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Fri, 26 April 2024

小林恭子の
英国メディアを読み解く

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi 在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社)など。

The TimesTHE TIMES
取り締まるべきは思想でなく行動

Britain is a country that polices actions, not thoughts

犯罪やテロ活動を取り締まるために、自由が制限されることはある。英国では許可なしで武器を所有する自由がなくなって久しい。また近年では、荷物検査と引き換えに速やかに飛行機に搭乗する自由を我々は失った。だが国家によるインターネットの監視を許せば、インターネット上のプライバシーという概念が根本的に覆ってしまう。イランや中国のように、その種のプライバシーを尊重しない国もある。しかし英国は、行動を取り締まることはあっても思想を統制する国ではない。(4月3日)


The GuardianThe guardian
知は力なり、そして権力は腐敗する

Knowledge is power, and power corrupts

警察は長らく、容疑者の電話の通話記録を調べて重要な証拠を集めてきた。だから普及が進んだインターネットも同様に監視の対象とすべきとする見方がある。だが電話の通話記録とインターネットは違う。前者では会話の内容まで立ち入らなければプライバシーは守られるが、後者においてはどのウェブサイトを閲覧したかが判明すれば閲覧者の趣味嗜好や病歴までもが露わになる。「知は力なり」と言う。そして権力は腐敗する。官僚に他人の生活を監視する権限を与えて良いわけがない。(4月2日)


The IndependentThe Independent
監視行動が習慣化してしまう

Surveillance will become the rule

インターネット上の膨大なデータを集めて保管するという作業は言うほど簡単ではない。またそのような仕組みができたとして、誰が開発費用を払うというのか。集めた情報がハッカーの標的にされたり、関係者から漏えいしたりする可能性もある。これまで監視活動を行うのは、裁判所がそうするだけの十分な理由があると認めた場合のみに限られていた。しかし国家によるインターネットの監視が可能になれば、監視行動は例外的措置ではなく、習慣になってしまうことを意味する。(4月3日)


 
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