宮崎百合子さんインタビュー次の目標は世界のトップ100入り
2020年にコラム「人生の三角波」に登場したとき、テニス・プレーヤーの宮崎百合子(リリー)さんはその前年プロに転向したばかりだった。当時ウィンブルドン選手権出場を目標としていたリリーさんに、2022年のウィンブルドン予選出場権を勝ち取るまでや、次に目指すことなどについて語っていただいた。
英国選手として出場する宮崎百合子選手
Yuriko Lily Miyazaki
プロ・テニス選手。1995年東京生まれ。身長168センチ。右利き。幼い時にスイスに移住、そこでテニスに目覚める。東京、ロンドンなどに滞在後、テニス奨学金プログラムにて米オクラホマ大学へ留学。2019年に同大学の大学院を卒業後プロに転向。今年2月WTA リヨンにてシングルス予選を突破し本戦デビュー。WTAシングルス最高199位(2022年3月7日付)、ダブルス最高227位(2022年5月9日付)。趣味は読書、音楽鑑賞、ピアノ、ゴルフ。
2020年の時点で、リリーさんは「ウィンブルドン予選は世界ランキング200位以内じゃないと出られないので、2年以内にこの目標にたどり着きたい」と目標を設定されていました。このたびその宣言通り初出場が決定しました。おめでとうございます。コロナ禍もあり大変だったと思いますが、この2年間の活動について教えていただけますか。
ロックダウン中は3カ月間コートでの練習ができず、Zoomでトレーナーの指導を受けながら、自宅でフィットネスだけ続けていました。その後も試合数が限られていた上、英国からの入国を規制していた国が多かったため、各国のルールに従っての遠征でとても気を使いました。例えば、英国からの入国を認めなかったフランスの試合に出るために、エジプトで2週間試合をこなしてからフランスに向かうなど、あの手この手でルートを模索しました。
ワクチンは遠征先の米国で接種し、PCR検査も数え切れないほど受けました。今年1月の全豪オープン予選が初めてのグランドスラム*でしたが、出国前検査で陽性反応が出てしまい、出発が遅れて練習できないまま試合にのぞみ、力を発揮できなかったという苦い経験もしました。コロナ禍により、世の中の全ての状況を受け入れてベストな対応をすることは、試合中の精神力にも通じると学びました。
日本国籍のまま英国の選手として出場されると聞きました。そのことについてお話いただけますか。
LTA(英国テニス協会)からは、ジュニアのころから英国籍になることを勧められていましたが、日本では重国籍を認められないことからちゅうちょしていました。今回LTAは日本の法律を考慮し、国籍は変えずにテニスに限り英国所属にするという特例をITF(世界テニス協会)に申請し、それが認可されたというわけです。これにより、英国選手としてLTAからのサポートを受け、プロフェッショナルな環境でのトレーニングが可能となったので、とても感謝しています。英国人コーチやプレーヤー仲間も温かく迎えてくれて、うれしく思っています。
ウィンブルドン予選への意気込みを教えてください。
ウィンブルドン出場は子どものころからの夢なので、本戦に近付けるように頑張ります。
ウィンブルドン出場の夢は叶えましたが、次の目標は何でしょうか。
グランドスラム本戦入りを目標に、世界のトップ100を目指します。
最後に、英国在住の日本人読者に向けてメッセージをお願いいたします。
英国所属としてプレーする道を選択しましたが、このチャンスを最大限に生かしてさらに努力を続けることが、日本の皆さまへの誠意であると思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
The Championships, Wimbledon(ウィンブルドン選手権)
2024年7月1日(月)~7月14日(日)
£20~275 チケットはオンラインで販売中
The All England Lawn Tennis Club
Church Road, Wimbledon, London SW19 5AE
Tel: 020 8971 2473
Southfields駅
www.wimbledon.com