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道路でゴルフができちゃう?

「この道はゴルフ場かと思っちゃうね」。夫が家の近所を運転していたときに言いました。路上に目をやると、あちらにもこちらにも、アスファルトの道路にポットホール(pothole)と呼ばれる大きな穴が開いています。最初は夫のブリティッシュ・ジョークに笑っていましたが、1カ月たっても2カ月たっても穴はふさがれず、こうなると笑っているわけにもいきません。なにせポットホールがたくさんある道では、それをよけるために、まるでF1レースのコース上にあるシケインを運転するようなテクニックが要求されます。そのうえ、対向車がいて穴を避けられないときにはタイヤが穴にはまると、スピードを落としてもお尻が浮き上がるほどの衝撃を感じます。そんな道路が地元エリアだけでいくつもあるのです。誰もが危険を感じているせいか「あそことあそこの道路を運転するときは、ポットホールに気をつけて」と、地元エリアのFacebookグループで情報が交換されるようになりました。
実はこのポットホール問題、私の住む地域だけではなく、ニュースや政治討論で取り上げられるほど、全国的に問題が深刻化しています。
英国アスファルト産業連盟の最新調査によると、イングランドとウェールズの道路修復に必要な費用は、なんと186億ポンド(約3.9兆円)に達するといいます。一般紙「ガーディアン」は「危険なくぼみだらけになった地方道路は『国家の恥』」と題して、全国の道路の半分のみが良好なコンディション(つまり半分は悪コンディション)とレポートしています。
アスファルトの道路に穴があく原因の一つには、雨水がアスファルト内部に入り、冬の寒さでそれが凍結し、また溶ける、という繰り返しで道路が割れることが指摘されています。さらに近年の異常気象も拍車をかけているともいわれます。
日本では特に年度末になると道路工事があちこちで行われている印象がありますが、日本の場合は英国のような「ゴルフ場」状態になった道路を見ることはほとんどありません。日本も、道路インフラの老朽化自体はかなり深刻だといわれますが、日本と英国で違うのは「道路が傷んだ状態への社会の許容度」の可能性があります。というのも、日本では小さな段差やヒビでも苦情が寄せられれば自治体が比較的早く対応します。なぜなら人々にとって道路は「安全で滑らかなのが当然」という意識が強いから。だから日本では「悪化する前に直す」のかもしれません。
一方、英国では「まあ多少の穴があっても仕方ないよね」という感じだったことも、道路の悪化を長引かせた原因なのではないでしょうか。ただし、今はそれが限界を超えてしまった状態です。
日本でなら当たり前の「穴がないスムーズな道路」というのは、英国では今や貴重な存在といえそうです。



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