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Wed, 04 December 2024

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第10回 仕上がりのバリエーションを豊かに
~黄金比を応用する

自分が撮った写真を見比べ、カメラと被写体の距離感や構図のとり方などを具体的に分析することは、撮影時の「くせ」を見つけることに繋がります。過去に撮影したものから最近のものまでを並べて見てみると、自分の撮影スタイルが見えてきませんか。どんな被写体に惹かれて、どんな風に構えてシャッターを切っていることが多いでしょうか。例えば水平のものを撮影しているのに、できあがりがいつも右上がりに写っているとすれば、それはカメラを構えた際に、知らず知らずに左手を右手より少し高くしてしまっているせいでしょう。

今回は、気に留めておくと便利な「構図のとり方」についてお話しします。

被写体を画面のほぼ真ん中に配置する「日の丸構図」は、ピントを合わせてそのままシャッターが切れる手軽さから、つい多用してしまいがちな構図です。でも、被写体が同じだとどれも似たような写真になりがち。そこで、人が美しいと感じる最も安定した比率(1:1.618)とされ、古代ギリシア時代から様々な場面で用いられてきた、「黄金比」を応用してみましょう。フレームを黄金比に近い比率(1:2など)で割ったライン上に被写体の中心を配置したり、背景と被写体がフレームを占める割合の比率が1:2になったりするように、構図を定めてみてください。できあがりの写真に奥行きが出たり、全体のバランスが良くなったりするのが分かると思います。

黄金分割比率図
多くのデジタル・カメラには、このような格子線を液晶モニターに表示する機能がついている。黄金比は正確には「1:1.618」だが、図のようにフレームを縦横共に3分割し、単純に「1:2」としてみよう


フレームを2:1で割ったライン上に被写体を置いた例


中央に被写体を置く「日の丸構図」ばかりだと、仕上がりに変化が出ない


被写体を中心より少しずらし、 背景との割合が2:1になるようにした例


「構図」と「カメラを構える位置」に変化をつけることで、写真の「見せ方」のバリエーションも増えてくる


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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