年末年始のバタバタがようやく落ち着き始めるこの時期には、今まで溜まった疲れが一気に出てくることもありがち。今回はストレス社会に生きる現代人のためのオアシス、スパ特集をお届けします。スパというと女性向けという印象がありますが、疲れの溜まり具合に性別は関係ありません。癒しを求める紳士のために今回は男性用スパも取り上げたので、男性読者も必読です。極楽度100%保証付。(本誌編集部: 筒井和美)
![]() 英国生まれの自然派化粧品エレミスが手掛けたエキゾチックなスパは、ドアを開けたその瞬間から、時の流れが止まったような静寂さに包まれる空間。静けさの中にほのかに漂うエッセンシャル・オイルの香りに嗅覚が刺激され、五感が研ぎ澄まされるような体験を味うだろう。中は、バリ、チベット、ポリネシア、日本、モロッコ、タイをテーマとした空間に分かれており、それぞれの部屋で雰囲気はガラリと変わる。カップルで入れるサウナがあるモロッカン・スィートは特に人気があり、数カ月先まで予約が詰まっているとのこと。赤いシルクでデコレートされたセンシュアルなバリニーズ・スィートもおすすめ。 ここで受けられるトリートメントはかなりの数に上り選択の幅が広いが、一度くらいは、各種トリートメントがセットになったエレミス・ディ・スパ自慢の「リチュアル」を試して、ゴージャスな気分に浸りたい。
![]() 英国初のジェントルマン専用スパ。散髪、髭剃りと言った床屋的な作業から、男性のためのマニキュア(爪の手入れ)、日焼け用のサンベッドそして全身マッサージといったトリートメントまで、ここ一軒でグルーミングのすべてが済んでしまう画期的な場所だ。男性専用と言っても、ジムの様な男くささはなく、ダンディズムが溢れる高級感漂うスペースとなっている。また、スパのトリートメントを受けている間に、アイロンがけやシュー・ポリッシュなどのサービス(無料)を利用できるのも男性向けならではの嬉しいサービスではないだろうか。 忙しい男性のために、15分でトリートメントを受けられる「The Pit Shop」というサービスも提供。店内ショップの男性用スキンケア用品、ヘアケア用品の品揃えは圧巻。
NEWS! ザ・リファイナリー日本支店オープン 来月、旧防衛庁跡地に開業予定の東京ミッドタウン、ガーデンサイド(港区赤坂九丁目)に待望の日本支店がオープンします。日本支店は、シュウ・ウエムラ氏の総合プロデュースによる美と健康と文化の聖域「shu sanctuary- シュウ・サンクチュアリ」内に設置され、バーバリング、スキンケア、スパ・トリートメントなどのグルーミング・サービスをワンストップで提供する場所となる予定。日本への出張時に利用してみてはいかが? ![]() ![]() 名門ホテル、マンダリン・オリエンタルご自慢のラグジュアリーなスパ。一歩足を踏み入れると、そこは街中の喧噪が嘘のように静寂が漂う空間だ。究極のリラックスを提供するに相応しい禅をテーマとしたスッキリとしたインテリアは、日本人建築家デュオAZUMIによるデザイン。室内はキャンドル・ライトで薄暗く照らされ、そこにいるだけでスーッと気持ちが静まるのが実感できる。この空間にいるだけでも癒し効果がありそうだが、オープン当初から数々の賞を総なめにしているというこのスパのトリートメントの実力は侮れない。東洋と西洋のエッセンスを効果的に融合させた各種トリートメント・プログラムは極楽そのもので、トリートメント後はほど良い脱力感を体験できるはず。時にはこんなラグジュリアスなスパで思いっきり自分を甘やかしてみては?
![]() 水の力を徹底的に利用したハイドロセラピー(水治療法)が充実しているスパ。英国で最も素晴らしいスパに贈られる「デイ・スパ・オブ・ザ・イヤー」を何度も受賞していることからも、その実力がうかがえよう。6つの温泉プールの中でも、幻想的なインテリアが施されたフローテーション・プールは是非試して欲しい場所。21種類のミネラル成分を含む死海の塩を利用したこのプールにフワフワと体を漂わせると、日頃のストレスがスーと消えていくから不思議だ。アンチ・エイジングなど各種ビューティー・トリートメントのほか、関節炎、筋肉痛、リハビリなど体調に合わせたトリートメントを提案してくれるので、男性にもお勧めしたい。メディテーションなど心に働きかける講座も提供しており、心身共にリフレッシュできること請け合い。
![]() ウェストミンスター区の運営する公共スパ。自治体運営とはいえ、ターキッシュ・ホット・ルームズ(ターキッシュ・バス)が3つ、ロシアン・スティーム・ルームが2つにフィンランド式サウナと冷水プールがある本格派。インテリアもアール・デコ・スタイルを取り入れたエレガントなものなので、優雅な気分を味わえるはず。曜日によって、男性専用、女性専用、カップル専用と分けられているので、予約時の確認を忘れずに。ボディ・スクラブ、全身パック、マッサージなどの各種トリートメントは別料金(要予約)で受けられる。
![]() お気に入りのバス・グッズを揃えただけで、自宅がスパに早変わり。ゆっくりできる週末などに、自分を思い切り甘やかしてみては? おすすめバス・グッズを紹介します。
![]() ![]() フラワー・ショップ、ギフト・ショップも備えたサロン。全面ガラス張りの明るい店内には、マッサージ用のチェアが並べられ、気持ち良さそうにマッサージを受ける人の姿が見受けられることも。これらのエナジャイジング・チェア・マッサージは10分10ポンドからあり、ちょっと疲れた時に気軽に寄れるのが魅力。奥では、ストーン・セラピーなどの本格的トリートメントを行っている。
![]() スパなどのサロンより敷居が低いので、疲れた時に気軽に立ち寄れるのが嬉しいリフレクソロジーの店。お値段も25ポンドからと良心的。経験豊富なリフレクソロジストが揃っているので、店を出る頃には疲れが溜まっていた足が軽くなること請け合い。65ポンドから出張サービスの依頼も可能(詳細はTel: 07958 088 044)。
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LISTING イベント情報
欧州のあったか料理で温まろう |
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| 「大食漢」と呼ばれたイングランド王 |
| リチャード2世 (1367~1400) |
英国の「あったか料理を愛する人」代表は、14世紀のイングランドを支配したリチャード2世。彼は下層階級から莫大な税金を徴収する一方、自身は華麗な服装に身を包み道化師と戯れながら、毎晩のように1万人に及ぶゲストを招待して宴を催す、中世における典型的なお祭り好きの王として知られていた。当時英国で一番のグルメでもあった彼は、宮殿内に2000人もの料理人を雇用。後の歴史家からは「キリスト教圏にある王の中では、歴史上一番の大食漢」と呼ばれるほどだった。
そんな彼が最も愛したメニューの1つが、「ハーブとニンニクを使ったハトのシチュー」と題されたあったか料理。205種類に及ぶ王家レシピを彼自身が編纂した英国史上初の料理本には、この料理について以下のような記述がある。「まずはパセリ、タイム、ニンニクをハト肉にまぶす。そして脂分を落としてハト肉をこんがりと焼く。ハト肉をお鍋に移してショウガ、酢と砂糖を混ぜてゆで上げる。ハト肉を取り出し残りの湯にサフランを入れてぐつぐつと煮込み、パン粉をまぶしたら特製スープの出来上がり。ふた切れのトーストされたパンを添えれば、おかず要らずの完璧なスープである」。
ちなみにリチャード2世は1399年、敵対する各地諸侯たちによって構成された反乱軍に捕らえられ、身柄を各地に移され拷問を受けた後に最後は餓死してしま う。「歴史上一番の大食漢」であった王としては、何とも皮肉な運命と言っていいだろう。
| あったか料理を残し命を絶った宮廷料理人 |
| フランソワ・ヴァテール (1631~1671) |
1671年4月、太陽王ルイ14 世が隆盛を極めるフランス。重職から外された年老いた英雄コンデ大公は、国王に再び取り入ろうとシャンテ ィイ城において後世に伝わる 3日3晩の饗宴を開いた。この時ヴァテールは、料理人としてコンデ公に仕えていた。
フランス代表ヴァテールを一躍有名にしたエピソードが、2日目の料理でヴァテールを天才と絶賛した国王がコンデ公とヴァテールを賭けたトランプ・ゲームだった。ゲームに勝った国王は、彼をヴェルサイユの宮廷料理人として召し抱えることに成功する。しかし、ヴァテールは忠誠を誓ったコンデ大公に我が身を売られたことを深く悲しみ、さらには晩餐のメイン料理であった鶏のローストがテーブル2つ分足りないという予想外の出来事に打ちひしがれることになる。極めつけは宴3日目の朝、晩餐の材料となる魚が届かない。理想としていた完璧な料理を出せないことに絶望し自らの運命を決意、シャンティイ城の自室にて自害して果ててしまう。程なくして魚が届いたことを知らずして……。
彼の最後を飾った宴で出されたあったか料理が、鶏のローストだった。フランスでは一般的に、1Lの水にタイム、セージ、ローズマリー、ベイリーフを入れ水から煮出す。最後に多目の塩を加え、火を止めて十分に冷まし、そのマリネ液に鶏丸ごと1羽とスライスしたニンニクを漬け込むこと1時間。それを180度のオーブンで約1時間焼く。300年前の宴に思いを馳せて味わって見るのも一興か。
写真)映画「ヴァテール」で宮廷料理人ヴァテールを演じたフランスの 俳優ジェラール・ドパルデュー。
| あったか料理に名を刻む鉄血宰相 |
| オットー・フォン・ビスマルク (1815~1898) |
ドイツ代表は19世紀に統一ドイツ初代の首相であり、鉄血宰相として世界史の教科書などでもすっかりお馴染みのオットー・フォン・ビスマルク。いかめしい顔付きからはなかなか想像がつきにくいが、かなりの美食家だったようだ。朝夕食はそれぞれ5品のフルコース・メニューで、朝食には卵16個、夕食には生牡蠣を一度に175個も食べ、「軽い」昼食でもキャビアや燻製うなぎをメインに食べていたというから、64歳で体重124キロを超え、医者から厳しいダイエット を申し渡されたというのも無理はなかろう。
その美食ぶりを象徴するかのようにビスマルク・ニシン(Bismarck-Heringe)など500以上の料理にビスマルクの名前が冠されているが、その内の1つにビスマルク・ラグー*(Bismarck-Ragout)がある。角切りにした牛、豚、羊肉をセロリやジャガイモ、タマネギ、キャベツといった野菜や牛の骨髄をタイムなどのハーブや塩コショウで味付けし、約2時間近く煮てアツアツを楽しむシチューは、元来バイエルン州に伝わる典型的な農夫の料理。だがビスマルクが長い闘病生活後にこのシチューを嬉々として平らげたことから、この名前で呼ばれるようになった。
戦争に明け暮れ、ストレスの多い政界に身を置き、美食を重ねつつも83歳まで生きたビスマルク。栄養バランスの取れたこのシチューなくしては、平均寿命50 歳の当時にこのような長命ぶりを発揮することは難しかったかもしれない。
*ラグーとは、数種類の野菜や肉を強い香辛料入りのソースで煮込んだフランス風のシチューのこと

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じっくり時間をかけるほどおいしい
オックステイル・シチュー Oxtail Stew

オックステイルとは、その名のとおり牛の尾のこと。以前は雄牛のみを指していましたが、現在は性別を問わず、子牛を含む牛全般の尾肉を意味します。オックステイルは牛肉よりも安く手に入るため、昔は生活に苦しむ人々の胃袋を満たすものでした。しかし最近、コラーゲン(ゼラチン質)や筋肉の繊維質などを多く含むその栄養価の高さや、豊富な脂肪分から抽出される香り高いストックなどが注目され、再び人気のメニューとなっています。調理法としては、肉自体が非常に硬いため、スープやシチューなどのロング&スロークックが最適。英国の長く寒い夜、身体を芯から温めてくれるウインター・ミールの一品です。
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旬の味覚を楽しもう
ポットロースト・パートリッジの
サヴォイ・キャベツ添え
Roast Partridge with Cabbage

