Bloomsbury Solutions
Fri, 29 March 2024

春うらら、自転車に乗ってカフェに行こう。

春うらら。ピクニックや散歩に繰り出したい気分がふつふつと湧いてくる、心地の良い季節の到来だ。昨夏スタートした自転車レンタル・スキームが定着しつつあるロンドンでも、暖かな陽気に誘われ、通勤・通学に自転車を利用する市民がますます増えてきている。そこで今回は、自転車で立ち寄るのに最適な、人気のカフェを大特集。ワークショップ(作業場)も併設された本格派から、週末にふらりと気軽に訪れたいものまで、サイクリング途中の息抜きにもってこいのカフェを厳選した。春の風を頬に受けて、週末の自転車ロンドン・クルーズに出掛けよう。

Look Mum No Hands!
イベント盛りだくさん!活気あふれるおしゃれカフェ

Look Mum No Hands!
Muesli with Yoghurt and Fruit £3.80 Café Latte £2.50

「ママ見て、手離しだよ!」遊び心たっぷりの店名そのままに、自転車ライフを心から楽しむ人々のための場所がこちら。一面ガラス張りになった日当たりの良い店内には、クラシカルな自転車のフレームや車輪が飾られ、愛好家たちの心を躍らせる。自転車好きのためのイベントが盛りだくさんなのも、このカフェの特徴。レースのスクリーン観戦はもちろんのこと、自転車が登場する映画の上映会、関連本の発表会など、通えば仲間が増えること間違いなし。店内のワークショップは、たいていの場合その日のうちに(ときにはコーヒーを飲んでいる間に)修理を済ませてくれる。夜は8時まで営業しているので、朝修理に出して、仕事終わりにピック・アップできるという便利さも、忙しいオフィス・ワーカーにはうれしいサービスだ。オリジナルTシャツやキャップなどのおしゃれ自転車アイテムも、ぜひオンライン・ショップでチェックしてみて。

住所 49 Old Street EC1V 9HX 地図
TEL 020 7253 1025(カフェ)
020 7490 3928(ワークショップ)
オープン 月〜金 7:30-22:00  土 9:00-22:00 日 10:00-22:00
最寄駅 Old Street駅より徒歩7分
ウェブ www.lookmumnohands.com

取材:Sayaka Hirakawa

Lock 7
ロンドン最大のサイクリング地区、ハックニーの重鎮

Lock 7
Muesli, Fruit, Yoghurt and Honey £3.40

3年前に誕生した、ロンドンの自転車カフェ業界の先駆け。3本のサイクル・レーンやロンドン・フィールド、そしてリージェンツ運河といった自転車道からのアクセスが良く、週末は賑やかなブロードウェイ・マーケットからやってくる客も多い。一枚のガラスで仕切られたワークショップでは、修理はもちろん、メンテナンスを施した中古自転車の販売も行っている。「スペースが限られているので、質が良く、デザインの楽しいアイテムをそろえている」との言葉に見渡せば、おしゃれなベル社製ヘルメットや、カラー展開が豊富なノグ社のライトなど、こだわりのグッズが見つかる。通勤途中のサイクリストにお勧めのメニューは、新鮮なフルーツをふんだんに使ったシリアルの一種ミューズリー。りんご、バナナ、パイナップルやキウイなど、季節のフルーツがたっぷり。エネルギーとビタミンを手早くチャージして、また風を切って走り出そう。

*このお店は2015年にBroadway Market Mewsへ移転し、現在はフード及びドリンクは販売していません。詳細はウェブサイトをご参照ください。

住所 129 Pritchards Road E2 9AP 地図
TEL 020 7739 3042
オープン 月・火 休 水〜土 8:00-18:00 日 10:00-18:00
最寄駅 Cambridge Heath駅より徒歩7分
ウェブ www.lock-7.com

取材:Sayaka Hirakawa

Micycle
会話がはずむ、街の自転車屋さん

Micycle
Cappuccino £2

サイクル・レーンの多いイズリントン地区で、バイク・コミュニティーの中心的存在を目指しているというお店。「コナ」「ビアンキ」「ダホン」など人気のロードバイクや折りたたみ自転車、周辺アクセサリーを扱うほか、パンク修理など簡単なリペアを学ぶコースや、初心者のための自転車交通ルールのクラスを開講している。人気なのは、無料のメンバー・シップに加入すれば誰でもワークショップや洗車場を自由に使えるというサービス。自分で修理さえできれば、ショップのスペースと工具を利用して心ゆくまでメンテナンスに励めるので、ご近所のサイクリストとの交流がてら、愛車の手入れに訪れる人が多いのだとか。ショップ自慢の自転車マーク入りコーヒーを片手に、気軽な会話を楽しめるのもこの店ならではだ。メニューは現在ドリンクのみとなっているが、今後はホームメイド・クロワッサンなど、ペストリーも充実していく予定。

