愛らしい村々や美しい丘陵地帯という景色を楽しめるのが特徴。魅力的な村々を始め、その風景、地元の史跡や文化遺産のロマンスまでを十分満喫できるコースとなっている。

コッツウォルズの地図

旅の起点はここ

Cheltenham チェルトナム

チェルトナムロマンティック街道の起点となる町、チェルトナム。ビクトリア時代に保養地として栄えた英国屈指のスパ(鉱泉)タウンの一つだ。今でも鉱泉を試飲できるピットビル・ポンプ・ルームを始め、リージェント様式の華麗な建造物や、ローマ帝国を思わせるような気品溢れるプロムナードなどを内包する、英国屈指の美しい町として人気が高い。

コッツウォルズ・ロマンティック街道 北まわりコース

Winchcombe ウィンチクーム

ウィンチクーム 6人の妻を取っ替え引っ替え、そのためにローマ・カトリックから英国国教会へと一大宗教改革を行ったヘンリー8世ゆかりの地、スードリー城のお膝元の村。歴史に翻弄された女性たちの、悲しくも美しい人生を表したような可憐な花々が咲き乱れる、スードリー城のガーデンには感動すること間違いなし。

Sudeley Castle
www.sudeleycastle.co.uk

Broadway ブロードウェイ

ブロードウェイ 「ブロード(広い)ウェイ(道)」の名の通り、広い目抜き通りには、観光地らしい可愛らしいショップが並んでいる。この北まわりのコースでティー・タイムをとるなら、ここの「ティサーンズ」がお勧め。モチモチとした美味しいスコーンと、数十種はある紅茶の中から好きなものをチョイスできる、本格的なティー・ルームだ。

Tisanes Tea Rooms
Cotswold House, 21 The Green, Broadway,
Worcestershire WR12 7AA
Tel: 01386 853296
www.tisanes-tearooms.co.ukMoreton

Broadway Tower かつてはウィリアム・モリスも度々訪れたことのある「ブロードウェイ・タワー」。天気の良い日はコッツウォルズを囲む12州を見渡すことができる

Broadway Tower www.broadwaytower.co.uk

Snowshill スノーズヒル

スノーズヒル 映画「ブリジット・ジョーンズの日記」のロケ地としても有名なスノーズヒル村。村の手前にはナショナル・トラストが管理する「スノーズヒル・マナー」が、村を過ぎるとこの季節に満開を迎える「スノーズヒル・ラベンダー」の丘が広がっている。この畑で採れたラベンダーを抽出して作ったオイルやクリームは、コッツウォルズならでは。

Snowshill Lavender
www.snowshill-lavender.co.uk

Broadway Tower 「アーツ&クラフツ運動」の影響を受けた「スノーズヒル・マナー」のガーデン。美しい丘陵地を背景に、絵のように美しい可憐なガーデンが広がる

Snowshill Manor and Garden
www.nationaltrust.org.uk/mainw-snowshillmanor

Chipping Campden チッピング・カムデン

チッピング・カムデン コッツウォルズ地方最北端の町。12世紀から毛織物工業の繁栄とともに成長した町で、中心には1627年に建造された市場があり、現在はナショナル・トラストによって歴史的建造物として保護されている。また、ここはコッツウォルズ地方をおよそ7日間かけて歩くことができる「コッツウォルズ・ウェイ」の北の起点でもある。

写真)町の中心にある「マーケット・ホール」

Chipping Campden 町外れにある藁葺き屋根のコテージ。藁葺き屋根の家はこの地方でも貴重で、小さいコテージでも、その歴史的価値から数億円もする場合がある
Blockley ブロックリー

ブロックリー 丘陵地にふさわしい坂の村。その地形を生かしてか、かつては村内に12もの水車小屋があったと言われている。現在では、その水車小屋を利用した「ミル・ディーン・ガーデン」や、少し離れるが「ヒドコート・マナー・ガーデン」「キフツゲート・ガーデンズ」など、英国有数の素晴らしいイングリッシュ・ガーデンを楽しむことができる。

