住宅ローンの種類
英国で家を購入する場合、多くの人が「Mortgage(モーゲージ)」と呼ばれる住宅ローンを利用することになるだろう。利子率や支払い条件などが異なる様々なモーゲージ商品を各社が用意しているが、それらの商品を大別すると「Repayment」と「Interest-only」の2種類に分けられる。この2つのモーゲージ商品の違いについて説明する。
Repaymentタイプ
いわゆる「ローン」と呼ばれるものの一般的な形態がこの「Repayment」タイプ。利子の支払いと元金返済分の分割払いを同時に行うことでローンを完済する。ローン開始直後は毎月の返済分のほとんどが利子の支払いに当てられるが、元金額が減るに伴い利子負担額が減少し、元金の返済分への配分が増える。
*借入期間は25年間、利子5.5%
毎月の支払額(利子+元金返済分の一部): 614.09ポンド*(約9万6000円)
*((£100000-X)×0.055+X)÷12カ月 ※Xは元金返済分
モーゲージ提供会社への支払総額: 18万4227ポンド*(約2880万円)
*£614.09×12カ月×25年
Repaymentタイプの特徴
- 利子負担が割安
- 保証金が割安
- 種類が豊富にある
- 毎月の支払額が割高
Interest-onlyタイプ
利子のみの支払いを行うローンがこの「Interest-only」タイプ。よって、返済期間の終了後も元金の借金は残る。住宅価格が上昇することを見込んで、ローン返済期間の終了後に家を売却して得た収入を元金の支払いに当てる場合などに利用する。
*借入期間は25年間、利子5.5%
毎月の支払額(利子返済分のみ): 458.33ポンド*(約7万2000円)
*£100000×0.055÷12カ月
モーゲージ提供会社への支払総額: 約23万7500ポンド*(約3700万円)
*£458.33×12カ月×25年+£100000
Interest-onlyタイプの特徴
- 毎月の支払額が割安
- 返済期間終了後も元金の借金は残る
- 利子負担が割高
- このタイプのモーゲージを用意する会社が少ない
※ 利子負担額の違いについて
Interest-onlyの場合、常に元金の総額である10万ポンドに対して利子率5.5%がかかる。
一方のRepaymentタイプは、元金の返済が進むにつれて9万、8万、7万……と利子率5.5%の対象となる元金額が減少する結果、利子負担額が徐々に減少していく。
参考: BBC Online News、yourmortgage.co.ukほか