英国で人気の狩猟鳥のひとつ、パートリッジ(ヤマウズラ)。パートリッジには英国原産のグレイ・レッグと17世紀にフランスから持ち込まれたレッド・レッグの2種類があり、小さいながらも独特の味と香りを持つグレイ・レッグの方が好まれています。脂肪分が少ないので、ロースト(特に若い鳥)、シチューまたは蒸し煮などに最適。一旦炒めてその味と肉質を引き締めてから鍋でローストするので、このレシピはマッシュド・ポテトやゆでポテトが付け合わせとしてよく合います。ただパートリッジ自体はそれほど大きな鳥ではないので、ひとり頭で1羽を用意しましょう。
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ワイン風味豊かな鶏肉料理
コック・オ・ヴァン coq au vin

コック・オ・ヴァンとは直訳すると「雄鶏のワイン」、つまりワイン仕立ての鶏肉料理のこと。赤ワイン(黄ワインの場合もある)とキノコを使っていることが特徴です。料理名の通り肉のコクと獣肉に近い触感がある雄鶏を使うのが理想ですが、入手困難な為、今回雄鶏は肉屋でも手に入るブレス産の鶏を使います。ブレス産の鶏は唯一産地統制(AOC)に従った飼育法を実地しており、十分に屋外で運動させるので筋肉が発達して肉の色ツヤ、風味が絶品です。圧力鍋で調理すると効率が良いのですが、出来上がった後にふたを外して弱火でさらに30分ほど煮込むとソースの味わいが深くなります。付け合わせにはローストしたポテトかパスタが合います。
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「酸っぱいキャベツ」の煮込み料理
シュークルート Choucroute

シュクルートの語源はドイツ語の「Sürkrüt」から来ており、意味は「酸っぱいキャベツ」。一般に知られるレシピでは白ワインで煮込みますが、酸味が弱くしっかりした味わいに仕上がるビールで煮込む方法を今回は御紹介します。ポイントは豚肉の塩抜きをしっかり行うことと、シンプルな料理だけに素材の持ち味を生かした控えめの味付けにすること。キャベツは本来じっくりと発酵させるのですが、家庭料理では時間がかかりすぎるので、市販の缶詰か、お総菜屋さんで量り売りの物を購入するとお手軽。あとは材料をすべて合わせてコトコト煮るだけ、東フランスの家庭風にジャガイモを一緒に煮付けることで全体に味が染み渡りさらに食が進むこと請け合いです。
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体の芯から温まるポテト・グラタン
カルトッフェルアウフラウフ Kartoffelauflauf

ドイツ料理と言えば、やっぱりジャガイモとソーセージ。でも実はドイツの1人当たりのじゃがいも消費量は、東欧諸国の半分、英国と比べても6割程度なのです。しかし、季節や庶民の生活に根付いた料理の多様性ということでは、さすがドイツ。夏は酸味の効いたサラダ、冬は風物詩でもある、芋をすって焼くライベクーヘンがあります。付け合わせにしても、ゆでる、炒める、揚げるはもちろん、パンケーキ風、テニスボール大の団子など枚挙にいとまがありません。そして、寒い冬のおすすめメニューが、今回ご紹介するカルトッフェルアウフラウフ。体の芯から温まるホクホクのグラタンです。
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隠して食べた水餃子
マウルタッシェン Maultaschen

南西部シュワーベン地方の料理でこんな言い伝えがあります。「昔々、戦争が続き、食べるものも着るものもない厳しい冬。修道院の猟師が幸運にも森で1匹の野獣を仕留めました。これは神様からの贈り物に違いない。猟師は喜びました。しかし、折しも断食の季節。カーニバルの後から復活祭までの40日間、ドイツでは粗食に努め、ご馳走を食べてはいけないことになっています。どうしたものかと悩んだ猟師は、小麦粉の生地の中に肉を隠して食べることを思いつきました……」ドイツのスーパーではレトルトでも売っているけれど、手作りの味は格別。寒くて外で遊べない子供たちとわいわい言いながら作ると楽しい料理です。ひき肉の代わりに、細かく刻んだほうれん草を入れたり、余りものを活用したりしてもおいしく出来上がります。
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「お鍋を食べる 日本人が好き」
クレイグ・ウィットニーさん (ロンドン在住)
まだ日本で英語教師として働き出したばかりで、すべての出来事を新鮮で刺激的に感じていた頃に、英語学校のスタッフ一同揃っての鍋パーティーが開催されたんです。その時に日本の鍋料理を初体験したのですが、とても寒い季節に子供のように皆一緒になって、しかもあんなに楽しそうに料理を食べる日本人ってなんて素敵なんだろうって思ったんですよね。
「鍋の親善大使を しています」
ゼビア・セルナンデスさん (ロンドン在住)
日本の鍋料理については、日本に行く前に旅行ガイドブックで勉強しました。日本に着いて間もなくして、知り合いの家で念願のちゃんこ鍋を初めて食べたのです。あんなに社交的な料理ってなかなかないですよね。英国に戻ってからは、鍋の親善大使となって、日本には「NABE」という身も心も温まる、冬のシチューがあるんだって宣伝しているんです。
「猫舌の私には不利」
ヴォルフガンク・ズルゲスさん
(デュッセルドルフ在住)
ガスコンロを使って室内で火を使うことについて安全性の面で気になったこともありましたが、暖房設備が整っていない日本の冬に体を温めるには鍋料理が一番ですね。色々な具材が入っている栄養満点のこの料理は、日本文化が誇るものの1つではないでしょうか。ただ私は猫舌なので、冷ましている間に他の人に大好きな具(すき焼きの肉)をどんどん取られてしまうのが悔しいです。
「準備が簡単だかららくちん」
イングリット・シューレンベルクさん
(ヘンネフ在住)
主婦にとって鍋料理の良いところは、具材を切って並べておくだけという簡単な準備だけで済むという点ですね。きっと皆で料理を作りながら食べるところに鍋料理の楽しさがあるからでしょう。あとはそれぞれの家庭に「鍋奉行」がいて、味付けから、どのタイミングで食べるのかまで仕切ってくれるという点も面白い。西洋では滅多に見られない食文化だと思います。
「家族で鍋をつついた思い出」
オリビエ・ドランさん (パリ在住)
僕は母親が日本人なので、日本食はフレンチ以上になじみ深い食物です。中でもやはり、冬になるといつも思い出すのが日本の鍋料理。一番印象に残っているのは、すき焼きとしゃぶしゃぶですね。すき焼きは豪華な鍋料理だし、家族一緒に鍋を囲んでつっついた思い出があります。しゃぶしゃぶはフランスにはないポン酢やごまだれを使って食べたのが印象に残っています。
「おでんだけは特別」
マリ・エスピタリエさん (パリ在住)
私は日本食が大好きで、梅干し、梅酒、そして鍋料理に目がありません。何度か夫と一緒に日本に行っていますし、フランスでもたまに日本食を食べに行きます。数ある日本の鍋料理の中でも一番思い出に残っているのはおでんですね。他にも様々な鍋料理を食べましたが、日本にしかない食材で作られているおでんは特別。非常に新鮮な食体験として記憶しています。
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おでん ご存じ冬定番の煮物料理。室町時代に出現した田楽と呼ばれる食物が原型で、この「田楽」の「でん」に「お」が付けられて「おでん」との呼称が定着した。関西では「関東炊き」ともいう。 |
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しゃぶしゃぶ 中国大陸で元々は羊肉を使った料理だったが、日本人向けに牛肉をつかうようになり現在の形になった。ちなみに、「しゃぶしゃぶ」という名称は1952年に大阪の「スエヒロ」が命名した物。 |
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常夜鍋 昆布と日本酒が入った出汁がおいしい鍋料理。毎晩続けて食べても飽きない、という意味を込めてこの名がつけられた。 写真提供: www.mizkan.co.jp |
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すきやき すき焼きの語源は、鍋の代わりに農具の鋤(すき)の金属部分の上を火にかけ、肴や豆腐を焼いて食べたことに端を発しているという。後に現代のような鍋物に姿を変えた。 |
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ちゃんこ鍋 明治時代に考案された、大相撲の力士が食べる鍋料理。特定の味付けはないが、味噌仕立てや塩などが定番。最近はカレーやキムチ味なども人気らしい。 写真提供: www.nagatanien.co.jp |
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水炊き 昆布や鶏などの出し汁を入れた鍋で野菜や魚介類、豆腐などを煮こんだ鍋物。ぽん酢やたれにつけて食べるのが常。締めはごはんやうどんを入れて、最後の一滴まで味わい尽くす。写真提供: kitchenhime.blog21.fc2.com |
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寄せ鍋 出し汁に野菜や魚介類など様々な具材を入 れて煮込む。地方ごと、家庭ごとに味付け や材料が異なり、自由な発想で味のハーモ ニーを楽しむことができる。写真提供: www.amitatsu.jp |
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2006年 英国を騒がせた人々
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いよいよ2006年も残すところあとわずか。そこで今回は政界、サッカー界、芸能界、カップルと、各界ごとに2006年、英国中を騒がせてくれた人々を一挙ご紹介。各界のご意見番とも言えるお馴染みの方々から、コメントもいただきました。英国編集部の独断と偏見で選んだ各界ベスト5、とくとご覧あれ。(英国編集部、スミス京子、猫山はるこ、長田拓也)
猫山はるこ: 三度の飯より政治が好きという、英国政治を語らせたら右に出るものはいない政治ライター。1070号「次期首相レースを占う」特集はご記憶にも新しいはず。厳しいながらも温かみのあるコメントに、各政治家への愛が感じられる!?
長田拓也: スポーツ全般に熱い情熱を傾ける若きスポーツ・ライター。イングランドのプレミア・リーグの動向は日々欠かさずチェックし、日本のスポーツ紙に細かなリポートを提出する毎日を送っている。ラグビーにも強い。
スミス京子: ご存知「セレブの部屋」執筆者、スミス京子。芸能界はもとより、英国内で起こるありとあらゆる出来事に、常にアンテナを張り巡らせている芸能ライター。「整形するならケイト・モス」と公言している彼女が今回、当人を斬ることに!
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欧州アウトレット・ショップ大特集
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2つの「白鳥の湖」を徹底比較
ロンドン大人の遊び場、バー・ガイド
暗い冬がいよいよ到来。今回の特集では「大人の夜遊び」をキーワードに、長く辛い冬の夜を存分に楽しむためのおすすめバーを「キメ技」つきでご紹介します。1人でしっとり、友達同士でワイワイ、デートでロマンティックに……。楽しみ方は人それぞれ。思い思いの夜をお過ごしください。(本誌編集部 筒井和美)
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今、ロンドンで最も熱い
Lounge Lover ラウンジ・ラバー
エキセントリックなインテリアでトレンディーな人たちを虜にしたレストラン「レ・トロワ・ギャルソン」のクリエーターたちが、今度はバーを手掛けた。ファッションに敏感な若者が集うブリック・レーンからすぐのこのバーには、夜な夜な好奇心旺盛な人たちが集いパーティーを繰り広げる。インテリアは、流行のミニマリズムに反抗するかのように華美で豪華絢爛。ちょっと退廃的な王侯貴族気分を味わえるかも!?
| 火〜木18:00-0:00、金18:00-1:00、土19:00-1:00、日18:00-0:00 |
| 1 Whitby Street, Shoreditch, London E2 7DP |
| Tel: 020 7012 1234 |
| 最寄駅: Shoreditch / Liverpool Street |
気取りながらもリラックス
Bluu ブルー
ジャズ・クラブ「ブルー・ノート」の跡地を利用して出来た「Bluu」は、ロンドンのトレンドを肌で感じたい人にオススメの場所。明るく風通しの良いナチュラル志向のレストラン、トレンディーなドリンク・バー、地下のDJバーが三位一体となっている。クリエイティブな人たちが夜な夜なたむろするホクストン・スクエアの中でも一際活気のあるバーだ。
| 月〜土11:00-23:30、日11:00-22:30 |
| 1 Hoxton Square, Hoxton, London N1 6NU |
| Tel: 020 7613 2793 |
| 最寄駅: Old Street |
普通っぽさがカッコよい
Low Life ロー・ライフ
地下のスペースを利用した気取りのないバー。他のバーが売りにするような素敵なインテリアや凝ったドリンクなどは何もないが、その「普通さ」が却ってカッコよい。リラックスできる環境で騒ぎたい!、飲みたい!という時に便利。客層は20代の若者が圧倒的多数だが、みんな普通でありながらも何気にお洒落で何より陽気。スタッフがフレンドリーなのもうれしい。日本の漫画を真似たドリンク・メニューに注目。DJ有。

