フランスにおける禁煙法の歴史は91年、ロー ド・エバン衛生大臣(当時)が成立させた禁煙法にさかのぼる。この法案の内容は「公共の仕事場、および公共の交通手段利用場所においての喫煙を禁ずる」というものであった。「公共の交通手段利用場所」とは、主に国鉄や地下鉄の駅を、「公共の仕事場」とは、主に学校などの教育施設や病院などを指している。
公共の仕事場の範囲内として、一部の危険物などを取り扱う企業や、外部からの来客を受け入れる企業内の集会室なども禁煙箇所に指定された。さらに、タバコ製造会社はタバコの箱にタールやニコチンなどの含有量を必ず明記し、無料配布や宣伝を一切行ってはいけないことに。
当時の法案は、レストランや喫茶店など、公共の仕事場であっても、ある一定の換気能力のある室内においては、喫煙スペースを設けるこ とで喫煙が可能となっていた。だが、現状ではこの法案はうまく機能しておらず、06年度の喫煙率は最初の5カ月間で2.8パーセントの上昇を記録し、02年度からの統計を集計した中で、最も高い数値を記録している。この現状を踏まえ、今回の改正法案の立案となったわけだ。
イタリアでは、昨年からレストランでの喫煙 が禁止されている。当初は様々な反発が予想されていたが、意外にも国民はすんなり受け入れた模様。しかし、91年に最初の法案が成立してからすでに15年が経過したフランスでこの新しい法案がうまく機能するのかどうか、注目される。
2006年8月23日付「Le Figaro」紙"Le Tabac va etre interdit dans les lieux publics"
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