住所 47 Barnsbury Street N1 1TP 地図
TEL 020 7684 0671
オープン 月休 火〜土10:00-17:00 日 12:00-17:00
最寄駅 Highbury & Islington駅より徒歩10分
ウェブ www.micycle.org.uk

取材:Sayaka Hirakawa

Cyclelab & Juice Bar
自転車屋 × フレッシュ・ジュース

Cyclelab & Juice Bar
Mix Berry Shake £3

自転車屋兼ジュース・バーという斬新なコンセプトのこちら。オーナーのクリスさんは、ヨーロッパ選手権で活躍した元プロBMXレーサーだ。そんな彼がチョイスした商品は、自転車好きをうならせる逸品ぞろい。ヘルメットなどのアイテムも、デザイン、機能性ともにつぼを押さえている。ジュース・バーでは、季節の野菜や果物でフレッシュ・ジュースを作ってくれるのはもちろん、アイスクリーム、ミルク、蜂蜜などを加えてオリジナル・ミルク・シェイクにだってしてくれる。合成甘味料を使わずに作られるジュースは、シンプルながら素材の良さが光る優しい味わい。自分好みの組み合わせを探すのも楽しそうだ。平日は午前7時半からオープンしているとあって、通勤用自転車が急に故障した人が駆け込んできたり、常連客が、シリアル、豆乳、ドライ・フルーツが入ったブレックファスト・シェイクを飲みに立ち寄ったりと、朝から大盛況だ。

住所 16b-18a Pitfield St, London, N1 6EY地図
TEL 020 3222 0016
オープン 月〜金 7:30-18:00(木-20:30) 土 10:00-16:00 日 休
最寄駅 Old Street駅より徒歩5分
ウェブ www.cyclelab.co.uk

取材:Yoshihiro Kogure

The Container Cafe at The View Tube
目の前に広がるオリンピック・パークに胸弾む

The Container Cafe at The View Tube
Bacon Baguette with Counter Relish Add on Avocado £4 Flat White £2

オリンピック・パークの建設が着々と進む東ロンドンの、ハックニー・ウィックからベクトンまでを結ぶ遊歩道「グリーン・ウェイ」。サイクリストにも人気のこの歩道を行けば、鮮やかなグリーンの建物が目に飛び込んでくる。それが、多目的複合施設「ザ・ビュー・チューブ」だ。併設の「ザ・コンテナ・カフェ」は、廃材となったコンテナを利用して造られており、こだわりのニュージーランド豆を使ったコーヒーやサンドイッチ、日替わりのスープなど、手軽でおいしいフードをオリンピック・スタジアムを眺めながら楽しめる絶好の場所となっている。施設では自転車レンタルのサービスも実施しており、自分に合った自転車はもちろん、ヘルメット、反射板付きジャケットなどが借りられる。ガイド付きツアーに申し込めば、地域の現在と未来の展望についての理解を深めたり、安全なルートや抜け道を教わったりと、実りの多い一日が過ごせそうだ。

住所 The Greenway, Marshgate Lane E15 2PJ 地図
TEL 07530 274160
オープン 月〜金 9:00-17:00  土・日 10:00-18:00
最寄駅 Pudding Mill Lane駅より徒歩3分
ウェブ www.theviewtube.co.uk

取材:Sayaka Hirakawa

Café St. Germain
通好み!レーシング・チームの休憩所

Café St. Germain
Cappuccino £1.75 Café Latte £1.95

国立競技場で有名なクリスタル・パレス公園の向かい、都心部を見渡せる高台に位置するフレンチ・カフェ。周辺丘陵地帯はロンドンのサイクリング・アクティビティーの中心地として長年親しまれており、週末には「ダリッジ・パラゴン」を始めとするアマチュア・レーシング・チームが、このカフェを拠点に練習を行っている。自転車は店の前に立て掛けて、テラスでコーヒーを飲むのが通なのだとか。コーヒー・メニューの一番人気を争うのは、カフェ・ラテとカプチーノ。カップ・ケーキと一緒に食べれば疲れも吹き飛ぶ満足感だ。それでもお腹が空いているならオムレツをお試しあれ。家ではなかなか真似できないフワッとした食感と、卵ととろけて絡み合うチーズが絶妙。カフェをじっくり楽しみたいのなら、サイクリストで混み合う週末を外すのもいい。平日限定のランチ・ディールは、コーヒーにピザ・サンドが付いて3.95ポンドとお値打ちだ。

