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Wed, 04 December 2024

今すぐ英国を撮りに行こう
英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第23回 夜の風景を美しく切り取る
〜ストロボ機能を操作する(1)

今回は、夜景の撮影に挑戦してみましょう。

写真1と3は、プログラム(カメラが露出やシャッター・スピードを自動的に判断する機能)で撮影しています。どちらの場合も、カメラが「暗い」と判断し、ストロボを発光して足りない光を補おうとしています。

写真1では、遥か遠くにある被写体にストロボの光が届かず、全体的にとても暗い写真になっています。写真3では、手前の塀と木の枝のみが明るく照らされ、背後にある肝心のロンドン・アイはよく見えません。

一方、写真2と4では「発光禁止モード」にしてストロボを焚かないようにしました。ストロボの光がない分、カメラは、シャッター・スピードを遅くすることで足りない光を補おうとします。この場合、写真上の光のむらは防げますが、注意しなければならないのが「手ブレ」です。日が落ちて完全に暗くなってからの撮影は、いくら感度を上げてもシャッター・スピードが遅くなることから(本コラム19回目参照)、手ブレが起こりやすくなります。美しい「夜景写真」には三脚が必須アイテムだと言えるでしょう。

三脚を使う際にも気を付けたいことがあります。シャッターを押す際に指からカメラが受ける衝撃で、写真がぶれて写ってしまうことがあります。しかしこれは、カメラ本体に触れずにシャッターを切ることができる「レリーズ」(カメラに接続して使う、ケーブル状になったシャッター・ボタン)や、シャッターを押してから数秒後に写真が写る「セルフ・タイマー」を使うことで防げます。

夜間に撮った写真は、それが全く同じ風景でも、日中とはまた異なる雰囲気に仕上がります。寒さが厳しくなる前に、様々な夜景撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。


(写真1)
プログラム撮影(f4.0/シャッター・スピード1/60秒、
ストロボ発光:あり)
Embankment駅からテムズ河対岸に向かう歩道橋より
ビッグ・ベンを臨む。建物の輪郭どころか被写体が
何なのかも分からない


(写真2)
(f5.6半/シャッター・スピード8秒、ストロボ発光:なし)
後方の建物がはっきり写り込んできた


(写真3)
プログラム撮影(写真1と同じデータ)
ロンドン・アイをテムズ河対岸より臨む。手前の塀や木はストロボで
明るく照らされているが、ロンドン・アイはよく見えない


(写真4)
(f4.0/シャッター・スピード2秒、ストロボ発光:なし)
ロンドン・アイのディテールが確認でき、光り輝いている雰囲気が出た


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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