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Wed, 04 December 2024

第197回 シティ・ファームの動物たちと再会

ロンドンという世界有数のコンクリート・ジャングルにも、家畜を飼い、野菜を育て、ミツバチの巣を守り、自然の生きる知恵を伝える「シティ・ファーム」と呼ばれる入場無料の農場が、現在13カ所あります。家畜を持たない野菜農園、いわゆるコミュニティー・ガーデンと共に、ソーシャル・ファームズ&ガーデンズという慈善団体がその管理に当たっていますが、運営活動そのものは地元のコミュニティーによって支えられています。

シティ・ファームの入り口シティ・ファームの入り口

コロナ禍のためこれらのシティ・ファームはずっと閉鎖されていました。その収入の多くは、児童や家族向け環境教育プログラムに対して市から補助される助成金や、農場で採れた農作物の販売代金ですが、コロナ禍で通常の活動が制限される一方、餌代や維持管理費がかさみ、経営が苦しくなっています。ようやく最近、外出制限が緩和されたので、寅七はシティ周辺のシティ・ファームを駆け足で訪れ、動物たちに再会してきました。

デレク君(右)とベイリーフ君(左)は とても人懐っこいデレク君(右)とベイリーフ君(左)は とても人懐っこい

まずはシティから東へ徒歩20分のスピタルフィールズ・シティ・ファーム。1978年、線路脇の空き地が農場になりました。シティの高層ビルを遠目にロバのデレク君とベイリーフ君がお迎えしてくれます。イングランド北西部原産で絶滅危機にあるバゴット・ヤギのロケット君は目立ちたがり屋。2匹の黒豚ホームズ君とワトソン君のうちワトソン君は昨年、老衰で天国に。次の訪問時、ホームズ君にパイプをあげますか。

元気なロケット君(左)元気なロケット君(左)

次はシティの東南方向に徒歩30分、1979年に第二次世界大戦の空爆跡にできたステプニー・シティ・ファーム。ここではスコットランドのソアイ種やマン島のロフタン種といった4本の角を持つ珍しいヒツジに会えます。でも1番人気は最長老のロバのダンスタン君。近くにある設立1000年を超える聖ダンスタン教会から名前が付きました。近づいて再会を祝していたのに、若い女性客がやって来たらすぐそちらに行ってしまいました。

穴掘りに夢中のホームズ君は土の中を探索穴掘りに夢中のホームズ君は土の中を探索

最後はシティから北に徒歩30分、1984年にビール工場の跡地にできたハックニー・シティ・ファーム。入ってすぐに放し飼いのニワトリやガチョウ、インディアン・ランナー種のアヒルたちに囲まれます。ロバのラリー君は遠くで草をむさぼり、近くに来てくれません。また黒い斑点のある母ブタ(オールドスポット種)がたくさんの子ブタを連れて穴堀りに夢中でした。元気な姿を見ることができて寅七はとてもうれしくなりました。

ダンスタン君と聖ダンスタン教会ダンスタン君と聖ダンスタン教会

寅七チャンネル動画「ちょい深ロンドン第九話」にもシティ農場の動物たちが登場します。ぜひご覧ください。

 

シティ公認ガイド 寅七

シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、平日・銀行マン、週末・ガイドをしているうち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出来てしまった寅年7月生まれのトラ猫


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