
「あなたの夏を教えてください!」
――毎年恒例となった英・独・仏、3国の
ニュースダイジェスト主催によるフォトコンテスト。
今年はこんなお願いに対してヨーロッパを始め、
世界各国や日本で撮影された様々な「夏」の光景が
ダイジェストに寄せられました。
社内で行う第一次審査は、日照時間が日に日に短くなるこの時期に、
つかの間夏を振り返ることができる私たちの楽しみとなっています。
さて、今年はどんな作品が受賞したのでしょうか。
マチュア部門大賞
「夏。」
カステルノー キミコさん
日本の夏の名物、岩牡蠣をほおばる孫に、おじいちゃんがレモンを搾ってくれています。孫は今にも岩牡蠣を食べちゃいそうですが、おじいちゃんはあきらめず、顔の前で最後の瞬間までレモンを搾ります。レモンをかけることで、もっとおいしく岩牡蠣を食べさせてあげたいと思う、おじいちゃんの愛情。孫はそのおじいちゃんのレモンの雫を待っています。おじいちゃんのすることを信じている、孫の信頼です。バックには日本の夏の色、まだ青々とした稲穂が向こうの山まで続いています。
マチュア部門の大賞作品を選ぶのには多少時間がかかりましたが、この作品は最初から有力候補の一つでした。牡蠣を食べる瞬間の少女の表情を絶妙なタイミングで捉えた素晴らしい作品だと思います。構図も良いですね。おじいさんが少女にどうやって牡蠣を食べればよいのか、教えてあげているかのように感じられます。ひょっとしたら彼女にとって、牡蠣を食べるのは初めての体験だったのかもしれませんね。日本ならではの光景も実に美しいです。
by Canon Europe
キッズ部門大賞
「夕日のサンドイッチ」
ヘインズ 英美理 さん(10歳)
賞をもらったことを聞いてとても驚いていますが、本当にうれしいです。この写真を撮った場所は、フランスに行くフェリーの中です。夕日がとてもきれいだったので、お母さんのカメラを借りて何枚も撮りました。海と雲にはさまれた赤い夕日と、遠くに見える小さな船が気に入っています。普段は、コンパクト・デジカメで動物や景色の写真などを撮ります。これからは、かわいい草花や家族の写真も撮りたいです。
私たちは審査を行う際、候補作品をすべて机の上に並べて見ていくのですが、実はこの作品は私が真っ先に手に取ったものです。この作品は何より構図が優れていますね。写真を上下左右に3等分してその線上に被写体の主要素を配置する三分割法に則って、下側3分の1の部分に真っ直ぐ伸びる水平線と、その上に 帯状に広がる夕焼け、そして上側3分の1の辺りにも直線が伸びている。作品が 3つのパートに分けられていて、その明確な構図がとにかく際立っていました。by Canon Europe
マチュア部門特別賞
「実感、夏の終り。」
留岡 忠雅 さん
8月の最終日にウェールズで撮影した一枚です。あいにくの曇り空で、海岸には人も少なく、時折吹く肌寒い風からも短い英国の夏の終わりを実感しました。しかし、地元の方がたこ揚げや馬車の練習をするなど普段見られない光景があり、夢中で撮影していました。過ぎてゆく夏を馬車で表現してみましたがどうでしょうか? 最後にカメラ購入に協力してくれた妻に感謝しつつ、受賞を機会に「新しいカメラ買いなよ」と言ってくれるのを密かに期待しています(笑)。
この作品は非常に清潔感のあるクリーンさが秀でていると思います。皆さんもこの作品がファイン・アート作品のように誰かの家の壁に飾られているのが想像できるのでは ないでしょうか。ほかの作品と比べると、繊細さが突出しているように感じられます。写真の下側3分の1の辺りに水平線が置かれ、前景には人々と馬の姿。見ていて心が休まる作品ですよね。写真の大半を占める青色も実に繊細で穏やかな色味なのが良いと思います。by Canon Europe
マチュア部門入賞
「ビッグ・ウェイブ」
スミス 美智子 さん