Kiftsgate Gardens www.kiftsgate.co.uk
Mill Dean Garden www.milldenegarden.co.uk

Hidcote Manor Garden 「コッツウォルズの宝石」と称賛されているヒドコート・マナーは、ナショナル・トラストによって保護された初めての本格的なガーデン

Hidcote Manor Garden
www.nationaltrust.org.uk/main/w-hidcotemanorgarden.htm

ストウ・オン・ザ・ウォルド Stow-on-the-Wold ストウ・オン・ザ・ウォルド

コッツウォルズ観光の魅力の一つに挙げられるのが、アンティーク・ショッピング。昔も今も富裕層が集まるこの地方は、最上級のアンティークの宝庫。ヨーロッパのみならず、世界中のアンティーク・ファンがこの町に「本物」を求め、集まる。

Lower Slaughter ローワー・スローター

ローワー・スローター 「コッツウォルズのベニス」と呼ばれ、大型観光バスが押し寄せるボートン・オン・ザ・ウォーターは、国道を挟んで目と鼻の先。ただしこちらは大型バス乗り入れ禁止区域なので、コッツウォルズの村の良さがそのまま残っている、静かで美しい場所だ。

南まわりコース

Northleach ノースリーチ

ノースリーチ コッツウォルズのほぼ中央に位置するノースリーチは、15世紀に建てられた教会を中心に広がる美しい村。この村外れにある18世紀の教護院が、現在の環境保護局のオフィスとなっている。すぐ近くにあるナショナル・トラストの「チャドワース・ローマン・ビラ(古代ローマの荘園)」は、歴史好きな方には必見の場所。

Chedworth Roman Villa
www.nationaltrust.org.uk/main/w-chedworthromanvilla

Bibury バイブリー

The Swan Hotel バイブリーはコルン川に沿った小さな村。由緒あるスワン・ホテルと鱒(ます)の養殖場のほかには、小さな店とパブがあるのみ。それでもこの地を訪れる人が後を断たない訳は、この地を称賛したウィリアム・モリスの影響だ。小さな石造りの家が並ぶ有名なアーリントン・ローの景観は、ナショナル・トラストによって保護されており、後世に残っていくことになる。

The Swan Hotel
www.cotswold-inns-hotels.co.uk/property/the_swan_hotel

Bibury  
Sherborne シャアボーン

シャアボーン 観光ガイド本などで紹介されることの少ない「シャアボーン」は、村ごとナショナル・トラストによって保護管理されている。石造りの家々、村で唯一の郵便局や小学校、そして広大なパークとエステイト。既に観光地として有名になっている町や村と違い、本物のコッツウォルズの暮らしぶりを垣間見ることができる。

Lodge Park & Sherborne Estate シャアボーン村とは国道を挟んだ向かいにあるロッジ・パークは、村の大地主であったジョン・ダトンの建てた社交専用の邸宅。17~18世紀の貴族の暮らしぶりを再現し、人気を集めている。

Lodge Park & Sherborne Estate www.nationaltrust.org.uk/main/w-lodgeparksherborneestate

Cirencester サイレンセスター

サイレンセスターシャアボーン ローマ時代の英国の地方首都の一つであったサイレンセスター。今では「コッツウォルズの首都」と呼ばれ、ローマ時代に負けないほど活気のある町となっている。850年の歴史をもつセント・ジョンズ・バプティスト教会は「コッツウォルズの大聖堂」と称されるゴシック建築の美しい建物。教会前の広場では、曜日ごとに様々なマーケットが開かれる。

ハイグローブ サイレンセスターまで来たら、ちょっと南に足を延ばしてテットベリーの町散策もお勧め。チャールズ皇太子自ら手掛けているガーデンのある別荘、ハイ・グローブ邸のお膝元である。町には皇太子直営店「ハイグローブ」もある。

