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Fri, 13 December 2019

ロンドン妊婦のつぶやき

第18回 産声を聞いて涙

第18回 産声を聞いて涙

出産さらに数時間待った後、内診をしたミッドワイフ(助産婦)のケリーが言った。「準備ができたみたいね。さ、これから、赤ちゃんを産みましょうか?」

答えはもちろん「イエス!」そしてプッシュが始まった。

ケリーのリードに従って息み始めるとすぐに、「赤ちゃんの頭が大きいから、少なくとも1時間はかかるわね」とやや心配な発言が出た。とはいえ、麻酔を注射してもらってから陣痛の痛みはないし、プッシュに全神経を集中させればいいんだ、と開き直る。

「すばらしいわ! その調子よ、本当によくやってるわ!」とケリーはほめまくり。おだててやる気を起こさせる戦術に、まんまと乗った私はそのままプッシュを続けた。夫はただただ見守るばかり。しばらくすると、ケリーが「頭が出てきたわ、黒髪よ、触ってみる?」「え……」
自分の体から、ちょびっと飛び出している赤ちゃんの頭を触るって端から見たらかなり怖い図なのではないだろうか。断るのもヘンな気がして、恐る恐る手を伸ばしてみると、確かに頭が出ている! 勢いづいてさらにプッシュ。周りがどよめく。頭が完全に出たようだ。その直後、促されるままに咳払いをすると、するっと体が出た(そうだ)。続いて「おぎゃー」と泣く声。「よかった」安堵の涙がこぼれた。すぐに私の目の前に連れてこられた赤ちゃんは、天使のよう、ではなく、ふやけた大仏のようだったけれども。

3.8キロのビッグ・ベイビーだったのに、私の体へのダメージは比較的小規模なものだったそうだ。これも、すべて息むタイミングを正確に教えてくれ、励まし続けてくれたケリーのおかげ。英国の出産はミッドワイフ主導と聞いていた通り、医師が出てきたのはたった1回、ほんの2、3分のみ。だからこそ余計、相性の合うミッドワイフに当たったのはラッキーだった。

実は、私は当初割り当てられた病院に不安を覚え、同じNHSではあるが居住地域外の今回の病院に移ったのだった。病院を移ったことでかなり面倒くさい目にあったが、結果的にはNHS出産満足度高し! でした。

 
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Mcleod 和子
英国の大学院に留学後、日本で会社員生活を送る。日本で出会った英国人と4年の交際を経て結婚。夫の転勤に伴いロンドンに移住した直後に妊娠が判明する。現在30歳。
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