| 月〜金17:00-23:00、土18:00-23:00、日17:00-23:00 |
| 34a Paddington Street, Marylebone, London W1U 4HG |
| Tel: 020 7935 1272 |
| www.lowlifebar.com |
| 最寄駅: Baker Street |
気軽に立ち寄れる洒落たバー
Beaufort House ボーフォート・ハウス
流行に敏感な人が集うキングス・ロードにあるコスモポリタンなバー。店の外からも確認できる大きなシャンデリアがインテリアのアクセント。週日は比較的落ち着いて飲むことができるが、週末になると大勢の人がお洒落て詰め掛けとても賑やかに。チェルシーっ子たちの出会いの場としても知られている。ドリンク・メニューには多数のオリジナル・カクテルがあるが、中でもマティーニをアレンジしたオリジナルの「Beautini」(£6.50)がおすすめ。
| 月〜土9:30-1:00、日9:30-0:30 |
| 354 King's Road, Chelsea, London SW3 5UZ |
| Tel: 020 7352 2828 |
| 最寄駅: South Kensington |
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氷点下で飲むウォッカ
Ice Bar アイス・バー
店内に一歩足を踏み入れると、そこは壁、バー・カウンター、テーブルなど目に付くもののほとんどが氷で出来ているマイナス5℃の世界。エントランスで、防寒用ケープを借りられるので、特に厚着をして行かなくても大丈夫。寒さに耐えられなくなったり、飲み足りない(入場は最長40分まで)と感じたら、隣のラウンジ「Below Zero(ビロー・ゼロ)」でゆっくりと飲み直そう。
| 日〜水12:30〜23:45(Below Zeroは0:00まで) 木〜土12:30〜0:40(Below Zeroは1:00まで) |
| 29-33 Heddon Street, London W1B 4BN |
| Tel: 020 7287 9192 |
| www.belowzerolondon.com |
| 最寄駅: Piccadilly Circus |
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ウィリアム&ハリー王子に会えるかも?!
Boujis ブージー
何かとタブロイドを賑わすお騒がせ王子、ハリーの行きつけバー&クラブがここ。王室御用達(?)だけあってか、メンバー制となっている。2004年、2005年度の「ベスト・バー」賞、「ベスト・クラブ」賞を受賞したが、その影では「音楽、客層、インテリアなど全てにおいてイケてない」という噂も。また、ここのバウンサーは傲慢だと有名だが、それも中で楽しむセレブを守るためか!? 色々と好奇心を刺激されるクラブであることは間違いない。
| 火〜日22:00〜3:00 |
| 43 Thurloe Street, South Kensington, London SW7 2LQ |
| Tel: 020 7584 2000 |
| 最寄駅: South Kensington |
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最も粋なメンバーズ・バー
Milk&Honey ミルク&ハニー
ニューヨークにも支店のあるメンバーズ・オンリーのエレガントなバー。メンバーになるにはお高い年会費が必要だが、メンバー以外でも週日夜11時までなら利用可能(但し要予約)。この店のルールとして、男性客が見知らぬ女性客に声を掛けることは禁じられているので(逆はOK)、女性同士でゆっくり飲みたい時に最高。看板もなく店が見つけ難いが、これは大切なゲストを要らぬ視線から守るためのポリシー。ゆったりと落ち着いた夜を過ごせること請け合い。
| 月〜金18:00-23:00、土19:00-23:00(メンバーとそのゲストは3:00まで) |
| 61 Poland Street, Soho, London W1F 7NU |
| Tel: 07000 655 469 |
| 最寄駅: Oxford Circus / Tottenham Court Road |
夢見心地で酔えるバー
Pearl Bar パール・バー
いまやテレビにも登場するようになった日系米国人シェフ、ジュン・タナカがヘッド・シェフを務めるレストラン「Pearl」に併設されているバー。オリジナル・カクテルの充実度はピカイチ。デーブルの仕切りに吊り下げられたパールが幾重にも重なり、ゆらゆらと揺れるのを眺めながら心地良く酔えること請け合い。ドレス・アップして行きたい場所だ。
| 月〜土17:00-23:00 |
| 252 High Holborn, London WC1V 7EN |
| Tel: 020 7829 7000 |
| 最寄駅: Holborn |
英国紳士の格式がそこに
The Library ザ・ライブラリー
格式あるレーンズボロー・ホテル内にある落ち着いたバー。ライブラリーという名の通り、バー内部の本棚には難しそうな本がぎっしりと詰まっており(しかし、実は張りぼて)、40代以上の「大人」がゆっくりとブランデー・グラスを傾けるのが非常に絵になる場所だ。ピアノの生演奏も有り、ムードたっぷり。若者が集まるバーにありがちな喧噪とは全く縁のない貴重な大人の遊び場。
| 月〜土11:00-1:00、日12:00-22.30 |
| Hyde Park Corner, London SW1X 7TA |
| Tel: 020 7259 5599 |
| 最寄駅: Hyde Park Corner |
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気分はジェームズ・ボンド
Vertigo42 ヴァーティーゴ42
42階建ての建物の最上階に位置するシャンペン&シーフード・バー。金融街シティーで最も高い建物だけあって、ここから街を見下ろす眺めは「最高!」の一言に尽きる。予約を入れる際には、テムズ川、タワー・ブリッジ、セント・ポール大聖堂を望める特等席である窓際の4人がけ席をリクエストすることをおすすめする。目の前のキラキラした夜景と手元にあるシャンペンとオイスターが贅沢な一夜を彩ってくれる。
| 月〜金12:00-15:00、17:00-23:00 |
| Level 42, Tower 42, 25 Old Broad Street, Liverpool Street, London EC2N 1HQ |
| Tel: 020 7877 7842 |
| 最寄駅: Liverpool Street / Bank |
ハイド・パークを望む最高の眺め
Galvin At Windows ギャルヴァン・アット・ウィンドウズ
パーク・レーンにそびえ立つヒルトン・ホテル最上階にある落ち着いたバー。ハイド・パークを望む眺めはもちろんのこと、最近改装されたばかりでモダンに生まれ変わったインテリアも素敵。最高級のシェフが腕を振るうレストランも併設されているので、バーだけで退散するのはもったいない。ちょっと奮発して、レストランでディナーもいかが?
| 月〜木18:00-22:30、金・土18:00-23:00< |
| The Hilton Hotel, 22 Park Lane, Mayfair, London W1K 1BE |
| Tel: 020 7208 4021 |
| 最寄駅: Hyde Park Corner |
広々とした180度の眺めを堪能
OXO Tower Restaurant オクソ・タワー・レストラン&バー
テムズ川を望み、180度のパノラマ・ビューを堪能できるオクソ・タワー最上階にあるバー。目前にはセント・ポール大聖堂が迫り、彼方にはタワー・ブリッジ、そしてカナリー・ウォーフの高層ビル群までが望める最高の眺望。バルコニーから身を乗り出せば、ロンドン・アイやビッグ・ベンも見え、ロンドンのランドマークを一度に楽しめること請け合い。
| 毎日12:00-15:00 18:00-23:00 |
| Barge House Street, South Bank, London SE1 9PH |
| Tel: 020 7803 3888 |
| 最寄駅: Waterloo / Blackfriars |
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ジャズの殿堂といえば、ココ
Ronnie Scotts ロニー・スコッツ
大人の音楽といえばジャズだが、ロンドンでジャズと言えばロニー・スコッツと言う位、押しも押されぬ人気を誇るジャズ・バー。NYのジャズ・クラブに通いつめたオーナーが、ロンドンでも同じようなクラブをオープンさせたいと願って、誕生したのが1959年のこと。それから約半世紀が過ぎようとしているが、その間にここで演奏した著名ミュージシャンは枚挙に暇がない。最近は、ベニューの階上に落ち着いたメンバー制のバーがオープンするなど益々発展している。パフォーマンスのスケジュールはウェブサイトで確認を。
| 月〜土18:00-0:00、日18:30-0:00 |
| 47 Frith Street, Soho, London W1D 4HT |
| Tel: 020 7439 0747 |
| www.ronniescotts.co.uk |
| 最寄駅: Tottenham Court Road / Leicester Square |
しっとりとした大人のデートに
Dover Street Restaurant & Jazz Bar
ドーヴァー・ストリート・レストラン&ジャズ・バー
ジャズ、ブルースを筆頭に、スウィングからラテンまで多様な音楽ジャンルの生演奏を楽しめるレストラン&バー。その日のメイン・プレーヤーが登場するまでは、レストラン専属のバンドがメローなジャズを聴かせてくれる。深夜3時までオープンしているので(ラスト・オーダーは深夜2時)、ゆったりと夜を楽しめること請け合い。
| 月〜木12:00-15:00、18:00-3:00、金12:00-15:00、19:00-3:00、土19:00-3:00< |
| 8-10 Dover Street, Mayfair, London WIS 4LQ |
| Tel: 020 7491 7509 / 020 7629 9813 |
| 最寄駅: Green Park / Piccadilly Circus |
ステージとの一体感を楽しむ
Jazz Cafe ジャズ・カフェ
売り出し中の新人アーティストから大物ベテラン・アーティストまで、つぶ揃いのライブ・ラインナップが楽しめるジャズ・ベニュー。ライブのスケジュールをウェブサイトで確認できるので、お気に入りのアーティストが見つかったらチケット予約を。チケットは全て立ち見なので、座って楽しみたい人は同時にレストランの予約も忘れずに。
| 月〜土19:00-2:00 |
| 5 Parkway, Camden Town, London NW1 7PG |
| Tel: 020 7534 6955(レストラン)、0870 060 3777(チケット) |
| www.jazzcafe.co.uk |
| 最寄駅: Camden Town |
秘密にしたい遊び場
Piano Bar Kensington ピアノ・バー・ケンジントン
ハイストリート・ケンジントンにひっそりと佇むエレガントなピアノ・バー。バーと言っても、ちゃんとしたレストランが併設されているので、ピアノ演奏を楽しみながらしっかりと食事を取ることも可能。ピアノは160年以上も前に製造されたという「Collard & Collard」社製。ピアニストに曲目のリクエストを出せる上、盛り上がってくると客が歌いだしたり、ピアノを演奏したりすることもあるフレンドリーで粋なバー。
| 毎日16:30-0:00(食事は17:30-22:30まで) ライブ演奏 火〜土18:00-23:30、日・月20:00-23:00 |
| 106 Kensington High Street, Kensington, London W8 4SG |
| Tel: 020 7938 4664 |
| www.pianokensington.com |
| 最寄駅: High Street Kensington |