Highgrove Shop 
www.highgroveshop.com

Burford バーフォード

バーフォード 14世紀の頃より「ウール・タウン」と呼ばれ、宿場町として繁栄を続けたバーフォードは、今でも当時の面影を保つ、賑やかで華やいだ町。良質のアンティーク・ショップも豊富だ。また、ハイ・ストリートにある人気のベーカリー「ハフキンズ」では、美味しいアフタヌーン・ティーと出会うことができる。このコースお勧めのお茶どころ。

Huffkins
98 High Street, Burford Oxfordshire OX18 4QF
Tel: 01993 822126
www.huffkins.com

Painswick ペンズウィック

ペンズウィック コッツウォルズの西の端にある小さな町。別名「コッツウォルズの女王」とも呼ばれている、美しい場所だ。ここは大型バスが入って来られないので、静かで趣のあるひとときを過ごすことができる。なぜか最後の1本がどうしても育たないという、99本のイチイの木がある セント・メアリー教会。ロマンティックな石造りの家々が連なる通りの奥からは、素晴らしい景観が望める。

財)ロングステイ財団公認
海外サロン・コッツウォルズサロンの紹介


コッツウォルズを訪れるなら……
限られた時間でコッツウォルズの魅力に触れたい。コッツウォルズで暮らすように滞在したい。ガイドブックに載っていない、素敵な場所を訪ねてみたい……。そんなオーダーメイドの旅を楽しみたい方は、日本語で対応してくれるコッツウォルズ・サロンに相談してみよう。

財)ロングステイ財団公認海外サロン コッツウォルズ・サロン
www.longstay.or.jp/modules/ls_salon/index.php?content_id=66


※情報は記事掲載当時のものです。

 

コッツウォルズの魅力の真髄を知る Part 1

コッツウォルズの魅力の真髄を知る 「英国で最も美しい村々」を訪ねて Part 1羊の群れ

数ある英国の美しい田園地帯のなかでも、とりわけ人気の高いコッツウォルズ地方。ロンドンから2時間ほどでたどり着くことができる「英国で最も美しい村々」だ。近年では、日本からも湖水地方と並んで訪れる観光客が多いこの地方だが、その本当の姿をきちんと知る人は少ない。そこで今回は、2週にわたってこの美しい田園地帯の魅力の真髄をご紹介。まず今週はコッツウォルズの歴史と環境保護活動について、ご説明しよう。

(小野 まり)

協力: グロスター観光局 www.the-cotswolds.org
コッツウォルズ環境保護局 www.cotswoldsAONB.org.uk

著者プロフィール
1999年にナショナル・トラスト取材のために来英。2002年、夫で日本ナショナル・トラスト協会のオフィシャル・アーティストでもある琢正氏ら家族とともに英国に移住し、以降、英国の環境保護活動に関する研究・執筆活動に携わる。

コッツウォルズの地図

・コッツウォルズの歴史

「コッツウォルズ」とは何処を指すのか ── 単純な質問だが、この問いに正確に答えることができる人は意外に少ないのではないだろうか。

北はウォーリックシャーとウースターシャーの一部と接し、東側はオックスフォードシャー西部の一部分、そして大部分はグロスターシャーの東部を含み、南はウィルトシャー、バース、そしてサマセットの一部に接している。その総面積は2038平方キロメートル、東京都とほぼ同じ広さだ。そのなかにおよそ100の村や町が点在している、緩やかで広大な丘陵地帯が、コッツウォルズ地方である。

「ローマが眠る」地方

この地方の歴史は長く、4000年以上前の史跡が今も多く残っている。また、コッツウォルズに暮らす人々が「足元にはローマが眠っている」と言うほど、古代ローマ帝国の影響を大きく受けた一帯でもある。

ローマン・ビラのモザイクの床
ローマン・ビラのモザイクの床

紀元43年にはケルト民族征服のために大陸からやってきたローマ軍が、容易に守れる緩やかなこの地に目を付け、軍隊のための道路や駐屯地を設けた。それが現在では高速道路や国道として残り、この地方のドライブには欠かせない主要幹線道路となっている。さらに、当時の高級軍人の暮らしぶりを知ることができるローマン・ビラ(古代ローマの荘園)なども現存している。ガーデニングがてら庭をちょっと掘ったら、古代ローマの遺物が出てきた──なんてことも珍しくないのが、この地方の特徴でもある。

