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Mon, 25 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

政治家による児童虐待疑惑

The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 7月8日

必要なのは調査よりも実行

英国の秘密情報部は、異なる国で発生した暴動の関連性を見つけ、競合するテロ集団同士の関係を分析し、聖戦士となった英国人の生い立ちを追わなければならない。そのためには、より多くの諜報員を現場に、しかもしばしば無法地帯に配置することが必然となる。同情報部はこれまで多くの戦線においてその素晴らしい専門技能を披露しており、英国は彼らの活動を誇りに思うべきだ。だがその評判を保つためには、現場で活動する諜報員を軽視してはならない。


The Guardian
「ガーディアン」紙 7月6日

政治家には自己防衛の習性

現在のところ、被害者の正体は公的には明らかになっていない。その理由は、そもそも被害者が存在しないからなのかもしれない。英国の政界は、わずかな事実に基づいて陰謀の闇をつくり上げることには慣れているからだ。一方で、英国の政治家たちは自己防衛を計ろうとする習性も持つ。もし疑惑が事実であると判明すれば、児童保護の失敗例を改めて世に示すことになる。その際には、なぜ失敗するに至ったかを明らかにすることがより重要になるであろう。


The Independent
「インディペンデント」紙 7月6日

事件発覚は健全な民主主義の証

政治家による児童虐待疑惑については厳格に取り組むべきである。恐らく一つの悪徳組織による犯行ではなく、いくつもの異なる不祥事が入り混じっているはずだ。過去数十年の間に、国会議員の経費問題や、BBCを揺るがした故ジミー・サヴィル氏による児童性的虐待などの驚くべき事件が相次いで明るみになったため、我々は感覚を麻痺させてしまった。だが、こうした事件の発覚は健全で活力のある民主主義の証であり、信頼を取り戻すための第一歩なのである。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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