英国予算の企業向け最新情報
法人税の税率について、どのような変更がありますか。
課税利益が25万ポンド(これを活動中の関連会社の数で割った金額)を超える場合、企業が支払うべき法人税の税率は19%から25%に引き上げられましたが、5万ポンド未満の場合は19%のままです。5万ポンドから25万ポンドの利益では、実効税率が26.5%となります。
関連会社に関しては何が変わりましたか。
2023年4月1日以降、関連会社の定義には、共通の支配下にある全ての企業が含まれることになりました。同年3月までは、企業グループ内の企業のみを関連会社としていました。関連会社の数は、少額利益に対する税率の基準額と四半期分割納税(QIP)制度で重要となります。QIP制度の基準額である150万ポンド、1000万ポンド、2000万ポンド(それぞれ、継続的な利益、単発的な利益、大企業に対する前倒し納税の利益)は全て、関連会社の数で割ることになります。
移転価格の文書化に関しての変更点は何ですか。
2023年4月1日以降に始まる会計期間において、連結売上高が7億5000万ユーロ以上の多国籍グループ内の企業は、移転価格のローカル・ファイルとマスター・ファイルのコピーを作成し、最新の状態にしておく必要があります。
キャピタル・アローワンスはどのように変わりましたか。
資産価格の130%という特別償却は2023年3月31日に終了しましたが、法人税率の引き上げにより、税控除の実効控除率は24.7%から25%に上昇しました。春季予算では、2023年4月1日から2026年3月31日まで、対象となる新しい設備や機械の費用全額を控除できると発表しました。特別率プールの対象となる設備や機械は、初年度に50%を控除できます。この初年度控除は、取得時に即時控除が認められる100万ポンドの年次特別償却(AIA=Annual Investment Allowance)に加えて適用されます。中古資産、自動車、リース事業用の資産は、即時控除の対象にはなりません。なお、費用全額を控除できる規定は企業にのみ適用され、個人やLLPには適用されないことに注意が必要です。
研究開発費控除では何が変わりましたか。
研究開発費控除(RDEC=R&D Expenditure Credit)の割合が、2023年4月1日に13%から20%に引き上げられました。中小企業の場合は、研究開発集約型企業を除き、研究開発費控除の追加控除は130%から86%に、損失を計上する企業に対する給付の適用率は14.5%から10%に、それぞれ引き下げられました。
クリエイティブ産業に対する税控除も変わりましたか。
映画とハイエンド・テレビの税控除は、オーディオ・ビジュアル産業の控除制度に統合され、ビデオ・ゲーム支出控除と同様に34%の控除が受けられます。アニメと子ども向けテレビでは、これが39%になりました。 また、2024年3月31日に期限を迎える予定の劇場控除、オーケストラ控除、博物館・美術館控除は、2026年3月31日まで延長されます。
ビジネス・レートはどうなっていますか。
支払賃料の変更を含めて、居住者や物件特性の変更といったビジネス・レートの査定に影響を与える可能性が生じた場合、納税者には60日以内に資産評価局(VOA=Valuation Office Agency)に通知することが義務付けられます。これは、オンライン・プラットフォームが整い次第導入されます。
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アンディー・トール
税務パートナー
税務と税務会計コンプライアンス、HMRCへの照会、オーナーの利益抽出と出口戦略、R & D優遇の請求、キャピタル・アローワンスの請求、税務デュー・ディリジェンス、M & Aの税務など幅広い経験を持つ。