中世になると、ローマ人によってもたらされた毛の長い羊、今では「コッツウォルド・ライオン」と呼ばれ、この地方のシンボル的存在となっているが、その羊の羊毛貿易によって、この地方は黄金期を迎えた。コッツウォルズにあるいくつかの村に付いている「チッピング(Chipping)」という名称は「市場」という意味をもつことからも、その最盛期の賑わいがうかがえる。

さらに14~16世紀には、地場産業としての羊毛加工技術の向上と需要増によって、この地方に潤沢な資産がもたらされた。蜂蜜色のライムストーンの可愛らしい家々に混じって、歴史的建造物の名に相応しい、壮麗なマナー・ハウスやカントリー・ハウスが現存しているのも、この時代の遺産のおかげだ。

時代に取り残された地方から「この世で最も美しい村」へ

しかし、産業革命を迎えた18世紀以降、コッツウォルズ地方は急速に時代に取り残されていく。時代は毛織物から綿製品へ、そして大量生産の化学繊維へと移行していったのである。コッツウォルズが今なお「昔のままの姿」をとりとめているのには、実はこの時期、完全に時代に乗り遅れ、人々の記憶から忘れさられたことが一因となっているのである。おかげで、産業革命期を境に英国に張り巡らされた鉄道網からも逃れ、数百年前の田園風景が保たれることになった。

ウィリアム・モリス
コッツウォルズを愛した
ウィリアム・モリス

時代に取り残されたコッツウォルズ地方が、再び注目を集めだしたのは19世紀になってからである。ときの文化人たち、なかでも英国を代表するデザイナーであり、「アーツ&クラフツ運動」の旗頭であったウィリアム・モリスが、彼の別荘であるケルムスコット・マナーにほど近いバイブリーを「この世で最も美しい村」と賞賛したのは、あまりにも有名な話だ。産業革命によって疲弊した人々の心身を癒したのが、このコッツウォルズに広がる田園風景だったのである。現在では、英国人たちが「老後に最も暮らしたい場所」として一番に挙げるほど、この地は桃源郷として現代に蘇ったのである。

街並み
蜂蜜色の可愛らしい家々が連なる街並み

羊と「王の石」
「コッツウォルド・ライオン」とも呼ばれる地元の羊(写真左)
ストーンヘンジと同時期に建造されたと言われる「王の石」(写真右)

AONB指定地域の証
AONB指定地域の証

・地元環境保護の取組み

「エリア・オブ・アウトスタンディング・
ナチュラル・ビューティー」

さて、長い歴史のなかで「運良く」残ったコッツウォルズだが、どんなに素晴らしい景観地も、実は人の手が入らなければ荒れ果てていくものである。19世紀後半に見直されたこの地方が、さらに英国の保護対象となったのは20世紀のことであった。

1966年、コッツウォルズは「Area of OutstandingNatural Beauty(特別自然美観地域。以下AONB) の指定を受けた。AONBとは、イングランド、ウェールズ、北アイルランドにおいて、後世に残すべき価値のある美しいカントリーサイドを、政府に代わって保護管理する地方議会により、特別指定地域に選ばれたことを意味する。AONB指定の第一の目的は、その自然景観の美しさを保存し、さらに改良していくこと。そして第二の目的は、このカントリーサイドの素晴らしさをすべての人々が享受できるよう、地域住人やそこで働く人々の利益を尊重することにある。

石を積み上げるボランティア
石を積み上げるボランティア

現在、コッツウォルズ地方の人口はおよそ15万7000人。土地利用の構成は80%以上が農地、およそ9%が森林地区である。コッツウォルズの観光拠点となっている町や村で、ファーマーズ・マーケット(地元農家による露天売り)が盛んに開催され、人気を集めているのは、そうしたバックグラウンドも影響しているのかも知れない。また、コッツウォルズの景観には欠かせないドライストーン・ウォール(地元の石灰石を、接着剤を使用せずに積み上げて造る石壁)は、その技術の伝達も含め、何百人もの地元ボランティアによって担われている。

