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Mon, 25 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

ロンドン五輪


The TimesTHE TIMES
聖火トーチ販売の代償とは

The Price of Competition

五輪の聖火リレーが始まって2日目にして、聖火トーチがインターネットのオークションに出品されるという事態が発生した。聖火トーチを使って利益を得ることを考え付いた人々の起業家精神は評価に値するのだろうか。五輪精神が称える競争心は、別に価格競争を意味しているわけではない。不景気の時代にあって、聖火トーチの販売で得られる収入は確かに魅力的だろう。しかし、五輪に参加した思い出は、オンライン決済で得られる利益よりもずっと価値のあるもののはずである。(5月21日)


The GuardianThe Guardian
五輪の成否は不動産市場に左右される

The Olympics could be overwhelmed by financial vicissitudes

ロンドン五輪は、政治経済の世界的な低迷を超越するような画期的な出来事となるだろう。ただすぐに五輪は閉幕し、やがてその遺産に目を向けざるを得なくなる。北京五輪のメイン会場として使われた通称「鳥の巣」の薄気味悪さもさることながら、アテネ五輪が残した莫大な負債こそが恐ろしい。五輪終了後の持続的な利用が検討されている関連施設の在り方は、結局は不安定な不動産市場の状況にかかっている。そうした現実から目を背けるためにも、五輪に熱中しようではないか。(5月18日)


IndependentIndependent
企業用の特別観覧席をどうするのか

A threat of empty seats

ロンドン五輪の観戦を待ち望んでいるにも関わらず、入場券を入手できない人が多くいることは残念でならない。しかも、企業向けの特別観覧席は空席なのである。競技大会組織委員会は、全880万席のうち、8万席を企業用の特別観覧席として割り当てた。児童や高齢者向けの無料観戦席のスポンサーとなった企業に8万席を確保したのである。その仕組み自体には何ら問題はない。ただ五輪開催まで2カ月を切って、特別観覧席の少なくとも2割はまだ空席状態というのは問題だ。(5月18日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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