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ロンドンのゲストハウス
Tue, 20 August 2019

姿を変え続けるロンドンの「今」を知る オープン・ハウス・ロンドン2009

ロンドンは、どんな建築物でも許容する、底知れぬ包容力を持った街だ。2012年ロンドン・オリンピック開催に向けて、刻一刻とその姿を変え続ける街の現状を知る絶好の機会となるのが、9月19、20日に開催される「オープン・ハウス・ロンドン」。ロンドン内の約700の建築物が一般に公開されるこのイベントで、他のどの時代でもない、2009年という今を生きるロンドンの風景を目に焼き付けておこう。(本誌編集部: 村上 祥子)

オープン・ハウス・ロンドン公式ウェブサイト: www.londonopenhouse.org

エコ建築

ここ数年、環境に留意した、いわゆるエコ建築が増え続けるロンドンで、今注目を集めているのが「エコ + α」の建築物。環境だけでなく、住み心地や経済性、都市としての発展性をも考慮に入れたこれらの建築物を見てみれば、エコの可能性を感じることができるはず。

一つの「都市」として機能するエコ半島
Greenwich Peninsula: Site and Public Art

オープン期間
19日(土)10:00、12:30、15:00に地下鉄North Greenwich駅に集合。(先着順。ツアー時間約2時間。最大催行人数30人)
集合場所
Peninsula Square SE10 0PH

Greenwich Peninsula

O2アリーナがアイコン的な存在となっているグリニッジ半島。現在、大規模な再開発計画が進められており、地域特有の生態系を守り、ロンドン初の低排気ゾーンとして名乗りを上げるなどエコに主眼を置くだけでなく、都市として経済的、文化的にも発展していくことを目指すサスティナブル(持続可能な)デザインを追求している。今回のツアーでは、彫刻家アントニー・ゴームリーの「クアンタム・クラウド」などのパブリック・アートを鑑賞することもできる。

入ってビックリのゆったり空間
Eco House Monmouth Road (Gap House)

オープン期間
19日(土)13:00-17:00
(30分毎に建築家によるツアーあり)
*公式ウェブサイトより要予約
住所
28D Monmouth Road W2 4UT

Eco House Monmouth Road

保存地域内の重要建築物に囲まれたエコ住宅。わずか2メートル50センチという狭い間口ながら、各部屋には自然光が燦々と降り注ぎ、全く閉塞感を覚えさせない。太陽熱発電や雨水利用、地中熱空調などのエコ技術により、建築基準法に沿って建てられた通常の新築住宅と比べ、エネルギー消費量は約3分の1に。様々な制約を軽やかにクリアしたこの住宅は、住宅面積に限りのある大都市における一つのモデル・ケースとなりそうだ。

様々なガラスの表情を楽しむ
85 Swains Lane

オープン期間
19日(土)10:00-17:00(先着順)
住所
85 Swains Lane N6 6PJ

85 Swains Laneビクトリア様式の墓地を眼下に望むガラス張りのモダン住宅。道路に面した壁は花崗岩と半透明のガラス、墓地に面した壁は透明なガラス張りにすることで、プライベートを守りつつ、解放感に満ちた空間をつくり出している。ガラス張りの壁やスライド式のガラス天井から自然光を採り入れ、壁枠にコンクリートを採用することで夏は熱吸収を、冬は放熱を抑える省エネ化を実現している。2009年RIBA(王立英国建築家協会)アワード受賞。

再開発/再生建築

90年代以降、ウォーターフロントを始め、ロンドンの各地域で荒廃地域の再開発事業が進められた。取り残された一部地域も、2012年のオリンピック開催決定を機に、再び日の目を浴びている。ここでは時にゼロから、時に古きものを生かしつつ、ロンドンの街や建物を再生させたケースをご紹介する。

清浄な空気に心安らぐ
Lumen United Reformed Church and Community Ctr

オープン期間
19日(土)10:00-17:00(先着順)
住所
88 Tavistock Place WC1H 9RS

Lumen United Reformed Church and Community Ctr1960年代に建設された合同改革教会の内部を改築、現在では教会であるとともに、コミュニティ・センターとしても機能している。建物内で目を奪われるのが、高さ11メートルの天井に設置された天窓まで伸びる真っ白な柱。「Ray of Light(一筋の光)」の名に相応しい、清廉な存在感を放っている。ロンドン在住アーティスト、ロナ・スミスの手によるカフェの窓からは、リージェント・スクエアを眺めることができる。2009年RIBAアワード受賞。


数年後に感動が生まれる場所
London 2012 Olympic Park

オープン期間
19日(土)、20日(日)8:30-18:00
(最大催行人数 45人。最低年齢8歳)
*電話 0300 2012 550にて要予約
集合場所
The Score Complex, Oliver Road, Leyton E10 5JY

