2020年夏期五輪、開催地が東京に決定
Japan’s clean hands on doping key
in winning the 2020 Games for Tokyo
薬物フリーが大きな勝因
「インディペンデント」紙 9月9日
今回の東京の勝因は、45億ドルの開催準備金を既に銀行に積み立てている財政力や、IOC副会長(10日より会長)バッハ氏が言うところの「伝統と安定性」もさることながら、日本が薬物に対してクリーンであることも大きい。マドリードとイスタンブールは薬物対策に力を入れておらず、過去数カ月間にもそれぞれ薬物スキャンダルが発覚した。 複数のIOC審査員がプレゼン後の質疑応答で薬物に関する質問をしており、日本が過去の五輪及びパラリンピックで一人の薬物違反者も出していないという実績が得票に影響を与えたのは確実だろう。
Hugs, tears and shouts of 'banzai'
抱擁、感涙、そして万歳三唱
「ガーディアン」紙 9月9日
東京開催の決定を受けて、日本のTV司会者は感情を隠し切れず、新聞は号外を発行、そして過去の五輪出場者たちは万歳三唱した。東日本大震災により避難生活を強いられた16万人の被災者の中には、五輪開催費用を汚染水漏れ対策と被災地再建に充てるべきではないかという人もいる。前回、東京で五輪が開催されたのは1964年、第二次大戦の敗北から20年も経っていなかったが、五輪は日本の高度経済成長の始まりを示すものとなった。SMBC日興証券は、2020年の五輪開催により経済効果が400億ドルを超えると試算している。
Tokyo last night delivered a crushing victory
東京は昨夜、圧倒的な勝利を収めた
「デーリー・テレグラフ」紙 9月8日
通常、五輪開催地は最終プレゼンが行われるずっと前に決定していると認識されているが、昨日のプレゼンは、8年前にロンドンがパリを押さえ2012年五輪開催地に選ばれたときと同様の大きな影響を与えたかもしれない。日本のプレゼンでは、切り札とみられていた高円宮妃久子さまのスピーチが成功した後、パラリンピアンで震災被災地出身の佐藤真海さんが、同日中、最も感情に訴えるスピーチを披露した。そして懸念材料だった原発の汚染水漏れ問題について、安倍首相が断固たる口調で問題はないと明快に宣言したのだ。