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Wed, 04 December 2024
21 November 2024 vol.1663

カンタベリー大主教が辞意
少年虐待への対応に批判

チャールズ国王の戴冠式の儀式を執り行った際のウェルビー・カンタベリー大主教チャールズ国王の戴冠式の儀式を執り行った際のウェルビー・カンタベリー大主教

(ロンドン 11月13日 時事)英国国教会の最高位聖職者であるウェルビー・カンタベリー大主教が12日、辞意を表明した。国教会関係者による長年にわたる少年虐待の事実を把握していたものの、警察当局への通報を怠ったことに対する批判が高まっていた。

英メディアによると、国教会に関係する弁護士は1970年代から英国やジンバブエ、南アフリカで、少年に対し身体的、性的、精神的虐待を加え、被害者は約130人に上るという。独立調査報告書は先に、2013年に虐待について知った大主教が警察当局に通報していれば、加害弁護士は裁判にかけられた可能性があると結論付けた。この弁護士は18年に死去した。

大主教に対しては、報告書を受けて辞任を求める圧力が教会内部からも強まっていた。

国教会は16世紀にローマのカトリック教会から独立し、英君主が首長を務める。カンタベリー大主教は2022年、エリザベス女王の国葬で弔辞を読み上げたほか、翌年のチャールズ国王の戴冠式の儀式を執り行った。英メディアによれば、後任が選ばれるまで半年程度かかる見通し。

移住先でも繰り返された虐待

先の独立調査報告書やチャンネル4ニュースの調査により、1970年代から弁護士ジョン・スミス氏(故人)が行ってきた虐待行為が明るみに出た。2017年2月、チャンネル4ニュースの調査で、福音派キリスト教のホリデー・キャンプを運営している慈善団体、イウェルネ・トラストによる1982年の報告書が2016年まで公表されていなかったことが分かった。同報告書によると、少年たちのうち8人は3年間で合計1万4000回のむち打ち刑を受け、さらに2人は合計で8000回のむち打ち刑を受けた。また、さらなる捜査の結果、スミス氏はウィンチェスター・カレッジを含む一流公立校の生徒を英南東部ウィンチェスター近郊の自宅に連れて行き、小屋で園芸用の杖でむち打ちしたことが判明。イウェルネ・トラストは、この行為を「恐ろしい」と記したが、この訴えは30年以上も後の2013年まで警察に報告されなかった。

後にスミス氏はジンバブエへ移住。しかし、同地でサマー・キャンプに参加していた16歳の少年を殺害した罪で起訴されたものの、有罪判決は受けなかった。ジンバブエを含むアフリカ諸国で約85人の少年や若い男性へ身体的虐待を行なったとされている。

 
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