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Tue, 03 December 2024

ロンドン妊婦のつぶやき

第1回 驚きの妊娠発覚

第1回 驚きの妊娠発覚

妊娠英国人の夫の急な転勤から始まったロンドン生活も、1カ月が経とうとしていた頃。新居への引っ越しも片付き、ぼちぼち就職活動も始めたが、どうも体調がおかしい。夏バテ、それとも、風邪??? しばらく放っておいても治らなかったので、薬を飲むことにし、今までも何度かそうしたように、服用前に石橋をたたくつもりで妊娠検査薬を使って見たら……。

検査薬に表示された「×」マークを見て、「×ってことは陰性よね、ああ、やっぱり」と安堵と多少の寂寥感の入り混じった気持ちで使用説明に目を通すと、「+は陽性」とある。そう、×(バツ)ではなく+(プラス)だったのだ!この信じられない逆転陽性にしばらく呆然となり、気がつけば、その後48時間以内に5回も同じ妊娠検査をしていた。その結果は全て陽性。

こうして判った妊娠は、私にとっても夫にとっても、まったく予想外のタイミングだったものの、ウェルカムなニュースであることに変わりはなかった。引っ越したばかりでNHS登録すらまだだったので、急いで登録の予約をしつつ、その間に震える手で「英国、妊娠」を検索キーワードにリサーチを開始。当たり前かもしれないけれど、英国で出産している日本人が結構いることがわかり、ちょっと一安心。

妊娠発覚後まず最初に気付いた変化は、身体上の変化ではなく、精神的なものだった。街を歩くと、やたら妊婦や赤ちゃん連れの人ばかりが目に飛び込んできたのだ。突然ベビー・ブームが起こったかのような錯覚にとらわれたが、今までは彼らの存在が視界からシャット・アウトされていただけだろう。情報の取捨選択って無意識レベルで起こっているのねと実感。

妊婦雑誌を買ってみると、妊娠初期の胎児の写真が目についた。その姿は、まるでふやけたエビのよう。私のお腹にもこのエビが、と思いつつ周りを見渡すと、「あのいかつい兄さんも、そこの人相の悪い子供達も、みんな昔はエビだったのねぇ」と、しみじみ思ったりして。これが母性の目覚めかしら。

こうしてロンドン生活とほぼ同時に妊婦生活が始まりました。自分なりの発見や思いのたけを綴っていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

 

Mcleod 和子
英国の大学院に留学後、日本で会社員生活を送る。日本で出会った英国人と4年の交際を経て結婚。夫の転勤に伴いロンドンに移住した直後に妊娠が判明する。現在30歳。
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