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Fri, 22 November 2024

木村正人の英国ニュースの行間を読め!

スアレス選手の握手拒否


The TimesThe Times
汚されたのはスアレスの名誉

He sought to dishonour Evra, but dishonoured himself

スアレスは確かに謝罪した。しかし、そもそも謝罪せねばならない事態を引き起こしたこと自体が問題だ。スアレスを支援するリバプールのファンが存在することが、問題の本質を表している。人種差別の問題に取り組むことができないならば、せめてスポーツの精神に則ることが彼らスポーツ選手の義務であるはずだ。自分だけは他者に敬意など払わなくて良いと勘違いをしたスアレスはいかにも醜悪である。彼は、エブラの名誉を汚そうとした結果、結局は自身の顔に泥を塗った。(2月13日)


The GuardianThe guardian
対抗心よりも優先すべきものがある

Sometimes football is much more than just a game

対戦するクラブ同士が対抗心をむき出しにすればするほど、サッカーの試合は盛り上がる。ライバル意識に欠けた対戦なんて、何の面白みもない。サッカーが清く正しく美しいスポーツとなってしまったらその魅力が消えてしまうであろうことは、我々は既に十分過ぎるくらいに知っている。しかし、より広範な影響を与え得る社会問題が発生している最中は別の話だ。そのときは、個々のクラブの対抗心を奨励するよりも、国家としての価値観を守ることの方が優先されるべきである。(2月13日)


The IndependentThe Independent
「たかが握手」が意味するものとは

What’s in a handshake? A lot

たかが握手に何の意味がある、と訝る声があるかも知れない。だが、因縁の相手同士である名門クラブの所属選手が交わす握手が拒否されたのであれば、意味するものは大きい。しかもスアレスに握手を拒否されたエブラは、そのスアレスから人種差別的な発言を受けた被害者なのだから尚更だ。たかが小競り合いをここまで詳しく報じる必要はない、との見方もあるだろう。だが、サッカーが英国の国民的スポーツであり、選手の行動が社会的意義を持ち続ける限り、その必要はある。(2月13日)

 

木村正人氏木村正人(きむら・まさと)
在英国際ジャーナリスト。大阪府警キャップなど産経新聞で16年間、事件記者。元ロンドン支局長。元慶応大法科大学院非常勤講師(憲法)。2002~03年米コロンビア大東アジア研究所客員研究員。著書に「EU崩壊」「見えない世界戦争」。
ブログ: 木村正人のロンドンでつぶやいたろう
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