ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Sat, 05 October 2024

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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英国人はバービーがお好き

英国人はバービーがお好き

新型コロナウイルスの影響で、3月24日からロックダウンとなった英国。散歩やエクササイズのために外出は許可されていたものの、基本的には家に閉じこもる生活が続きました。でも、幸いなことにほぼ毎日、お日さまが照りつける良い天気が続きました。そのせいか、毎日ご近所のどこからか、バーベキューの煙ととともに、 炭の上に肉汁が滴った匂いが……。

「バービー」などと呼ばれることもあるバーベキュー。そんな愛称(?)で呼ぶほど、英国人はバーベキューが大好きです。それが証拠に1997年からは「ナショナル・バーベキュー・ウィーク」なるものまで開催されています。

ナショナル・バーベキュー・ウィークのサイトによれば、ロックダウン中は例年以上に多くの家庭でバーベキューが行われ、今や英国では4軒のうち3軒がバーベキュー用のグリルを所有しているのだとか!

私が英国人のバーベキュー愛に驚き、感動したのは、渡英後ホームステイをしていたときのことです。「マミ、今日はバーベキューするから、一緒に食べる?」と、ランドレディーのRが誘ってくれました。2人の子どもたちは当時小学生。曜日は覚えていませんが、その日はいわゆるウィークデー。翌日も学校に行く日です。でも、その日はお天気がいいからというだけの理由で、夕飯をバーベキューにするというのです。

英国に来る1年前まで東京で雑誌編集者をしていた私は、毎日終電まで仕事をして帰るのが当たり前。夕飯は会社の近くで外食か、帰り道のコンビニでパンや出来合いのお弁当を買う、という生活でした。そんな暮らしを十数年続けていた私にとって、普段の日の夕食が、お日さまの下で家族そろって食べるバーベキューというのは、それだけで大変な驚きでした。

英国の夏は、夜9時ごろになっても子どもたちが庭でサッカーをできるほど明るいまま。そして、定時に仕事を終えるのが当たり前の暮らしをしているので(もちろん例外はありますが)「ウィークデーに自宅の庭でバーベキュー」が可能なのです。


ステーキや串焼き風のケバブの場合もありますが、英国バーベキューの定番といえば、ソーセージとバーガー。ある調査によれば、ロックダウン中、5月17日までの4週間でバーガー51.6%増、ソーセージ47.4%増という大幅な成長率を記録し、合計で4000万ポンドの売上増が記録されたそうです。

もちろん、我が家でも「ウィークデー・バーベキュー」をしています。英国の気候は変わりやすく、週末にお日さまが照るかどうかだなんて誰にも分かりません。だからこそ、晴れた日はいつだってバーベキュー日和なのです。

 


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。音声メディアVoicyパーソナリティー。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
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過去のコラム:英国の口福を探して
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