Backbeat
バック・ビート (1994 / 英・独)
ビートルズ結成前後の軌跡とともに、当時ベーシストとして在籍していたスチュアート・サトクリフの半生を描いた伝記映画。
監督 | Iain Softley |
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出演 | Stephen Dorff, Sheryl Lee, Ian Hartほか |
ロケ地 | German Gymnasium |
アクセス | 地下鉄King's Cross駅から徒歩 |
- ビートルズは本来5人だったという事実は、ファンの間ではよく知られていると思いますが、今週はその5人目のメンバー、スチュアート・サトクリフ、通称スチュにスポットを当てたビートルズ映画です。
- 以前、ティーン時代のジョン・レノンの姿を描いた「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」を捜査しましたが、時代的にはあれに続く作品と言えるんじゃないでしょうか。どちらも未見の方は「ノーウェアボーイ」から観ると良いかと思います。
- ジョン・レノンは本作の方がイメージに近いね。ジョンに扮したイアン・ハートはリバプール出身だしな。そういえば彼、1991年の米国映画「僕たちの時間」でもジョン・レノンを演じてたな。
- 本作の主人公スチュは、リバプール・アート・オブ・カレッジでジョン・レノンと出会い、意気投合します。冒頭にあるように、パブで飲んではケンカに明け暮れるなど、2人でやんちゃしていたんでしょう。本作ではスチュの死因はこの頃に受けた傷の後遺症としているようですが……。ちなみにあのパブのシーンは、キングス・クロスのCheney Roadに立つ「German Gymnasium」で撮影されていますね。
- スチュは画家志望で、その道ではかなり有望でした。ジョンに誘われてバンドを始めますが、その際、自分の絵を売ったお金でベース・ギターを購入しています。
- もともとスチュは本腰を入れてバンド活動する気はなかったんだよな。ベースも大してうまくないし、自分はミュージシャンじゃないって思ってたが、大好きな親友ジョンの夢と野望に付き合ったんだ。ジョンの成功を誰より信じてたのも彼だしな。
- そしてバンドはドイツのハンブルクへ巡業の旅に出ますが、そこでスチュは運命の女性に出会うんですね。
- ドイツ人写真家のアストリッド・キルヒヘルね。ビートルズのマッシュルーム・カットの生みの親っていう噂の。
- 「 リボルバー」のジャケット・デザインを手掛けたミュージシャンで画家のクラウス・フォアマンの影響もあるようですが、フォアマンはアストリッドの元恋人で、彼の髪をカットしていたのも彼女でしたから、やっぱり生みの親なんでしょうね。彼女自身はこの話を一笑に付しているようですが。
- そんなアストリッドに実はジョンも恋してたわけですが、一瞬にして惹かれ合った2人の間に入り込めるわけもなく……。
- ジョンはスチュのことも大好きだったからな。映画では結構淡々と描かれてるが、実際はもっと緊張感漂ってたかもな。
- ポール・マッカートニーがスチュのことを怪訝に思い、メンバー・チェンジを訴えても、ジョンは最後まで「スチュを外すなら俺もやめる」と言い続けてましたしね。
- しかし結局スチュは画家を目指し、自らバンドを脱退するんですね。
- そしてバンドは順調に大きくなっていくんだな。
- ハンブルクの人気ベニュー「Top TenClub」でのヘッドライナーに昇格ですね! このシーンは実はロンドンのタフネル・パーク駅近くのベニュー「The Dome」で撮影されています。また名曲「Twist and Shout」を演奏する最後のライブのシーンは、かつてザ・スミスからニルヴァーナまで数々のバンドが出演したキルバーンの伝説的ベニュー「The National Club」で撮られました。こちら現在は教会になっていますね。
ロックンロールをかき鳴らしていた創成期のビートルズ物語としても楽しめたが、正直、映画よりサントラに注目しちゃったよ! なんてったってライブのシーンで実際に演奏しているのは、ソウル・アサイラムのデイブ・パーナー、ソニック・ユースのサーストン・ムーア、REMのマイク・ミルズ、ニルヴァーナのデイブ・グロールなど、オルタナ・ファン垂涎の超豪華メンバー。ビートルズ・ファン以外にもお勧めだ!
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