ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Thu, 21 November 2024

これまで在英邦人を対象に街頭調査を行ってきた「ぶぉっくす・ぽっぷ」の特別編。今回は日本語を学ぶ外国人に焦点を当て、2月3日に開催された「大学生のための日本語スピーチ・コンテスト」と左ページで紹介した「ビジネス日本語スピーチ・コンテスト」の参加者、さらには当日会場を訪れた日本語学習者たちの意見を聞いてきました。質問のやりとりはすべて日本語。我々の母国語は、世界からどのように見られている?

アンケート実施場所: ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院(SOAS) 

ワイ・イー・フォンさん
21歳、学生
私の母国語は中国語なので、漢字が理解できるという面では確かに有利だと思っています。でも日本語と中国語って文の構造が逆さまなので、特に日本語を学び始めた頃は苦労しましたね。

ジョナサン・バーンズさん
21歳、学生
日本留学中に弓道部の練習で30代のOBの試技を見て、つい「彼、うまいね」と馴れ馴れしい言い方をしてしまい、先輩に注意されたことがあります。相手によって言葉を使い分けるのは本当に難しい!

マジド・リアズさん
26歳、学生
一番難しいと感じるのはやっぱり漢字ですね。普段の生活では全く使わない文字だし、特に人名や地名で使う時には特別な読み方をするでしょう。もっと勉強して将来は日本語通訳になりたいです。

キャサリン・ワイルドさん
21歳、学生
大学の教授が目上の日本人の方なので、話し方に気を付けています。日本の若い人たちは敬語の用法など気にしないと聞きましたが、私は外国語として習っているからこそきちんと話したいのです。

クリス・ヒューズさん
25歳、求職中
ことわざ、慣用句を覚えるのが大変ですね。「お茶の子さいさい」っていうフレーズの響きがおもしろくて好きです。いつか日本でダウンタウンみたいな漫才師としてデビューしたいと思っています。

ダーシー・パーキンスさん
39歳、学生
僕の国籍はカナダなので英語とフランス語、あとスペイン語とドイツ語を話せますが、日本語はやっぱり一番難しいと感じます。動詞が一番最後に来るという文法に慣れるのには時間がかかりました。

ネイロン・アイオナさん
27歳、学生
日本語の習得は決して不可能ではない! と自分に言い聞かせているのでNoです。ただ漢字と敬語は確かに厄介ですね。日本語能力試験の2級以上になると、かなりハードになってくるんですよ。

スダルシャーナ・シンハさん
23歳、学生
私の母国インドで話されているヒンディー語とベンガル語にも敬語があるのです。だから、母国語と日本語との違いよりも共通性の方に目を向けています。ただ「は」と「が」の使い方には困惑しますが。

アンドリュー・ハーディングさん
22歳、学生
フランス語みたいに英語と似ている言語だと、逆にこんがらがっちゃうのです。日本語をゼロから覚える方が簡単なんですよ。文法も一度ルールを覚えてしまったら、例外は少ないですし。

アンドリュー・デービスさん
20歳、学生
日本語の文法には女性名詞や男性名詞といったジェンダーの区別がないし、動詞の活用も少ないですから、その分だけでも簡単な方ですよ。ドイツ語なんてジェンダーが3種類もあるんですよ!


調査結果が示すのは、「やっぱり外国語を習得するのは難しい」ということ。特に我々のような在英邦人が日本語にない英語の発音や文法に苦労するように、西欧圏の人たちにとって日本語は全く異次元の世界。漢字、敬語などといった西洋諸語には馴染みのないものに相当苦戦しているようだ。また今回の調査で分かったのは、ほぼ全員の回答者がいつか日本に住みたい、働きたいという思いを明確な動機付けにして勉強しているという事実。「古い伝統と最先端の科学技術が共存している」、「西欧とは全く異なる独自性がある」といったイメージがある日本の文化に、強く惹かれている人たちが多かった。異国への憧れを膨らませながら外国語の学習に励む様は、まるで渡英前の自分の姿を映しているようだと共感してしまう読者も多いはず。ニュースダイジェストは、これからも英国で日本語を勉強する学生を応援します!

 

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