洒落たバーには、カクテルが付き物。
ここでは、代表的なカクテルの由来に加え、自宅でゆっくりしたい日にもカクテルを楽しめるようにと、それぞれのカクテルのレシピもご紹介します。これらレシピにちょっとしたアレンジを加えて、自己流カクテルを作ってみてはいかが?
カクテルの作り方の基本
ほとんどのカクテルは、大きく分けて次の4つの基本技法を用いて作られています。
1) ビルド(Build)
グラスに直接材料を注ぎ、そのまま提供する最も簡単な作り方。ソーダなどの炭酸飲料は、かき混ぜ過ぎると水っぽくなるので、スプーンで軽く混ぜるだけにすること。リキュールなどがグラスの底に淀んでしまう場合は、スプーンを軽く持ち上げる様にして混ぜる。
2) スター(Stir)
材料と氷をミキシング・グラスに入れ、スプーンで手早くかき混ぜる作り方。シェ−クするとカクテルが濁ったり、風味が損なわれてしまう場合に用いる。
3) ブレンド(Blend)
ミキサーを使って、材料をスピーディーに混ぜ合わせる作り方。シャーベット状のフローズン・カクテルをつくる場合や、イチゴ、バナナなどのフレッシュな果実を溶かし込んで、フルーティーなカクテルをつくる場合に用いる。
4) シェーク(Shake)
材料と氷をシェーカーに入れて振り、強く混ぜ合わせる最もカクテルらしい作り方。シェ−クすることで、アルコール度の強い酒を飲みやすくしたり、混ざりにくい材料を急速に混ぜ合わせたりする。
サッパリとした甘い桃の風味
Belini
ベリーニ
スッキリしたスパークリング・ワインに甘いピーチネクターが絡まった飲み口のよいカクテル。イタリア、ベニスの老舗バー「ハリーズ・バー」の経営者ジュゼッペ・チプリアーニ氏が、1948年に行われたベリーニ展示会を記念して考案したと言われている。
| レシピ: | スパークリング・ワイン(イタリア産のスプマンテが理想的)40ml、ピーチネクター 20ml、グレナデン・シロップ(砂糖で代用可)少々 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |

情熱的なブラジルの味
Caipirinha
カイピリーニャ
ブラジル特産のさとうきびのスピリッツ、カシャーサ(ピンガとも呼ばれる)にライムをたっぷり絞った爽やかなカクテル。いまやヨーロッパ中の若者に支持される人気ドリンクとなっている。ちなみにカイピリーニャとは、ポルトガル語で「田舎のお嬢さん」という意味合い。
| レシピ: | カシャーサ45ml、ライム4分の1(お好みで増やしても可)、砂糖小さじ1杯 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 強い |
| 製法: | ビルド |
食前酒にもピッタリ
Campari Soda
カンパリ・ソーダ
その作り方は今でも門外不出と言われているイタリアの定番リキュール、カンパリをソーダで割ったシンプルなカクテル。このカクテルではカンパリ特有のほろ苦い独特の風味を存分に味わえる。カンパリを使ったカクテルには、オレンジ・ジュースで割った「カンパリ・オレンジ」なども有り、色々な飲み方を工夫できる。
| レシピ: | カンパリ45ml、ソーダ適量 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |
世界中の女性に捧げる
Cosmopolitan
コスモポリタン
ルビー色のグラデーションが美しいカクテルの女王的存在。ニューヨークを舞台にした人気米ドラマ「Sex & the City」の登場人物が愛飲したように、都会の女性たちに人気のあるドリンクだ。店により様々な作り方のバリエーションが有る。
| レシピ: | ウォッカ20ml、ホワイト・キュラソー5ml、クランベリー・ジュース(あるいはリキュール)20ml、レモン・ジュース15ml |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | シェーク |
シンプルだけど奥が深い
Gin&Tonic
ジン・トニック
ジン・ベースのカクテルの定番。英植民地で保健飲料として飲まれていたトニック・ウォーターにジンを入れてみたら結構美味しかった、という偶然によって生まれたカクテル。トニック・ウォーターを水またはソーダに変え、砂糖を加えると「ジン・スリング」に。
| レシピ: | ジン45ml、トニック・ウォーター適量 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |
「ティー」とは名ばかりのツワモノ
Long Island Ice Tea
ロング・アイランド・アイス・ティー
米国はニューヨーク州ロングアイランド生まれのこのカクテルは、紅茶をまったく使っていないのに、まるでアイス・ティーのような色合いを示す化け物ドリンク。レシピを見れば分かるように、様々なアルコールがチャンポンされたカクテルなので、口当たりのよさに騙され飲みすぎないよう注意して!
| レシピ: | ジン15ml、ウォッカ15ml、ラム15ml、テキーラ15ml、ホワイト・キュラソー15ml、レモン・ジュース30ml、コーラ40ml |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 強い |
| 製法: | ビルド |
トロピカル気分に浸りたい時に
Maitai
マイタイ
タヒチ語で「最高」を意味する言葉、マイタイを名に冠したこのカクテルは、色鮮やかなフルーツがゴージャスにデコレーションされたトロピカル・カクテルの代表格。文字通り「最高」のこのドリンクが、トロピカル気分を盛り上げてくれる。
| レシピ: | ホワイト・ラム45ml、ホワイト・キュラソー小さじ1、パイナップル・ジュース小さじ2、オレンジ・ジュース小さじ2、レモン・ジュース小さじ1、ダーク・ラム小さじ2、お好みで飾り用フルーツ |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 強い |
| 製法: | シェーク |
物悲しさを秘めた大人の味
Margarita
マルガリータ
ロサンゼルス出身のバーテンダー、ジャン・デュレッサー氏が創作したというテキーラ・ベースのカクテル。狩猟時に流れ弾にあたって亡くなった若き日の恋人、マルガリータを偲んで作ったと言われている。1949年の米国ナショナル・カクテル・コンテストで3位に入選したこともあるお墨付きの味。
| レシピ: | テキーラ30ml、ホワイト・リキュール15ml、レモン・ジュース15ml |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 強い |
| 製法: | シェーク |
ボンドも愛したカクテルの帝王
Martini
マティーニ
「カクテルの傑作」と称されるマティーニ。もともとはマルティーニ社が自社のベルモットのキャンペーン用に考案したカクテルだったそうだが、いまやバーの数だけレシピがあると言われるほど、世界中に広まり愛されている。映画「007」のジェームズ・ボンドの定番ドリンクはこれ。
| レシピ: | ドライ・ジン50ml、ドライ・ベルモット10ml、オリーブ 1個 |
| テイスト: | 辛口 |
| アルコール度: | 強い |
| 製法: | スター |
ミントの風味でサッパリと
Mojito
モヒート
キューバ発祥のラム・ベースのカクテル。スッキリした口当りが、暑い夏とカリブの海を彷彿させる。元々はハバナのとあるバーの名物だったのが、作家ヘミングウェイによって世界中に広められたと言われている。
| レシピ: | ラム45ml、ライム半個、ソーダ適量、砂糖小さじ1、ミントの葉 少々 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |
苦肉の末生まれたカクテル
Moscow Mule
モスコー・ミュール
1946年に米国ハリウッドで生まれたカクテル。大量に仕入れたジンジャー・ビアの在庫をさばくためにレストラン経営者が考案したこのカクテルに、ウォッカ販売に悪戦苦闘していた会社が飛びついてPRを展開、世界的に広まったとされている。アルコール度も弱く飲みやすい。
| レシピ: | ウォッカ45ml、レモン・ジュース15ml、ジンジャー・エール(オリジナルはジンジャー・ビア)適量 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 弱い |
| 製法: | ビルド |
ココナッツ風味の南国フレーバー
Pina Colada
ピニャ・コラーダ
スペイン語で「パイナップルの生い茂る峠」という意味をもつトロピカル・カクテルは、カリブ海に浮かぶ島プエルト・リコ生まれ。海からの涼しい風に吹かれながら真昼間に飲みたい、太陽に似合うドリンク。過ぎ去った楽しい夏の余韻に浸りたい時にピッタリの味。
| レシピ: | ラム30ml、パイナップル・ジュース80ml、ココナッツ・ジュース45ml |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 弱い |
| 製法: | シェーク |
セクシー度ならおまかせ
Sex on the Beach
セックス・オン・ザ・ビーチ
トム・クルーズ主演の映画「カクテル」に登場し、世界的に知られるようになったカクテル。メロン・リキュールの豊かな香りに、フランボワーズの甘酸っぱさ、パイナップル・ジュースの甘味が絡みつき官能的なテイストに仕上がっている。
| レシピ: | ウォッカ15ml、メロン・リキュール20ml、フランボワーズ・リキュール10ml、パイナップル・ジュース80ml |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |
未だに引き継がれる伝統の味
Singapore Sling
シンガポール・スリング
英国の文豪サマセット・モームが愛したと言われる、シンガポールの夕焼けを表現したカクテル。シンガポールにある名門ホテル、ラッフルズで誕生した。同ホテルでは、現在でも誕生当時のオリジナル・レシピを守っているが、ロンドン、サボイ・ホテルで改良が加えられたレシピも人気がある。
| レシピ: | ジン45ml、チェリー・リキュール15ml、レモン・ジュース20ml、砂糖小さじ2、ソーダ適量 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | シェーク |
ロック・スターも惚れ込んだ
Tequila Sunrise
テキーラ・サンライズ
メキシコの朝焼けをイメージした美しい色のカクテル。テキーラとオレンジ・ジュースの相性の良さに加え、イーグルスの曲名や映画のタイトルにも使われたこと、またミック・ジャガーが惚れ込んだドリンクということで、人気が不動のものとなった。気合を入れて飲みたいカクテル。
| レシピ: | テキーラ20ml、オレンジ・ジュース40ml、シロップ小さじ2 |
| テイスト: | 中甘辛口 |
| アルコール度: | 普通 |
| 製法: | ビルド |
伝統的な英国料理を作ってみよう!
「英国料理はまずい」という定説が流れる中、
「本当においしいものは家庭にある」という声もチラホラ。
そもそも伝統的な英国家庭料理は、その名前や生い立ちに
ユニークなエピソードがあるものが多く、昔の庶民も作ること、
食べることを楽しんでいたのだということが伝わってきます。
家で過ごす時間が長くなる季節、「おいしくて、温かいイギリス」を
自分で作ってみませんか。(武智陽子)
ヨークシャー・プディング&トッド・イン・ザ・ホール
Yorkshire Pudding & Toad in the Hole
「穴の中のヒキガエル」という、何ともおかしな料理名は、大きく焼いたヨークシャー・プディングからはみ出すソーセージの先が、カエルのように見えることから付いたとか。ヨークシャー・プディングとグレービー・ソースは、ロースト・ビーフなど他の肉料理にも合うので、ぜひ作り方を覚えておきたいもの。

丸ごと食卓に出して、
目の前で切り分けるのがお約束。
| 材料(4人分) | |
| ヨークシャー・プディング | |
| 薄力粉(Plain Flour) | 120g |
| 牛乳 | 150ml |
| 水 | 150ml |
| 卵 | 中3個 |
| 塩 | ひとつまみ |
| ミニ・トマト | 5個 |
| フィリング | |
| ソーセージ | 8本 |
| 玉ねぎ | 中1個 |
| マッシュルーム | 5~6個 |
| 乾燥ローズマリーまたはタイム | 小さじ1 |
| フィリング | |
| 赤玉ねぎ | 小1個 |
| にんにく | 1かけ |
| 肉汁(あれば) | 50~100ml |
| 固形スープ・ストック | 1個 |
| 水 | 100ml |
| 赤ワイン | 100ml |
| 片栗粉またはコーンフラワー | 小さじ2 |
ヨークシャー・プディングの生地を作る。薄力粉と塩をボールに入れ、真ん中をくぼませる。ここに卵を1個づつ割り入れ、泡だて器で混ぜる。さらに牛乳と水を合わせたものを少しずつ加え混ぜる。滑らかになったら冷蔵庫で1時間ほど寝かせておく。
その間にフィリングを作る。フライパンに油を熱し、ソーセージとみじん切りにした玉ねぎを炒める。さらにみじん切りにしたマッシュルームも加えて炒め、油(記載外)を塗った耐熱皿に均等に広げる。
写真)ソーセージは再びオーブンで焼くので、軽く中に火が通る程度に炒めればOK
の上に
の生地を流し入れ、ローズマリーまたはタイムをふりかけ、200度に熱したオーブンで約30分、表面がきつね色になるまで焼く。
写真)フィリングは均等に並べて
グレービー・ソースを作る。みじん切りにしたにんにくと赤玉ねぎを油で炒め、赤ワインを加えて煮立たせ、固形スープと水、あれば肉汁を加えて再び煮立たせる。仕上げに同量の水(記載外)で溶いた片栗粉を加え、とろみがついたら出来上がり。ソース入れに入れて食卓に出し、食べる直前に料理にかける。
写真)玉ねぎはよく炒めると甘みが出る
ロースト・ビーフ
Roast Beef
英国家庭料理の定番と言えばロースト・ビーフ。日曜昼に教会の礼拝から家へ戻って家族で食べる「サンデー・ディナー」として知られています。牛脂(=Suet。お肉屋さんで分けてもらえます)を乗せて焼くことでほどよい脂分がまわり、ジューシーに仕上がります。

