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Sat, 23 November 2024

メイド・イン・ブリテン Made in Britain 英国ブランドの物語

#43 気軽に中世のハーブが楽しめる園芸セット

Growbar/Medieval Herbs Growbar

グロウバー / メディーヴァル・ハーブス・グロウバー
Growbar / Medieval Herbs Growbar

£12.50
www.growbar.co.uk

春先から初夏にかけてのロンドンは、公園や庭園の植物が生き生きとして華やか。だが舗道の脇やレンガの割れ目などからも、名も知らないかわいらしい草花が顔をのぞかせている。こうした雑草ともいえる地味な草花すらも愛でることができるのは、この季節ならではの静かな楽しみだろう。ロンドン南部の小さな園芸会社「グロウバー」では、そんな何気ない草花を愛する人々にも好まれそうな種やハーブばかりを集めた、簡単な園芸セットを販売している。写真の商品は「メディーヴァル・ハーブス・グロウバー」。中世の英国で特に愛されていたタンジー(Tansy)、クラリー(Clary)、サラダ・バーネット(Salad Burnet)の3種の種が、板チョコのような形のコンポストにあらかじめ蒔かれていて、水を張ったトレイに乗せるだけという手軽さが人気だ。  

小さなボタンのような丸くて黄色い花を咲かせるタンジーは、和名をヨモギギクといって窓辺に置けば虫よけになるほか、中世の人々はその花を摘んで布袋に入れ、クローゼットや食糧庫などに吊るしたという。クラリーは精油でおなじみのクラリセージと同じで、心が落ち着くような香りを放つ小さな紫の花が咲く。中国からお茶が伝わるまで、人々はクラリーの花のハーブ・ティーを常飲していたそうだ。種は目の病にも効果があると民間療法に使われていた。最後のサラダ・バーネットはキュウリのような香りの葉で、その名の通りサラダとして食べることができる。また、止血効果があることから傷口に当てる薬草としても使われていた。  

グロウバーからはほかにも「チューダー・グロウバー」や「ヴィクトリアン・グロウバー」をはじめ、ウィリアム・シェイクスピアやジェーン・オースティン、ウィリアム・モリスといった英国の作家やデザイナーの名を冠したさまざまなセットを扱っている。自宅の窓辺で試すのはもちろん、プレゼントにも喜ばれそうだ。同社のウェブサイトにオンライン・ショップはないが、キュー・ガーデンズのオンライン・サイト(http://shop.kew.org)や、聖ポール大聖堂、グローブ座などのギフト・ショップで取り扱いがある。

 

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