(ロンドン 4月7日 時事)英紙「サンデー・タイムズ」は6日、英原子力潜水艦の情報を収集する目的で設置されたとみられるロシアの水中センサーが、英国周辺海域で多数発見されたと報じた。重要インフラである海底ケーブル付近でも見つかっており、英政府は危機感を強めている。
センサーは海岸に打ち上げられていたり、海軍が発見したりした。海底ケーブルの近くに潜むロシアの無人潜水艇も見つかったという。同紙によると、ロシアは核ミサイルを搭載するバンガード級原潜4隻などの情報を収集。重要インフラの地図作成やハッキングに利用したとみられる。
英国のエネルギー供給の約5分の1は洋上風力発電によるもので、送電用に海底ケーブルを使用。ノルウェーからの天然ガス輸送や大西洋をまたいだ銀行情報のやりとりも海底のパイプラインやケーブルに依存する。ロシアがこうしたインフラに爆発物を仕掛ければ機能不全に陥りかねず、脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになっている。
こうした脅威に対抗するため、英政府は海底インフラ保護強化への資金援助を検討。サンデー・タイムズは軍関係者の話として、周辺海域に潜水艦防御用の障害物などを敷設し、ロシア艦を排除する可能性もあると伝えた。
Fri, 18 April 2025