ucc
Mon, 06 December 2021

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして18年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。日本での雑誌編集を経て2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して

30
雨でもやりでもウォーキング!?

雨でもやりでもウォーキング!?

英国の11月といえば、晩秋というよりは冬と呼ぶのがふさわしい時期。時計も冬時間になり、夕方4時すぎには真っ暗になることも。その上、そぼ降る雨もたびたびで、地面はいつもジメジメしています。そんななか、週末は娘と二人で、家から5分のところにある丘までウォーキングをしてきました。

今でこそ、冬でもほぼ毎週末のように、こうして近くの自然保護地域や森林公園などにウォーキングに出掛けている私。でも、渡英後すぐのころは、英国の人たちが、寒い冬に、それも小雨が降っていても(!)わざわざウォーキングに出掛ける意味が分かりませんでした。

英国の人々のウォーキング好きを実感したのは、義父母のところで初めてクリスマスを過ごしたときでした。クリスマス・ディナーを食べ終えてから、ソファに座ってテレビを見たり、プレゼントにもらった本を読んだりと、それぞれがリラックスしてしばらくたったとき、「マミ、フレッシュ・エアーを吸いに行かない?」と義母が言いました。そして、家族皆でウォーキングに出掛けたのです。することといえば、遠くの丘に羊の姿が見えるカントリー・ロードをおしゃべりしながら歩くだけ。往復1時間くらいの道のりを、のんびり歩いて家に戻り、そのあとはもちろんマグにたっぷりの紅茶をいただきました。

翌日のボクシング・デーには、車で30分ほどの海に出掛け、髪が逆立つほどの海風に吹かれながら、ビーチを延々と散歩しました。そして家に着いたらまたティー・タイムです。

最初は、こんなに寒い中ウォーキングに出掛けるのは夫の家族だけの伝統(習慣)かと思っていたのですが、どこに行っても、同じようにレインコートにマフラーにウールの帽子に長靴という装備をした人々が大勢いて、どうやらこれは全英国民の習慣なのだと気付きました。


それにしても英国の人々は、雨が降っていたり、すこぶる寒い日になぜわざわざウォーキングに出掛けるのでしょう?「英国の天気を知っているでしょう? 晴れるのを待っていたら永遠にウォーキングになんて行けない」「われわれ英国人は『天気に自分の人生を決められてたまるか』と思っているから、どんな天候だろうが散歩に行くと決めたら行くのさ」。友人たちはこんな風に言っていました。また、「英国に就て」の中で、吉田健一が「寒い田舎道を威勢よく散歩した後は紅茶も旨く、それで英国人は冬でもよく田舎道を、お茶の時間の前に何の用もないのに散歩しに出かける」という記述をしています。英国暮らしが10年を超えたころからは、どの理由にも納得がいくようになりました。

 
<< 最初 < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 > 最後 >>

  • Facebook

グリーティングカード制作 プリペイドSIMカード - Japan Travel SIM
athletia
バナー バナー バナー バナー

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
コロナに負けるな!応援フェア
ロンドン・レストランガイド
ブログ