毎年恒例の「オープン・ハウス・ロンドン」が今年も9月20日、21日に開催される。約700の建築物が一般公開されるこのイベントは、ロンドンの街を深く知る絶好の機会だ。至る所で開発が進み、超近代型ビルが街のアイコンとなっていく一方で、環境保護を意識した建物が続々と登場。歴史の面影を色濃く残しながらも、街は未来へ向けて日々刻々と変化している。建築物を訪ね歩きながら、時代の潮流を感じてみてはいかがだろう。(黒澤里吏)
オープン・ハウス・ロンドン公式ウェブサイト
www.openhouse.org.uk
ハイテク / モダン建築
街の景色を一変させる圧倒的な存在感で、見る者の想像力を刺激する超近代型高層ビルや、ハイテク建築家が手掛けたアットホームなケアハウスなど、注目の5件を厳選。時代の表情を映す建築物の数々から、ロンドンの今を探ってみよう。
これぞ21世紀型の癒し空間
Maggie's Centre(Hammersmith)

ハイテク建築の巨匠、リチャード・ロジャース卿が「サ ポート・センターというより、もっと親しみやすくて寛 げる、そして心豊かになれる場所に」という発想のもと に、チャリング・クロス病院内につくり上げた、がん患 者のためのケアハウス。非営利団体による運営だけに、 センターの利用は無料で予約も不要。木材を効果的に用 い、採光に気を配った設計が、医療施設とは思えない、 心安らぐ空間を生み出している。
| オープン期間 | 9月21日(日)10:00~17:00 (ガイド・ツアー/最終入場16:30) |
| 住所 | Charing Cross Hospital, Fulham Palace Road W6 8RF |
| 最寄駅 | Hammersmith / Baron's Court / Putney |
息を呑む大胆で緻密なデザイン
Palestra(Southwark)
巨大な箱を積み重ねたような外観に目を奪われる12階建ての超近代型オフィス・ビル。トップと本体部分の結合は、梁(はり)の両端の一方のみが固定される、「片持ち梁」の構造を用いたハイテク技術の賜物だ。また、ミラー張りの外装に所どころ配された彩りはシリコン・ガラスによるもの。温度調節機能を備えており、優れたデザイン性とともに高い機能性を発揮している。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~13:00 (ガイド・ツアー / 最終入場12:30) *公式ウェブサイトより要予約 |
| 住所 | 197 Blackfriars Road SE1 8AA |
| 最寄駅 | Southwark / Waterloo |
行列覚悟、でも一見の価値あり
Lloyd's of London(City)
リチャード・ロジャース卿によるこのロイズ保険組合本社ビルを抜きにして、英国ハイテク建築は語れない。空に突き抜けるようなシャープで無機的な鉄骨+ガラスの外観は、1986年の建造当時から20余年を経た今も斬新でユニーク。地上60メートルの高さとなる11階のギャラリーから見下ろす、開放的な吹き抜けのアトリウムの眺めは圧巻だ。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~17:00(最終入場16:00) |
| 住所 | One Lime Street EC3M 7HA |
| 最寄駅 | Bank / Monument / Liverpool Street |
抜群な環境の最新型オフィス
Portobello Dock(Kensington)
今年新たにお目見えした、グランド・ユニオン運河を中心に広がる再開発地区。約4平方キロメートルの敷地にショッピング&食、住宅、オフィスの各エリアが点在し、一大ビレッジを形成している。今回は運河に浮かぶ5階建てのオフィス建築「カナル・ビル」の一部を一般公開。排気用の換気装置や巨大な太陽熱温水パネルなど、環境保護も意識したつくりだ。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~13:00(最終入場12:30) |
| 住所 | 343 Ladbroke Grove W10 5BU |
| 最寄駅 | Ladbroke Grove / Kensal Green |
上空から12年後の街の景色を思う
Taberner House & Alsop's Third City Vision
(Croydon)
1967年建造のクロイドン行政本部ビル。ロンドン南東部を一望できる最上階には、2020年までに35億ポンド(約7000億円)を投じての開発が予定されている「アルソップのクロイドン都市化計画」の模型展示(写真)も。斬新なデザインで知られる建築家、ウィル・アルソップの未来都市ビジョンを目にするチャンスだ。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~17:00(最終入場16:50) |
| 住所 | Park Lane, Croydon CR9 1JT |
| 最寄駅 | East Croydon / West Croydon |
エコ建築 / 教育施設
より良い未来への鍵として真っ先に挙げられるのが、環境保護と教育対策。建築の世界でも、ここ数年でエコ・フレンドリーな建物や画期的な教育施設が増加中だ。そんな建築物に触れてみれば、未来のロンドンの姿が見えてくるはず。
こんなオフィスで働いてみたい
One Bishops Square(Tower Hamlets)

