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Tue, 03 December 2024

英国の口福こうふくを探して

「英国料理はまずい」だなんて、言い古された悪評など何のその。おなじみのものから、意外と知られていないメニューまで、英国の伝統料理やお菓子には、舌が悦ぶものが色々あります。ぜひ一度ご賞味を。


Roast - ロースト

25 May 2006 vol.1046

週末になるとにわかに活気付くバラ・マーケット内にあるブリティッシュ・レストラン。ブリティッシュとは言っても、ガラス張りのテラスから差し込む日差しが英国料理に付きまといがちな暗さを否定し、どことなく大陸風のエスプリが漂う。

フレッシュな食材が揃うマーケットをお膝元に抱えるためか、メニューには素材そのものの味を活かした「ロースト」料理が並ぶ。英国料理を謳っているだけあって、パイやプディングなども得意料理の範疇だ。

メニューには、食材仕入れ元のリストも掲載されていて新鮮な材料へのこだわりを示している。

スタッフのお勧めに従って、前菜には「イングリッシュ・アスパラガス・スペアーズ(£9.50)」そしてメインには「ベークド・ホール・シーブリーム(£18.00)」を選択した。歯ごたえのあるアスパラガスとたっぷりのバターが添えられたとろけるようなマッシュルームは、口の中で絶妙なハーモニーを奏でながら消えてゆく。

軽い口当たりの前菜で胃が良い感じに刺激されたらいよいよメインの登場だ。シー・ブリーム(鯛)は、真鯛よりかなりスリムではあるが鯛の姿焼きが登場。

魚肉は身がぎゅっと締まっていながらもしっとりとジューシー。薬草としても使用される少し癖のある味のフェネルと爽やかなオレンジが、淡白になりがちな魚肉にほどよいアクセントをつける。

そしてこれらの食事に華を添えるものは、やはりワイン。
ソムリエはもはや珍しい存在ではないが、彼らの的確なアドバイスは大いに参考にしたいもの。

この日料理に合わせて選ばれたワインも豊かな風味がありながらもすっきりと軽く、料理の味を引き立てていた。

変わりゆく英国料理の新天地を求めて、行ってみたい一軒。

1) 丸ごとの魚の背中部分には、フェネルをオレンジで味付けされたものが詰められている
2) ソムリエお勧めのワイン。料理にあわせたものを選んでくれるので遠慮なく尋ねて
3) クレイフィッシュのサラダ
4) シャキっとした歯ごたえのアスパラガスにマッシュルームが添えられて
5) しっとりとしたホワイト・チョコレートのムース
6) モンクフィッシュはデリケートな味

店名 Roast MAP
住所 The Floral Hall, Stoney Street, London, SE1 1TL
TEL 020 7940 1300
Opening Hours ブレックファースト:月~金 7:00-10:00、土 8:00-11:00、ランチ:月~金 12:00-15:00、土 11:30-16:00、日 12:00-16:00、ディナー:月~金 17:30-23:00、土 18:00-16:00
Budget 朝食£12、ランチ£25、ディナー£45(フル・コース)
www.roast-restaurant.com
 

マクギネス真美マクギネス真美
英国在住の編集&ライター。日本での9年半の雑誌編集を経て、2003年渡英。以降、英国を拠点に、ライフスタイル、ガーデニング、食などの取材、執筆を行う。英国料理の師は義母。
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