8月の最後の週末に、ノース・ヨークシャーのウィットビーにあるビーチに家族で遊びに行きました。サーフボードで遊ぶ子供たちの背後を観光客でいっぱいのボートが通り過ぎようとしているのを見て「これはいい絵になる」と思い、夢中でカメラのシャッターを切りました。迫ってくる波に乗ろうと、サーフボードを構える子供たちのわくわくした感じが伝わってくる、臨場感のある写真が撮れたと思い、大変気に入っています。
雲が程良く漂う青空を背に、海の上を行く船と、海からの波を待ち続ける少年たち。2つの独立したテーマが、またとない絶妙なタイミングで溶け合いました。迫りくる白い波しぶきによって少年たちの姿が海に埋もれることなく、くっきりと浮かび上がり、存在感が際立っています。少年たちの中心を真ん中からずらしたことにより、画面に奥行きが生まれ、船が進む海原の雄大さが上手く表現されています。 by 宝酒造株式会社
マチュア部門入賞
「カラフル」
中澤 しおり さん
まさか私が入賞できるとは考えてもいなかったので、まずはとても驚きました。この写真は、夏に南フランスを旅行したときに撮影した中の一枚です。古めかしさを感じるアルルの街を散策中、突然現れた鮮やかな色合いに目を奪われ、思わずシャッターを切りました。そして、夏らしい真っ青な空が 傘の隙間からのぞいている様子が、今回のコンテストのテーマにちょうど良いかもしれないと思い、選んだ次第です。入賞することができ、今はうれしさでいっぱいです。本当にありがとうございました。
中澤さん、入賞おめでとうございます。とっても素敵なお写真を応募いただき、ありがとうございます。鮮やかな青い空に広がる、赤や白、黄や緑の色彩豊かな傘・傘・傘!雨が全く降りそうにない青空を背景に、太陽の光を浴びる傘 の大群が配置されている、何とも不思議なシチュエーションなのに、なぜかしっくりなじんで見える魅力的な光景です。この写真を目にすると、気持ちがぱっと明るくなり、同時に夏の暑い日差しが一瞬にして思い出されます。 by Steigenberger Frankfurter Hof THE SPA
マチュア部門入賞
「ジャ~ンプ!」
石井 恵 さん
べルサイユでサイクリングを楽しんでいると、グラン・カナルの端から宮殿がとても小さく見えました。そのとき「ここまで来られたぁ」とはしゃいでいた娘を撮りました。景色を見るためにと首 に下げていた双眼鏡も、娘がジャンプするのと同時に、一緒に飛び上がっています。双眼鏡が宙に浮かんだ瞬間が、まるで遠くを眺めているようにも、双眼鏡が娘の顔を写させまいと邪魔をしているようにも見えて……。ユーモアも感じさせてくれる、夏の思い出の一枚となりました。
見た瞬間からこの写真が一番印象に残りました。何よりもまず、躍動感がありますね。どこまでも広がっていきそうな青い空、それを映して伸びてゆく水、木々や芝生の緑、その中心で思い切 り手足を伸ばしてジャンプしている女の子と、ピ ンクの洋服や靴……。全体の色合いもバランス良く取れています。双眼鏡の青い色もマッチしていますね。女の子の視線と少しずれたところにある双眼鏡が、この子のどんな未来を見ているのか、その行方が気になり、見守りたくなるような写真です。 by GUILOGUILO
キッズ部門入賞
「霧に浮かぶホテル」
渡邉 純佳 さん(11歳)
写真は8月に家族でスイスを旅行したときに撮影しました。朝、起きてホテルの窓からふと外を見ると、湖の上に霧が立ち、ホテルが浮かんでいるように見えました。山々を背景にしたその光景がとても印象的で、カメラのシャッターを何度も押していました。この写真は自分でも気に入っていたので、入賞してとてもうれしいです。今年の春からロンドンで暮らし始め、その際にデジタル・カメラを購入しました。これからもヨーロッパの様々な場面を撮影していきたいと思います。
キッズ部門入賞、おめでとうございます。審査では何よりこの作品の持つ雄大さに惹きつけられました。霧に覆われた山や森から、まるでお城のような形状が実に印象的な建造物、そして右手前にある、それとは対照的な近代的な建物に至るまで、いくつもの異なる層が迫力を持って連なっている構図が素晴らしいですね。どこで撮影されたのか、場所の詳細は分かりませんが、どこであれ今すぐにでも訪れたくなってしまいます! by 金田家
キッズ部門入賞
「花粉浴」
権嵯 ジョルディ さん(12歳)
この写真は、アパートの庭で撮りました。僕は虫が好きでよく観察するのですが、クマバチは特にお気に入りです。この日もクマバチ が赤い花にたくさん来ていました。花の中にもぐり込んでは、全身花粉だらけになって出てくるのがとても面白くて、かわいいと思いました。賞がもらえて、すごくうれしいです。(本人)
