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Tue, 22 October 2019

ロンドン2012フェスティバル - オリンピックの文化的側面に注目!

A to Z

今年の夏に開催されるロンドン・オリンピック/パラリンピックでは、速さや強さを競うだけではなく、カルチャー面でも華やかなイベントが目白押し。実はオリンピック/パラリンピックとは、スポーツ競技だけのイベントではない。前回の2008年北京大会の直後から、4年にわたり芸術活動を推進するプログラム、「カルチュラル・オリンピアード」が進められていたのだ。今回は同プログラムの中核を成す「ロンドン2012フェスティバル」に注目。英国が世界に向けて発信する、音楽・ダンス・演劇など様々なイベントの一部をご紹介する。(田中 晴子)

http://festival.london2012.com

カルチュラル・オリンピアードとは

古代ギリシャで行われていたスポーツ競技大会「オリュンピアの祭典」が、フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵の提唱により、近代オリンピックとして正式に復活したのは1896年。あまり知られていないことだが、1912年にはここに芸術競技も加わり、出場者たちはスポーツを主題にした芸術作品を制作し、採点によってその順位が決定したという。当時の種目は絵画、彫刻、文学、建築、音楽の5つで、1948年ロンドン大会までの計7回の大会で正式競技として実施されていた。

ただ、芸術作品を客観的な基準で採点することの難しさに加え、スポーツ競技の記録更新の側面が次第に重要視されるようになったことから、芸術競技は以降の正式種目から消えていく。やがて、本来のオリンピック精神に則った「世界の祭典」という、祝祭的な部分を受け持つことで、芸術競技は「カルチュラル・オリンピアード」として新しく生まれ変わったのである。

ロンドンが2012年の夏期オリンピック開催地に決まったときから始まったロンドン2012カルチュラル・オリンピアードの魅力を凝縮したのが、6月から始まる「ロンドン 2012フェスティバル」。4年の歳月をかけて入念に用意され、今や観客が足を運ぶのを待つばかリ。今回は、各地で開催される数多くのイベントの中から、編集部が独断で選んだ15のプログラムを紹介しよう。

オススメTop3

Opening Day

グスターボ・ドゥダメル6月21日、英国各地で華やかにロンドン2012フェスティバルの幕が開く。スコットランドのスターリング城前では、天才的な若手指揮者として、世界で最も注目されているグスターボ・ドゥダメルが、ベネズウェラ・シモン・ボリバル交響楽団を率いて、1日限りの野外コンサートを開催。湖水地方のウィンダミアでは、フランスの花火パフォーマンス集団「Les Commandos Percu(レ・コマンド・ペルキュ)」が湖畔で花火と音楽が織り成すイベントで華を添え、北アイルランドのロンドンデリーでは、3カ月後に控える「世界平和の日」に向けたカウントダウン・イベントが行われるなど、オープニングにふさわしい光景が各地で見られそうだ。

6月21日(木)

The Big Concert -
Gustavo Dudamel and the Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela

19:45
料金: £5〜25
Old School Field
Drip Road, Raploch, Stirling Scotland FK8 1RR
Tel: 01786 462 923
http://makeabignoise.org.uk

Les Commandos Percu - On The Nightshift

22:00
料金: 無料
The Glebe,
Bowness-on-Windermere Glebe Road, Bowness-on-Windermere LA23 1LU
Tel: 01539 720252
www.lakesalive.org

Peace One Day - Global Truce Countdown

詳細未定
The Parade Ground Ebrington Barracks, Derry BT47
Tel: 020 8334 9900
http://peaceoneday.org

Globe to Globe

Globe to Globe英国が誇る大作家、ウィリアム・シェイクスピア。今年は「ワールド・シェイクスピア・フェスティバル」と銘打ち、英国各地でシェイクスピア作品を上演する大イベントが繰り広げられる。「グローブ・トゥー・グローブ」は、その一環としてロンドンのグローブ座で行われる演劇イベントだ。シェイクスピアの全戯曲を、一作品ずつ異なる言語で演じようという試みで、全37作品を37のプロダクションが上演する。英語はもちろん、アラビア語やマオリ語、手話なども登場。日本からも三浦基(もとい)率いる京都出身の演劇集団「地点」が、シェイクスピア後期の悲劇「コリオレイナス」に挑戦する(5月21日 & 22日)。

4月21日(土)〜6月9日(土)
Shakespeare's Globe
21 New Globe Walk, Bankside London SE1 9DT
Tel: 020 7401 9919
http://globetoglobe.shakespearesglobe.com