リチャード・ロジャース卿と並び、英国の2大建築家と言われるノーマン・フォスター卿が手掛ける、スピタルフィールズ再開発地区に立つ最新鋭のエコ建築。オフィス・ビル仕様としてはロンドンで最大の太陽光発電パネルや、自動節電機能付きの照明やエアコンなど、快適な職場環境を実現するためのさまざまな設備が搭載されている。
| オープン期間 | 9月21日(日)10:00~17:00(最終入場16:30) |
| 住所 | One Bishops Square E1 6AO |
| 最寄駅 | Liverpool Street |
低予算が功を奏してアイデア勝ち
Rooftop Nursery(Hackney)
低所得層の居住区に低予算で建てられた保育園だが、国内では他に類を見ない衝撃吸収効果のあるゴム材を用いた屋上の遊び場を持つユニーク設計で、2007年のRIBA(王立英国建築家協会)アワードを始め数多くの賞を受賞。館内のフロアもスライディング・パネルの仕切りによって50パターンの使い方ができるなど、フレキシブルでアイデア満載のつくりになっている。
| オープン期間 | 9月20日(土)13:30~16:30 |
| 住所 | 6 Ottaway Street E5 8PX |
| 最寄駅 | Rectory Road |
地下鉄車両がアートの現場に
Village Underground (Hackney)
閉鎖されたショーディッチの鉄道高架に廃棄処分の地下鉄車両を搬入し、アーティストのスタジオとして再利用。内装に持続可能な建築材を用いるなど、環境保護に十分配慮した設計だ。夏場にはライブやアウトドア・シネマなどのイベントが行われるほか、高架下のウェアハウスでは常時クラブ・イベントやファッション・ショーなどを開催している。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~17:00 |
| 住所 | 54 Holywell Lane EC2A 3PQ |
| 最寄駅 | Liverpool Street / Old Street |
子どもの個性を伸ばす児童センター
Golden Lane Campus (Islington)
生後6カ月から5歳までの幼児や児童のために開かれた複合施設。幼稚園、レセプション、養護学校を併設しており、各種アクティビティや母親のためのコースも充実している。異素材を効果的に配した有機的なデザインで、自然光の取り入れ方も見事。子どもたちの発想力を高めてくれそうな空間が実現している。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~13:00 (建築家によるガイド・ツアーあり) |
| 住所 | 101 Whitecross Street EC1Y 8JA |
| 最寄駅 | Barbican / Old Street |
感性を育てる彩り豊かな学校
Westminster Academy(Westminster)
2006年新設の、生徒数1175人の中等学校で、校舎は翌07年に完成。緑が基調の鮮やかな配色が目を引く建物の内外には、環境汚染の原因となるストームウォーター軽減機能や、自然換気による温度調節を実現するコンクリート材の利用など、数多くのエコ機能が搭載されている。2008年RIBAアワード受賞。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~17:00 (建築家によるガイド・ツアーあり) |
| 住所 | 255 Harrow Road W2 5EZ |
| 最寄駅 | Warwick Avenue / Royal Oak / Paddington |
建物×新市長=エコ効果倍増!?
City Hall(Southwark)
