今回、惜しくも米女優サンドラ・ブロックにオスカーを取られてしまったが、前哨戦だった英国アカデミー賞（BAFTA）では、メリル・ストリープや、仏人女優オドレイ・トトゥたちをかわして主演女優賞に輝いた、映画「17歳の肖像」の新鋭、キャリー・マリガン（24）。「プライドと偏見」（2005）でキーラ・ナイトレイの妹役でスクリーン・デビューし、一昨年には、チェーホフ作の舞台「かもめ」でブロードウェイに進出。そして今回、阿木燿子作詞のH2O「想い出がいっぱい」じゃないが、60年代を舞台に「大人の階段を上っていく」少女を描いた冒頭の作品で、14以上の女優賞を獲ったハリウッド最注目の新人だ。

インターコンチネンタル・ホテルのヨーロッパ部門を束ねる父親の仕事の関係上、3歳から11歳まで、ドイツで優雅なホテル暮らしをしていたというロンドンはウエストミンスター生まれの彼女。両えくぼくっきりの丸鼻で、セシル・カットのよく似合う、猫背・ひょろ長の少年体型は、「ドーソンズ・クリーク」に出ていた頃のトム・クルーズの嫁、ケイティ・ホームズから外連味をはずして、かわりに機知を加味したイメージ（余計、こんがらがるか）。おかっぱ頭で登場する60年代が舞台の「17歳〜」同様、どうみても10代にしか見えない。BAFTAのインタビュー時の彼女は、かなりの低音でペラペラしゃべくる、バカではないが、天然系。英版「のだめカンタービレ」をさせたらハマりそうだ。

なんだか宣伝臭いが、間もなく公開される、「ウォール街」（1987）の続編、同じオリバー・ストーン監督による「ウォール・ストリート」で共演している、１つ下の米俳優シャイア・ラブーフと交際中と言われるキャリー。ハリウッドの外様女優の中で、大化け確率大とみた。