Big Dance 2012 - Trafalgar Square

ビッグ・ダンス 2012英国中から集まった何千人ものダンサーやパフォーマーたちが、トラファルガー・スクエアに集合 、一斉にダンスを披露するというスペクタクルな光景が展開する。公共の場に多数の人々が集合してパフォーマンスを行うのは「フラッシュ・モブ」と呼ばれ、某携帯電話会社のコマーシャルなどでもその迫力の程が知られている。今回、このパフォーマンスの振り付けを担当するのが、英国のコンテンポラリー・ダンス界に多大な影響力を与えるロイヤル・バレエ団の常任振付家、ウェイン・マクレガーだ。なお、この「ビッグ・ダンス 2012」はトラファルガー・スクエアだけに留まらず、英各地で同趣向のイベントを開催するので、詳細はサイトをチェックして。

7月14日(土)
Trafalgar Square Westminster, London WC2N 5DN
www.bigdance2012.com

ジャンル別オススメ

Dance / Theatre

Cymbeline

蜷川幸雄

76歳にして精力的な活躍を続ける日本の演出家、蜷川幸雄によるシェイクスピアの「シンベリン」。蜷川が「彩の国さいたま芸術劇場」で、シェイクスピア全37作を上演する企画の一環でもある。 阿部寛、大竹しのぶ、窪塚洋介といった人気俳優たちをロンドンで観るチャンスだ。本作は、ブリテン王シンベリンの娘イモージェンが、波瀾万丈の末に大団円を迎えるというロマンス劇の真骨頂で、男装の美女や仮死状態になる秘薬など、ドラマティックな要素が盛り込まれた作品。

5月29日(火)〜6月2日(土) 19:15
料金: £16〜50
Barbican Theatre
Silk Street, London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

Metamorphosis: Titian 2012

Titian 2012

伊ルネサンス期の巨匠ティツィアーノが古代ローマの詩人、オウィディウスの「変身物語」をモチーフに描いた3枚の絵画を基に、ウェイン・マクレガー、ウィリアム・タケット、クリストファー・ウィールドンという人気振付家たちが制作したバレエ作品。舞台デザインはクリス・オフィリやマーク・ウォリンガーなど、英アート賞のターナー賞受賞アーティストが担当という、贅沢なイベントだ。ロイヤル・オペラ・ハウスとナショナル・ギャラリーのコラボレーションにより実現した。

7月14日(土)〜20日(金)
詳細未定
チケット: 4月10日(火)から発売
Royal Opera House
Covent Garden London WC2E 9DD
Tel: 020 7304 4000
www.roh.org.uk

Tanztheater Wuppertal Pina Bausch: World Cities 2012

ピナ・バウシュ

コンテンポラリー・ダンス界に多大な影響力を持ちながらも、2009年に死去した独ダンサー/振付家のピナ・バウシュが率いたピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団が、世界の10都市をモチーフにした10の作品を1カ月にわたり上演。トルコ、カリフォルニア、ローマ、香港などと並び、6月15日と16日に行われる「Ten Chi」は現代の日本文化をイメージした作品だ。バービカンとサドラーズ・ウェルズが会場となる。

6月6日(水)〜7月9日(月)
時間・料金の詳細はサイトを参照

Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

Sadler's Wells Theatre
Rosebery Avenue London EC1R 4TN
Tel: 0844 412 4300
www.sadlerswells.com

Art

Yoko Ono

Yoko Ono

1960年代から一貫して、世界の平和や女性の地位向上などを主題に、ジャンルを問わない前衛アーティストとして活動してきたオノ・ヨーコの大規模なエキシビション。これまで英国では観ることのできなかった過去の貴重な作品に加え、訪れた人々が自分の笑顔をインターネット上にアップロードすることで成立する、視聴者参加型の作品「スマイル」などが展示される。強烈なイメージばかりが先行してきたオノの、アーティストとしての一面に触れてみては。

6月19日(火)〜9月9日(日)10:00-18:00
料金: 無料
Serpentine Gallery
Serpentine Road London W2 3XA
Tel: 020 7402 6075
www.serpentinegallery.org

Damien Hirst

Damien Hirst

かつてトレイシー・エミンやゲイリー・ヒュームなどと並び、1990年代に一世を風靡した英出身の若手アーティストたち、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ」の看板として、奇抜な作品を次々に発表して世間を騒がせてきたダミアン・ハースト。その代表作とも言えるサメのホルマリン漬けを始め、ダイヤモンドをあしらったドクロなど、彼の25年にわたる新旧の作品が一堂に集まった貴重な回顧展。英国の現代アートをおさらいするのにピッタリのエキシビションだ。

4月4日(水)〜9月9日(日)
10:00-18:00(金土は22:00まで)

料金: £14
Tate Modern
Bankside London SE1 9TG
Tel: 020 7887 8888
www.tate.org.uk/modern

Official London 2012
Olympic and Paralympic
Poster Display

オリンピック公式ポスター

12人の現代アーティストによって制作された、ロンドン・オリンピックとパラリンピックの公式ポスターを展示。参加アーティストはベテラン抽象画家のハワード・ホジキンから、トレイシー・エミン、マーティン・クリード、レイチェル・ホワイトリードなど、英アート賞のターナー賞受賞者たちであり、オリンピックに対する考え方がそれぞれに現れている。これまでの公式ポスターの常識を破りつつも、カルチュラル・オリンピアードの精神を体現したと言える好企画。