ノーマン・フォスター卿設計のロンドン市庁舎。この、卵とも筍とも見紛う不思議なフォルムが、実は自然の断熱や換気を可能にしている。加えて、コンピューターや照明器具の使用から生じる熱の再利用などで温度調節を図っているほか、節水機能や太陽光発電装置も備えるなど、隅々までエコ・フレンドリー。環境保護対策を公約に掲げている市長も満足に違いない。
| オープン期間 | 9月20日(土)/ 21日(日)9:30~17:30 (最終入場17:00) |
| 住所 | The Queen's Walk, More London SE1 2AA |
| 最寄駅 | Tower Hill / London Bridge |
個性派スポット
英国では建物の再利用は当たり前。しかし、このハコにこの中身は偶然か必然か。ここでは当初の建築目的とは全く異なる使われ方をしているものを集めてみた。不思議な今昔のコラボレーションによって生じた、内外のギャップを味わいたい。
元は英国最古のジム施設
German Gymnasium King's Cross Visitor Centre
(Camden)
1861年に創設されたドイツ体操協会の本拠地で、世界で最も古い近代オリンピックの一つとして数えられる1866年大会では、ほとんどの体操競技がここで行われた。木の合板を用いたアーチ状の梁は、キングス・クロス駅の設計の原型として知られる。現在はビジター・センターとして機能しているが、開発が進む周辺地区のなかで、やや異色の存在感を放っている。
| オープン期間 | 9月20日(土)/ 21日(日) 10:00~17:00 |
| 住所 | 26 Pancras Road NW1 2TB |
| 最寄駅 | King's Cross / St.Pancras |
古き良き時代の残像
Gala Bingo Club(Greenwich)
1930年代に次々と建造された映画興行チェーン、「グラナダ・シネマ」は、伝統的な装飾をふんだんに施した壮麗なインテリアで知られる。1937年建造のこの建物もその一つで、超豪華シネマ、トゥーティングのグラナダと同様、ロシア人の舞台監督兼デザイナー、セオドア・コミサルジェフスキーが館内装飾を手掛けている。現在は娯楽産業チェーン、「ガラ・ビンゴ・クラブ」のホールとして営業中。
| オープン期間 | 9月21日(日)11:00~12:00 *18歳以下は入場不可 |
| 住所 | 186 Powis Street SE18 6NL |
| 最寄駅 | Woolwich Arsenal |
馬舎からカルトなポップ文化を発信
The Horse Hospital(Camden)
ラッセル・スクエア駅からすぐの裏通りに佇む1797年建造の小さな古びた馬小屋は、なんと国内外のアンダーグラウ ンド・カルチャーを発信する、会員制のアート・ヴェニューだった。レアでアヴァンギャルドな映画や音楽、アート関連のイベントを定期的に開催。ヴィンテージ服の宝庫でもあり、膨大なストリート・ファッションのコレクションを誇っている。
| オープン期間 | 9月20日(土)/ 21日(日)12:00~18:00 |
| 住所 | Colonnade WC1N 1HX |
| 最寄駅 | Russell Square / Euston |
幾何学デザインが神秘性をプラス
Zoroastrian Centre for Europe(Harrow)
優れた建築に与えられる評価基準の一つ、「グレードⅡ」に認定されている、優美なアールデコ建築の元映画館は、現在、ゾロアスター教の欧州本部センターとなっている。ゾロアスター教とは古代ペルシアで発祥し、世界三大宗教にも影響を与えたとされる、世界最古の宗教の一つ。そう聞くと、アールデコの幾何学的なデザインがどことなく神秘的に見えてくるような……。
| オープン期間 | 9月20日(土)10:00~13:00(ガイド・ツアー) |
| 住所 | 440-442 Alexandra Avenue, Harrow HA2 9TL |
| 最寄駅 | Rayners Lane |

