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Fri, 19 October 2018

駐在員のファイナンシャル・プランニング

駐在員の方の滞在期間は限られていますが、英国にいる利点を生かしファイナンシャル・プランを組むのも一案かもしれません。今回は駐在員の方のために、英国滞在中に便利なファイナンス情報をお知らせいたします。

英国の金利は下がったといってもまだまだ日本より魅力的です。金利が高めの銀行口座をいくつか教えてください。

金利の付く預金口座には、いつでも出し入れ自由で変動金利の「Instant access」口座と、満期まで引き出しに制限があるものがあり、高めの固定金利が付く「fixed term deposit」や「bond」(定期預金)の2種類があります。下記口座例をご参照ください。なお、下記の「Instant access」口座には最初の1年のみ適用されるボーナス金利が付いており、その後はボーナス金利ではなく通常の金利となることにご留意ください。Tesco Bankの例では、最初の1年は1.31%、その後は0.55%(1.31%ー0.76% )に下がるということです。

競争力のある定期預金(著名銀行中)

銀行名口座名AER期間メモ
Post office Money* Online saver issue 31 1.33% Instant access •口座管理は
インターネットのみ
•1年間1.07%の
ボーナス金利付き
Tesco Bank Internet saver 1.31% Instant access •口座管理はインターネットか電話のみ
•1年間0.76%のボーナス金利付き
Post office Money* Online Bond Issue 45 2.10% 3年 Fixed Term •インターネットのみ
Barclays Flexible Bond Issue 36 1.26% 2年 Fixed Term  

Data: Money supermarket 19/7/2018
AER: 1年間の総利回り
上記は預金口座例であり、後日変更される可能性があります。
筆者の推奨ではありません。
* Post office(郵便局)口座は政府ではなく、私営のBank of Ireland英国支店が預入先です。

英国にも預金保険機構はありますか。

はい、Financial Services Compensation Scheme (FSCS)という金融サービス補償スキームにより、1人1金融機関8万5000ポンドまで保証されます。ただし、英国金融指導庁Financial Conduct Authority (FCA) やプルデンシャル規制庁Prudential Regulation Authority (PRA)に認可された金融機関が倒産した際などにだけ、適用されます。

国際金融の中心地にいることですし、日本ではアクセスできないような運用商品を試してみたいと思っています。どのような商品がありますか。

「オフショアボンド」という、保険契約の投資商品(日本の変額保険に類似)が検討できると思います。アイルランドやマン島などのタックスヘイブン(租税回避地)で設定されるので、口座内にて受け取る配当や売却益などは解約まで非課税で、複利で運用されていきます。最終的に解約する際にはご本人の居住している国の税制により所得税が発生します。投資対象がとても広いのも特徴の一つで、英国、オフショア籍の無数にある投資信託や複数の預金口座が、一つの口座で一元管理できます。このほか、日本では購入できない投資信託も検討できると思います。

パフォーマンスの良い投資信託例をあげてください。

英国は世界中のお金や情報が集まると同時に、素晴らしい運用成績を達成しているファンドマネジャー(運用最高責任者)も集まってきます。日本では販売されていないこれらの投信を試すことができるのは、こちらにいる利点の一つです。駐在員の方は将来は日本に戻られるので、英国中心ではなく世界株式に投資する投信のトップ3(259個中)をあげておきます。平均的成績との差には驚嘆します。

世界株式で運用される投資信託 ― 過去3年間の運用成績上位3社

投信名3年間上昇率*5年間上昇率*10年間上昇率*
Standard Life Investments Global smaller companies 26.9% 92.3% 127.7%
Fundsmith Equity 18.0% 91.1% 149.5%
Lindsell Train Global Equity 27.0% 84.2% 144.4%
当分野平均 9.6% 44.5% 67.4%

Data: Trustnet * 20/7/2018までの上昇率(手数料差し引き後)
上記は投信例であり、筆者の推奨ではありません。

日本から円を送金・ポンド転換・送金する経済的な方法を教えてください。

日本から英国への送金は、円を日本の金融機関でポンドに両替し、金融機関に5000円程度の手数料を支払い電信送金する方法が一般的です。為替取引の主なコストはスプレッドと呼ばれる買いレート(TTB)と売りレート(TTS)の差(スプレッド)です。円をポンドに替える場合に用いるTTSは、市場レートの仲値から4円も高くなっています。仲値が150円のときに2万5000ポンドを買う場合、TTSは154円で、£25,000 × @154 = JPY 3,850,000が必要ということです。そこで、個人向けに1~2円などのスプレッドでリアルタイムの両替を提供する為替ブローカーを利用するのも一案です。前例では、151円を提供された場合、£25,000 × @151 = JPY 3,775,000となり、7万5000円を節約できる形になります。

日本から英国に送金する際、税務的な問題はありますか。

英国では英国人のように英国に生まれ永住している居住者(Domicile)と英国外で生まれ一時的に滞在している我々外国人の居住者(Non-Domicile)を税法上区別しています。Non-Domicileは、英国滞在期間が7年以内であれば、英国外で発生した所得に関しては、それを英国へ送金しない限り非課税とする「送金課税」を選択でき、駐在員の場合は通常雇用者が送金課税を採用するか決めているようです。もし採用していれば、英国に送金した金額に家賃収入や金利などの所得が含まれている場合、税金がかかることになります。一方、英国でなく、前述したオフショア地域へ送金するのであれば、両地域とも英国外ですので、税務的な含意はなくなると思われます。

* 運用資産は増えることも減ることもあり元本割することもあります。過去の運用成績は将来のそれを保証するものではありません。

※ 次回のマネー教室は10月18日に掲載致します。
当コラムは2018年8月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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