The Times
連立政権の戦略には問題なし
米格付け会社「ムーディーズ」による英国債の格下げを受けて、労働党のボール影の財務相は財政赤字削減策を見直すべきだと主張する。しかし、本紙は2010年に連立政権が策定した戦略に問題があるとは思わない。問題はむしろ十分な熱意と政治的な勇気を持ってその戦略を遂行しなかったことにあるのだ。オズボーン財務相は需要を喚起するための通貨政策に引き続き注力することに加えて、公的部門の抜本的な改革などに向けた取り組みを強化するべきである。(2月25日)
The Observer
英国を袋小路へと追い込んだ
過去3年にわたり兵力の削減、社会福祉の縮小、道路や学校、病院の建設計画の廃止といった犠牲を英国が払ってきたのは、すべて英国債の格付けにおいて最上位のトリプルAを維持するためであるはずだった。オズボーン財務相を筆頭に、イングランド銀行や英国産業連盟、金融街シティ関係者や経済評論家たちまでもがそう主張していたではないか。ところがムーディーズは英国債を格下げした。財務相とその支持者たちは、この国を袋小路へと追い込んだのである。(2月24日)
Independent
労働党が失政していた可能性も
英国債の格下げは、失政として見なされるべきものである。前回の総選挙で保守党は「構造的な赤字を削減する計画を進めて英国の信用格付けを守る」という公約を掲げたのだから。オズボーン財務相が財政赤字の削減をあまりに急速に進めるという失態を犯したとする野党・労働党の見方に本紙は同意する。だが労働党が政権を握っていた場合には、公的部門の借入コストを増大させた結果、英国債がより早い段階でさらに下位に格下げされていた可能性も否めない。(2月24日)
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