夜間ハイキング
毎年盛況、約30キロのチャリティー・ウォーク。今年はCity Hallから出発して主要建築物を巡り、Savoy Placeのテラスで日の出を眺めながらシャンパンで乾杯!参加料はMaggie's Centreに寄付される。
| 日時 | 9月19日(金)19:30~(所要約8時間 |
| 参加費 | 1人£37.50(4~6人の場合はグループで£150) |
| *公式ウェブサイトから要登録 |
フォト・コンテスト
期間中に訪れた建築物をカメラに収めて、オープン・ハウス事務局に送ってみよう。有名建築写真家や「タイム・アウト」誌のエディターなどプロたちによる選考のうえ、応募作品の中から1~3位が決定。賞品も用意されている。
*応募方法の詳細は公式ウェブサイトを参照
キッズ・イベント
子どもや家族連れのためのイベントも多数。主なものは以下の通り。
| City Hall 最上階に設置されたスペースで、未来のロンドンの模型をつくろう。 日時: 9月20日(土)10:00~13:00 * 対象年齢: 5~10歳 |
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| Trinity Buoy Whalf 文化とアートの発信地で、創造力を掻き立てるユニークなコン テナ建築づくりに参加。大人から子どもまで楽しめること請け合い。 日時: 9月20日(土)/ 21日(日)11:00~17:00 住所: 64 Orchard Place E14 0JW |
建築バス・ガイド・ツアー
オープン・ハウス事務局は年間を通して毎週土曜の午前中に、建築家や建築評論家によるガイド・ツアーを実施している。伝統建築を巡るプランや、ハイテク建築に焦点を絞ったプランなど4種類あり、どのツアーが開催されるかは週によって異なる。建築についてもっと詳しく知りたくなった人は、是非どうぞ。
| 日時 | 毎週土曜10:00~(所要約3時間) |
| 料金 | £18.50 / 学生£13 |
| 要予約 | Tel: 020 7383 2131 E-mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください |
*ツアー内容の詳細は公式ウェブサイトを参照



