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Sun, 24 November 2024

ノーベル文学賞の受賞決定!
カズオ・イシグロの
代表作を楽しむ

今年のノーベル文学賞受賞が決定し、日本でも大きな話題となった長崎県出身の英国人作家、カズオ・イシグロ。1989年には英国の権威ある文学賞であるマン・ブッカー賞も受賞しており、その著作は40カ国語以上に翻訳されている。今回は、そんなイシグロのデビュー作を含む代表作、計6作を紹介しよう。 Photos: ©Faber & Faber

長崎の記憶を描いた処女作
A Pale View of Hills

A Pale View of Hills

1982年に発表され、王立文学協会が選ぶウィニフレッド・ホルトビー・メモリアル賞を受賞した。イングランドの田舎に1人で暮らすエツコは、娘の自死から立ち直ろうとしていた。そこへ、もう1人の娘ニキが訪ねてきたことから、エツコのほの暗い長崎の夏の記憶が呼び覚まされる。

邦題「遠い山なみの光」
小野寺健訳 / 早川書房

老画家の記憶と疑問を描く
An Artist of the Floating World

An Artist of the Floating World

英国の文学賞ウィットブレッド賞(現・コスタ賞)の1987年受賞作。敗戦直後の日本。人々は日々の暮らしを再建することに忙しい。軍国時代の思い出を持ち続ける年老いた画家は、新しい価値観になじめずにいる。やがて、次第に過去の自分に疑問を持つに至り、画家の静かな暮らしに暗い影が差し始める。

邦題「浮世の画家」
飛田茂雄訳 / 早川書房

マン・ブッカー賞の受賞作
The Remains of the Day

The Remains of the Day

1989年のマン・ブッカー賞受賞作。1993年、アンソニー・ホプキンス主演で映画化された。かつてイングランドの由緒ある屋敷で長年にわたり執事を勤めたスティーブンスは、戦後、その屋敷の新しい主人となった米国人の富豪のもとで再び働き始める。現在と過去が行き交う物語を、静謐な筆致で描く。

邦題 「日の名残り」
土屋政雄訳 / 早川書房

コントロール不可能な人生
The Unconsoled

The Unconsoled

有名ピアニストのライダーは、地名も定かでない中央ヨーロッパの町に到着する。この町で演奏する予定はあるものの、彼にはコンサートの詳細も分かっていない。町に滞在するうちに次々と奇妙な出来事に遭遇したライダーは、次第に自分が大変な演奏会に臨もうとしていることに気が付く……。

邦題「充たされざる者」
古賀林幸訳 / 早川書房

記憶と過去を巡る冒険の物語
When We Were Orphans

When We Were Orphans

1930年代のイングランド。クリストファー・バンクスは英国で最も才能ある探偵として、社交界でも知られた存在だった。しかしバンクスにはたった一つ、解くことができない犯罪事件があった。それは上海で彼が幼いときに起きた両親の失踪事件だった。マン・ブッカー賞候補作品。

邦題「わたしたちが孤児だったころ」
入江真佐子訳 / 早川書房

映画化もされたベストセラー
Never Let Me Go

Never Let Me Go

キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ主演による映画化や、日本でのドラマ化でも知られる作品。ヘールシャム・スクールという閉鎖的で謎めいた施設で育った若者たちの愛、友情、そして記憶を、1人の女性の視点から描き出す。マン・ブッカー賞候補作品。

邦題「わたしを離さないで」 
土屋政雄訳 / 早川書房

 

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