40
週に一度はヴィーガンに
以前、1月の行事「ドライ・ジャニュアリー」についてご紹介しましたが、実は1月にはもう一つ大きなムーブメントがあります。それが「ヴィガニュアリィー」です。これは、ヴィーガン(Vegan)と1月(January)を掛け合わせた造語で、1月の間はヴィーガン生活を送るというもの。2014年に始まったキャンペーンで、同年は3300人だったのが、今年はなんと62万9000人が参加したといいます。
その盛り上がりを証明するかのように、ここ数年、スーパーの棚にはヴィーガン食品のコーナーが設置され、それもどんどん面積が大きくなっているのに気付きます。またヴィーガン料理のレシピ本も選ぶのに迷うほどたくさん出版されています。
もともと英国にはベジタリアンの人が少なくないとはいえ、私が英国に住み始めた18年前は、ベジタリアン食品はあってもヴィーガンに限定したものは、ほとんど見たことはありませんでした。ヴィーガニズムとは「動物から搾取したり、動物を虐待することを可能な限り、実行可能な範囲で排除しようとする哲学および生き方」。食に関していうと、卵や乳製品も食べないという選択です。ある意味べジタリアンよりもストイックな生き方ともいえますが、YouGovの調査によれば、英国の成人のうち36パーセントが、植物由来の食事をすることは素晴らしいことだと考えているという結果が出ているそうです。ヴィーガンを選ぶ理由は人それぞれですが、最も多いものとしては、動物の権利(アニマル・ライツ)を守るためだといわれます。確かに、友人の16歳になるお嬢さんも、テレビのドキュメンタリー番組で食用にされる動物たちのひどい扱われ方を見てヴィーガンになったと言っていました。興味深いのは、子どもがヴィーガンを選択したことで、両親である友人たちも、週に何度かはヴィーガン料理を食べるようになったことです。「子どもほど厳密に毎日ヴィーガン食にしているわけではないけれど、レディー・ミールにもおいしいものがあるし、メニューの幅が広がってうれしい」とは友人の弁。
わが家でも、ときどき植物由来のメニューを取り入れるようにしています。先日のパンケーキ・デーには初めて「パンケーキ・ミックス」を買ったのですが、子どもたちと相談してプラント・ベースのものを購入。卵もミルクも使われていないパンケーキでしたが、家族全員が「おいしい」と太鼓判を押してくれました。
調べてみると、最近の英国では、ヴィーガンの食事をメインに、動物性の食品もたまに取り入れるという「フレキシリアン」という考え方が広まっているそうです。英国在住の皆さんはヴィーガン・フード、取り入れていらっしゃいますか?