在留届は提出しましたか?


貧乏学生だ、まとまった休みが取れない、寒い……。そんな寂しい想いで夏を過ごしている人は多いはず。とはいえ、年に一度しか来ない太陽の季節を満喫するためには、「でも」なんて問答無用。そこで今回は、「キング・オブ・夏の楽園」であるハワイへ読者の皆さんをご招待。ロンドンにあるバーチャル・ハワイをご堪能あれ! (本誌編集部: 國近絵美)


「ティキ」とは、ハワイの原住民であるポリネシアの神話に登場する、人類を創造した神たちのこと。木や石で造られたティキ像はお守りとして身に付けられているほか、置物やマグカップなどのデザインにも登場し、世界中にコレクターがいる。また、英国や米国では「ハワイアンの」という形容詞として、よく「ティキ」が使われる。例えば「ティキ・カクテル」と言えばハワイアン・カクテルのことだ。
英国で一番楽園に近い場所
ティキ・スピリット満載のセレブ御用達クラブ
抜いたパイナップルにサーブされ、ほかにもフローズン・ココナッツに入った「ココナッツ手榴弾」や、24金の飾りが付けられた宝箱に好きなシャンペンを入れて注文できる 「Armada宝箱」など、容器も中身も凝ったカクテルが勢揃い。1人用はもちろん、8人用の巨大カクテルも用意されているので、カップルでもグループでも楽しめる。
ハワイでエルビスに遭遇?!
世界各国のラム酒がずらり
心と体のコリを芯までほぐそう
癒しの極意を体と心で味わう
フラ初心者も安心のダンス・イベント
思わず呪文を唱えたくなるような怪しいゴージャスさを持つ「アブラカダブラ・レストラン」は、マハラジャ気分で豪華な食事を楽しみたい人にぴったりだ。ブースはそれぞれ異なるテーマで飾られていて、「自分好み」にするために、テレビ画面やCDが用意されている。ほかにも、ブースが置かれた床が回転する「回転テーブル」や、個室の1つ1つにテレビ画面が設置されている女子トイレなど、仕掛けがいっぱいだ。
大のオペラ好きというオーナーが、長年の夢と情熱をそのまま実現させたのがこのレストラン。オペラ劇場とアラビアン・テイストがミックスされた店内には、舞台の小道具や骨董品が至るところに並んでいる。店名の「ザラストロ」は、店長が特にお気に入りという、モーツァルト作曲のオペラ「魔笛」のキャラクターに由来。劇場ならではのボックス席も再現されていて、まるで観劇しているような気分で食事が楽しめる。
「多島海(たとうかい)」と称されたレストランの内装は、金色に輝く仏陀やヤシの木などに囲まれたエキゾチックなもの。そしてこの異国情緒溢れる店内で挑戦できるのは、普段は目にすることすら稀な、いわゆる「ゲテモノ」食材だ。ワニやクジャク、カンガルーの肉は初心者向け、そして「心臓に毛が生えてます」という人にはイナゴのチリ&ガーリック炒めやサソリのチョコレート掛けなどのメニューをぜひ味わって欲しい。
「暗闇」という店名の通り、完全な暗闇の中で食事ができる。視覚障害者を支援するためのチャリティー団体が始めた同店は、現在では欧州3カ国で展開する人気ぶりだ。注文を決めたら、前の人の肩につかまって、真っ暗なレストランにいざ入室。後は目の不自由なウェイターがガイドしてくれるのに身を任せよう。ぜひ試して欲しいのはサプライズ・メニュー。味だけで何を食べているか当てるのが、実は意外と難しいことに気付くはず。
かつてはロンドンの「顔」として、観光客にも地元っ子にも愛されてきた2階建てバス「ルートマスター」。残念ながら05年に運行が中止されたこの人気者が、なんとベジタリアン・レストランに大変身した。メニューは新鮮なキノコや野菜、チーズなどを使った前菜に、野菜の天ぷらなど。25~30人の団体であれば、食事代+貸し切り代100ポンドで、気軽にパーティー用として貸し切ることができる。
どうせ冷夏を嘆くなら、思い切って氷点下の世界を体験してみては?マイナス5度に保たれた店内は、壁や椅子からグラスに至るまですべて氷で出来ている。欧州3カ国に加え、東京でも展開している人気店だ。また、年に2回がらりと内装が変わるというのも、氷という素材ならでは。現在のバーは、シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドのもとでジュエリー・デザインをしていた「デービッド&マーティン」が担当した。
アクセサリー・デザイナー兼オーナーのフィオナさんが05年にオープンさせた、アクセサリーとヴィンテージ・ドレスを扱うお店。ハワイアンな内装の店内は、50’sの匂いが漂う品揃え。レトロで上品なコルセットや帽子、そしてロカビリー・ファンには堪らない小物やアクセサリーは、ファッション雑誌でも度々取り上げられるほどの人気ぶりだ。オンラインでも注文できるので、こまめに新作アイテムをチェックしよう。
こちらも50’sがテーマとなったボーリング場。当店自慢のカクテルと軽食を楽しみながらプレーできるのが人気の秘密だ。また、「キングピン・スイート」というプライベートのイベント・スペースも隣接していて、貸し切りでパーティーを行うこともできる。40~250人収容可能というこのスペースでは、ラスベガス・スタイルのゴージャスな内装にレーンが5つ完備されている。専用のカクテル・バー2つやカラオケにDJブース、卓球やスヌーカーなどをプレーすることが出来るゲーム・ルームやケータリングも行っているという。







