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コロナ後遺症による休職者に給与カット!
私は2020年から合計12カ月以上、コロナ病棟とPCR検査室でコロナにならず勤務を続けてきましたが、今年の6月上旬にとうとう感染してしまいました。今回は、英国でも増加中のコロナ後遺症と病気休暇について書いてみます。
この原稿を書いている今現在、コロナ感染をして4週間以上が経ちましたが、今でも私は病気休暇中です。感染直後はインフルエンザのような症状が出て、息切れや胸の痛みなど呼吸器系の問題がしばらく続きました。次に歩行中にバランスを崩し転倒することが増え、記憶障害も起こり今は車の運転も控えています。ワクチンはブースター接種まで済ませていますが、コロナ感染後の症状には個人差が大きいことを痛感します。
最近のニュースによると、英国では200万人以上の人がコロナ後遺症で3カ月以上の病欠を余儀なくされています。NHSはコロナ後遺症クリニックを各地にオープンさせていますが、その数は患者数に対して全く足りていません。さらに地域的にも偏りがあり、サービスを受けられる患者とそうでない患者の不公平さも指摘されています。
英国では、病欠が連続7日間までは診断書提出の法的義務はありませんが、それ以上続く場合には提出を求められます。診断書は「Fit Note」と呼ばれ、今はほとんどのGPでオンラインでできます。今回、私も問診から診断書の発行、職場への提出まで全てオンラインで済ませました。今月7月1日からは医師のみならず、看護師、薬剤師、理学療法士など幅広い医療従事者が診断書を出せるようになりました。少しでも医師、特にGPの負担を軽減させることが目的で、診断書が必要な患者は迅速に受け取れるようになります。
その一方で、コロナ後遺症で病気療養中の給与支払いについては、労働者にとって不安が募る状況です。先日、政府はコロナ関連での休職中のNHS職員の給与支払いについて、それまでの給与全額を無期限で支給する規定を廃止すると発表しました。病欠中の給与支払い期間は勤続年数により変わり、勤続1年目なら全額を1カ月分+半額支給を2カ月分、2年目は全額を2カ月分+半額2カ月分、といった具合に勤続6年目以上の6カ月の全額+半額6カ月分を上限とします。仕事中に感染したケースも多いNHSの医療従事者にとって、コロナ後遺症による休職者の給与カットは信じ難いものがありました。コロナ後遺症の回復は長期間かかることも多く、勤続年数の浅いスタッフにとってこの給与支払い期間は不安を増大させています。特に過去2、3年の間に海外からやってきた医療従事者への影響は大きく、なかには家族を帯同している場合もあり、給与の打ち切りにあっても、労働ビザのために生活保護など国からの経済的サポートを受けることもできません。弱者切り捨てともいえる決定に多くの批判が集まっていますが、別の言い方をすればNHSのような大きな組織でさえも、休職中の待遇は簡単に変わってしまうのです。
英国で仕事をしている方で、今後万が一コロナ感染の関係で病気休暇を取る場合には、最新の職場規定を確認して早い段階で対策を考え、できる限り不利益を被らないでほしいものです。