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Sun, 24 November 2024

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

学生ビザ改革を4月より実施

学生ビザの悪用を払拭し、優秀な学生たちだけが英国内で就業できるようにするのを目的として、現在、政府は学生ビザの大幅な改革を推し進めていますが、この4月から、ついにその大改革が実施されることとなります。

現在、英国での学業を終えた学生たちは、Tier1(Post-study work)の制度の下、2年間の滞在が許可されていました。しかしこの4月6日をもって、新しい制度が採用されることになります。この施行により、大学を卒業した上で、英国国境局の承認を得た信頼できる企業から、年間給与額2万ポンドかそれ以上が保障される高度技術職のポジションをオファーされた学生のみが、引き続き英国での滞在と、就業が許可されることになります。

同改革の実施を発表したダミアン・グリーン移民担当閣外相は、この変革が学生ビザの大幅改革の一環であり、この改革にはほかにも次の4つの特色があるとしています。

成長を促す

「卒業生向け企業家」ルートが最高1000枠まで新設されることにより、Tier1(企業家)ルートの条件に満たないながらも世界レベルの革新的なアイデアを持つ学生たちは、英国にとどまってプロジェクトを発展させることができるようになります。

経済成長を促進する

若い企業家や中小企業の取締役たちにも、チャンスが与えられます。卒業後に、英国内で5万ポンドを投資できる場合は、英国に滞在する許可が下ります。

自立を促す

英国に滞在中の学生と就労移民は、自立して暮らしていくための十分な資金があることを証明する必要がありますが、この提示金額が、2008年以降初めて、上乗せされることになります。

不正を取り締まる

学位以下のコースで就学中の留学生の就業時間を、コース自体の3分の1に制限することで、英国に来る学生たちが学業に専念できるよう方向づけます。また、同レベルのコースで就学できる期間を、最長5年間と定めます。

グリーン移民担当閣外相は、この変革に関して次のように述べています。

「これまで通り、最も優秀な留学生たちを英国に誘致していくことは極めて重要ですが、誰が入国の許可を得て、どれだけの期間滞在するかについてを、さらに絞り込んでいく必要があります。

過去、学業ではなく就業を目的とする留学生が多く入国し過ぎたという経緯があります。こういった不正は、払拭されなければなりません。我々は新しいルールの適用によって、移民制度を英国の益となるよう、変えていきます」

移民削減政策によってますます狭き門となるビザ獲得への道。しかし、確固たる目的を持ち、心から渡英・在英を望む人たちにとっては、またとないチャンスとも言えます。準備不足でせっかくの機会をふいにすることがないよう、申請手続きは専門家と二人三脚で、着実に進めることをお勧めします。

 

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

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