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Mon, 29 April 2024

小林恭子の
英国メディアを読み解く

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi 在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社)など。

The TimesTHE TIMES
キャメロン首相は素晴らしい機転を見せた

He showed laudable instincts

メディア倫理に関する独立調査委員会の議事は当初から偏向していた。報道機関と政治家の関係について調査するはずがニューズ・インターナショナル社と政治家の関係についてのみの調査となってしまい、議事が進行するにつれて、一つの議題のみに焦点が当てられる傾向は醜悪なほどに増していった。そのような状況下にて、キャメロン首相は各論点に対して説得力ある説明を行っただけでなく、報道被害への配慮とともに、報道の自由を守ることの重要さを訴える機転を見せた。(6月15日)


The GuardianThe Guardian
尋問のテレビ中継は
首相に好ましくない影響を与える

A televised grilling can leave an unflattering legacy

2003年に行われた、イラクの大量破壊兵器をめぐる英政府の情報操作疑惑に関する調査委員会にてブレア元首相が証明したように、比較的生ぬるい尋問でも、その模様がテレビ中継されてしまうと、首相は好ましくない影響を受ける。キャメロン首相は、質疑を受けながらメディア規制改革を遂行する気概を見せていた。ただ今回の調査委員会への出席を経て、キャメロン首相の権威は低下してしまった。調査委員会が終了した後、彼のそうした姿勢が多少揺らいでしまう可能性もある。(6月14日)


IndependentIndependent
キャメロン首相は
後悔しているのではないか

Mr Cameron may have experienced a twinge of regret

今回の独立調査委員会が生み出した最大の成果は、政府閣僚たちとマードック氏が率いる組織の間に結ばれた蜜月の関係を暴いたことである。同委員会にてこの点について質疑を行っている最中、キャメロン首相は非常に不快な表情を浮かべていた。首相が窮地からの脱出を試みて立ち上げた調査委員会が、逆に彼自身を窮地に追いやってしまう可能性が出てきた。首相の頭の中では、このような委員会をそもそも立ち上げるべきではなかったという後悔の念が出てきているかもしれない。(6月15日)


 
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