ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Wed, 27 November 2024

英国に6カ月以上滞在しようと計画している欧州経済領域(EEA)以外の国籍を持つすべての人に対し、今年の2月29日から、生体認証情報を含む滞在許可証「バイオメトリック・レジデンス・パーミット(BRP)」の取得が義務付けられるようになりました。これは2008年11月から段階を追って徐々に導入されてきたクレジット・カード・サイズの滞在許可証で、証明写真のほかに指紋情報が入ったチップが記載されています。このBRPは現在、既にビザを保持し英国内に滞在している人が、滞在延長を申請する場合や、永住権を申請する際にも取得が必須です。

このカードは、所有者が英国から適切な許可を得て英国に滞在していることの証明です。カードの表には、所持者の顔写真 / 氏名 / 滞在有効期限 / 発行年月日 / ビザの種類 / 就職の可否 / 証明番号 / 所持者のサイン、裏面には生態情報チップや所持者の生年月日、国籍などが記されています。現在のところ、既に永住権を取得した人に対し、生体認証情報を求める動きなどは出ていません。ただ、フランスを始めとするほかの欧州国のように、すべての国民が生体認証情報を含むIDカードを所持するべきだとする政府案(2010年の施行直後、わずか2カ月で廃止)が存在したことなどから、今後どのように制度の変更が起こるとも限りません。勘違いや思い込みなどで、自分では気付かないうちに違法な立場になっていた、などということにならないよう、専門家のアドバイスを仰ぎつつ、常に最新の情報を入手することが大切です。

BRPの取得については、ビザの申請書が受理された時点で、ホーム・オフィスから登録に関する通知が来るので、ホーム・オフィスか、最寄りのバイオメトリック・エンロールが可能な郵便局で生体認証情報を登録することになります。今年の4月10日までに、全国104カ所の郵便局が指紋を読み込む機械(証明写真のブースのようなもの)を局内に設置しており、予約無しの登録が可能です。ただし、曜日に寄っては混み合う日もあるので余裕を持って準備されることをお勧めします。なお、この時点でBRP申請とは別途に料金が発生するので注意が必要です。

郵便局で行った申請はホーム・オフィスに送られ、生体情報の入ったチップが記載されたBRPカードが後ほど届きます。BRPは常時携帯する必要はありませんが、英国外に出る場合は必ず持参してください。英国、及び渡航先の国で、出入国の際に提示が必要です。ただし、パスポートの代わりにはならないのでお気を付けください。出入国以外にBRPの提示が求められる場面は、新しい雇用主、就学先機関への提示のほか、銀行口座の開設時などが挙げられます。取得したら念のためカードの裏表のコピーを取ることをお勧めします。盗難や紛失といった被害に遭ったときに役立ちます。また、次回、別のビザを申請する際に、オリジナルの提出が必要になるため、コピーを所持しておくのが賢明です。更に、住所の変更や学校のコース変更の際などは、速やかにホーム・オフィスへ連絡しなければなりません。

BRPの取得自体はご自身で行うことが原則ですが、これは滞在期間の延長や永住権申請の際に手配が必要になる事項の一部であり、ビザ申請自体にも、様々な手続きが必要です。最近ではクロイドンのホーム・オフィスでシステム障害が発生し、1000名を超すビザ申請者に影響を与えたなどというトラブルも聞かれます。こうした出来事による思わぬ遅延に慌てぬよう、確実なビザ取得のためにも、手続きは専門家と二人三脚で、取得のタイミングや計画管理などを熟慮しつつ、着実に進めることをお勧めします。

 

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