6月21日(木)〜9月21日(金) 10:00-18:00(金は22:00まで)
料金: 無料
Tate Britain
Millbank London SW1P 4RG
Tel: 020 7887 8888
www.tate.org.uk/britain

Music

Damon Albarn's Dr Dee

デーモン・アルバーン

「ブリット・ポップ」という言葉を定着させた英バンド、ブラーのフロントマンとして人気を博す一方、架空のアニメ・バンドであるゴリラズとしての活動なども行うデーモン・アルバーンのオペラ・プロジェクト。ベテランの舞台演出家ルーファス・ノリスとイングリッシュ・ナショナル・オペラとともに、エリザベス1世の時代を生きた数学者にして占星術師、ジョン・ディーの人生を、ポップ音楽を用いて描く実にユニークな意欲作。

6月25日(月)〜7月7日(土)19:30(14:30の日もあり)
料金: £29〜125
London Coliseum
33 St Martin's Lane London WC2N 4ES
Tel: 0871 911 0200
http://eno.org

BT River of Music

BT River of Music

ロンドンのテムズ河岸に近い6カ所で開催される野外音楽フェスティバル。世界の各大陸から招かれたミュージシャンたちが繰り広げる演奏に耳を傾ければ、初夏の一日の楽しい思い出になりそう。欧州ステージはトラファルガー広場とサマセット・ハウス、アフリカはジュビリー・ガーデンズ、アジアはバタシー・パーク、アメリカはロンドン塔、そしてオセアニアがグリニッジ旧王立海軍学校と、出身大陸ごとに開催場所が分かれている。

6月21日(木)・22日(金)
時間の詳細はサイトを参照
料金: 無料
Trafalgar Square, Somerset House, Tower of London, Jubilee Gardens,
Battersea Park, Greenwich Old Royal Naval College
www.serious.org.uk/BT-River-of-Music

City of Birmingham Symphony Orchestra and
James MacMillan

コベントリー大聖堂

スコットランド出身の敬虔なカトリック教徒であり、当代随一の宗教作曲家として知られるジェームズ・マクミランが、英中部コベントリーにそびえるコベントリー大聖堂の依頼により、同大聖堂の再建50周年を祝うミサ曲を作曲。第二次大戦下の1940年、独空軍による空爆で破壊された大聖堂の復興を称える同曲が、バーミンガム市交響楽団や地元の学校に通う少年で構成された聖歌隊らにより、世界初演される。

6月23日(土)19:30
詳細未定
Coventry Cathedral
Priory Street Coventry CV1 5AB
Tel: 024 7652 1200
www.coventrycathedral.org.uk

Pre-Festival

Big and Small (Gross und Klein)

Big and Small

現代ドイツを代表する劇作家、ボート・シュトラウスの戯曲を、「エリザベス」「バベル」などで知られるオーストラリア出身の実力派女優、ケイト・ブランシェット主演で舞台化する注目作。夫と別れ、家族とも疎遠になった孤独な女性ロッテが、人とのコミュニケーションを渇望しながらも、自分の居場所を見つけることができずにいる姿を、英作家ルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」にも似たシュールな世界観で描く。

4月13日(金)〜29日(日)
時間の詳細はサイトを参照
料金: £16〜65
Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

David Hockney RA : A Bigger Picture

David Hockney

今年、英メリット勲章を受勲した画家、デービッド・ホックニーのエキシビション。デビュー当時のポップな色調はそのままに、以前から愛していたというヨークシャー東部の風景を、巨大キャンバスに描いた連作。まるで毒を含んでいるかの様な鮮やかな色彩は、老いてなお気骨と茶目っ気を持つホックニーならではのもの。会場ではホックニーがiPadを使って制作したドローイングや、作品ができあがっていく過程を映したフィルムなども同時上映される。

1月21日(土)〜4月9日(月) 10:00-18:00(金は22:00まで)
料金: £9〜14
Royal Academy of Arts
Burlington House London W1J 0BD
Tel: 0844 209 0051
www.royalacademy.org.uk

Einstein on the Beach

David Hockney

米国ミニマル・ミュージックの元祖、フィリップ・グラスと演出家のロバート・ウィルソンが1976年に制作したオペラ「浜辺のアインシュタイン」のUKプレミア。禁欲的で複雑、反復的な4時間半にわたる作品で、上演当時は舞台芸術の観念を変えた大傑作として迎え入れられた。既存の演劇は観客に考える時間を与えない、と批判したグラスが、観客に様々な課題を突き付けた実験作と言えるだろう。振り付けは米前衛振付家のルシンダ・チャイルズが担当する。

5月4日(金)〜13日(日)
時間の詳細はサイトを参照
料金: £35〜125
Barbican Theatre
Silk Street London EC2Y 8DS
Tel: 020 7638 8891
www.barbican.org.uk

 
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