2004年12月には、コッツウォルズAONBの環境保護をさらに強化するために、「コッツウォルズ環境保護局(Cotswolds Conservation Board)」が、政府によって設立された。同保護局はコッツウォルズのAONBを保全するための唯一の機構であり、様々な計画を率先して実行。コッツウォルズの環境保護のためのプロ組織が、政府の下に誕生したわけである。

ここで注目すべきは国と地方自治体の関係で、環境保護に関する様々な法的権限は保護局にあり、また地元のためになる計画であれば保護局独自の考えに基づき実行できるという点だ。国は国民のためにその目的に沿った活動がきちんと実施されているか、常に監視する立場にある。保護局で働くスタッフは20代から40代の少数精鋭の専門家集団。どこかの国の天下り組織とは、全く違うのである。

環境保護局の目的は、それまでのAONB同様、地域住民とそこで働く人々の環境保護への関心を高め、さらにその地域への訪問者に関しても、コッツウォルズの素晴らしさを享受してもらえるよう、努めることにある。現在、保護局のオフィスは、保護地域の中央に位置するノースリーチという村にある。オフィスの一般見学は無理だが、隣接の建物は古くからこの地に伝わる珍しい農工具などが展示してある博物館となっている。また、地ビールを味わうことができるカフェもあり、地元アーティストやクラフトを扱ったショップもオープン、新たに観光名所の一つとなるだろう。

持続可能な自然と人間の共存

2006年、コッツウォルズはAONB指定40周年を迎えた。築50年、100年の民家を「新しい家」と考える英国人にとって、この40年間は、まだまだ「子どもの歩み」だ。これからもゆっくりと、しかし確実にこの自然景観を守っていくこと、それがコッツウォルズに課せられたテーマであり、この地に憧れを持つ、一人一人の願いでもある。

親から子へと伝わる環境保全の意識
親から子へと伝わる環境保全の意識

年間300万人以上の観光客を受け入れながら営まれている、この地域の環境保全の取り組みをみていると、そこには地域住民、そこで働く人々、そしてその地域で育つ子どもたちも含めて、持続可能な自然と人間の共存にじっくりと取り組んでいる姿がある。性急な答えを求めない、無理のない環境保全への対策。先導する専門家たちと、それを支える何百ものボランティアの人々──その層の厚さはうらやましい限りで、コッツウォルズの緩やかな丘陵地に流れる風のように、この美しい風景を優しく包み込んでいるようだ。

幻想的な景色
もやがかった幻想的な景色が広がる

ファーマーズ・マーケット
新鮮な食材がずらりと並ぶファーマーズ・マーケット

あなたもコッツウォルズの環境保護にひと役!

コッツウォルズ AONB & Takumasa Ono コラボ商品が誕生

日本ナショナル・トラスト協会のオフィシャル・アーティストでもある画家・小野琢正さんと、コッツウォルズ環境保護局のコラボ商品が誕生。このコッツウォルズをテーマとした水彩画12絵柄の絵葉書セットの売り上げの一部は、地元環境保護局へ寄付され、コッツウォルズの景観保護に役立てられる。

コラボレーション
定価6ポンド(コッツウォルズ内ツーリスト・インフォメーション・センターなどで販売中)(写真左)/ 原画とともに記念撮影に応じる小野琢正さん(同右)

コッツウォルズをもっと詳しく知りたい人のために

図説・英国コッツウォルズ -  憧れのカントリーサイドのすべて今回ご紹介したのは、コッツウォルズの一部。この魅力溢れるカントリーサイドを、じっくり散策したい人のためのガイド本。およそ240点の写真とともに、コッツウォルズ在住の著者ならではの、お勧めどころが満載だ。

『図説・英国コッツウォルズ -
憧れのカントリーサイドのすべて』
河出書房新社・刊 小野まり著
定価1800円
ロンドンJP–Booksなどで販売中

※情報は記事掲載当時のものです。

 
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