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英国バスの不思議

「いつもより10分も過ぎているのにまだバスが来ない。もしバス停で10分待っても来なかったら、学校まで車で送ってくれる?」シックス・フォーム・カレッジへの通学に使っているローカル・バスの運行状況を携帯電話で確認しながら、イライラした様子で娘が言いました。
「分かった、じゃあバス停からテキスト・メッセージで様子を教えて」と返事をして娘を見送り、今日は学校まで送っていかないといけないかな、と準備をし始めたときに「ようやくバスが来た!」と娘からのメッセージ。なんとか始業時間には間に合ったようです。そして、「いつもなら学生で満員のバスが今日はガラガラだった。ほとんどの学生がバスが来ないために遅刻するのを心配して親に車で送ってもらっていた」と夕方帰宅した娘が言っていました。
以前、本コラムの第4回目に「Unexpectedな英国鉄道」という記事を書きましたが、英国では列車のみならず、別の公共交通機関であるバスでも、今回のようなエピソードには事欠きません。つまり、日本では考えられないような事態が起こったり、信じられないような場面に遭遇することがたびたび起こるのです。例えば、子どもたちが通学に使っている件のバス(専用のスクール・バスではなく、地元のバス会社が運営している学校まで行くルートのもの)。娘によれば、以前、ドライバーが道順を覚えていなくて、運転席の近くに立っていた娘が、学校のサインが見えるまで、付きっきりで道を案内してあげたことがあったそうです。
また、以前私が乗っていたバスでは、途中で運転手が交代する少し大きめのバス停で、交代するはずの運転手がやって来ませんでした。そのため、15分ほど経って「このバスはここで止まるので、次のバスに乗り換えてください」と、私を含めた乗客は、突然バスを降ろされてしまいました。
そして、ロンドンに住んでいたころにたびたび経験したのが、バスの前にある行き先を示す表示のところに「Ask Driver」と書かれていたこと。これは、同じ番号のバスであっても、場合によっては終点まで行かずに、途中で運行をやめてしまうことがあるため。でも、渡英してすぐは、そんなシステムも知らない上に、英語もままならなくて、自分の行きたいところに行けるのかどうかを英文フレーズで尋ねることができず、「ハイゲート?」と地名を単語だけで聞いて、なんとかしのいでいたのを思い出します。
また、自分の乗りたいバスが待てど暮らせど永遠に(40分くらい)来ないと思ったら、突然同じ番号のバスが3台連なって到着する、というのも英国では誰もが1度は経験しているはず。
いまだに英国のバスに乗るときには、時間と気持ちにゆとりを持つことが何より肝要だと感じます。



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マクギネス真美






