月組トップ・スター誕生
昨年、エルメスをはじめ、ディオール、ゴルチエ、ステラ・マッカートニー、ドルチェ&ガッバーナ、ナルシソ・ロドリゲス、DKNYなど、大手メゾンのランウェイに登場し、英国ファッション協会から「モデル・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたアギネス・ディーン。
プラチナ・ブロンドのベリー・ショートに、ぽってりした下唇、気持ちタレ目のブルー・アイ、直線の茶眉、面長という顔立ちが、デビューしたての宝塚男役とダブる。このボーイッシュなアギネスが、ロリータ・コーカソイドで独占されているモデルの中で水際立つのは当然で、「ニュー・ケイト・モス」ともっぱらの評判だ。ただし、4年前には赤毛のそばかすドール顔、リリー・コール(ケンブリッジ大のキングス・カレッジに通う才媛)が、もっと前には、コカイン・スキャンダルでなりをひそめているジョディ・キッド(ウィリアム王子とはポロ仲間の上流階級出身)がそう呼ばれていた。英国人モデルが売れるとすぐ付く枕詞といっていいだろう。
ランカシャー出身の公称21歳、実際は24歳といわれるアギネスが、ハウス・オブ・ホランドのスローガンTシャツを着れば飛ぶように売れ、あちこちのイベントには引っ張りだこ。タブロイドや女性誌のパーティー欄では常連トップ10には入るはずで、とにかく今が旬だ。黒をベースに極彩色を取り入れたパンキッシュな普段着は、ファッションで一目置かれるケリー・オズボーンや、先輩ケイト・モスを保守派に変える。ちょっと前まではシエナ・ミラーがトレンド・セッターだったのに、この移り変わりの激しさよ。
とりあえず、「新アギネス」が出るまでしばしトップをゆく。