たこの糸を巻くのは型崩れを防ぐためなので、
小さめの肉なら省略してもOK
| 材料(4〜5人分) | |
| 牛ロースかたまり肉 | 600g |
| たこ糸 | 適宜 |
| 塩・こしょう・ナツメグ | 各少々 |
| にんにく | 3かけ |
| ローリエ | 3枚 |
| クローブ | 6粒 |
| 薄切り牛脂(省略可) | 2~3枚 |
| 玉ねぎ | 1/2個 |
| セロリ | 1本 |
| にんじん | 1本 |
| 付け合せ | |
| ・ヨークシャー・プディング ※トッド・イン・ザ・ホールのレシピを参考に生地を作り、ヨークシャー・プディング型またはタルトレット型などで8~10個程度に小さく焼く。 |
|
| ・茹で野菜 ・ホースラディッシュのすりおろし |
|
| グレービー・ソース | |
| ※トッド・イン・ザ・ホールのレシピを参考に。肉を焼く時に出た肉汁を利用する。また肉を焼く時、下に敷いた野菜を一緒に煮立たせると風味が増す。 | |
室温に2時間程度置いた肉に塩、こしょう、ナツメグをすりこみ、形を整え、縦横2cm程度の間隔でたこ糸を巻く。
糸を切らないよう肉の表面に切り込みを入れ、スライスしたにんにく、ローリエ、クローブをところどころに挟む。
天板に金網を敷き、ザク切りにした玉ねぎ、セロリ、にんじんを敷き、肉を乗せる。肉の上に牛脂をかぶせるように置き、250度に熱したオーブンで7~8分、表面に色が付いたら200度で約40分焼く。途中、天板に落ちた油をすくって、肉の上からかける。
肉が焼けたら牛脂を取り除き、室温で2時間以上味をなじませる。
薄切りにして付け合せと共に皿に盛り、グレービー・ソースを添えて出す。
シェパーズ・パイ
Shepherd's Pie
昔、お金も時間もなかった羊飼い (Shepherd)たちが、身近な材料で考え たごちそう。手のかかるパイ生地の代わ りにマッシュ・ポテトを使ったところが 彼らの知恵。羊肉の代わりに牛肉を使っ たものは「コテージ・パイ」と呼ばれます。

マッシュ・ポテトに粉チーズを混ぜても美味。
| 材料(4人分) | |
| フィリング | |
| ラムひき肉 | 500g |
| 玉ねぎ | 小1個 |
| にんにく | 1かけ |
| トマト | 中2個 |
| 薄力粉(Plain Flour) | 小さじ2~3 |
| ナツメグ | 少々 |
| ウスター・ソース | 大さじ1 |
| 冷凍グリーンピース | 80g |
| マッシュルーム | 5~6個 |
| 塩・こしょう | 少々 |
| 固形スープ・ストック | 1個 |
| 水 | 1カップ |
| ワイン | 100ml |
| マッシュ・ポテト | |
| じゃがいも | 500g |
| 牛乳または生クリーム | 大さじ3 |
| バター | 大さじ2 |
| 塩・こしょう | 少々 |
| 粉チーズ | 少々 |
鍋に油を熱し、みじん切りにした玉ねぎとにんにくを炒める。
玉ねぎが透明になったらひき肉を加え、ほぐすように炒める。
さらにナツメグ、薄力粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒める。
水、固形スープ、ワイン、一口大に切ったトマト、ウスター・ソースを加え、焦げつかないよう時々かき混ぜながら、弱火で「水分がやや残っている状態」まで煮詰める。火を止める2~3分前に、グリーンピースとみじん切りにしたマッシュルームを加え、塩・こしょうで味を調える。
マッシュ・ポテトを作る。じゃかいもの皮をむき、適当な大きさに切ってゆでて水気を切り、バター、牛乳、粉チーズを混ぜながら、熱いうちにつぶす。塩・こしょうで味を調える。
を深めの耐熱容器に入れ、
の表面を均一にならして入れ(絞り出し袋で模様を付けるようにしても良い)、220度のオーブンで約20分、表面にややこげ色が付くまで焼く。
バブル&スクィーク
Bubble & Squeak
Bubble(グツグツ)& Squeak(キーキー)というこれまたおかしな名前は、この料理を作る時の音から来ているのだとか。ロースト料理を作った翌日、残り野菜と肉から出た油を使って作る、いかにもこの国らしい合理的で経済的な「英国版お好み焼き」です。

野菜が多くてタネがまとまりにくい時は、
つなぎに卵を入れてもOK。
| 材料(4人分) | |
| じゃがいも | 600~800g |
| キャベツ | 150~200g |
| その他、残り物のゆで野菜、ロースト野菜など。ベーコンを入れても良い。 | |
| 塩・こしょう | 少々 |
| 肉を焼いた時に出た油 (なければ普通のサラダ・オイル) |
適量 |
じゃがいもは皮をむいて適当な大きさに切り、ゆでて水を切ってからフォークなどでつぶして、粗めのマッシュ・ポテトを作る。
キャベツはゆでて水を切り、他の野菜と共に細かく刻み
に混ぜ、塩・こしょうで味を調える。
フライパンに油を熱し、タネをお好み焼きのように形づくって両面をこんがり焼く。
アップル・クランブル&カスタード・クリーム
Apple Crumble & Custard Cream
フルーツやスポンジ・ケーキにカスタード・クリームをたっぷり添え「ワン・ランク上のおやつ」にするのは英国人の得意技ですが、何といってもこの濃厚なクリーム、甘酸っぱいリンゴとサクサクのクランブルとの相性がピカ一。リンゴをあらかじめ煮ておく方法もありますが、いきなり焼いてしまう手抜き版の方が、むしろ歯ざわりが残って美味しいかもしれません。


カスタードの代わりにアイスクリームや
生クリームを添えても。
| 材料(直径18cmの丸型1個分) | |
| フィリング | |
| りんご (クッキング・アップル) |
3~4個 (450g) |
| グラニュー糖 | 大さじ1 |
| レモン汁 | 大さじ1 |
| シナモン | 少々 (好みで) |
| クランブル | |
| 薄力粉 | 120g |
| グラニュー糖またはブラウン・シュガー | 60g | バター | 120g |
| カスタード・クリーム | |
| 卵黄 | 中2個 |
| 牛乳 | 200ml |
| 薄力粉 | 大さじ1 |
| コーンフラワー | 大さじ1 |
| グラニュー糖 | 50g |
| バター | 15g |
| バニラ・エッセンス | 少々 |

クランブルを作る。ボウルに薄力粉を振るい入れ、砂糖とバターを加え、手で混ぜてポロポロのそぼろ状態にする。
写真)手で擦るように混ぜるのがコツ
りんごは皮をむき、4等分して芯を取り、さらに薄くスライスする。
型にサラダ油かバター(記載外)を薄く塗り、
を並べ、レモン汁と砂糖、シナモンを振りかける。
写真)シナモン、砂糖、レモン汁は均等に振りかける
に
を均等に乗せ、180度に温めたオーブンで約30分、表面がきつね色になるまで焼く。
カスタード・クリームを作る。小鍋に牛乳と、分量の半分の砂糖を入れて火にかけ、沸騰直前まで温めて火を止め、粗熱をとる。
ボウルに卵黄を入れて泡だて器でほぐし、残りの砂糖を加え混ぜる。さらに粉類を振るいながら加え混ぜる。
を、
のボウルに少しずつ加え混ぜる。一度に多量に加えると卵黄が固まるので注意。
写真)絶えずかき混ぜることでなめらかなクリームに
牛乳を温めた鍋に、
をこし器でこしながら戻し、木べらで絶えずかき混ぜながら、とろみがつくまで弱火で煮る。火からおろしてバター、バニラ・エッセンスを加える。
焼き上がったアップル・クランブルに、クリームを添えて供す。
メイズ・オブ・オナー
Maids of Honour
ヘンリー8世らが好んだ宮廷菓子として知られていますが、お城のメイドさんたちが晩餐の後に残ったこのお菓子を争って食べたことからその名が付いたそうで、実は庶民好みの味なのかも。昔ながらのレシピでこのお菓子を作っているお店は今ではロンドンに1軒しかありませんが、家庭用にアレンジされたものもポピュラーになりました。

