英国留学ならアフィニティ
Mon, 18 June 2018

小林恭子の
英国メディアを読み解く

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi 在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社)など。

ヘンリー王子が結婚、挙式の場所はウィンザー城
- 英王室の公邸・私邸の使い方

エリザベス女王の孫にあたるヘンリー(ハリー)王子と米国人の女優メーガン・マークルさんが19日、結婚式を挙げることになりました。王子の曽祖父ジョージ6世の兄エドワード8世は、離婚歴のある米国人ウォリス・シンプソン夫人との結婚が許されず、1936年に退位します。「米国人」「離婚歴」という点でウォリスさんと共通点があるマークルさん。でも、時代は変わりました。

2人が結婚式を挙げるのはロンドン郊外にあるウィンザー城です。敷地内にある聖ジョージ礼拝堂で結婚の誓いを立てます。なぜここが選ばれたのでしょう?

一つには、この礼拝堂だと、友人や家族に囲まれて、アットホームな雰囲気の中で自分たちだけの挙式ができるとハリー王子は思ったようです。兄のウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式はウェストミンスター寺院で行われ、2000人の招待客が出席しました。聖ジョージ礼拝堂の中に入れるのは約800人です。また、礼拝堂はハリー王子が生後3か月でキリスト教徒として洗礼を受けた場所でもあり、王子の父親チャールズ皇太子も2005年にカミラさんと結婚式を挙げています。時代をさかのぼれば、エリザベス女王の父国王ジョージ6世の葬儀がこの礼拝堂で行われ、ハリー王子の祖父フィリップ殿下の90歳を祝う式典もここが選ばれました。毎年、復活祭のミサのために家族がそろうのもこの礼拝堂です。つまりここは、ハリー王子の心の中に重要な位置を占める場所だったのです。兄のような壮大かつ荘厳な結婚式ではなく、伝統を踏まえながらも家族にとって大切で、しかも小ぶりな場所で結婚式を挙げることによって、マークルさんとの新生活をスタートさせたいという思いがあったのではないでしょうか。何だか胸が熱くなるような選択ですね。

ウィンザー城は英王室の公邸の一つですが、その始まりは11世紀。ウィリアム1世がロンドンの中心部から西に30数キロの地に砦を築いたのが最初です。この砦は現在のウィンザー城の「中郭」(ミドル・ウォード)にありました。次第に石造りの建造物となり、何度も取り壊されたり、追加や再建されたりしてきました。

エリザベス女王が公邸バッキンガム宮殿にいるのは原則平日のみ。週末はウィンザー城に滞在しています。スコットランドに出掛けた際はエディンバラのホリールード宮殿に、北アイルランドの場合はベルファストにあるヒルズバラ宮殿に滞在します。

このほかに「宮殿」と呼ばれている豪華な建物として、ハンプトン・コート宮殿やウェストミンスター宮殿(現在は英国会議事堂として使用されている)を思い浮かべる人もいるでしょう。実際、この2つはときの国王が執務場所として使っていた時代があったのですが、ウェストミンスターは17世紀半ばから、ハンプトン・コートは18世紀から王室の執務を行う場所ではなくなっていきました。

公邸のほかに、エリザベス女王は私邸を持っています。これがクリスマス時から2月ごろまで滞在する、イングランド東部ノーフォークにあるサンドリガム邸です。また、毎年8月と9月にはスコットランド北東部のアバディーンシャーにあるバルモラル城に家族ぐるみで滞在します。

女王の長男チャールズ皇太子はカミラ夫人とともにロンドンの公邸クラレンス・ハウスに住んでいますが、ほかに複数の私邸を持っています。

ウィリアム王子(ケンブリッジ公爵)の公邸はロンドンのケンジントン宮殿ですが、私邸としてサンドリガム邸から東に約3キロ離れたアンマー・ホールがあります。ハリー王子は2012年までクラレンス・ハウスにいましたが、現在はケンジントン宮殿の敷地内にあるノッティンガム・コテージにマークルさんと一緒に住んでいます。

ウィリアム王子は結婚をした際にエリザベス女王からアンマー・ホールを譲り受けました。寝室が10もある大きな邸宅です。今後ハリー王子も、女王から大きな邸宅をプレゼントされることがあるかもしれません。

キーワード

バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)

1703年、バッキンガム公爵の邸宅「バッキンガム・ハウス」が前身。1762年以降王室の所有に。1825年から建築家ジョージ・ナッシュらが中心となって改築され、1837年から、ビクトリア女王以降歴代の王室の住居になった。敷地は約1万坪。毎年7月末から9月末まで一般公開され、壮麗な大広間や庭園を回るツアーが用意されている。
 
  • Facebook

編集者募集 ロンドン・レストランガイド
キャリアコネクションズ 習い事&スクールガイド
バナー バナー

日本タウン誌・フリーペーパー大賞で英国ニュースダイジェストが受賞いたしました!
暮らしの手引き ブログ Japan Digest ゲンダイゲストハウス

UK便利ガイド検索

カテゴリ選択
City / County
エリア