息子は小さな生き物が好きで、日ごろからアリを観察したり、てんとう虫をそっと安全な場所に運んだり、ペットの小鳥を肩に乗せて遊んだりしています。賞をいただいたのは今回が初めてのこと。驚きつつも喜んでいます。(母)
応募作品はそれぞれに良さがあり、一枚を選び出すのに苦労しました。しかし、この写真の撮影者からは、特に芸術的才能を感じました。赤い花とハチというモチーフが特別な表情を生み出す一瞬を捉えるために、どれだけの時間を費やしたのでしょう。楽しみながらも集中して被写体の様子を観察していただろう姿が目に浮かぶようです。シュタイフがぬいぐるみをデザインする際も、自然の美しさを大切にしています。シュタイフのテディを喜んでくれることを願っています。 by Steiff
キッズ部門入賞
「南仏の太陽」
ギッツォーニ 管家 百合香 さん(7歳)
ニースのマティス美術館の庭園で、日本人やフランス人の家族がたくさん集まってピクニックをしました。ママがお友達とおしゃべりしているとき、こっそりママのカメラを借りて、目の前で笑っていたお姉さんを撮りました。太陽が暑かったけれど、皆でおいしいものをたくさん食べて、いっぱい遊んで楽しかったです。私は写真を撮るのが大好きです! 私が持っている子供用カメラはおもちゃなので、早く本物のカメラが欲しいです。サンタさんに頼んだら、もらえるかな?
子供だからこそ捉えられた、この女性の自然体で優しい表 情が良く伝わってきます。写真全体が少し斜めになっているところにも、この女性を撮りたくて、そばに置いてあった親御さんのカメラを借りて思わず撮った、という思いが溢れてい ますね。写真の女性がお友達だったらどんなに楽しいだろうと想像したくなるような、彼女の魅力が伝わる一枚です。光の感じもとても奇麗で、良く晴れた夏のひとときを皆で過ごして楽しかったという様子が伝わってきます。 by パリミキ
審査員総評
毎年のことながら、今年もまた全体的にレベルが非常に高く、受賞作品を選ぶのには困難を伴いました。今回は例年に比べると日本で撮影された作品が多かったようですが、ヨーロッパ人の観点から言うと、世界の新しい一面を見られるのはいつでも楽しく喜ばしいことです。とはいえ、細部はもちろん異なりますが、テーマ自体は共通していますね。市場や美しい景色、人々の姿など……。既に高いレベルを持った応募者の方たちが多いですが、さらに良い写真を撮るアドバイスを述べさせていただくならば、撮影する際には時間をかけること、でしょうか。対象を見て、何を捉えたいのか、何を伝えたいのかを考える。そして注意深く構図を練って撮影すると良いでしょう。それと同時に、とにかく枚数を撮って練習することも大事。特にお子さんは常にカメラを持ち歩いて、楽しく、たくさん色々な写真を撮ってみてください。 by Canon Europe受賞者と賞品
- マチュア部門大賞:「夏」 カステルノーキミコさん(フランス)
Canon Europe より Digital SLR Camera Canon EOS 750D - キッズ部門大賞:「夕日のサンドイッチ」 ヘインズ英美理さん(英国)
Canon Europe より Digital Compact Camera Canon IXUS 160 - マチュア部門特別賞 : 「実感、夏の終り。」 留岡忠雅さん(英国)
Canon Europe より Inkjet Photo Printers Canon PIXMA MG6850 - 英国:「ビッグ・ウェイブ」 スミス 美智子 さん
宝酒造株式会社より 清酒・焼酎・みりんのセット(200ポンド相当) - ドイツ:「カラフル」 中澤 しおり さん
Steigenberger Frankfurter Hof より THE SPA のご利用券(250ユーロ相当) - フランス : 「ジャ~ンプ!」 石井 恵 さん
新割烹のレストラン GUILOGUILO より お食事券(200ユーロ相当) - 英国:「霧に浮かぶホテル」 渡邉 純佳 さん
金田家ラーメン・バーより バウチャー (50ポンド相当) - ドイツ:「花粉浴」 権嵯 ジョルディさん
シュタイフ社より テディベア(Fynn, 40cm, beige)(45ユーロ相当) - フランス:「 南仏の太陽」 ギッツォーニ 管家 百合香 さん
Paris Miki より Ray Ban Junior のサングラス(69ユーロ相当)
大賞・特別賞
マチュア部門入賞
キッズ部門
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次点作品
- 惜しくも受賞には及ばなかったものの、審査で高い評価を得ていた次点作品をご紹介します。



