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Sun, 24 November 2024

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

Tier2(Intra-company Transfer) などについて

前回は、旧ワーク・パーミット(労働許可証)に相当するTier2の中でも、いわゆる現地採用の方々向けとなるGeneralの取得条件についてお話しました。今回は、駐在員に対して発給されるTier2のIntra-company Transferについて説明いたします。

● 4種類に分かれたカテゴリー

日本に親会社があり、英国の支店や子会社に出向する場合などに必要なビザが、Tier2(Intra-company Transfer)です。以下の4種類に分かれています。

・Long-term Staff
12カ月超の業務に対して発給されるビザです。取得に際しては、滞在期間が最長5年、年収は最低4万1000ポンドであることが求められます*。また親会社における12カ月以上の勤務経験が必要です。

・Short-term Staff
12カ月以内の業務に対して発給されるビザです。滞在期間は最長12カ月、年収は最低2万4500ポンド*、親会社における12カ月以上の勤務経験が求められます。

・Graduate Trainee
新卒の研修を目的とした業務に対して発給されるビザです。滞在期間は最長12カ月、年収は最低2万4500ポンド*、親会社における3カ月以上の勤務経験が求められます。

・Skills Transfer
特定の技術や知識を英国で得る、または英国の同僚に伝える必要がある場合に発給されるビザです。滞在期間は最長6カ月、年収は最低2万4500ポンド*、親会社における勤務経験は求められません。

*最低給与額については、各サブカテゴリーごとに設定されている金額と、職種(SOC)コードごとに設定されている金額のいずれか高い方が適用されます。

● Long-term Staffの滞在期間延長

Long-term Staffは、滞在期間を最長5年まで延長することが可能です(ただし、年収が15万3500ポンド以上の場合は最長9年まで延長可)。国内からオンラインまたは郵送で延長を申請することができますが、審査の結果が出るまでに数カ月もの時間を要する可能性があります。面会を通じての申請など、割高な料金を払って各種の特別サービスを利用すればこの期間を短縮することができるものの、こうしたサービスの利用者が多過ぎて申請のための面会の予約がなかなか取れなかったり、利用料が非常に高額であったりするというのが現状です。ただし、内務省の認可を受けた法律事務所やビザ・サポート会社であれば、あらかじめ面会の予約枠を確保しているので、即日で予約の取り付けから申請準備の代行業務を行ってくれる場合があります。

● 現在でも複数の改革案が協議中

2010年4月6日以降にTier2のIntra-company Transferを取得した方には、永住権への切り替えや同権の取得が認められていません。また前述した最低給与額の設定も頻繁に変更されており、さらには滞在の延長期間も本ビザの取得時期によって細かく異なるため、細心の注意が必要となります。

Tier2については複数の改革案が協議中であるため、今後さらなる変更が実施されていく予定です。申請資料の用意を始めてからその資料を提出するまでの間に、移民・入国管理法が変更されるという事態もあり得ます。申請手続きは専門家と二人三脚で着実に進めるようにしましょう。

 

 

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

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