London 2012 Olympic Park

交通網の整備や数々の再開発事業が進むロンドンにあって、そうした変化の渦の中心にあるのがオリンピック・パーク建設地に選ばれた東部のローワー・リー・バレー地区だ。雇用や住宅、犯罪など様々な問題を抱える同地区は、大会後には緑溢れる都市公園に生まれ変わる。今回は、メイン・スタジアムや競輪場などが建設される2.5平方キロの広大な敷地をバスで見学。世紀の祭典の舞台がつくられる様を垣間見られる貴重な機会だ。

「折り紙」の学校!?
The Bridge Academy

オープン期間
19日(土)10:00-15:00
(11:00、13:00に専門家によるツアーあり)
住所
The Score Complex, Oliver Road, Leyton E10 5JY

The Bridge Academy

ロンドン東部ハックニー地区の再開発計画の中心的存在として、重要な位置を占める中等学校。グランド・ユニオン運河に隣接した狭い敷地面積を快適な学習空間に変えるため、デザイナーが応用したのが「折り紙」の構造原理。一つ一つの構成要素が折り重なるように積み上げられ、独特な形状となっている。そうした工夫の賜物で、校内には劇場やスポーツ施設も完備。同地区のコミュニティ・センター的な役割も果たしている。

ブランド・イメージを体現
The Yellow Building

オープン期間
20日(日)10:00-13:00(先着順)
住所
The Yellow Building - Monsoon Accessorize HQ,
1 Nicholas Road W11 4AN

The Yellow Buildingファッション・ブランド、モンスーンの本社ビル「The Yellow Building」は、創始者のピーター・サイモンが寂れたノッティング・ヒル の一エリアを買い取り、建築事務所AHMMとゼロからつくり上げた「ビスポーク」なオフィス・ビル。オフィスに居住スペース、アジアやラテン・アメリカ諸国などのアートを展示するアート・コレクションなど、オフィスという概念を超えた「ブランドの顔」となっている。

お子様連れにお勧め 子供向けイベントの開催スポット

Imperial War Museum

オープン期間
19日(土)、20日(日)13:00-17:00
※ファミリー・ツアーは両日13:00から。
イベントは11:00-16:00
住所
Lambeth Road SE1 6HZ

Imperial War Museum英国の戦争史をたどることのできる帝国戦争博物館の建物が、元々は世界初の精神病院であったことはご存知だろうか。オープン・ハウスでは博物館と建築物の歴史を知ることのできる家族向けツアーや、お絵描きイベントが開催される。

Trinity Buoy Wharf / Container City

オープン期間
19日(土)、20日(日)11:00-17:00
(ツアーは12:00、14:00。先着順)
※イベントは11:00-16:00
住所
64 Orchard Place Leamouth E14 0JW

Trinity Buoy Wharf / Container City輸送用のコンテナを積み上げてつくられたアート・スタジオ「Trinity Buoy Wharf / Container City」では、自分だけの小型模型をつくるイベントに参加することが可能。カラフルでユニークなスタジオ内ならば、想像力も掻き立てられるはず。

Architectives Treasure Hunt

テムズ河沿いの様々な場所で開催される宝探しイベント。パスポートと地図をもらっ たら、「建築探偵」になってロンドンの建築物の秘密を探りに繰り出そう。詳細はopenhouse.org.uk/kidscornerをチェック。

建築物だけじゃない 戸外のウォーキング・ツアー

Northala Fields: A Recycled New Park

オープン期間
19日(土)11:00-13:00 *要予約。
電話 020 7467 1470、またはEメー ル
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください にて
集合場所
the Northala Fields car park off A40,
Kensington Road UB5 6UR

Northala Fieldsウェンブリー・スタジアムなどの大型建造物建設の際に発生した「ごみ」を有効利用しつくられた「リサイクル・パーク」。幹線道路に程近いにもかかわらず、静かな雰囲気に満ちたこの公園を、同園のデザイン・チームのメンバーとともに歩いてみよう。

Big Changes in Paddington and Heatherwick’s Rolling Bridge

オープン期間
20日(日)13:00 *要予約。
9月18日までに電話 020 3145 1200、
または Eメール このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
またはウェブサイトwww.inpaddington.comにて
住所
outside Hilton London Metropole,
225 Edgware Road W2 1JU

Big Changes in Paddington  and Heatherwick’s Rolling Bridge

再開発地域として大変身を遂げたパディントン地区を周るツアーでは、パディントン・ベイスンを始めとするオフィス・エリアはもちろん、気鋭のアーティスト、トーマス・ヘザーウィック作の自動巻き上げ橋「Rolling Bridge」が動く様を見学することも可能。