在留届は提出しましたか?

左)チャールズ・ディケンズ
ヴィクトリア時代に運営されていた「ラゲッド・スクール(ボロボロの学校の意)」。
左)世界で初めて商業用クリスマス・カードを制作したヘンリー・コール
チャールズ・ディケンズ博物館にある応接間。













エリザベス女王即位60周年を祝うダイヤモンド・ジュビリーにおける水上パレードでのエリザベス女王とフィリップ殿下
2015年6月、バッキンガム宮殿から馬車でパレード
エリザベス女王の公式誕生日祝賀パレードでバッキンガム宮殿前に集まった人々に手を振る
1947年、新婚旅行において、エリザベス女王と散歩を楽しむフィリップ殿下
2019年1月18日、事故現場で車の破片を撮影するメディア関係者たち




ジュビリー線の4つの車両と貨物コンテナが、アーティストのスタジオに。石炭が収納されていたビクトリア時代の倉庫は、コンサートや展示が行われるカルチャー・センターに再利用。1848年建設の鉄道高架橋の上下に設けられたアート・ビレッジだ。ロンドン中心部でアーティストが手ごろな値段で利用できる活動拠点として、2007年にオープン。スタジオの電力はすべて風力発電でまかない、階段や床などにもリサイクル品が使われている。ポップで完成度の高い車両のグラフィティだけでも、一見の価値あり。ライブ・イベントが頻繁に行われる煉瓦の倉庫は天井が高く、音響システムも良好。ブランド・プロモーションや結婚式など、一般にもレンタルされている。
船底の空洞部分までCTスキャンのようにスッパリと切り取られ、船首と船尾がなく真ん中だけが残された船舶。ミレニアム祝祭時に彫刻家リチャード・ウィルソンが作った「住める」アート作品だ。イベントが終わった後に主催者側から撤去申し渡しがあったそうだが、テムズ河上はその管轄外としたアーティストの意思を酌んで残されたのだとか。内部には居住スペースだけでなく、スヌーカー・テーブルもあるというから、何だか住み心地は良さそう。この日は特別に桁 けたばし橋が架かり、船内を見学することが可能。「一片の現実」という名が付けられているこの作品は、ロンドンの繁栄を支えてきた商業船を讃えるためにつくられたとか。スライスされた断面はグリニッジ子午線のほぼ延長線上にあるそうだ。
昔ながらのビクトリア様式の家を徹底的に改装、ガラスを多用することで最大限の光を室内にもたらしている。奥に長い建物の中央部に大きな天窓を設け、その真下にはガラスの階段が。暗くなりがちな部分にも自然光が溢れ、階段のプリズム効果が美しい。最上階は高所が苦手な人と小さな子供には不向き、というくらい透明感に溢れた場所だ。
縦に細く、割り箸のように分割された床面が一枚ずつゆっくりと持ち上がり、川面のボートに水路を開ける。中心点から水圧駆動で広がりながら上がる橋の動きは、日本の扇子を連想させる。キレの良いデザインと優雅なムーブメントは、動く彫刻と言っていいほど。去年の夏にオープンしたこのパディントン運河の可動橋、当日は開閉を3回予定している。

世界中の注目が集まるラグビーW杯のチケットは早々と売り切れ……と思いきや、実はまだ入手可。母国イングランドが出場する試合や準々決勝以降の試合のチケットを手ごろな価格で入手するのは既に困難な状況となっているが、1次リーグの日本代表戦は現在でも販売中。下記の手順に従い、日本代表戦のチケットを押さえてしまおう。
再販売券の仕組み
ラグビーW杯の開幕に先立って、日本代表がジョージア(グルジア)代表とのテスト・マッチを開催する。会場はイングランド南西部グロスターのキングスホルム・スタジアム。W杯1次リーグで、日本代表がスコットランド及び米国と対戦する試合の舞台となる場所だ。チケットは現在でも入手可で、チケット料金もお手ごろ。W杯に向けて調整を行う日本代表にとってだけでなく、本大会が始まる前にラグビー観戦を一度体験したいという人が気軽に出掛けられるという意味でも良い機会となるはずだ。
1次リーグにおけるイングランド代表の最 初の3試合に加えて、準々決勝の2試合や準決勝そして決勝の舞台となるのがトウィッケナム・スタジアム。8万2000人収容のラグビー専用競技場で、ロンドン 郊外に位置している。敷地内にはラグビー博物館が併設。「ラグビーの聖地」とされている。

1980年5月、3匹のコーギーとともに散歩を楽しむエリザベス女王(当時54歳)
宮殿内で暮らすコーギーにはVIP待遇
2002年11月、バッキンガム宮殿にて、多数のコーギーに囲まれながら、
バッキンガム宮殿から続く大通りザ・マルにある、
立ち耳とはっきりとした顔立ちが特徴のコーギー