住所 16-17 Crystal Palace Parade SE19 1UD 地図
TEL 020 8670 3670
オープン 月〜日 7:30-16:00 土・日 7:30-17:00
最寄駅 Crystal Palace駅より徒歩15分
ウェブ www.cafestgermain.com

取材:Yoshihiro Kogure

Coffee @ Bermondsey Street
自転車ごと入れるスタイリッシュ・カフェ

Coffee @ Bermondsey Street
Banana Frappe £2.90 Best of British Sandwich Toasted with Chips£3.95

カフェやレストランが並ぶ瀟洒な通りを走っていると、ふとお店に立ち寄ってみたくなる人は多いはず。しかし、自転車から目を離すのはちょっと心配という人にはこちらのカフェがお勧めだ。店外に駐輪スペースがあるだけでなく、店内への持ち込みもOKなので、愛車の心配抜きで心置きなくくつろぐことができる。お店自慢のパニーニ風サンドイッチやサラダ、バリスタの淹れるラテはぜひともじっくり味わいたい。テイク・アウェイしやすい蓋付きカップでサイクリストに人気のバナナ・フラッペは、これから暖かくなるにつれて注文が急増するのだとか。確かに、甘さ控えめでさわやかな味は、一汗かいた後のクール・ダウンには持ってこいだろう。ラップトップを持ち込めばWi-Fiネットワークも無料で使えるので、休憩がてらルートの確認などもでき、中継基地としての活躍も見込める。空気入れも常備するなど、痒いところに手の届く配慮がありがたい。

住所 163-167 Bermondsey Street SE1 3UW 地図
TEL 020 7423 1525
オープン 月〜日 7:00-20:00
最寄駅 London Bridge駅より徒歩15分

取材:Yoshihiro Kogure

Fullcity Cycle
メッセンジャー御用達のコーヒー・スポット

Fullcity Cycle
Espresso £1.50

自転車の修理と中古自転車の販売を主な業務としている「フルシティー」だが、業務用のエスプレッソ・マシーンを完備しており、上質なコーヒーを格安で提供していることでも有名。オーナーが淹れるエスプレッソは、深い苦味の中にもどこか優しさが感じられるとは常連客の言。多くのメッセンジャーが、コーヒーと仲間、ときにはメンテナンスを求めて集まる中継基地となっているので、コーヒー片手に立ち話に花を咲かせる彼らに、お勧めのサイクリング・コースを聞いてみるのもいいだろう。一般のサイクリストたちと長距離ライドに出掛ける週末交流会も行っており、土曜または日曜の午前10時に店舗前に集合するそうだ(詳細は、交流サイト、フェイスブックのファン・ページ「ride for your life!!!!」を参照)。長距離に適したロードバイクも扱っている。多少の傷さえ気にしなければ、新品の半額以下で買えてしまうので、まず試乗してみては。

住所 72 Leather Lane EC1N 7TR 地図
TEL 020 7831 7081
オープン 月〜金 9:00-19:00  土・日 休
最寄駅 Chancery Lane駅より徒歩10分

取材:Yoshihiro Kogure

Towpath
運河沿いのアウトドア・テラスと言えば

Towpath
Grilled Cheese Sandwich £6

リージェンツ運河を散歩すれば、つい足を止めたくなるカフェ「トウパス」。 近くに住むフード・ライターのロリ・デュ・モリさんが、運河を愛する人たちが気軽に立ち寄れる場所を、と始めた。運河沿いに立つ倉庫を改装した半アウトドアのスペースに、キッチュなガーデン・チェアが並ぶ小さなかわいらしい空間。営業時間は天候に大きく左右されるが、これからの季節なら、暖かい日差しの中、のんびりと泳ぐ鴨を眺めながら気持ちの良い時間が過ごせるだろう。ランチの定番はグリルド・チーズ・サンドイッチ。素材を生かした英国料理と自家製パンに定評のある、「セント・ジョンズ」から仕入れたパンに、たっぷりのモンゴメリー・チーズ、そしてスプリング・オニオンのアクセントが、シンプルながら贅沢な味わいだ。カフェの右隣は自転車のメンテナンス・ショップになっており、運河を走るサイクリストの御用達として親しまれている。

住所 Regent's Canal Towpath, 42 De Beauvoir Crescent N1 5SB 地図
オープン 月 休 火〜金8:00-日暮れまで  土・日 9:00-日暮れまで
最寄駅 Hoxton駅より徒歩15分

取材:Sayaka Hirakawa

 
  • Facebook

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

Embassy 202403 JRpass

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
ロンドン・レストランガイド
ブログ