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Fri, 18 October 2019

第138回 グリフィン、ドラゴン、そして平将門

シティ西北にあるグレイ法曹院。法廷弁護士を養成する機関ですが、その紋章はグリフィンです。上半身が鷲、下半身が獅子で出来た聖獣は財宝と知識の守護神。時々シティ・ドラゴンと間違われるのは、遠くから見るとどちらも翼のある怪獣で、守護獣としてシティで門番をしているからでしょう。実はこの両者、共にロシア連邦とその周辺国に位置するコーカサス地方、つまり東洋文明と西洋文明の狭間に発祥を持ち、両文明に思いを馳せながら比べてみるとユニークな特徴が浮かび上がってきます。

グリフィンは鷲獅子
グリフィンは鷲獅子

グリフィンの基は皆様ご存知、陸の王者ライオン。実は足が遅いです。そこで機動力の高い空の王者、鷲と合体することで最強の怪獣となり、コーカサス山中にすむという伝説が生まれました。紀元前3000年のメソポタミア文明の円筒印章に初めて「鷲獅子(じゅじし)」という名で登場。その鷲獅子から多くの変種が生まれ、守護神として各地に広まります。古代アッシリアのラマッス(人頭有翼獣)もその派生ですし、日本の神社の狛犬も鷲獅子が中国の聖獣、俊倪(しゅんげい)になり日本に伝来したという説があります。

アッシリアの人頭有翼獣像(大英博物館蔵)
アッシリアの人頭有翼獣像(大英博物館蔵)

一方のドラゴン。西洋のドラゴンには翼がありますが東洋の龍にはありません。龍は雨の多い地方にすむので、空に舞うときは翼の代わりに雲に乗るか竜巻を利用します。また、水の神として村人を守り、すべての河川は龍のすむ龍宮に繋がるといわれます。ところが乾燥したコーカサス地方のドラゴンは翼を有し、炎を吹く悪魔の獣。古くから民族の交差点として戦争や交易の多かったメソポタミア文明を生き抜くには機動力のある翼と攻撃できる武器が必須だったようです。

東洋の龍には翼がない
東洋の龍には翼がない

14世紀にエドワード3世はドラゴン退治伝説から、そのヒーローである聖ジョージを英国の守護聖人に採用。理由が定かではないもののシティは17世紀にドラゴンを紋章の盾持ちに、19世紀には門番として登用しました。

聖ジョージの龍退治(ウッチェロ作)
聖ジョージの龍退治(ウッチェロ作)

現在、シティの境界線上にはシティ・ドラゴン像が13体あり、シティから各地に延びる街道の出入口に立っています。ちなみに徳川家康が江戸幕府を開く際、江戸城と主要街道を結ぶ城門近くに、鬼門封じのため平将門を祀る神社をいくつも建立しますが、これは将門公が関東を守るため朝廷と戦った人物だから。その神社を結ぶと将門公の信仰した北斗七星になるそうです。将門公には翼も火炎もありませんが、グリフィンやドラゴンより心強い門番かもしれません。

境界線上のシティ・ドラゴン像
境界線上のシティ・ドラゴン像

 
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シティ公認ガイド 寅七

シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、平日・銀行マン、週末・ガイドをしているうち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出来てしまった寅年7月生まれのトラ猫


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