子どもたちの未来を照らす
イングランドの幼児教育から中等教育まで
早い段階から個性を尊重し、遊びや探究を通して学びを育む英国の教育は、子どもたちの中に自発性と柔軟な思考を育てていく。英国で子どもを育てる家庭にとって、制度や進学のしくみは日本とは大きく異なり、将来の帰国や進路を考えるうえで戸惑う場面も少なくないだろう。この特集では、英国、特にイングランドの幼児教育から中等教育までの全体像をたどりながら、その根底にある考え方や近年の制度改革、そして実際の学校生活に光を当てる。(文: 英国ニュースダイジェスト)
参考: www.gov.uk、www.britishcouncil.jp、https://classroomsecrets.co.uk、https://minervatutors.co.ukほか
子どものペースに合わせたイングランドの幼児教育
イングランドの幼児教育制度の概要と、実際の教育現場で大切にされている日本とは異なる価値観を紹介しよう。
初期教育の種類
0~5歳児の初期教育は、年齢や状況に応じていくつかの区分に分かれている。
● ナーサリー
生後数カ月から2、3歳ごろまでの子どもを対象とする施設で、日本の保育園に近い存在といえる。施設によっては乳児用と幼児用の部屋に分かれており、子どもの発達段階に合わせた環境が整えられている。保育と教育を組み合わせ、遊びを通じて言語、社会性、運動能力などの成長を支えることを目指している。後述の初期教育基準(Early Years Foundation Stage)に基づいたカリキュラムが導入されており、企業や自治体による運営のほか、ボランティア団体が関わる場合もある。複数の子どもと過ごす環境の中で、集団生活への慣れや社会性が育まれる点も特徴の一つ。
また、デイ・ナーサリーと呼ばれる施設は、主に働く保護者のニーズに応え、長時間の保育を提供している。
● プリスクール
就学準備に重点を置きながらも、遊びをベースにした活動を通じて基礎的な学習を取り入れている。例えば、読み書きや数字の理解、工作、歌やゲームなどを、週に数回、数時間ほど実施するのが一般的。
公立のプリスクール(スクール・ナーサリー、ステート・ナーサリーとも呼ばれる)は、プライマリー・スクールに併設されていることが多い。
● プレイグループ
地域の保護者やボランティアが運営することが多く、比較的カジュアルな形で子どもたちが集まる場として親しまれている。対象は2歳半から4歳ごろで、週に数回、数時間ずつの保育と教育が中心となる。遊びを通じて基本的な社会性や言葉のやりとりを学ぶことが目的で、保護者の付き添いを求めるグループもある。ナーサリーに比べて費用が抑えられている場合が多く、地域のつながりを育む場としても機能している。
●レセプション
小学校教育の導入部として位置づけられており、4~5歳の子どもを対象に、義務教育の前段階として1年間行われる。初等教育の一部として正式に組み込まれており、EYFSに沿って活動が行われる。遊びを通じた学びが基本ではあるものの、より体系的な教育環境の中で、読み書きや数の概念、集団行動のルールなど、プライマリー・スクールへのスムーズな移行を見据えた内容が含まれている。
Early Years Foundation Stage(EYFS)とは
英国の幼児教育は遊びを通した学びを大切にし、個々の子どものペースに合わせた柔軟なアプローチが特徴。その根幹を成すのがEYFSという国家基準で、これは、生まれてから5歳までの子どもの発達と学習の枠組みを定めたものだ。言語とコミュニケーション、身体の発達、個人や社会の中での感情の発達に重きを置きつつ、読み書きや数学的思考、表現と創作などをサポートし、後の教育へのスムーズな移行を促す。教育の場ではこれに沿って日々の活動が組み立てられるが、日本との主な違いは自由度の高さで、日本では同じことをみんなで一緒にやる時間が長めなのに比べ、英国ではより子どもが自由に活動を選ぶ時間が確保されている。「うまくできるようになる」のを目指すというより、「子どもが自分で決める」「やってみる」「失敗する」こと自体が学びであるという考え方が根底にあるといえる。また、雨でも毎日外に出る園や、週1回は自然の中で活動するところも多い。こうした活動を通して、身体的なリスク管理能力や創造力、協調性を育てることを目的としている。
チャイルドマインダーとは
資格のある保育士が、自宅で子どもを世話する英国発祥のシステム。対象は0~10歳程度までだが、保育できる子どもの人数に上限があるので、少人数制できめ細かいケアが可能。チャイルドマインダーはOfsted(英国教育基準局)などに登録し、定期的なチェックやトレーニングが義務付けられている。保護者の勤務時間に合わせて、保育時間を柔軟に調整してくれる場合も多く、家庭と保育施設の中間的な存在として人気が高い。
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