ニュースダイジェストの制作業務
Tue, 10 March 2026

メイド・イン・ブリテン Made in Britain 英国ブランドの物語

#57お茶との相性を考えて作られたビスケット

Miller’s/ Baked Apple & Custard

ミラーズ/ベイクド・アップル & カスタード
Miller’s/ Baked Apple & Custard

£3.60 (140g)
www.artisanbiscuits.co.uk/elegant-and-english

英国のスーパーの棚で、レトロでどこかおしゃれなイラストが目を引くビスケットがある。箱には「ミラーズ」と記されているが、これは英中部ダービーシャーのピーク・ディストリクト地方に拠点を置く、アルティザン・ビスケッツ社のブランドの一つだ。同ブランドはチーズに合うクラッカーの販売でも知られている。

創業は100年以上前の家族経営のベーカリーにさかのぼり、以来ブロンズ製ローラーでの成形や、生地の計量、焼成、最終チェックを職人の目で行うなど、伝統的な製法を守ってきた。だが現在は英国の主要スーパーで販売され、日本を含む海外にも輸出しており、伝統と流通の広がりを併せ持つ存在である。

今回紹介するのは、そんなミラーズの「エレガント&イングリッシュ」シリーズから、ベイクド・アップル&カスタードという、英国の定番デザートを思わせる組み合わせを、オール・バターのビスケットに仕立てた1枚。エレガントというよりも家庭的な安心感を前面に出した味という印象だ。

Miller’s/ Baked Apple & Custard

実際に食べてみると、まず感じるのはその食感。一般的なバター・ビスケットのようにほろほろと崩れるタイプではなく、やや硬めにしっかりと焼き込まれている。歯を入れた瞬間に心地よい抵抗があり、噛みしめるほどにバターのコク、刻まれたドライ・アップルからくる焼きリンゴのほのかな香り、そしてカスタードのやわらかな甘みが広がる。この締まった焼き上がりは素朴な印象を与え、どこか手仕事のぬくもりを思わせる。

同シリーズには現在4種類があり、いずれもお茶と合わせて楽しむことを想定して作られている。先のベイクド・アップル&カスタードはアール・グレイと、ストロベリー&クリームはダージリンと、ラズベリーズ&ダーク・チョコレートはピュア・アッサム・ティーと、そしてレモン&ジンジャーはジャスミン・ティーと一緒に食すことが勧められている。

英国のお茶の文化を1枚に凝縮したようなこのビスケットは、日々のティータイムを気負わずに豊かにしてくれる存在だ。

 
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