このエス・トレンクに一番近い街が、コロニア・サン・ ホルディ(Colonia de Sant Jordi)。この小さな街にはホテルが多く、ヨット・ハー バーや海に面したプロムナードにはのんびりとした雰囲気が漂っていて、太陽と海を満喫したい人には最適だ。ハーバー近辺にはレストランやタパス・バーなどが軒を連ねているが、ここで試していただきたいのは、やはり本場のパエリアである。



国枝選手が出場した試合には、1回戦から多数のギャラリーが詰め掛けていた
アテネのパラリンピックでは、斉田選手(写真左)と組んだダブルスで金メダルを獲得した©共同
全英オープンで優勝し、トロフィーを掲げる
国枝選手が全幅の信頼を寄せるという、丸山コーチ
世界一の速さを生み出す、抜群のチェアワーク
試合後、観客の声援に笑顔で応える


「ドライ・ストーン・ウォール」とは、自然の形のままの石を計算しながら積み上げていき、壁の外側の重量バランスを中心部に傾けることで、モルタルを一切使用せずに強度を保つという手法で造られた壁のこと。さらに、年月とともに隙間に苔が発生し強度が増すという、まさに人間の知恵と自然の合理が一体となった伝統技術だ。湖水地方では家や塀の建設にも多用されていて、ウォーキング・パスに沿ってどこまでも続く石塀には、旅情をかきたてるなんとも温かな趣がある。
一般にジンジャー・ブレッドといえば、人形のかたちをしたサクサクのクッキーを想像しがちだが、湖水地方のそれは味も 姿も似つかぬもの。体がすぐに温まる強いしょうがの味と、ねっとりとした食感が特徴だ。
丘で良く見かけるこのハードウィックという種類の羊は、赤ちゃんの時は真っ黒の毛で生まれ、次に茶色、そして灰色へと、成長とともにお色直しするとても珍しい品種だ。かつては絶滅寸前だったが、絵本「ピーター・ラビットのおはなし」の作者、ビアトリクス・ポターが保護に努めたことでも知られる。雨や厳しい寒さに強く、他種の羊が生息できないような高地でも放牧できるという、湖水地方の環境で飼育するには最適なハードウィック。また、一般の羊肉よりも割高だが、濃厚な味わいは一度食べたら病みつきになるはずだ。
ケンダルという町が発祥地の、ミント風味の砂糖水を棒状に固めたお菓子。ケーキとは名だけで、口に入れるとゆっくり溶ける「砂糖の塊」といった方が近い。ミントがリフレッシュ効果抜群、かつエネルギー補給として最適なので、ウォーキングなどのお供として重宝される。
また、外食に疲れた、あるいは節約したいという時に自炊できるのも、コテージ利用の大きな魅力だ。というわけで、最終日の夕食は、ユー・トゥリー・ファームで購入したハードウィック・ラムのローストに、地元で採れたポテトとブロッコリーの付け合わせに挑戦。自宅と変わらない環境で料理できることに感動しつつ、ラム肉の芳香に、隣のコテージの宿泊客が「今晩の夕飯はなに?」と聞きに来るという、ほのぼのとした土産話までできてしまった。「冬は地元食材をたっぷり入れた鍋を囲んで、夏は庭でバーベキュー……。」あまりの居心地の良さに、誰しもが次の旅計画に思いを馳せてしまうに違いない。
④ The Pennington Hotel
⑤ Brantwood
⑥Yew Tree Farm
Ruskin Museum
Steam Yacht Gondola









数千人の中から選ばれた16人の候補者男女が、実業界の大物アラン・シュガー卿が与える課題に挑むBBC1の看板リアリティー・ショー。優勝者には年収10万ポンド(約2000万円)の役職が約束されている。
日本発「マネーの虎」の英国版。一般人が持ち込んだ新規事業アイデアを、大物起業家の「ドラゴン」たちが査定し、交渉が成立すれば資金援助や投資が受けられる。2005年からBBC2でシリーズ放映中。







とある劇場の舞台上。老弁護士キップスが、若い俳優相手に覚束ない口調で自らの経験を語っている。キップスは若い頃、誰にも語ることのできない恐怖の体験をし、それゆえに悪夢に悩まされる日々を送っていた。彼は家族らにすべてを語ることでそんな記憶から解放されようと決意する。その練習を行うため、若い俳優を雇ったのだが、話のあまりの長さとキップスの語りのつたなさに、俳優はある提案をする。俳優が若き日のキップスを演じ、そのほかの人々をキップスが演じるという舞台の形で、この話を語ろうというのだ。かくしてキップスの恐怖の体験が芝居という形で明らかにされることになった……。



政治家
スポーツ選手
警察官
ビジネスマン
聖職者
演劇俳優
コメディアン
ミュージシャン





Boy George
George Michael
Will Young
Darren Brown
Stephen Fry
Simon Amstell
Graham Norton





「THE BEE」では、世界全体を覆う恐怖心と報復の連鎖が描かれた。昨年末から今年初めにかけて日本で上演された「ロープ」でも、暴力が芝居の中核を成したという。「ロープ」上演時、野田は、とあるインタビューで、現代社会には「暴力に対するリアリティが欠如している」と指摘した。戦争にしろ、テロにしろ、悲惨な現実がどこか別の次元で繰り広げられているような錯覚を覚える昨今。リアリティを描きつつも、夢世界というオブラートで直接性を包み込んでいた初期のものと比べ、近年の野田作品がストレートに現代社会を見据えるようになったのには、現実そのものにリアリティが欠けているという社会背景があるのかもしれない。シリアスな社会的テーマが全面に押し出されるようになったのでは、と問い掛けると、野田は「それはそうですね」と認める一方で、観客に特定のメッセージを届けようとは思っていないとも語った。「大きな主張が出ているかっていったら、別の問題だと思うんです。それは観客の人たちが自由に受け取るものだから。『THE BEE』にしたって、暴力好きの人の中には、暴力賛美だって受け取る人もいるかもしれない」。
今年2月26日、野田は東京都庁で記者会見の席に着いていた。東京芸術劇場の初代芸術監督、就任決定会見。それは夢の遊民社解散以来、特定の集団に所属せず、公演ごとに異なる俳優を使ってきた野田が、一つの場所に身を定めるということなのだろうか。自由という言葉がぴったりくる彼には、意外ともいえる決断だが、その理由を聞くと、なるほど、とうなずかされるものがあった。







