サイモン・カウェルの後継として番組「Xファクター」の審査員頭となっている、かつて少年、今中年グループ「テイク・ザット」のゲイリー・バーロウ(40)。サイモンそっくりに「ミスター・ナスティ(イヤミ男)」を演じる筋合いはないが、大方の番組ファンは、「歯切れが悪い」「面白みがない」と感じているのではなかろうか。
昨年の総選挙で俳優マイケル・ケインや、サッカー、エリクソン監督の元カノであるイタリア人弁護士、ナンシー・デロリオらとともに保守党支持を表明。学校で「Xファクター」式タレント発掘コンテストを開催するという同党党首デービッド・キャメロンの意見に賛同し、グランド・ピアノの前で固く握手を交わすツーショットが、当時野党だった保守党の格好の宣伝材料になっていた。
15年前の脱退後、早速出したソロ1発目「フォーエバー・ラブ」がシングル・チャート1位を獲得。続くデビュー・アルバムもトップとなって、バンドのサウンド・クリエーターとしての沽券(こけん)を保ったのもつかの間、同じくソロ・デビューしていたロビー・ウィリアムズにヒットを連発されて、すっかりお株を取られてしまったゲイリー。相当悔しかったであろうことは想像に難くない。だが、音楽生命を賭けた一か八かの「テイク・ザット」再結成が大当たりし、シーソーのように、ロビーの人気が下降、オレたちの船に乗れとばかりに、バンド加入に手を差し伸べた。自身も一度、下界を経験した身だけあって、勝利感もひとしおだっただろう。
目だけは決して笑わない生真面目さや、決意の固さは、あの奥目とそれと同じ幅の真一文字の口、油断するとすぐ太りそうな低身長によく表われている。「食えないヤツ」と評するのは酷過ぎる!?