イースター・エッグ
Easter Egg
「ハッピー・イースター!」
にこにこしながら夫が渡してくれたのは、靴でも入っているのかしらと思うほど大きな箱に入った卵。それはチョコレートでできたイースター・エッグです。結婚してから初めて二人で迎えたイースターのことでした。卵型のチョコレートがスーパーの棚に延々と並べられていることには気付いていましたが、それは子供のためのものだと思い込んでいました。なので、まさか自分がこんなに大きなイースター・エッグをもらえるとは思っておらず、びっくり。どうやら英国では、イースターにこの卵型チョコレートを贈り合う習慣があるようですが、そんなことを知らない私は夫にイースター・エッグのプレゼントを用意していませんでした。なのでその日は「ごめんね、英国のイースターの習慣のことは知らなかったから」と謝り、私のもらったチョコレートを一緒に食べることに。
早速チョコを包んでいる金色のフォイルを剥がして卵を割ると、なんと中は空洞でした。卵自体は小ぶりのラグビー・ボールほどの大きさですが、チョコレートは薄っぺらく、中には何も入っていないので、ちょっと肩透かしです。
さて、日本のバレンタイン・デーにも負けないほど、チョコレートがあふれかえるイースター期の英国。「チョコレート会社の商業戦略に乗せられすぎ」「近年、大きな問題となっている肥満(特に子供たち)を増加させる原因になりかねない」など批判も少なくないのですが、それでも、今年も、相変わらずスーパーやチョコレート店にはイースター・エッグが山積みでした。
イースターに家や庭で卵を探す「エッグ・ハント」の習慣は、ドイツから来たと言われています。もとはゆで卵に彩色を施したものだったと思われますが、チョコレートのイースター・エッグがドイツやフランスで登場したのは、19世紀初めごろ。一方、英国では、1873年にブリストルのチョコレート会社J.S. フライ& サンズが、国内で初めてのチョコレート・イースター・エッグを発売しました。ちなみに、紫色のラッピング・カラーがシンボルの人気ブランド、キャドバリーがイースター・エッグの販売を開始したのは、1875年。この時の卵型チョコレートはダーク・チョコレートで、中にはドラジェと呼ばれる、砂糖でコーティングしたチョコレートが詰まっていたそうです。
このキャドバリーは、近年、英国の景観や歴史的建築物の保護に尽力しているチャリティー団体、ナショナル・トラストの管理地でのエッグ・ハントに協賛しています。今年は私もこのエッグ・ハントに初挑戦。広大な敷地内に散らばった10個のクイズに答えた後は、イースター・エッグをご褒美にもらいました。やっぱり中は空洞でしたが、イースター後に自分のお腹が卵型にならないためには、このくらいの量が十分だと思います。
イースター・エッグ・ネスト・ケーキの作り方(12個分)
材料
- コーンフレーク ... 75g
- ベーキング用ミルク・チョコレート ... 150g
- バター ... 30g
- ゴールデン・シロップ ... 大さじ1
- ミニ・エッグ ... 36個
作り方
- チョコレートをボウルに入れて湯煎して溶かし、バター、ゴールデン・シロップを加えてよく混ぜる。
- ❶にコーンフレークを入れてよく混ぜる。
- 12個用のカップ・ケーキ型にそれぞれカップ・ケーキ・ケースを敷き、❷を均等に入れる。
- ❸の上にそれぞれミニ・エッグを3個ずつ載せる。
- ❹を冷蔵庫で30分ほど冷やして、全体が固まっていれば出来上がり。
memo
ミニ・エッグを使って作るこのお菓子は、オーブンいらずで簡単なので、小さなお子さんと一緒に作るのも楽しいです。