London Night Hike

オープン期間
9月18日(金)
参加費
1人£42.50(4~6人の場合は全員で£160)
*要予約。電話 0845 602 6427、またはウェブサイト
www.maggiescentres.org/nighthikeにて

がん患者のためのケア・ハウス、Maggie’s Centreとオープン・ハウスが共催する恒例の夜のチャリティー・ウォーキング。City Hallを出発、Channel4やHorse Guards などを周ってMaggie’s Centreまでの約32キロを一晩かけて踏破する。

建築物から紐解くロンドンの歴史

「定番」とは、ありふれたことを意味しない。その時代、時代の最先端の技術やアイデアを結集しつくられた「最新」が、受け入れられ、支持されて初めてそれが定番となるのである。どれほど街の景色が変わろうとも、ロンドンをロンドンたらしめるもの、それがいまやロンドン建築の定番として人々に愛される建物の数々だ。それぞれの建築物が内包する時代の息吹を感じることで、ロンドンという街がたどってきた歴史を紐解くのも、面白いかもしれない。

国の機能を支える歴史的建造物

英国の政治、経済、そして司法を支える建築物は、それぞれの役割の重みを支えるがごとく、いずれも威風堂々たる風格を漂わせている。ロンドンの金融街、シティ。この中心部には、英国のみならず、世界の経済全体に大きな影響を及ぼす中央銀行、Bank of Englandがある。現在の地に移転したのは1734年のこと。当時、ヨーロッパ各国で見られた新古典主義に則った建物は、古代ギリシャやローマの面影を残す威厳を湛えている。

シティからやや西寄り、弁護士事務所など司法関連の施設が多いテンプル地区の象徴とも言えるのが、司法の中枢、Royal Courts of Justice。国会議事堂やタワー・ブリッジなどと同様に18世紀後半から英国で興ったゴシック建築復興運動の流れで生まれたこの裁判所は、内部に展示されている裁判官のかつらやガウンとともに、そこだけ時が止まったかのような感覚を見る者に与える。

チャリング・クロス駅から程近い、テムズ河そばに位置するForeign & Commonwealth OfficeはグレードⅠの重要建築物に指定されたビクトリア様式のオフィス。元はインド省だったという建物内部のインテリアは、宮殿と見紛うばかりの豪奢さで、当時の英印関係の重要性がうかがえる。

Bank of EnglandBank of England



オープン期間
19日(土)、20日(日)9:30-16:00
住所
Threadneedle Street EC2R 8AH

Royal Courts of JusticeRoyal Courts of Justice



オープン期間
19日(土)10:00-16:00
住所
Strand WC2A 2LL

Foreign & Commonwealth OfficeForeign & Commonwealth Office



オープン期間
19日(土)、20日(日)10:00-17:00
住所
King Charles Street SW1A 2AH

日々生まれ続ける新たな定番

定番となるのは、歴史的建築物に限らない。現代という時代を象徴する新たな定番もまた、日々生まれ続けている。いまやロンドンの街のあちらこちらに見られるようになったハイテク建築、その代名詞とも言えるのが、有名建築家リチャード・ロジャース卿の手による Lloyd’s of London。くすんだ色合いのシティの街並みを切り裂くように伸びる鉄骨とガラスの集合体は、ロンドンの建築史に新たな1ページを付け加えた偉大な存在だ。

テムズ河沿いには、カタツムリのようなフォルムが何とも言えぬ愛嬌を醸し出すCity Hallが。先述のロジャース卿とともにロンドンの現代建築家の両雄として知られるノーマン・フォスター卿作のこの建物、総ガラス張りになっているのは、市政に携わる者たちは透明性を持つべきとの思いが込められているのだとか。

現在、シティ・オブ・ロンドンで最も高い建築物と言えば、183メートルの高さを誇るTower42(旧ナットウェスト・タワー)。1980年から10年にわたり英国一高い建築物として名を馳せたが、90年にカナリー・ワーフに建造されたワン・カナダ・スクエアにその称号を奪われた。ロンドンでは現在も、複数の高層ビルが建設中である。今から数年後、ロンドンの空を彩る風景は、果たしてどうなっているのだろうか。

Lloyd’s of LondonLloyd’s of London



オープン期間
19日(土)10:00-17:00(先着順)
住所
One Lime Street EC3M 7HA

Tower42Tower42



オープン期間
19日(土)10:00-15:00
(ツアー時間 10:00、11:30、13:00、14:30)
*公式ウェブサイトより要予約
住所
25 Old Broad Street EC2N 1HQ

City HallCity Hall



オープン期間
19日(土)、20日(日)9:00-18:00
*19、20日の10:00-13:00は子供向けのイベントCity of 1000 Architectsを実施
住所
The Queen's Walk, More London SE1 2AA

*見学人数に限りがある場合、本号発行時点で申込が締め切られている可能性があります。ご了承ください。

 
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