フィリングを入れ過ぎると
焼いた時あふれるので注意。
| 材料(タルトレット型10個分) | |
| 市販のパイ生地 | 225g |
| ラズベリーまたはアプリコット・ジャム | 適量 |
| カッテージ・チーズ (できれば裏ごししてあるもの。なければこし器などでこしておく) |
225g |
| 全卵 | 1個 |
| レモンの皮のすりおろし | 1個分 |
| グラニュー糖 | 70g |
| カラント | 50g |
| アーモンド粉 | 15g |
| バター | 15g |
| ブランデーまたはラム酒 (好みで) |
少々 |
ボウルにパイ生地とジャム以外の材料をすべて入れ、よく混ぜる。
パイ生地を3mm位の厚さに伸ばし、サラダ油(記載外)を薄く塗ったタルトレット型に敷き詰める。
の上にジャムを薄く塗り、
を6~7分目ぐらいまで入れ、200度のオーブンで約20分、表面がきつね色になるまで焼く。
地方ごとに伝わる料理にも、面白い由来と、地元の人の生活の知恵がたくさん詰まっている。
代表的な郷土料理の故郷を訪ねてみよう。
ランカシャー・ホットポット Lancashire Hotpot
(ランカシャー)
ホットポットとは、身近な具を何でもかんでも入れた「ごった煮」のこと。ランカシャー地方のそれは、地元産のラム肉や羊の内臓、玉ねぎ、にんじんを材料ごとに層になるように入れ、スライスしたじゃがいもで表面を覆ってスープを注ぎ、オーブンに入れて低温で1日中「焼煮」にするスタイルが伝統。古くから綿工業や羊毛工業が盛んで誰もが家族ぐるみで忙しかったこの地方で、材料を切ったらあとはオーブンに放り込むだけ、しかも一皿でボリュームたっぷり、大量に作れるから大家族でもOKのホットポットがよく作られたのはうなずける。英国のご長寿テレビ・ドラマ「コロネーション・ストリート」にもたびたび登場する料理だ。
アイリッシュ・シチュー Irish Stew
(アイルランド)
アイルランド語で「Stobhach Gaelach」。スコットランドのハギスと同じく、地場の食材を利用しようと、具にはたっぷりのマトンまたはラム肉とじゃがいも、ターニップ、パースニップなどの根菜が使われ、スープもこれまた羊の首の骨やすねなどからとる。地酒のギネス・スタウトが隠し味に使われることも。ブリテン本島の、羊の少ない土地に移住したアイルランド人が、羊肉の代わりに牛肉や鶏肉を使って故郷の料理を作り始めたことから、今では材料にかかわらず、アイルランド人が作ったシチュー料理なら何でも「アイリッシュ・シチュー」と呼ぶ傾向も。
ハギス Haggis
(スコットランド)
スコットランドの名物料理と言えば誰もが思い浮かべる「ハギス」(他に思い浮かべるものがない?)。羊の肉と内臓、血、脂にオートミールと野菜、スパイスを加え羊の胃袋に詰めたソーセージ状のもの。スコットランドの主要な栄養源であった羊を余すところなく食べ尽くそうということで考え出された経済的な料理だが、現代では家庭で一から手作りされることは少なく、缶詰が出回っている。スコッチ・ウイスキーをかけて食べることも。ちなみにスコットランドには「ハギス」と呼ばれる伝説上の動物もいて、食べ物のハギスはその特殊な味とグロテスクな形から「ハギスの肉だ」と信じている子供も多いとか。
ベークウェル・タルト Bakewell Pudding
(ベークウェル・ダービーシャー)
ベークウェル・プディングとも呼ばれるこの有名なカスタードのタルトは「失敗」から誕生した。19世紀中頃、ある貴族がベークウェルの町のホテルでイチゴのタルトを注文したところ、コックがケーキに混ぜるはずの卵液を、間違えてタルト生地に塗ったジャムの上から注いでしまった。ところが貴族はそれをすっかり気に入り、それが町じゅうに広まっていつの間にか名物となってしまったというわけ。この失敗には「いや、本当はカスタードの上にジャムを乗せるはずが逆になってしまったのだ」など諸説あるが、いずれにしても偶然が生み出した傑作であることは確かなようだ。
ウェルシュ・レアビット Welsh Rarebit
(ウエールズ)
「Rarebit=Rabbit」、つまり「ウエールズのうさぎ」。なのだが、うさぎの肉は使われていない。薄切り食パンに、チーズ、マスタード、エール・ビールまたはリンゴ酒、スパイスなどを混ぜて作ったソースをたっぷりと盛り、トーストにしたもの。なんでもこの複雑なソースがうさぎの肉にそっくりな味で、肉が買えなかった貧しい庶民がうさぎを連想しながら食べた、という説や、うさぎ狩りに出かけて獲物がかからなかった日のディナーに食べた、という説がある。地元では、ウエールズ語で単に「Stobhach Gaelach」(焼いたチーズ)と呼ばれることも。
コーニッシュ・パスティ Cornish Pasty
(コーンウォール)
Cornish(=コーンウォール地方の)の名の通り、この地方出身のコーニッシュ・パスティは、炭鉱で働く人たちのお昼ごはんとして19世紀初頭に生まれた。小さく切った肉と野菜がたっぷり入ったパイ料理だ。通常のパイより脂分が少なくベトつかないこと、そしてこれまた通常のパイのように大きく作って切り分けるのでなく、具をパイ皮で完全に包んで1食分ずつ独立した形になっているのは、お昼休みもなかなか現場から外に出られない炭鉱夫たちが、ポケットに入れて持ち運べるよう工夫されたからだそう。現在ではその手軽さとボリュームから全国的にポピュラーになり、コーニッシュ・パスティ専門のチェーン店も各地に点在している。
行事と料理の深ーい関係
日本で節分に海苔巻き、端午の節句には柏餅を食べるように、英国にも行事と食べ物にはつながりがある。例えば「Shrove Tuesday」(懺悔の火曜。今年は2月28日)。キリスト教ではその翌日(Ash Wednesday=聖灰の水曜)から栄養のある食事を慎む習慣があり、火曜日に家にある卵や牛乳、バターなどを整理するためパンケーキを焼いたのが始まりで、今では「パンケーキ・デー」としてポピュラーに。
イースターの定番である、十字架模様の付いた菓子パン、ホット・クロス・バンズは14世紀、この祝日に食べるものがない貧しい人々のために、ある神父が焼いて配ったもの。
クリスマス・プディングは元々、十二日節(1月6日)に豆を1粒入れて作り、その豆に当たった者が次回のクリスマスのリーダー役を引き受けたといういわれがあり、今でもプディングの中にコインなどを焼き込み、当たった者が幸せになれるというゲーム的要素を受け継いでいる。
やっぱりまずいの? 英国料理
元々料理に味を付ける概念がなかったのと、食べ物をくたくたに煮てしまう習慣から、まずいということで定着してしまった英国料理。逆に言えば、きちんと味付けし、煮過ぎに注意すれば問題ないわけで、人々の味覚も発達した現代では、美味しいものがいくらでも食べられるようになった。とはいえ、古代ゲルマン人の料理法に基づいているとされる英国料理。大昔より与えられてきた「まずい国」の不名誉は、そう簡単に覆せるものではない。自虐的で皮肉屋の英国人は、今日でも自国の食べ物に関するジョークを自ら飛ばしまくっている。
「フランスに行ったらフランス料理、イタリアに行ったらイタリア料理を食べろ。英国では中華料理を食べろ」、「世界3大“薄い本”は、ドイツのジョーク集、イタリアの戦勝記、英国の料理全集」、「大英帝国が栄えたのは、自国の料理のまずさに英国人が世界へ逃げ出したためである」などなど。
「英国料理全集」は世界一薄いかもしれないけれど、「英国料理ジョーク集」は、相当厚い本になりそうだ(実際存在するらしい)。



在留届は提出しましたか?

1997年11月13日、ナショナル・ロッタリーが778万ポンド(約17億円)を再開発資金として提供することを発表し、バースの街は歓喜に沸いた。それから、約9年の歳月を費やして2006年8月にようやく完成したのが、このテルメ・バース・スパ。新しく完成したニュー・ローマン・スパは、プールが3つ(内1つはトリートメント用のプライベート)に、アロマセラピーを施したスティーム・ルームが備え付けられていたモダンなスパ・リゾートだ。目玉はなんといっても40種以上のミネラルを含んだ「天然の温泉」。ここでは毎日約100万リットルもの湯が湧き出しているのだ(源泉は45℃だが、スパでは36℃程度に薄められている)。屋上には、バースの絶景を眺められるプールがある。 ここで、プカプカ身体を浮かばせながら空を眺めているとまさに極楽。ストレス解消にもってこいの場所だ。
この日受けたのは、ワツという聞きなれないトリートメント。ワツはカリフォルニアに住む指圧師によって編み出されたと言う水中の指圧(Water Shiatsuが語源らしい)のことだそう。トリートメントは、昔から医療施設として使用されてきたという地階のプール、ホット・バスで行われる。天窓から降り注ぐ日差しが爽やかな直径10メートル程のこの円形プールはワツ専用。1度に施術を受けられるのは1人で、施術中はこのプールに他の人が立ち入ることはないという。なんて贅沢。
担当のセラピスト、ジョアンナさんは、いかにもセラピストといった感じの柔らかい雰囲気の女性。ジョアンナさんからワツの説明を受けた後ホット・バスに入り、彼女の腕に頭を乗せ身体を水中に浮かせる。それから後はすべてセラピストまかせ。水中で、まるで揺りかごで揺られているような浮遊感を全身に感じながら受ける軽い指圧マッサージが最高に心地良かった。身体よりも心に効きそうなトリートメントで本格的なマッサージとはまた違うが、この水中を漂う海藻感覚がなんとも深いリラクゼーションに導いてくれるのだ。施術後は、ただただ脱力。出されたハーブ・ティーを抱えたままの放心状態が続き、しばらく現実に戻れませんでした。

英国生まれの自然派化粧品エレミスが手掛けたエキゾチックなスパは、ドアを開けたその瞬間から、時の流れが止まったような静寂さに包まれる空間。静けさの中にほのかに漂うエッセンシャル・オイルの香りに嗅覚が刺
このエンザイムが働いている間、腕、首、肩を念入りにマッサージしてくれたのですが、これがもう最高。力加減が絶妙で、身体がとろけるような極楽気分を味わいました。寒くないようにと、マッサージが終わった部位から大きなタオルに包んでくれる心遣いもさすが(終了時には蚕のようになっていました)。この後、あまりの気持ち良さに少しウトウトしてしまったのか、気付いた時には、3段階最後のエンザイム(レモン)を浸透させ終わった後。
トリ・エンザイム・リサーフェーシング・フェイシャルの発売を記念して、フェイシャル・ウォッシュ、リサーフェシング・セラム、リフレッシング・ナイト・クリームの3点が含まれたフェイシャル・セット(£200相当)を1名様にプレゼントします。プレゼント応募方法は
英国初のジェントルマン専用スパ。散髪、髭剃りと言った床屋的な作業から、男性のためのマニキュア(爪の手入れ)、日焼け用のサンベッドそして全身マッサージといったトリートメントまで、ここ一軒でグルーミングのすべてが済んでしまう画期的な場所だ。
男性専用スパと聞いて、どんな人が通うのだろうと想像が膨らんだが、待合室にいたのは、アルマーニのスーツを着た恰幅の良い初老の男性を始め、ビシッとスーツで決めたビジネスマン風の男性がほとんどだった。ここは、むしろ紳士クラブ的な役割を持った場所なのかも知れないと思った。

名門ホテル、マンダリン・オリエンタルご自慢のラグジュアリーなスパ。一歩足を踏み入れると、そこは街中の喧噪が嘘のように静寂が漂う空間だ。究極のリラックスを提供するに相応しい禅をテーマとしたスッキリとしたインテリアは、日本人建築家デュオAZUMIによるデザイン。室内はキャンドル・ライトで薄暗く照らされ、そこにいるだけでスーッと気持ちが静まるのが実感できる。
水の力を徹底的に利用したハイドロセラピー(水治療法)が充実しているスパ。英国で最も素晴らしいスパに贈られる「デイ・スパ・オブ・ザ・イヤー」を何度も受賞していることからも、その実力がうかがえよう。6つの温泉プールの中でも、幻想的なインテリアが施されたフローテーション・プールは是非試して欲しい場所。21種類のミネラル成分を含む死海の塩を利用したこのプールにフワフワと体を漂わせると、日頃のストレスがスーと消えていくから不思議だ。アンチ・エイジングなど各種ビューティー・トリートメントのほか、関節炎、筋肉痛、リハビリなど体調に合わせたトリートメントを提案してくれるので、男性にもお勧めしたい。メディテーションなど心に働きかける講座も提供しており、心身共にリフレッシュできること請け合い。
ウェストミンスター区の運営する公共スパ。自治体運営とはいえ、ターキッシュ・ホット・ルームズ(ターキッシュ・バス)が3つ、ロシアン・スティーム・ルームが2つにフィンランド式サウナと冷水プールがある本格派。インテリアもアール・デコ・スタイルを取り入れたエレガントなものなので、優雅な気分を味わえるはず。曜日によって、男性専用、女性専用、カップル専用と分けられているので、予約時の確認を忘れずに。ボディ・スクラブ、全身パック、マッサージなどの各種トリートメントは別料金(要予約)で受けられる。














