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Sun, 07 July 2024

移行に必要な手続き・書類をいますぐ確認! 2025年1月1日から英国で「eVisa」が運用開始

英国の内務省(Home Office)は、2025年から滞在許可証(ビザ)をデジタル化し、セキュリティー強化や利便性の向上を目指す。今回はスムーズなeVisaへの移行のために、各自でやっておかなければいけないことを紹介する。
(文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

参考: www.gov.ukwww.ukvcas.co.ukhttp://shukatsuweb.net/ukevisa

eVisa

Home Officeは2023年10月30日に政府の公式サイトGOV.UKで、24年12月31日をもってこれまでのビザの形態を原則失効とし、25年1月1日以降は全面的にeVisaによるデジタル管理に移行すると発表。該当する方は、24年内にeVisaへ移行できるように、早めに必要な手続きを済ませることをお勧めする。

Home Officeの方針に基づいて、バイオメトリック・レジデンス・パーミット(Biometric Residence Permit=BRP)またはバイオメトリック・レジデンス・カード(Biometric Residents Card=BRC)という顔写真入りのプラスチックのカードを保有している方と、BRP/BRCは保有せず古いパスポートに永住権(ILR=Indefinite Leave to Remain)のスタンプの押印、またはステッカーが貼り付けられている方とでは必要な手続きが以下のように異なるので注意が必要だ。

BRP/BRCを保有している方

BRP/BRCを保有している方は、24年夏ごろからHome Officeのビザ・移民部門(UK Visa & Immigration=UKVI)のシステムへのアカウント登録が可能になるので、eVisaへの移行手続きを済ませること。

古いパスポートにILRのスタンプが押印、またはステッカーが貼り付けられている方

英国のILRを取得していても、BRP/BRCは保有せず、古いパスポートにILRのスタンプが押印、またはステッカー(Vignette)が貼り付けられている方は、このeVisaへの移行手続きの前にまずNTL(No Time Limit)という申請を行う必要がある。

NTLの申請方法

UKVIのサイト(Biometric Residence Permit Replacement Service (visas-immigration.service.gov.uk))で情報を入力。ここで聞かれるのは、氏名、メール・アドレス、電話番号、住所、その住所に住み始めた時期、性別、婚姻関係、国籍、生年月日、出生国、パスポートの詳細(番号/発行機関/有効期限)、国民保険(National Insurance=NI)番号、英国での刑法・民法違反・犯罪歴・戦争犯罪・テロ・グループへの加担の有無、ILRの取得年月日、英国居住年数、ILRを取得してから6カ月以上の英国出国歴の有無など。

その後、民間企業のサイトUKVCAS(UK Visa & Citizenship Application Services)で、本人の顔写真の撮影/指紋の採取/パスポートのスキャンの予約を取る。

UKVCASの予約を取った後、その前日までに

  • 本人の現住所を証明する書類
  • 現在のパスポート
  • I LR取得後に英国に継続して居住していたことを証明する書類(カウンシル・タックスの請求書、登録したGPからのレター、電気ガス水道などの公共料金の請求書、就労・就学証明書のいずれか)
  • ILR取得後の失効した分を含む全てのパスポート
  • 同サイトからダウンロードしサイン済みの、それらの書類が真正であるかどうかをHome Officeが第三者機関に調査することに対する同意書
  • そのほかNTL申請に有益と思われる任意の関連書類(Tax Return確定申告書、P60 End of year certificate、NI National Insurance Contribution納付履歴など)を用意。これらは自身でアップロード、もしくは当日UKVCASのオフィス(サービス・ポイント)に持参する

UKVCASとの予約の当日に顔写真の撮影/指紋の採取/パスポートのスキャンなどが行われる。手続きを全て済ませると、2〜3カ月から6カ月以内にUKVIから24年12月31日まで有効のBRPカードが送付される。BRPカードを受領後、UKVIのサイトに行き、そのBRP番号でアカウント登録することで、eVisaへの移行の手続きが完了する。

evisaについて(2024年を通じて更新予定):www.gov.uk/evisa

心配な方のためのQ&A

Q1 NTLの申請費用は?

eVisaへの移行やNTLへの申請手続きは無料。しかし、UKVCASでの顔写真の撮影や指紋の採取、パスポートのスキャンは、そのサービス・ポイントの場所や予約の曜日、時間帯によって無料から有料までさまざまだ。UKVCASのサービス・ポイントは英国全土に数十カ所あるので、自身に都合の良い場所を選んで予約を。UKVCASではそれに加え、当日の通訳(59ポンド)、書類の確認(49ポンド)、書類のスキャン・アップロード(56ポンド)などの有料サービスもあるので、心配な場合は利用するとよい。

Q2 必要書類が全部そろわない?

NTL申請書類で、現住所を証明する書類(英国運転免許証/カウンシル・タックスの請求書/電気ガス水道料金など公共料金の請求書/銀行口座ステートメント/登録したGPからのレターのいずれか)と、現在のパスポートのコピーは必須。

しかしそのほかの書類で、ILR取得後に継続して英国に居住していたことを証明する書類(取得後から現在までの年月全ての上記の書類など)や、ILRが承認されたHome Officeからのレター、ILR取得後の失効した分を含む全てのパスポートなどが全部そろわない場合は、可能な範囲内で準備すること。迷ったらUKVCASの書類確認を含む有料サービスの利用を検討し、当日書類を持ち込む方がよい。

Q3 UKVCASの予約当日に持参するのは?

UKVCASの予約のQRコードが表示されている予約確認票と現在有効のパスポートの2点。そのほかの書類は、UKVCASに書類の確認/スキャン/アップロードの有料サービスを予約していない限り必要ない。

Q4 年内に移行できなかったらビザが無効になる?

UKVIのサイトに「すでに取得済みのビザやその条件は、このeVisaへの移行手続きによって影響を受けない」(Updating your physical document to an eVisa does not affect your immigration status or the conditions of your permission to enter or stay in the UK.)と明記されている。そのため、もし24年内にeVisaへの移行手続きが完了せず、25年1月1日以降にずれ込んだとしてもILRの取り消しや国外退去、再入国拒否などはないとされる。ただ、25年1月1日以降、eVisaへの移行手続きが済まないうちに国外に出た場合、英国の入国審査ですんなり入国が認められるのか、審査にどれだけ余分な時間がかかるかは不明だ。

 
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