というのも、ウェブサイト「ヤフー・アン サーズ」の呼びかけにより「政治的、社会的、環境的に混乱に陥っている地球において、人類はこれから先100年間をいかに生き延びることが出来るのだろうか?」という質問をオンライン上で投げかけたのだ。ホーキング博士は自身を「ケンブリッジ大学の理論物理学者」と名乗り、顔写真も掲載した上で登場した。
この問いに対し、2日と経たないうちに1万6000件近い反応があった。「テクノロジーさえあれば来世紀までラクラク生きていける」という楽観的な解答や、人間がお互い上手く付き合うことに希望をつなぐものや、果ては「とにか く生殖を続けるしかない!」とうなずける解答も。
ホーキング教授自身は「地球を逃れて別の惑星へ移住すること」と解答。ただし「移住先の惑星に人類が住む方法を、科学者が考え出せば のことだが……」と付け加えるのも忘れなかった。それに対しハンドル・ネーム、サンドラさ んは「もともと完璧だった地球を破壊した私達 が、安易に別の惑星に移ったとしても、いずれその惑星も破壊しかねないのでは?」とすでに悲観的。
「ヤフー・アンサーズ」では、毎週、著名人が登場し、質問を利用者に投げかける試みを行なっており、これまでにもビジネスマンのドナル ド・ドランプや元米国副大統領のアル・ゴアが参加してきた。最近はロック・グループ、U2のボーカル、ボノが世界の貧困問題の解決法について質問した。
しかし、利用者の中にはこの企画自体に疑問 を感じる者もいるようで「スティーブン・ホー キング教授のような天才が、一体なぜこんなことを? 我ら凡人と会話をするよりもっとマシな時間の過ごし方があるのでは?」と逆に問い掛ける者も。ごもっとも。
7月8日付「The Guardian」紙 "Hawking turns to Yahoo for answers to his big question"
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