フラワー・ショップ、ギフト・ショップも備えたサロン。全面ガラス張りの明るい店内には、マッサージ用のチェアが並べられ、気持ち良さそうにマッサージを受ける人の姿が見受けられることも。これらのエナジャイジング・チェア・マッサージは10分10ポンドからあり、ちょっと疲れた時に気軽に寄れるのが魅力。奥では、ストーン・セラピーなどの本格的トリートメントを行っている。 
スパなどのサロンより敷居が低いので、疲れた時に気軽に立ち寄れるのが嬉しいリフレクソロジーの店。お値段も25ポンドからと良心的。経験豊富なリフレクソロジストが揃っているので、店を出る頃には疲れが溜まっていた足が軽くなること請け合い。65ポンドから出張サービスの依頼も可能(詳細はTel: 07958 088 044)。
映画「Miss Potter」(邦題:ミス・ポター)
「Miss Potter」では、湖水地方ならではの美しい風景のカットがストーリーの合い間で効果的に使われている。その1つが、1929年にポターが購入したターン・ハウズと呼ばれる小さな湖と、その周りを囲う広大な敷地。遠景には山々が連なっており、その他の観光スポットとは一線を画した険しいぐらいの野性味溢れる景色が広がっている。この辺りまで来ると観光客の数もぐんと減るので、湖水地方のまた違った顔を発見することができるかもしれない。特にターン・ハウズを取り巻く周囲約2.5キロの散歩道はのどかで美しい。
後にポターの夫となる事務弁護士ウィリアム・ヒーリス氏の事務所として撮影に使用されたのは、ちょっと意外な場所。ここはかつてラム酒貿易で栄えたホワイトヘブン地区の歴史をテーマとしたエンターテイメント施設なのだ。施設内にはこのラム酒貿易で莫大な資産を築いたジェファーソン一家のオフィスがあるのだが、「Miss Potter」撮影のためにわざわざ改築が施されたという。かつては貿易に関わる作業について細かい指示を出し、また労働者たちの監視を行ったといういわば司令塔が持つ独特の気高い雰囲気が、当時の事務弁護士が働いた事務所の再現に一役買っている。
ロンドンの実家を離れて湖水地方に住まいを移したポターが、ヒル・トップと呼ばれる自宅の庭で楽しそうに農作業を行うシーンがある。その撮影が行われたのがこのユー・トゥリー・ファーム。実際ここは、地元の再開発計画から守るためにポターが購入した農場の1つであった。さらにはこの敷地を使って当時はまだ珍しかったB&Bの経営に乗り出し、アフタヌーン・ティーがたしなめる喫茶室まで作ったという。当時の面影はそのまま残っており、敷地の狭さから撮影が見送られた本物のヒル・トップに代わってロケ地としての役割を見事果たした。
「Miss Potter」のストーリー後半で、レニー・ゼルウィガー演じるポターが湖畔で佇む姿を捉えたシーンが度々出てくる。このロケ地に多く使われたのが、湖水地方の巨大な国立公園の一部となっているダーウェント湖。実際この界隈には、ポター自身が41歳になるまで家族と一緒に休暇を過ごした別荘があった。ポターはこの地において目にした木々や庭、その他の風景を描いた多数のデッサンを残しており、特に「ベンジャミン・バニーのおはなし」や「ティギーおばさんのおはなし」などの物語の舞台として知られている。
ロンドンに住んでいた幼き頃のポターが湖水地方へと家族旅行に出掛ける時、また大人になったポターが両地間を移動する際と、2回にわたって大きく映し出されるのが高架橋。英国北部の田園地帯という見晴らしの良い風景の中を、蒸気機関車が走っていく姿は圧巻だ。ロケ地として使われたのは、今でも運行を続けるセトル・カーライル・レイルウェイの線路上。イングランド中央部のリーズからスコットランド近郊カーライルまで北上しながら、英国の田舎に残る美しい風景を車窓に次々と映し出す、希少な路線である。
こちらはポターが湖水地方での生活の拠点とした本物のヒル・トップ。家の庭には、彼女が描いた物語の場面そのままの光景が残っている。
絵本に登場するキャラクターの展示するなど、絵本の中の世界をできるだけ忠実に再現した博物館。小さなお子さんなどは、ここに来ればまず間違いなく喜ぶはず。
小さい頃に受けた英才教育のお陰で、風景画の教養と技術も持ち合わせていたポター。ここでは絵本の世界とはまた一味趣の違った水彩画などが展示されている。
当時ヒル・トップに住んでいたポターが購入した別荘。ここで「カルアシ・チミーのおはなし」や「こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」を描いたとされる。
まだコンピューターが存在しない時代。当時そのままの状況を保存したこの博物館において、印刷所を訪れたポターが厳しく注文を付けるシーンが撮影された。

19世紀の英国を舞台とした「Miss Potter」では、上流階級出身のポターが馬車を使って移動する場面が多く見られる。これらの撮影の大半が行われたのが、ご存知ハイド・パーク。
撮影のため、2006年に湖水地方を訪れた
「そもそもマドンナの家で働くようになったきっかけは、まだ赤ん坊だった彼女の長男の離乳食作りだったんです。普段の住み込みシェフが10日間、休暇を取る際の代理を探していて。私は当時クシ・インスティテュート(米国にあるマクロの教育機関)で料理講師をしていたので、ほんの短期出張のつもりで」。
マクロの学校に入るにはまず英語が必要とボストン大学の語学コースをとったはいいが、貯金が底を尽き始め、途方に暮れていた頃、久司道夫氏の書生と親しくなった夫に付いて久司家に遊びに行ったのを機に、一家の住み込み料理人の座を得る。
マクロと出逢い、その道を進むと決めて以来、西邨さんが目指してきたものはただ1つ、「マクロを世界に広げて、人類の平和を実現させる!」。マクロの父、桜沢如一の夢をそのまま継いでいる。途方もなく大きな夢に思えるが、西邨さんは、着実に一歩ずつ前進している。マクロを勉強し、今度はそれを教える立場になり、我が子の通う学校でマクロ・ランチを販売する、ということもやってのけた。マドンナのシェフになったのは「有名人に実践してもらうことで、マクロが一層広まることを期待して」。2005年末には初の著書を出版。次のステップは、と聞くと「そうね、マドンナのおかげで私も少しメディアに注目してもらえるようになったので、便乗して(笑)あと数冊本を出したいです。それから、今まで食が専門だったけれど、マクロのもっと根本的な『宇宙の法則』について、英語で講義してみたい。そうそう、自然農法も普及させたいので、指導できる人たちと1年ごとに、必要とされる国を移動していくのもいいわね」……とプランは尽きない。







「野菜、魚などその度に買うナマモノは、あまりローカル栽培やオーガニックにこだわりすぎなくていいけれど、料理の基本となる調味料、主食の穀物、乾物などは、必ず『いいもの』を使ってほしいですね」。毎日使うものだけれども1度買えば長期保存できるから、買える時に買っておけばOK。





英国人男性の憧れと言えば、ジェームズ・ボンド。そして、そのボンドの愛車として有名なのがアストン・マーチンだ。映画007シリーズ「ゴールドフィンガー(1964年)」ではアストン・マーチン社(1913年設立)の「DB5(1963-65)」が、主人公ジェームズ・ボンドの駆る「ボンド・カー」として初登場している。同ブランドは、当時から高出力スポーツカーとして名高く、「DB5」には直列6気筒・排気量4リッターのエンジンを搭載、282馬力を発生した。その後も「リビング・デイ・ライツ(1987年)」に、英国発のスーパーカーといわれる「V8-Vantage(1977-89)」(V型8気筒、5.3リッター、315馬力)が、「ダイ・アナザー・デイ(2002年)」では「V12-Vanquish(2001-)」(V型12気筒、5.9リッター、430馬力)が登場している。このような速くてかっこいいアストン・マーチンは、サッカー選手のデービッド・ベッカムを始めとする多くのセレブリティが所有していることでも有名だ。
オースティン社の「A30(1951-56)」を見てみよう(写真右上)。日産自動車が1963年に発売を開始した「初代ブルーバード310型」(写真右中央)との関係がわかるだろうか。日産自動車は戦後、技術的な遅れを取り戻すため、オースティン社と技術提携を結び、1953年から「A40」、1955年からは「A50」を生産した。そして10年後の1963年に満を持して登場したのが「初代ブルーバード310型」だった。このほか、いすゞ自動車は英国のヒルマン社(1907-76)から「ミンクス(1932-66)」の提供を受け、その名も「いすゞヒルマンミンクス」(写真右下)として販売していたが、これはすでに忘却の彼方の出来事となってしまった。その後、日本車メーカー各社は、高度成長期(1950〜70年代初頭)を通じて独自の道を歩んでいくため、古き良き時代の英国車の面影は無くなってしまうが、「A30」のようなルーツがあったことは記憶にとどめておきたい。
世界3大レースのひとつ「ル・マン24時間耐久レース(1926-現在)」は、戦後間も無く再開された。英国車では、ジャガー「Dタイプ(1954-57)」などが活躍し、戦後10年間で6勝を挙げている。しかし、1959年の勝利を最後に英国車メーカーは勝利から遠ざかり、1988年に再びジャガーが勝利するまでに30年もかかった。こうした記録からも、英国自動車業界の戦後の浮き沈みを窺い知ることが出来るだろう。

ロンドン北方にあるシルバーストーン・サーキットでは、ロータス・イクシージでトレーニングを受けることが出来る(半日コースで155ポンド〜)。しかも、半日集中トレーニング・コース(275ポンド)なら日本人インストラクターがいるので、言葉の心配いらず。爽快で質の高いアドバイスを受けながらのドライビング体験ができること確実(事前に、インストラクターの中納さんに直接予約要)。その他、ケントにあるブランズハッチ・サーキットでもフォーミュラ車などのドライブ体験ができる。
ソールズベリーの西に位置する英国最大の自動車博物館。外見的にはビューリーにやや劣り寂れた感じもするが、一度館内へ立ち入れば、その品揃えには圧倒されること間違いなしだ。ヨーロッパの赤いクルマばかりを一堂に集めたコーナーでは、英国とイタリアの名車を堪能できる。敷地内にはショート・サーキットを併設しており、イベントの無い日には、自分のクルマを走らせることも可能だ。
マナーハウスと併設されるビューリー自動車博物館は、サウスコースト「サザンプトン」近郊にあるテーマ性の高い施設だ。1890年代の車から最近のレース・カーまで幅広く取り揃え、映画007に登場した様々な自動車を展示するコーナーもある。施設内には、モノレールやラジコン・コーナーなどもあり、奥様やお子様連れにも優しい。また、春から夏にかけては「オート・ジャンブル」や「ボート・ジャンブル」と呼ばれる催し物が定例となっており、大陸からの出展者もいる賑やかな雰囲気を楽しむことも可能だ。今すぐ、ホームページをチェックしてみよう。











































