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Mon, 25 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

アジア人男性による少女集団暴行事件


The TimesTHE TIMES
独特の犯罪パターンに着目せよ

Rochdale showed a quite distinct pattern

マンチェスター周辺で発生した少女集団暴行事件の加害者8人はパキスタン系で、残る1人はアフガニスタン人だった。本件を調査するに当たっては、人種や宗教という観点を廃して、特定の集団の傾向に着目する繊細さが要求される。数百万人単位で存在するアジア・イスラム系英国人すべてを性犯罪者扱いするわけではない。ただ英国における性犯罪者の大多数を占める白人は、単独で行動する。今回の事件が、独特の犯罪パターンを見せているとの事実から目を背けてはならない。(5月10日)


The GuardianThe Guardian
移民ではなく階級の問題

This is about class, not race

家庭環境に恵まれない少女を対象とした性犯罪が増えている。本事件の被害者の3分の1は保護施設で暮らし、残りは貧困家庭の出身という傾向があるという。どちらも自尊心に欠け、生活環境を自ら変えることはできないと思いがちな点で共通する。英国内の性犯罪者の9割は白人系の英国人なのだから、加害者の民族性や宗教は論点にならない。むしろ問題とすべきは、被害者を取り巻く貧困と著しく乱れた家庭環境だ。言い換えれば、本件は移民問題ではなく、階級問題なのである。(5月10日)


IndependentIndependent
アジア人だけを注視するのは危険

Other offenders will go unwatched

英国における児童性的虐待の犯罪記録は杜撰(ずさん)であり、これを元にアジア人男性が性的加害者になりやすい傾向があるか否かを判断することはできない。本件を調査する上で人種や文化的背景に着目することは避けられない一方で、児童虐待の犯罪ネットワークを構成する人種は多種多様なため、特定の集団のみに対象を絞るのは危険だ。英国籍パキスタン人だけを注視するよう求める政治的圧力に屈してはならない。もしそうなれば、そのほかの加害者を摘発することが困難になるだろう。(5月10日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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