2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画を白紙に戻すとの決定を安倍首相が下したことを受けて、「ガーディアン」紙の電子版は17日、同競技場のデザインを手掛けた英建築家ザハ・ハディド氏の見解などを伝える記事を掲載した。
同記事によると、ハディド氏の建築事務所でプロジェクト・マネージャーを務めるジム・へブリン氏は「日本そして英国にいる我々のチームは、日本スポーツ振興センターとともに努力しながら、2019年のラグビー・ワールド・カップと2020年の東京五輪・パラリンピックに間に合うよう新国立競技場をデザインした」と説明。また「(報道で)伝えられている建設費用の急騰はデザインによるものではない。デザインは日本の建設業者にとっては十分に標準的な材料と技術を使うもの。日本スポーツ振興センターによって定められた予算にも見合う」と述べている。
また同記事は、ハディド氏が昨年に建築・デザイン誌「Dezeen」誌に対し、自身に向けられた批判への反論を述べたと紹介。妹島和世氏、伊東豊雄氏、槇文彦氏、磯崎新氏、隈研吾氏といった具体名を挙げて、「彼らは外国人に国立競技場をつくってほしくないのだ」「彼らは偽善者だ」と発言したと報じている。
一方で同記事は、新国立競技場建設に関する混乱と、ハディド氏が過去に手掛けた案件に関する論争には「共通点がある」と報道。同氏がデザインした2012年ロンドン五輪・パラリンピックの会場の一つであるアクアティクス・センターの建設費用が、その野心的なデザインのために最終的に当初の3倍に膨れ上がったと伝えている。
Sat, 07 December 2024