「辞めろ」コールが頂点に達し、ついに「辞めます」と言わされたブレア首相。今年は全然いいことなかったね。まずは5月の地方選でボロ負け。「責任取れ」の声が響く中、速攻で内閣大改造を実施、世間の目をくらましてたっけ。でも、謀反が起きても造反議員の要求に逆らって辞任時期を明確にしなかったのには首相歴9年半の意地を見た気がしたな(ブラウン財相の項も参照)。シェリー夫人は、ブラウン財相が党大会の演説で「過去最も成功した労働党党首・首相と仕事できて光栄」と言ったのを耳にして「嘘つき」とポロリ、期せずしてトップ・ニュースに。「言ってないわよ!」って反論してたけど、まあ夫は立場上、「ゴードンの馬鹿」とか言えないしね。
党首1年生の今年は、受け狙いのギミックばかり目立った印象。「地球温暖化の実態を見る」とやらでノルウェーの氷河に行ったかと思えば、トーク・ショー出演や米国人ラッパーとの会談(?)、「ビデオ・ブログ」の発信と、「クールでヒップで地球に優しい」新生保守党を売り込もうとあの手この手。肝心の政策はアレ?ってな感じで、ブレア路線を真似し過ぎの「ブラメロン(Blameron)」なんて言われる始末だからしょうがない。党内右派からは非難轟々だってさ。
公私で幸不幸入り混じった1年。9月に若手議員数人がブレア首相の辞任を要求して政務次官職などを辞任、首相が「1年以内に辞める」と言う羽目になったのは記憶に新しいけど、これ噂によるとブラウン財相の企みによるクーデター。長年の夢、首相の座がいよいよ近付いてしてやったり……と思いきや、実は7月に生まれた二男が遺伝性の病気「嚢胞性繊維症のうほうせいせんしょう」を発症してた。これで首相への野望がついえるってことはないだろうけど。来年こそは要注目か!?
2006年はベッカムにとって大きな転機の年だった。W杯で負傷退場しベンチで顔を紅潮させ、勝敗が決する前から涙する姿は雄弁だった。ベッカムはサッカー人生の集大成が終わったことを知っていた。もともとスタミナがある選手とはいえ高齢化による体力の衰えは隠せない。デッド・ボールでは依然、右に出る者はいないが、セット・プレーという極めて限定された分野に人員を割くほど、サッカーは優雅ではない。90分戦い抜く力のない者は容赦なく切り捨てられる。今後は米国のサッカー・リーグに移籍しハリウッド・デビューする話もある。そもそも、甘いマスクとセレブ妻というピッチ外の要素で大ブレークした選手だけに、これからが貴公子の本領発揮といったところか。
大会直前に骨折するも奇跡的にW杯に間に合ったルーニーだが、準々決勝で一発退場、1998年W杯でのベッカム同様の非国民に。その後も素行は悪化するばかりで、パブで婚約者を中傷したブラックバーンの選手を殴打。激しい闘争本能を持つが、一瞬にして頭が沸騰する危険もはらむ。能力には非の打ち所がなく、どのポジションでも超一流。その怪童の唯一の弱点に相手がつけこむのは当然。もう大人なのだから、自己分析をして自制心を身に付けて欲しい。
ルーニーより酷かった。W杯中、厳粛な生活を送る選手たちと反対に、日中は衝動買いツアー、夜はドンちゃん騒ぎ。誰が主役なのかまったくわきまえておらず、それを追っかけるメディアも節操がない。ベッカム夫人ビクトリアは士気高揚のためと称し、毎晩酒宴を開催。泥酔した歌手シェリル・トゥイーディは深夜就寝中のアシュリー・コールに電話する規律違反を犯す始末。マクラーレン新監督が今後のWAG出入り禁止の方針を打ち出したのも当然だ。
10月にマドンナ夫婦がマラウイの孤児院を訪れて以来、メディアはハチの巣をつついた状態だったけど、デービッド君の養子縁組に関して賛3否7くらいの割合かしら。印象に残ったのは、BBC「ニューズナイト」のインタビュー。あちこちにろうそくが灯されたNYのスタジオに、黒いドレスの厚化粧マドンナが鎮座。ピリピリした空気が伝わってきて、やっぱり映像のインパクトは大きかった。「飢えや病気で死んでいる子供たちを無視できる?」、「何をしても物議を醸すのは承知の上。今後養子に関する議論がされるのは大いに結構」って、高飛車よね。すでにカバラの赤い糸を腕にしたデービッド君だけど、この先独裁ママに何から何まで縛られそうで、とっても不憫。
前のブロスナンが男前だっただけに、この38歳の丸顔丸鼻に44年続く「007」6代目ボンド役が決まった時、世間の評判はイマイチで、「craignotbond.com」なるサイトもできたほど。でも、蓋を開ければ「007/カジノ・ロワイヤル」は超ヒット。これでジュード・ロウを完抜きしたわね。長すぎる鼻の下が妙に気になるけど、鍛え抜かれた超マッチョな身体は歴代ボンドの中で一番セクシー。かつてはシエナ・ミラーやケイト・モスと噂になったけど、今の彼女は日本人ハーフの模様。
11月の「ワールド・ミュージック・アワード」に、アルバム売上げ1億枚以上の功績を讃えられて出演し、英国では約10年ぶりのパフォーマンスを見せたけど、結果は散々。「ウィ・アー・ザ・ワールド」で歌が聞こえたのはわずか2小節、しかも高音部が出ず。当のマイケルはNOBUで食事後、Topshopで深夜のお買い物。翌日「メリー・ポピンズ」の観劇に出掛け、押し寄せるファンにマスカラ流して感涙。その顔はまるで「スリラー」だったわ。
高値堅調を更新しているカップルね。ケイトはますます売れっ子だし、ピートはライブはいつも完売、BBC2ドキュメンタリー「アリーナ」の常連(2年で3回)で、「ガーディアン」紙など高級紙からの評価も高い。チャブからインディー、インテリ層まで幅広くアピールできるのが彼らの強みでしょう。偽巨根芸人、R・ブランドとの浮気や劇場版「リトル・ブリテン」のゲスト出演、ピートの数度にわたる薬物所持逮捕・出頭、リハビリ、カメラマン暴行、浮気と相変わらずネタにも尽きなかったし。次の山は結婚・妊娠・出産の三寿。ただ、ビクトリア& デービッド、ジュード& シエナのように、誰でも必ず凪が来る。ヤク中ロッカーの厄年27歳を無事終え、薬絶ちで太ったピートにもうその兆候が出ているわ。
5月の破局公表後、それぞれチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の離婚弁護士を雇って戦いの火蓋が切られたけど、序盤でここまで激闘になるとは。ポール側の銀行口座凍結、家の鍵換え、洗剤3本を持ち出した抗議文、ヘザーのポルノ・モデルの過去、高級娼婦疑惑、ポールの暴力行為を綴った陳述書の草稿スクープ、前妻故リンダの心中告白テープの存在発覚って、まだ訴訟始まってませんけど。結婚4年で慰謝料の最高額が450億円とは、オノ・ヨーコ以来の悪女伝説誕生だわ。
7回続く「ビッグ・ブラザー」でもインパクト一番だったピート。トゥレット症候群のパンクスってそういないでしょ。病気の認知度も全国区になって、誰ももう「トイレット? ああトゥレット」とは言わない。相方ニッキーは10代の大半を拒食症で入院、強迫神経症でかんしゃく持ちの精神年齢5歳。キャラ的に日本のバラドルと大差なく、衝撃度は中。数週間でピートが振ったというが、ヤラセか打算ね。既に過去の人々で、本当、テレビのスピードって怖い。

ミレニアム・ドームを設計した建築家、リチャード・ロジャースが手掛けた巨大なテントが目印のアウトレット。広大な敷地に約80店以上が軒を連ねる。ギャップ、リーバイス、トミー・ヒルフィガーなどの親しみやすいファッション・ブランドの他に電化製品、日常雑貨、CD、玩具なども販売しているので家族みんなで楽しめるのがポイント。年間を通じて割引率は定価の50%、年に2回のクリアランス・セール時期には70%オフの商品もあるので、セール情報はくまなくチェックしたい。
スコットランド観光の際には是非立ち寄りたいアウトレット・ビレッジ。LKベネット、エピソード、ポロ・ラルフ・ローレンなど50以上のブランドが常時最大50%引きとお得感タップリ。昨年は、ツーリスト向けのショッピング・モールとして5ツ星の評価を受けている。湖水地方や世界遺産に指定されているローマ帝国時代の遺跡ハドリアヌスの壁などは、ビレッジから約1時間以内で行ける。
パリから東へ160キロ。16世紀の街並みを残した古都トロワは、アウトレットのお店がたくさん集まったショッピング・パラダイスとして有名。北には高級ブランドが揃う「マカルチュール・グレン」、南には少しカジュアルなラインナップの「マルク・アベニュー」がどっしりと構え、他にも個別アウトレット店などが総計264店舗、軒を並べている。買い物ついでに、フランスの田舎町の雰囲気も味わえるお得な場所だ。北と南の2大センターは公共バスで結ばれているので、移動も便利。

中世の美しい街並を残すヴェルトハイム。その郊外に2004年オープンした「ヴェルトハイム・ヴィレッジ」は中世の趣を残したアウトレット・ショッピング・センターだ。敷地内には、アルマーニ、バリー、ヴェルサーチ、トミー・ヒルフィガー、ナイキなどのブランドのみならず、シュタイフのテディ・ベアなどの多彩な店舗が約80店並び、観光客のみならず、地元民も足繁く通うスポットとなっている。幻想的な雰囲気を醸し出すニュルンベルクのクリスマス・マーケットも近くなので、足を伸ばしてみては?
今スペインでは、マドリッド郊外のベッドタウンなどに続々とショッピング・モールがオープンしている。中でも人気の「ラス・ロサス・ビレッジ」は、世界各国の主要都市の目抜き通りをイメージして建築された街並みが素敵。バーバリーやヴェルサーチなどの高級ブランドのほかにも、アクセサリー、スポーツ用品、インテリア・グッズなど50以上のブランドの前シーズン品が、30~60%引きの価格で販売されていて、お土産探しにも最適。

あらすじ:
あらすじ:
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ロイヤル・バレエ団のプリマ
Royal Opera House
「バレエを観てみたいけど、楽しめるのか不安。それにまず何から観たらいいの?」という皆様。この特集では、ビギナーから玄人ファンまで大満足間違いなしの2つの「白鳥の湖」を取り上げ、ご紹介いたします。左頁は年齢を問わず楽しめる英国バレエ界最高峰のロイヤル・バレエ版。右はトレンドに敏感な若者から舞台芸術にうるさい熟年層をうならせる鬼才振付・演出家マシュー・ボーン版。それぞれのあらすじと見所をまとめたこのマニュアルを手に、是非一度劇場に足をお運びください。(茉莉・あんじぇりか)
あらすじ:
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あらすじ:
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マシュー・ボーン版主役
Sadler's Wells Theatre

バレリーナの1日は、通常10時30分頃から1時間半行われる朝の団員クラスから始まる。ダンサーたちは思い思いのレッスン着で、男女に分かれてスタジオに集合。指導者の指示の下、バーを手にしながら膝や股関節、足、爪先のウォームアップをする「バー・レッスン」から始まり、続いてバーから離れ、旋回技や跳躍、踊りのステップを練習する「センター」と呼ばれるお稽古が行われる。11時30分、フレンド・オヴ・コベント・ガーデン(バレエやオペラ愛好家による友の会組織)のメンバーを観客に、公開リハーサルが始まった。タマラは入団2年目にして注目を浴びる大型新人のマクラエを相手役に27分の抽象作品を踊り抜き、観客から温かい拍手をもらった。
主役バレリーナが舞台を務め終えるのは夜22時30分頃。メイクを落とし、シャワーを浴び楽屋口を後にするのは23時を回る。さらに楽屋口で待っていてくれている熱心なファンにサインをするなどしていると、家に帰り着くのは深夜。心身ともに舞台の興奮から冷めやらぬため、就寝時間は1〜2時になることが多い。だが、どんなに遅く眠りにつこうとも、日曜日以外は翌朝10時半からレッスンに出なければならない。本誌編集部が取材した日は、「現代バレエの夕べ」世界初演の前日。朝11時30分から同作品の最終調整である公開リハーサルが行われるとあって、団員クラスも通常より早く行われた。ちなみにロイヤル・バレエに所属するバレリーナたちは、コベント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスの最上階にある3つのダンス・スタジオで練習を行っている。ここでバレエ団の団員たちが男女に分かれてウォーム・アップを行う団員クラスや、作品の振付を習うスタジオ・リハーサルに励むのだ。
13時になると、茶色のレオタード、お稽古用チュチュ、レッグ・ウォーマーに着替え再び最上階へ。この階に設置された大きなスタジオには、タマラと彼女が師事するアレクサンダー・アガチャノフ先生、相手役のカルロス・アコスタとピアニストの4人が集まっていた。ロイヤル・バレエに所属するバレリーナの中で最も大きなスター性を持つタマラは、バレエ団きっての男性スター、カルロスとの共演が多い。女性的魅力あふれるタマラを、その大きな包容力で受け止めるカルロス。ウルトラC級美技の掛け合いも、2人を観に行く大きな楽しみの一つだ。そんなスター同士でありながら、おごったところのない2人によるリハーサルは、始終和やかに進む。動物的な勘と身体能力を備えるカルロスは、リフトや女性のサポートにも優れ、先生はダメ出しする必要がないほど。
朝早くからの団員クラス、直後に身体能力を極限までふるって挑戦した新作の公開リハーサル、その後に続いたマンツーマンの練習。汗をぬぐい、息を切らせ、時に水分を補給しながらも1分たりとも休むことなく、限られた時間に完全燃焼しようとするタマラ。小さな頃から日々レッスンをして手に入れたスターの座は、汗と努力、食事制限などの節制なしには守れないという厳しい現実。心底踊りが好きで、様々なことを犠牲にできる覚悟ある者だけが極められるプリマ・バレリーナという職業。ステージの上で可憐に微笑むバレリーナの毎日が、こんなにも激しいものだったとは。
14時30分にリハーサルを終えると、楽屋でインタビュー。1日のうちのほとんどを劇場で過ごすバレリーナにとって、楽屋はとてもプライベートな空間だ。タマラは楽屋を先輩プリマのリアン・ベンジャミンとシェア。と言っても、2人が同じ日に舞台に立つことはまずないから、夜はほとんど1人で過ごせる。取材当日の午後も楽屋に先輩の姿はなく、タマラは窓際の自分のコーナーでリラックス。壁には大好きな有名闘牛士エル・フリから貰ったサイン入り写真や、北斎の浮世絵絵葉書などカラフルな写真がたくさん貼られている。
◇控え室で語ったタマラの言葉







